『ミックス。』
本年度劇場鑑賞作品vol.100&108
(日本映画鑑賞作品vol.32&36)
監督【石川淳一】
【新垣結衣】
【瑛太】
【広末涼子】
【瀬戸康文】
【永野芽郁】
【佐野勇斗】
【田中美佐子】
【遠藤憲一】他
昨年の秋ドラマが社会現象となり、2ヶ月後には主題歌を歌って踊った主演の星野源くんが紅白初出場。『逃げるが恥だが役に立つ』の【新垣結衣】さん再ブレークの勢いそのままに、今作の興行的スマッシュは決まった。安定した人気の女優が爆発した。
卓球を舞台にしたスポ根再生ドラマ。
泣き虫愛ちゃん(福原愛選手)を連想させるトレーニング中の幼女から始まる。
卓球と言ったら昭和世代はイコール「泣き虫愛ちゃん」だと思う。
鬼コーチの母親役には【真木よう子】様が演じています。精神的な部分が心配されますがスクリーンを通してですがお元気そうで良かったです。
そんなスパルタの成果は結果として出ますが、優勝までは届かないことが多々。
表彰台には登るも、真ん中(センター)ではない。
卓球界では有望なジュニア選手だけど、毎回2位や3位。「辞めたい・辛い」と泣く。上には上がいて、努力では埋められないのが才能(能力)だろう。子供の頃から順位がつけられる世界にいるのは酷だなぁとも思った。
そんな幼女は、少女となる学生時代に早すぎる母親の死去を経験しますが、そこでスパッと卓球を辞める。棺桶に卓球道具を乱暴に入れる、コメディですが恨みの描写にも視えました。
我が子にここまで卓球熱を注いだのだから、ちょっと寂しい辞め方かなとも思った展開です。
その後、高校時代は田舎(舞台地設定・神奈川県)のガングロ・コギャルになって、落ち着いて、大手企業に就職してオフィスレディーという紹介を店舗よく済ませたのち、本編の現在軸が始まります。
ある時、運命の再会。会社の卓球部にスター選手が入部してくる。それは幼い頃の憧れのスター選手で初恋の男の子。
実力のあるスポーツ選手たるものジュニア時代に顔を合わせているものだとは思いますけど、互いに初対面を装う。主人公は意識しながらも過去を話さずに、なんやかんやでお付き合いに発展(^ ^)仲のいいカップル模様が映される。
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この映画は卓球の映画なので、状況の自己紹介はテンポよく終わる。
そして主人公は、渡された合鍵を使って彼氏の家に行き、浮気現場を目撃。このヘビーな状況にヤサグレて→傷心、実家に帰省。(現場を目撃した後、どういう状態になったのかは気になるところです。)
二日酔いのまま乗った帰省の電車の中では【瑛太】君演じる、のちの卓球パートナーにゲロゲロゲロ。
このゲロゲロゲロのシーンは、韓国映画の『猟奇的な彼女』の出会いのシーンを思い出しました。チョン・ジヒョンは口からゲロリましたが、「ガッキーがゲロを吐く!」・・・そんなシーンは勿論ありません(笑)こうして二人は臭い仲になりました。
この最初の出会いのシーンで、瑛太君演じるハギワラは、寝ている女子高生の席の前に座り、ニヤニヤしながらジロジロ見ていて、正義感から止めようとする主人公。
この様子は明らかに不審者に視えました。後々この時の行動の理由などが説明されますが、見る感じスカートの中を覗く変質者にしか観えなかったななぁ(^◇^;)
実家に戻った主人公は(父親役は【小日向文世】さん)金銭的な事情などもあって、母親が経営していた卓球クラブに顔を出すことになる。これで卓球に復帰。
そこで幼馴染の【広末涼子】さんと再会し、彼女のペースで「色々と出戻り」ます。
母親の経営する卓球クラブ。父親はただのタクシードライバー。現在の運営はどう引き継いだのだろう?
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この作品の出来は日本映画らしくて素晴らしい。そして今の時代に合わせたコミカルさ(女優の顔面崩れの表情や白目など)も存分に演出している。
その中で苦言を呈しますと、「卓球が好きだ!!」という愛が新垣結衣さんを通しては伝わりません。この点は卓球素人からスタートしたガッキーだそうなので、演じる劇中の主人公の様に、普通の選手の様な長い年月をかけた「生き方」には変わらないのでしょう。ガッキーに関しては功労的な見方です。
この映画で良かったのは2つ。
まずはこのお映画の感覚・気分を通して、丁度いい人数設定なのが良かったです。
部員数が一桁という「潰れかけの卓球クラブ」が皮肉にも功を奏し、登場人物が少ないので、各キャラクターに焦点を当てることができて、ドラマ要素がタップリに、後半は感動に繋がりました。
(月謝はいくらなんだろう?)
これが、部員が10人とか20人いたなら、全員のエピソードを尺の中で紹介できませんからね。作り手側も紹介しよういう判断自体しないと思います。あってもメイン以外(役付俳優以外)はエキストラにするのかな。
6人だからスムーズに繋げられる。人が良さそうな農家の夫婦は一葉賢明です、登校拒否の男子高生、医者と玉の輿結婚した元ヤンキー、訳ありの土木作業員、そして恋人に浮気され実家に帰ってきた主人公。計6名、正確には夫婦は1つなので5描写。
共通して心から笑えていない現在の状況を持ち、覇気のない人生を送っている人の集まりです。だから「頑張れ!」って応援したくなるし、人によっては共感する。日本映画特有の表現描写は温かいものです。
もう1つは、劇中の至る所に登場するゲスト俳優の方々が好演しているので、観ていて楽しい気分にさせてくれた事。こんなに楽しさが出せる出方の映画はあまりないと思います。
試合や練習相手で戦う選手だったり、オリンピックで注目された現役の卓球選手が相手役や実名ゲスト(パーティーシーン)で出ていたり、これだけ強いキャラクターを出すと普通は違和感になると思うのですが、映画的に「アリ」になっています。この映画の魅力の1つでしょう。
【鈴木福】君とかは「えなりかずきさん感」が出てきましたね。
同じく子役出身の【谷花音】さんは山村紅葉さんに見えました。
あ💡劇中に卓球クラブが贔屓にする中華料理店があるのですが、そこは激辛麻婆豆腐が名物で、それ以外の物を食してはいないです。円卓を囲んで同じ釜の飯を食べる咀嚼シーンは、クックドゥーのCMみたいに美味しく食べているのが印象に残りました。
意外なキャスティングの華を飾るのは【蒼井優】が口の悪いカタコトの中国人役で全編に登場している事、これも面白かったですね。『東京喰人』では人喰いの悪役(グール)だったし、こういうコメディ起用もOKになっていくんだね。使い勝手が良くなってきた中堅の演技派女優。
田舎町の中華料理店。接客態度や言葉使いの悪い中国人。
最初は嫌な感じでしたけど、最後は来店したくなりました。
蒼井優もそうですし、私の世代で超ド級のスーパースターだった【広末涼子】さんが、世代交代の年齢でもないのに旬女優の二番手で出演しているのが私的には少々寂しいです。再び主演女優としての地位を再建してほしい!
観て良かったと思える日本映画です。
脚本 13点
演技 15点
構成 14点
展開 13点
完成度14点
〔69〕点
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『斉木楠雄のΨ難』
本年度劇場鑑賞作品vol.102&109
(日本映画鑑賞作品vol.33&37)
監督【福田雄一】
【山崎賢人】
【橋本環奈】
【新井浩文】
【吉沢悠】
【賀来賢人】
【ムロツヨシ】
【内田有紀】
【田辺誠一】他
はい、面白い( ͡° ͜ʖ ͡°)
原作が少年ジャンプで連載が始まった時も当時は毎週読んでいたし、最近までテレビ東京で放送していたアニメ版も観ていました。アニメ&今作の映画は、オリジナリティがなくてベースが漫画なんですよね。一寸の狂いがないセリフとか描写も実写化しているのが嬉しい。
ボケとツッコミと客観的な意見、その3構造の視点からなるSFギャグ漫画は、兎に角テンポが早くて言葉数も多いけれど、その言葉のチョイスが面白い。
主人公の斉木楠雄が声を出して喋るなら、こういう感じなのかと納得も出来ましたし、序盤こそ【山崎賢人】さんの棒読みのツッコミに笑えませんでしたが、中盤以降は受け入れまくり。シュールなネタが流行してきた傾向の日本で、傑作のギャグ映画。
異常なペースで出演作品が公開され続ける山崎賢人さんは、脱アイドル俳優に傾向を変えていますが、同じくジャンプ漫画の実写化『ジョジョの奇妙な冒険』が失敗に終わった事で正直なところ株(旬)を下げているとは思います。しかし『陸王』はいいし何より健気な表情がいいです。私は好きな若手俳優かな。
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自分としては、この映画は飽きが来ないので、ずっと観てられる。続編を希望んぬ。
あとは提案として、今度は笑いに厳しい関西版を作って欲しいかな。
例えばNHKの朝ドラ『わろてんか』は、関東の人からかなり不評でしょ。だけど関西の人からは割と高評価だそうです。そう考えたら今作は関西受けするのかな?
忠実に再現されていましたから、漫画やアニメ同様、よく笑いましたし、本当に面白かったです。
とまぁ、個人的に満足したので、明るい気分で記憶辿りを行いましたが、
完全に初見の方には、普通の映画の1.5倍速ある展開とテンポの速さについていけるか?が、この映画を楽しく観れるかの鍵でしょう。コメディは即座に理解して変換できるかが笑いに繋がると思うので、観客の個人差で笑顔にも無表情にもなるでしょう
。
【橋本環奈】さんの嗄れたハスキーハイトーンボイス。神が彼女に与えた唯一の欠点が「割れた声」かなと私は思っていましたが、さすが武器になってきました。花の穴の形が丸いが気になりましたが、下アングルから女優の鼻の穴を観せるように・・日本映画はなったんですね。色々と時代は変わってきた。
脚本 16点
演技 14点
構成 13点
展開 13点
完成度13点
〔69〕点
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『氷菓』
本年度劇場鑑賞作品vol.104
(日本映画鑑賞作品vol.34)
監督【安里麻里】
【山崎賢人】
【広瀬アリス】
【岡山天音】
【小島藤子】
【本郷奏多】
【斉藤由貴】他
ベストセラーの学園ミステリー小説の映像化。出来はいいが湾曲的で酔いやすいし癖が強い。
(1ヶ月前に公開した映画だが、上映終了は早かった( ´△`))
後半に勢いをつけ纏まりを見せるが、それまでの加速具合がスロー。
前半の入り口から、無気力な性格なのに決め台詞がある主人公に対する温度差や間の使い方が退屈に感じて、少々の飽きが来た。
主演に【山崎賢人】さん。公開つきが重なり鑑賞順でも2作品続けての鑑賞だったから、新鮮味はないけど、ある程度の役者分析は出来ているつもり。もうそろそろ学園物の役も見納めになってくるかな。文系や理系、体育会系も出来る万能の山崎賢人さんの適応能力は凄いなぁ。映画俳優で行くと思ったら、今後はドラマ俳優でお茶の間に名前を広めるらしい。これはちょっと私的にはマイナスな見方。
冒頭、外国で流浪の旅をする年の離れた姉から「母校の古典部に入部せよ」と指令される。特に自分が無く、(最近よくある主人公設定)これからの高校生活も諦めていて無気力な主人公だったが、姉の一方的な押しにより古典部へ入部する。
このお姉さん。映画では声のみの出演だったので、もし続編が作られるのなら、どんな紹介で、どの女優が演じるのだろう??と興味があります。あくまで続編が作られるのなら、、、になりますけどね。
部員は少なく、というか成立しているんだ(^◇^;)と思ってしまうほどで、先輩もおらず同級生の4人で活動することになる。
当初から、主人公と【広瀬アリス】さん演じるヒロインの推理劇かと思いきや、主人公の友人2人も仲間に加わり中盤以降4人グループに。同じ中学出身という事と、人気小説の映像化ということで、原作では色々と設定があるんだろうなと想像する。つまり設定が簡素系。
さてタイトルにもなる「氷菓」。アイスのことですね。
学園紛争が起こった60年代に、同じ文芸部の先輩たちの手によって文集化された意味深なネーミングの本が「氷菓」です。
背景的に都会の高校ではないので、その当時の面影も探せば残っていて、主人公たちはそこから想像していきます。その経緯を追えば追うほど謎めいてくる。その謎解きに夢中になって、それぞれの推理を発表して行く。
これはどうだろう?ありえるな。じゃあこれはどう?もしかしたらそうかも。こんな感じ。どの推理も映像で再現するので真実味があります。
思えば『アナザー』の橋本愛もそうだった。俳優をプロマイドみたいに美しく映し、何箇所かドキッとさせるカメラアングルこそあるが、終わってみると全体としての作品の評価は低い。推理劇や俳優の空気感があるけれど、深みがない。
安里監督らしい映像美学は独特の世界観があるので、その世界が好きな人には興味深いのだろう。色の信者はハマりやすい。
例えば、ブラックコーヒーを頼んだのに、お湯で薄めたアメリカンコーヒーが出された感じ。「店員さん、これ注文間違えていませんか?」間と気まずさを感じて「あ、じゃあいいです、それ飲みます。」妥協はしたい。
今の時代に電子機器を頼らずに、自分たちの手によって枝分かれした過去の真相を手繰って行く様子は、まさに若人の青春の全てに感じる。そしてミステリーらしく残酷さも兼ね備えている。
映画が描いている脚本は面白いと痛快さを覚えるが、それを表現する作り手・演じ手の錯綜さを感じる。これといった決定打もなく、人に薦める文句もこれと言って思いつかない。絶賛すれば嘘になるから、正直に書く、いまいち。
個人的には広瀬姉妹なら姉アリスさんの方に期待していますが、今作は一生懸命さが取り柄の女優さんになっているので、演技的な見せ場も欲しかったです。演技のタイプ的に似ているので今後は土屋太鳳さんみたいな役柄を演じてほしい。
脚本 15点
演技 13点
構成 14点
展開 12点
完成度13点
〔67〕点
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『ラストレシピ』
本年度劇場鑑賞作品vol.106
(日本映画鑑賞作品vol.35)
監督【滝田洋二郎】
【嵐・二宮和也】
【綾野剛】
【西島秀俊】
【宮崎あおい】
【兼松若人】↔︎【笈田ヨシ】
【西畑大吾】↔︎【伊川東吾】
【大地康雄】
【竹野内豊】他
一度でいいから食べてみたーい!!
「大日本帝国食菜全席」という名のフルコース。
いんや、無理無理無理無理。貴方も私も、たとえ上流階級になっても食べられない!
どんな味でも再現してしまう絶対味覚の能力、通称「麒麟の舌」を持つ主人公。料理漫画みたいな話だけど、実際に探せばこういう超人はいるんでしょうね。
主人公は平成の現代(現在)、その能力を使って、「1依頼100万円」で料理を作ります。一寸の狂いもなく完璧な再現ですから、依頼手にとっては相当な需要があります。
冒頭は、病床の夫が妻との思い出のオムライスを食し、涙の咀嚼で心からのサンキューベリーマッチ。
主人公は性格に難あり。腕は確かだけど、愛想はなく仏頂面。親友はいるけど基本一匹狼。
よく提唱されます「料理は心」という家庭的な言葉をどこかで思っている私がいるので、こんなに無表情で提供された場合、そこに心が籠っていなければどんな料理でも・・と思って序盤は観ていました。
でもまぁ、さておき、顧客が喜んでいるので、善ある良きことをしているのでしょ。
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絶対味覚を持つ主人公にとって、それ以外の料理人は「どうして再現できないんだ」とストレスになって終始イライラモード。上下関係も信頼関係も作れずに、自分の店も閉店。同等レベルの理解者がいない。
閉店ゆえに多額の借金を発生したことで、現在この再現料理稼業をしている。ということです。よく思いつきましたね。「思い出の料理を提供します」的な、商才。(テレビ番組に出たらいいのに)
そんな主人公は幼少期に片親の母親を亡くし施設で育ったという境遇を持ちますが、高校時に同じ施設で兄弟同然に育った相棒と共に脱走し、やがて自分の店を持つまで成り上がるのです。すごいハングリー精神ですね。(若くして自分の店を持ったのだから、出資者っていないのかなぁ?)
唯一の理解者は、【綾野剛】君演じるこの時に脱走した相棒と、抜け出しても気にかけていた施設の園長。冒頭にその園長先生のお葬式があります。しかし主人公は後ろめたさもあり、過去をよく思っていない、だから参列せず。どんなに気まずくても葬式には行けよ・・そう思ってしまいますね。
ここまでが冒頭に紹介され映画は始まっていきます。
多額の借金を抱える主人公は、とにかく「金のため」に腕をふるっている日々。
借金の額がいくらなのかは分かりませんが、おそらく50回くらいかな、この仕事をしていけば返済できるでしょう。浪費家でもないですし。こういう情報や設定も紹介してほしい。
そんなある時、中国から使者が現れ、チャイナに連れて行かれ、中華料理界のボス的な人物に戦中の日本軍の料理人が作ったとされる「大日本帝国食菜全席」の再現を依頼される。
興味深い話と、高額な依頼金に食いついた主人公は、日本に帰国後、情報も何もない中でスタートする。当時の関係者たちを自らの足で出向いていき、記憶巡りをし行くのです。そしてそれが心の旅に繋がって行くのです。話はこれまでにしましょう。
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全体的によく出来た映画でした。その中でも一番最初に「何がよかったのか」を伝えるのなら、主役の脇を固める俳優陣の演技質が高い!!
【西島秀俊】さん、【綾野剛】くん、【竹野内豊】さん、そして安定して【宮崎あおい】等。他の脇役の方々も本当に甲乙つけがたく素晴らしいです。
特徴として上記の4名は主役俳優として活躍されているし、名脇役のいないキャスティングに、この映画を観る前は「(主役ばかりで)個性強すぎじゃないかな?」なんて予想をしていた。けれどその見事予想は外れた!
特に【西島秀俊】さん。本当に素晴らしかったです。
西島秀俊さんという俳優は、どの作品でも常にハァハァと息(母音)を切らして一生懸命に演じるので、個人的には「落ち着きのない演技をされる男優」と視ているのですね。ドラマ『流星ワゴン』の時なんて、ずっと息切れしたようなセリフの言い回しでしたもん。
ですが今作の演技や佇まいのオーラと言ったらかなりの域に達していて、惚れ惚れしました。そして何より、中国語や他国語を喋り演技なさる。中国語の発音って相当難しい筈。さすが役作りにかける熱意が日本の男優の中でもトップクラスの御人だ。今回は役作りの先に行った西島さんを充ました。
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レシピ探しのため、戦後に隠蔽された日本戦記の謎を解いて行く、相手は戦中戦後の日本軍で、しかも舞台は日本が支配していた満州国(現・中国)だ。データーが残っている可能性は低い。ならばと当時の戦争経験者から情報を集める。
戦争を知らない私達の世代は、経験をした年配の方、またその遺族から聞く。
『永遠の0』で三浦春馬が行なった方式(展開)だけど、私自身、今後も老人ホームに来訪するなどし、この年代の方々がご存命のうちに沢山聞いておきたいと思っています。
混乱の満州国と、実際には敗戦色があったであろう大日本帝国の焦燥ぶりを表すように、複雑に絡めた謎解き紐解き。やがてレシピの共に作っていた当時の元助手のコックと出会い、当時の料理が映像(劇中の再現)で蘇ります。
映画の進行は、現在の現代と、戦中の満州編。満州編の方が熱はこもっています。
中盤以降は、いよいよ謎解きの逆算作業に入っていきます。
気分的に中盤以降グルングルンと目まぐるしく紐解かれるネタあかしの様子は、回りくどさを感じましたが、根底に描かれているモノに日本の美学を感じ、終演後は温かい気持ちになりました。
指摘をするなら、やはり主役の【二宮和也】さんになります。
二宮君の不貞腐れたような態度だったり、目線を下に口角を上げる表情はもう何作品も視てきましたから、俳優として表情のヴァリエーションやスキルを、もう一ギア上げて頂きたいですね。
主人公と同じ能力を持つ料理人役の西島秀俊さんの役作りや佇まいが素晴らし過ぎたので、かなり演者の質に差が生じているように視えました。主人公の料理人としての身の振り方をもう少し上手に役作りで表現できたのなら、この映画はもっと素晴らしい作品になったと思います。
味の再現は役者や絵面を通して映像でも伝わりますが、それを熟すには、料理人としての技術や基礎や経験が勿論あると思いますので、その手捌きも視たかったかな。
戦争・戦記映画にジャニーズ事務所の俳優さんを起用する一番のメリットは、興行の集客は勿論ですが、女性の方が多くこの映画を観ることです。NJ俳優が主演なら集客も期待できなかったでしょうし、出来が良くても全国公開にもなりづらい。ましてや戦争が背景にある映画なんて、言ってしまえば女性はキャスト次第でしょ。
私個人は先ほども名前を出した三浦春馬がこの役を演じた例えばの場合、この映画は世代を問わずに大ヒットしたと思います。まぁ春馬は西島さんタイプの男優なので、クッション性のある相手役の俳優がキャスティングには必要ですけど・・・。
マイナスもあって西島秀俊さんと二宮和也さんとでは身長差がありすぎるので、どう考えても別物に思えてしまう事。ファンの方失礼致しますm(__)m
これは失礼ながらネットに上がっていた画像を拝借いたしますが、日本アカデミー賞の一コマです。
仮に演技力があるとしても、ちょっと配役は主役じゃないかなと正直思います。
これまでたくさんの方々を語ってきましたので、キャスティングとチラシだけである程度の作品は予想がつきます。今作は、上に書いた通り、主役ばかりが脇を固めるので個性強めじゃないの?と予想。蓋を開けてみなければ分かりませんが、とても美味しい映画でした。最後の二宮さんの笑顔は素敵、主人公、いい料理人になってくださいネ。
点数は日本映画の上位となるAをつけます。
満州編の映像は劇中に本当に感動しましたし、悲しくもあり、楽しそでもあると感情移入ができたし、満州国の中国人の気持ちを伝えるセリフもあり勉強になりました。若い男性にもオススメしたい作品です。
脚本 14点
演技 15点
構成 14点
展開 13点
完成度14点
〔70〕点
お疲れ様でした。
お読みいただき有難うございます。
素敵な映画に出会ってくださいね。
【mAb】