日本映画
『羊とオオカミの恋と殺人』
監督🎬
【朝倉加葉子】
出演者
【杉野遥亮】【福原遥】
【江野沢愛美】【江口のりこ】
本編⏰[103]分
公開日[11月29日]
自分の「鑑賞条件」の一番である「TOHOシネマズ系列のシネコンで公開」されていた本作。他のシネコンだったら間違いなく観なかった作品なので、これも縁だと考えます。
キュートな声質が特徴の女優【福原遥】さんを銀幕で視てみたいと思ってはいました。ほんわかな喋り方なのに強気な表情をするギャップがいいんですよね。
初めましての女流監督。
ジャンルは殺人鬼スリラードラマ。もっとホラー感を出してもいいように思いますが、ほとんど表れていないように感じました。作風や描写のわりに緊迫感が出せていないのが、この作品のマイナスポイントかな。
一応のジャンルがチラシに「ラブコメ」と表記されていますが、笑える技量が少ないので、この記事ではラブスリラーにします。
フリも弱くオチも浅い。
描いている描写は過激なのにリズム感がないことで、凪のような鑑賞時間となり長く感じてしまった約2時間。
観やすさはありますが、鑑賞する人の気持ちを考えて、気分の高揚がもう少しあったらもっといい作品になったでしょうね。
無気力のニートが一人暮らししているアパートで首吊り自殺を図ります。それが失敗し、その衝動で壁に穴が開き、隣の部屋が筒抜けに。覗いてみると美しい女子大生が住んでいることが判ります。青年は覗き穴で隣人の生活を観察する日々を過ごし、いつしか生きる楽しみになっていきます。しかしある夜、隣人が連れ込んだ男性に覗き穴を通し嫉妬していると、女性はその男の頚動脈を刃物で切りつけ一瞬で殺害したのです。
何かの嘘だ。青年はパニックになりますが、それ以後、隣人の女性と知り合い、ご飯を作ってもらったり恋人関係になっていきます。彼女の正体も劇中では早々に紹介されています。若き最強の殺し屋で、依頼を受けると仕事は早い。そして殺害すると外出する。彼女が家に戻る頃には死体回収屋が「何もなかったように」部屋を掃除しておきます。まるでCIAの処理のようです。
カッター1つで首をシュパッパッ!!まるでジョニー・デップの『スウィーニー・トッド』。
そんな危険な彼女と交際することになった青年ですが、普通に現場に同行したりしますので、一度でも死のうとした人間の吹っ切れ方って凄いなと思いました。
犯罪者のみを抹殺していくので無意味な殺生はしてこなかった彼女でしたが、青年と交際することになり、口では「殺しちゃうよ」と言っていても強い情が芽生えていきます。
青年が同じアパートの住人(←ターゲット)である悪人の妹(←健康的な善人)と仲良くしているのを見て、殺そうとする描写は普通に「やめて!!」と鑑賞中に思ってしまいました(゚o゚;;)
あ💡個人的な目線ですけど、鑑賞中に少々混乱したのが、その青年に恋する妹役の女優【江野沢愛美】さん。non-noモデルですけど、女優としては全くの初見だった江野沢愛美さんという方が、欅坂46のフロント【小林由依】さんに視えて、鑑賞中は「違うよね。でもそうかも。でも声質違うじゃん。でもそうかも」と頭の中で独り言。かなり気色悪い独り言。
それでエンドロールで「あっやっぱり違うよね」と思ったくらい私の中では似ていました。画像などで見ると違いが分かるのですが、私の中で藤田ニコルさんを見ていても小林由依さんに見える時があるから・・どれだけ坂道グループに関連付けるんだよと自分に苦笑しました。
(話の筋道それてないΣ(・□・;)??)
新鋭の監督作品に【江口のりこ】さん[39]が出演されると、自分としてはそれだけでミニシアター系の日本映画に思えてくるんですよね。ちなみに江口さんが演じるのは、殺し屋の主人公が殺った遺体を処理する裏稼業の清掃屋。
どことなくアメリカ映画で描くCIAの処理班を彷彿とさせるキャラクター。ニュースにならないのは、彼女たちの組織が「何事もなかった状態」に掃除工作するからなんですけど・・都市伝説的には実際にもありそうですね。
青年役を演じる【杉野遥亮】さんにも期待したのですが、ちょっとリアクションが大きすぎることで、演技が嘘っぽく視えてしまいました。演出なのでしょうけど、隣の部屋の住人を覗く際に「声が大きすぎて」観てるこっちが「声が大きい」と注意したくなるから、気が散ります(^◇^;)
相手は殺人鬼ですし、大前提に覗きをしているので、覗くならもっと静かで冷静な演技プランにして欲しかったです。
今は世代交代で20代の新しい風がドラマ・映画に吹いております。世代交代は10年に1度くらいのペースで起こります。学園ドラマや若手メンバー主体の作品が多くなったらその合図です。数年前までは特にそういう動きがなかったですよね。
約10年前は小栗旬や山田孝之らが台頭し、当時の30代の主役俳優と交代しました。既に女優は30代を境に世代交代となっていますね。男優は年をとって味が出るので、そういう意味では息が長いですが、今後は『3年A組』などの学園ドラマなどに出演していた俳優が世代交代を起こすはず。この映画で主演していた杉野遥亮にも伸びしろを期待しております。
上映終了になるまでのスピードは速かった作品になりますが、主人公とヒロインの恋はゆっくり進んで欲しいものです。
いい意味で、自宅のテレビでポテトチップスでも食べながらリラックスした体勢で鑑賞できる手頃な映画だと思います。
脚本 〔14〕点
演技 〔13〕点
構成 〔13〕点
展開 〔14〕点
完成度〔14〕点
[68]点
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『THE INFORMER』
監督🎬
【アンドレア・デイ・ステファノ】
出演者
【ジョエル・キナマン】
【ロザムンド・バイク】
【クライヴ・オーウェン】
【コモン】【アナ・デ・アルマス】
公開日
[11月29日]
本編
[113分]
基本はカタカナ表記だが、日本で英字タイトルのまま公開される作品は、生々しくクールな映画の確率が高い。
特徴的な洋画のポスターを見ればわかると思うが、2つの翼(組織)に分かれている。
右か左か、どちらの「ガワ」に付くかと迫られるが、翼は両方なければ・・・飛べない。
脚本 [14]点
演技 [14]点
構成 [13]点
展開 [14]点
完成度[14]点
TOTAL[69]点
_____
日本映画
『屍人荘の殺人』
監督🎬
【木村ひさし】
出演者
【神木隆之介】【浜辺美波】
【中村倫也】【古川雄輝】【葉山奨之】【矢本悠馬】【佐久間由衣】【山田杏奈】【池田鉄洋】【柄本時生】【ふせえり】【ドランクドラゴン:塚地武雅】
公開日
[12月13日]
本編
[119分]
原作の小説は読んでいないので、まっさらな気持ちで鑑賞する。予告編から「名作誕生」などと言う製作陣の自信満々なキャッチコピーがあったので、謎解きアクション映画という新ジャンルに自分自身も期待し、結果、その強気の売り文句を買って良かったと思わせてくれたのでオールOK。
体感的には少々ウダウダ長く、後半は飽きが来たが、全体的のクオリティは高い。
ゾンビたちの演技は日本の演出らしく「あー」とか「うー」など唸っているだけだったが、日本は「ゾンビの国」ではないからこれでいいと割り切って鑑賞していた。昔、役所広司さんの『キツツキと雨』という映画で、作品の中でゾンビ映画を撮っていたが、その時のゾンビと基本は同じ。日本人が撮り・日本人が演じるゾンビは、行き着く演技がほぼほぼ同じになるのだろう。
同じ大学に通う推理オタクの男子生徒2名と警察の捜査にも協力する天才女子大生の3人が、大学サークルの夏キャンプに招待される。このサマーキャンプは、金持ち学生の別荘屍人荘で行われる恒例行事だが、昨年は参加した女子大生が失踪。主催者は女好きで女性の参加者にセクハラなどやりたい放題。
初日。近くで開催されている夏の野外フェスで突然ゾンビ化した人間が人を襲い繁殖を始める。命からがら屍人荘に戻ったメンバーだったが、内部感染し1人また1人と毒されていく。
ヒロインの【浜辺美波】さん[19]は10代ナンバー1女優として、現在、演技力・器用さが求められる作品に引っ張りだこ。「真面目にふざける」という演技スタイルも面白い。先日の『しくじり先生』で白目剥いて授業中(収録中)に居眠りした天然映像がそのままオンエアされたが、それを見て大物だと思った(笑)
お会いすると普通の若い女優さんという印象しかないが、相当映像映えする顔立ちなのか、銀幕で観ると輝いてしか見えない。女優としては華奢すぎると感じるので、『君の膵臓を食べたい』の時のような良い意味でイモっぽい素朴さが懐かしくなる。
個人的に残念で仕方ないのは【中村倫也】さん[33]の存在感。いまいちパッとしない。
ドヤ顔の表情が川越シェフのようで、原作は読んでないのでイメージが湧いてこないがキャスティングに疑問を持つ。その生じた理由を説明します。
原作は大学3回生らしいが俳優の年齢に合わせ、大学を留年し「7回生」に設定を変更したとのこと。
なので若い世代の俳優に混ざって大学生役を演じていると老けて見える。大学生活7年目って、単純に勉三さんじゃんΣ(・□・;)その中でも最もダメ出ししたいのが「後ろ姿」。基本、この映画は役者を下アングルから映しているので、背もあまり高くないから衣装のズボンがピチピチに映って画面と合っていないように私には視えました。
主演の【神木隆之介】[26]もヒロインの浜辺美波も、役者としては非常に「タイプ」が近いです。
セリフを言う時も、次のセリフを頭に思い浮かべながら口が動いているので、よく口が回るし、上を向いて喋る。その都度に状況に応じて表情を変える器用さがある。なので何の違和感もなく映像映えの相性がいい。演技質が近いので、兄妹役などでもハマるのではないか。
それに対して中村倫也さんは、どちらかと言うと下向きに表情を作り感情的な役作りをされる方なので、上記の2人とタイプが違う。例えるなら、お正月に集まった「兄妹と親戚のお兄さん」と言った感じがするので見る分に違和感が生じた。
中村倫也さんと同型の俳優だったら、新田真剣佑さんだったり、今作にも出演している矢本悠馬さんを明智役に起用した方が、面白みの質が向上したのではないか?と勝手に想像しています。
乃木坂46主演の映画『あさひなぐ』で出てきたという印象が強いですが、最近の妙にカッコつけたり色気付いた演技・演技プランよりも、あの映画の時のようにハツラツとして少々おバカな役柄の方が、中村さんには合っていると思うんですよね。今回はバツ、次回作に期待です。
脇を固める出演陣は
この言葉が適しているかは観た人の判断に任せるが、可もなく不可もなしというキャスティングか。
半数以上がゾンビ化して、その時点で俳優の見せ場は終了するが、おそらく「この人だから映画が良くなった」と結果論で思える存在感のある方は特にいない。個人的には池田鉄洋さんの演技が昔から好きなので、いい「縁の下の力持ち」具合を楽しんだ。
私が大学生の頃(2002年頃)。東京の名門私立大学に通う数校の生徒が、サークル活動と題し、女子大生を酔わせたり薬漬けにして強姦するという悪質卑劣な乱交サークルの実態が世に暴かれ大問題になりました。被害にあった女子大生は100人以上いるとされます。
当時の私はこのニュースに腸が煮えくり返るほど怒りと憤りを覚えました。
この映画を見ていて、その時のニュースと重なり、その時の感情を思い出したので、正直あまり気分のいいものではありませんね。
演じた俳優も人間が腐ったような悪い顔してるや←(俳優としては合格点)
推理映画になるのかな?と思って見ていくと、ゾンビが出て来て、繁殖するために人間を襲いにかかる。
結末(エンドロール入り前)は消化不良感が否めないが、映像のクオリティは高いしスタイリッシュでもある。意識高い系の映画。大満足!とはならないが満足な気分を味わえた。
脚本 [14]点
演技 [14]点
構成 [13]点
展開 [13]点
完成度[14]点
TOTAL[68]点
『ジュマンジ2:ネクスト・レベル』
監督🎬
【ジェイク・カスダン】
出演者
【アレックス・ウルフ】【マディソン・アイズマン】【サーダリウス・ブレイン】【モーガン・ターナー】/【ドゥエイン・ジョンソン】【ケヴィン・ハート】【カレン・ギラン】【ジャック・ブラック】
公開日
[12月13日]
本編
[123分]
前回に比べると格段に「迫力が増している」。しかし「迫力」と「派手さ」は映画を語る上での意味合いとしては違う。
続編となる今作品では、ゲームの世界観は変わらないが登場人物が追加され、なぜだか同じゲームの世界がバージョンアップしている。機械が意思を持ちアップロードでもしたのか?。
ハリウッドの花形ジャンルであるアクションでスーパースターとして君臨する主演の【ドウェイン・ジョンソン】はいつも通りの演者。こうした「筋肉コメディ」の役柄を演じることも多いので、芸の幅が大きいなと普通に尊敬します。
前回最高のキャラクターだった博士役の【ジャック・ブラック】が目立たない。それが残念でした。
なぜなら私は彼の大ファンだからです。
元々の『ジュマンジ』はmAbの神様である故【ロビン・ウイリアムズ】が主演の作品でした。リメークとなった前作品。ジャック・ブラックの立ち位置はロビンのコメディアン要素を継いだ演技派。
ロビンのようにドラマを演じることが少なく、ジャック・ブラックは態度で下ネタを表現するタイプなのでコメディアンのイメージが強い。ロビン・ウィリアムズのオゲレツ版といったところ(笑)ファンである自分には前作が最高だったぶん、もっと神がかって欲しかったですね。
前作(前回)あれだけ大冒険を行い命からがらゲームコンプリートした主人公が、現実社会に戻ると「こんなはずじゃない」未来を進んでいる。ゲームの中では大冒険で大活躍したが、リアル世界では気弱なオタク系大学生のまま。
壊したはずのジュマンジのゲーム機だったが実は壊してなかった。そして1人でゲームの世界へ入る主人公。まさに現実逃避。
ゲームの世界に入ると完全制覇するまで現実社会には戻ってこれない。ゲームの中で死ぬと現実でも死ぬ。同窓会で集まったメンバーは主人公がいないことで自宅訪問。彼がジュマンジの世界に入ったことを知ると、救出するために再びジュマンジの中へと入り込む。そして大冒険が始まる。
新しい設定がジュマンジのゲームの世界で継ぎ足されている感が強いけど、もし3が製作されるなら原点回帰して欲しいな。
古いゲーム機のゲームソフトでここまでの世界観があるのなら、現代のゲームだったらどんなことになるのか?
今度は日本を代表する格闘ゲーム『ストリートファイター』のソフトに入って欲しい。もしくは『スーパーマリオメーカー』のようにゲームの世界に入った主人公が自分でカスタマイズして突破する脚本にした方が若者に受けるのではないかなと思いました。
脚本 [13]点
演技 [15]点
構成 [14]点
展開 [13]点
完成度[14]点
TOTAL[69]点
Frozen2
『アナと雪の女王2』
監督🎬
【クリス・バック】
【ジェニファー・リー】
公開日
[12月20日]
本編
[142分]
公開前・公開後。日本版の声優を務める【神田沙也加】さんに離婚報道が出されました。
さらにジャニーズ事務所所属のJr(後に解雇)との不倫スキャンダルも同時期、報道されました。
最もスキャンダルを嫌うディズニー。子供に夢を与える存在ですので、離婚に不倫は最悪ですね。
彼女が数年後の続編「frozen3」に続投するかは不明だが、無事に公開されて良かったと思います。
・・・ちなみに初回も今回も「字幕版」のみを劇場鑑賞しているので、吹き替え版は1度も見ていないんですけれどね(^◇^;)
前作公開以降の社会現象は記憶に新しいです。どこに行っても「レディゴー」が街の音楽で流れていましたし、運動会で、何かの発表会で、コンサート会場で、テレビをつけても「ありの〜ままの〜」が聞こえてきました。
私自身が前作を映画館で観てアナ雪を気に入ったから良かったものの、映画を観ていない人の身になって考えてみると、ちょっと怖いぐらいエンドレスリピートしてましたね。
話は脱線しますが「子供を中心に社会現象」になった『パプリカ』がレコード大賞を受賞したのだから、この時期同じ現象になった『Let It Go』と『妖怪体操』はどうして大賞にならなかったのだろうと疑問に思います。
話を戻します。
今回はアクションもあり背景も壮大・脚本やセリフも手が込んでいましたので、鑑賞中は小さいお子様に理解ができるのかな?と気にはなりました。
『劇場版ドラえもん』も近年は大人向けに話の内容やセリフが作られていますし「子供向け」というアニメの考えは古いのかもしれませんね。「大人も子供も楽しめる」というよりは「大人が楽しめる」作品に仕上がっていると思います。
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The Rise of skywalker
『スター・ウォーズ:エピソード9』
監督🎬
【J・J・エイブラムス】
出演者
【デイジー・リドリー】
【アダム・ドライバー】【ジョン・ボイエガ】
【オスカー・アイザック】【マーク・ハミル】
【ビリー・ディー・ウイリアムズ】【キャシー・フィッシャー】他
公開日
[12月20日]
本編
[142分]
採点を付けようとは考えることもなく、ただただ大好きなスターウォーズを堪能した。
しかし本作の評価は過去9作品の中でもワーストに入るとアメリカの映画批評サイトが出していた。
日本は「壁に耳あり障子に目あり」で映画を酷評することは出来ませんから、こうして海外の素直な評価を見るのは時として興味深い。
女性(レイ)が主人公になってからの2作目(8)・そして3作目(9)はコケている印象が残念ながらある。
ヒットメーカーのJ・J・エイブラムス作品も絶賛と思える作品が近年なくなっている感覚。
やはりシリーズなので、好きな人が好きな映画を観る、という形でいいだろう。
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今回は本作を「MX4Dシアター」で鑑賞した。椅子が揺れたり水飛沫や空気が観客を直撃する。
以前からスターウォーズが公開されたら4D上映で鑑賞しようと決めていたのだけど、正直な感想、作品と椅子の動きが連動していないからガタガタ落ち着かないし、無意味な場面で椅子が揺れるから不必要にも思えた。
これがアメリカやヨーロッパだったら、鑑賞中に椅子が動けばアトラクション感覚で客が声を上げるだろうから、楽しみ方も違うと思う。映画を観終わった後の興奮した様子が眼に浮かぶ。
日本は椅子が動いても空気がかかっても水がかかっても無言。劇中、何度か確認したが多くの観客がノーリアクションだった。
そう考えるとシュールで鑑賞マナーを守る鑑賞人種だなぁ(笑)
鑑賞料金は4D座席の追加料金が別途かかり、おまけに「3D上映」の追加料金400円も追加され、映画2本分くらいの料金を支払った。
公開2週目の夕方。師走の年末に鑑賞。映画館は老若男女大変な賑わいでした。
しかし、ほとんどのシネコンで混雑していた本作品も、現金なもので追加料金のかかる4D上映は観客が半分くらいしかいなかった。そりゃそうか1作品の鑑賞料金で3000円以上かかるとなれば通常版を鑑賞しますよね。経験上、鑑賞料金に追加料金がかかる劇場(ペアシートやプレミアムシート)は基本的に空いています。
一つのシリーズの終わり。ハリポタもロードも、その度に「一つのシリーズの終わり」を味わってきました。さよならもいいものです。
何年後になるか分かりませんが、エピソード10が公開される頃には、もっと科学が進化して・・・自分の最終的な理想形を語ると、ディズニーシーの「タワー・オブ・テラー」が最も理想的で、こういうSF系の映画を映画館で観るときは、椅子だけで真上に登ったり真下に落下するような感覚になりたいです。場内が明るくなると何人かが失神・失禁しているようなクオリティで(笑)・・失礼しました。
採点不能。
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『男はつらいよ おかえり寅さん』
監督🎬
【山田洋次】
出演者
【吉岡秀隆】【後藤久美子】
【賠償美智子】【前田吟】【池脇千鶴】【桜田ひより】【夏木マリ】【浅丘ルリ子】他
公開日
[12月27日]
本編
[116分]
書くのは無理。作品や作風に対する愛が深いので、書くと「愛が重く」なります。
劇場で鑑賞しても面白いでしょうし、ご家庭でお煎餅をかじりながら鑑賞するのもなお良しです。
映画を観終わった後に、シアターから出口に向かう際に老夫婦の会話が聞こえてきました。
「満男を演じた俳優、シワだらけだったな」「そうねぇ」。正直それは私も気になっていました。
全然作品とは関係ないんですけど、吉岡秀隆さんの目のギャロギョロした動きってスリラージャンルに向いていると思うんですけどね。今回は【後藤久美子】さんが出演し、寅さんシリーズでも晩期のキャラクターとなりますが、子供の頃にテレビで見ていたお姉さん・お兄さん俳優なので懐かしかったです。
あ💡この機会に書いておきたい女優が1人。
満男の一人娘を演じる【桜田ひより】さん[17]が、mAbの今一番の一押し女優です。
(佐藤蛾次郎さんの存在感、最高!)
彼女が別の芸名で活動していた子役の頃から注目しています。日本のエルファー(【エル・ファーニング】)だと思っています。今回、私が大好きな寅さんに・山田洋次作品に・出演していて本当に嬉しかったです。お祖母ちゃんに甘える様子も可愛らしくて、すれていない所がなお良し。日本風で純粋な少女の役柄が多いですが、第二の杉咲花!!間もなく主役級の女優さんになる器です。
最後に。
山田洋次監督を心の底から尊敬しています。
1993年。
私が小学生低学年の頃に、父親に連れられて、初めてアニメ以外の映画を映画館で観たのが監督の『学校』でした。
その時に鑑賞した浅草にあった松竹の映画館は時代の波に飲まれ閉館してしまいましたが、近くを通るたびに思い出します。
いつまでもお元気で、変わらぬ温かさで、人情ドラマを発表し続けて欲しいです。
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原題『Extremely Wicked,shockingly Evil and Vile』
『テッド・バンディ』
監督🎬
【マイケル・エングラー】
出演者
【ザック・エフロン】
【リリー・コリンズ】
【カヤ・スコデラリオ】【ジョン・マルコヴィッチ】
公開日
[12月20日]
本編
[109分]
全米の劇場では公開されずに、Netflixのみのネット配信で視聴された作品だそうです。
映画館での劇場公開は日本のみとのこと。
この作品とは関係はありませんが、
世界中にサイコパスとされる殺人鬼がいるように思われますが、犯人の多くがアメリカ合衆国に集中しているとのことで、殺人鬼の国別数はアメリカがダントツです。ちなみに一番多いのはワシントンD.C.とのことです。
今作品の主人公【テッド・バンディ】は1946年に生まれ1989年に電気椅子で処刑された人物です。
殺人容疑で逮捕された後に自分の弁護を自分で行った人物としても有名であり、甘いマスクに殺人鬼でありながら女性のファンが多かったという非常に稀な犯罪者でした。
過去に映画化もされたので、その時にテッド・バンディのことを知りました。日本では無名の殺人鬼でしょうけど、こうして映画のタイトルが人名になると知名度も上がると思います。
この映画はテッド・バンディが、接触した女性の中で唯一「殺さなかった女」とされるエリザベスの視点を元に当時のエピソードを映画化したようで、エリザベス目線とバンディ目線で描かれています。
彼が犯行を行ったクロであることはWikipediaや雑誌などから情報を仕入れられますが、この映画を観ていると、時々「本当に彼がやったのかな?」とクロ前提で鑑賞しているのに分からなくなる時間が自分にやって来たんですよね。
作品がそういう(擁護的な)描き方をしていることもあるのでしょうけど、若い女性を狙い、約30名の命を奪った殺人鬼の映画としては、ショッキング&グロテスクなシーンもないので非常に観やすく、映画として楽しめる出来に仕上がっていました。
先ほど、タイトルが人名になると知名度も上がる、と思いを書きましたが、『テッド・バンディ』は邦題であり、アメリカでの原題タイトルは『Extremely Wicked, shockingly Evil and Vile』です。
これは実際に死刑宣告を受けた時に読まれた判決文の一部の言葉で、訳は「極めて邪悪、衝撃的で凶悪で卑劣」となります。
この作品は私としては非常にオススメの秀作に思えます。
一番は【ザック・エフロン】[32]の演者としての存在感が素晴らしく、アイドル俳優と呼ばれた映画スターの面影は今作にはなかったです。一昨年の『グレイテスト・ショーマン』での好演で演技派としてのキャリアが花開いてきた俳優。
相手役の【リリー・コリンズ】[30]は、2012年『白雪姫と鏡の女王』でブレイクした太い眉毛が特徴的な女優さん。
今作の役はシングルマザー役。冒頭バーでバンディと知り合うのですが、乳飲み子の我が子を置いて酒場で男と知り合う様子を観ていて、少し嫌悪感を抱きました。
朝起きると子供がいない。慌てて探すと、キッチンでバンディが子供をあやしながら料理をしている。
彼女は彼の優しさに触れ「幸福感」を覚える。そのシーンのリリー・コリンズの表情の変化が素晴らしかったです。
そして最後に。もう1人気になる役者が出演しています。
バンディは逮捕後も何度も脱獄しては何とかして彼女にコンタクトを取ろうとしますが、彼女も彼への愛はあるけれど、心労で精神的にまいってしまいます。そんな時期に知り合うのが会社の小太りな同僚ジェリー。
・・・この瞳、見覚えがあるな。映画を鑑賞中に、思わず「あっ!」と声を上げてしまいました。
天才子役【ハーレイ・ジョエル・オスメント】君です。
『シックスセンス』そしてスピルバーグの大作『A.I.』の主演。当時は彼の作品が好きで映画館に足を運びましたよ(^ ^)
アメリカの人気子役はカルキンがいい例で成長期に入ると表舞台から消えることが多いですが、ハーレイ君も18歳の時に飲酒運転で逮捕、マリファナ所持などが報道されています。
久しぶりに銀幕で観て、率直に思ったのは、とにかく瞳が優しい。ヘンテコな言い方ですけど、アメリカの太っちょ俳優に、こんなに泣きそうな瞳をしている俳優はいませんよ。バンディに愛し愛され心労のシングルマザーのことが好きで、ゆっくり時間をかけて彼女にアピールしていく役。適任でした。
2019年の大晦日。この作品を私の1年のシメの映画に選んで鑑賞しました。
アメリカの中でも最も稀なシリアルキラー。殺人鬼テッド・バンディ。
この幸せな家族の様子のどこに、殺人鬼のシグナルがあるのでしょうか?
素晴らしいドラマ映画でした。
脚本 [14]点
演技 [17]点
構成 [15]点
展開 [13]点
完成度[14]点
TOTAL[73]点
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昨年下半期の劇場公開作・鑑賞作品はほぼ記事で書きましたが、もう1作品あります。
最初はこの記事の中で書こうと書き始めました。
そして5000文字くらい書いたところで、「他の作品の文字数がなくなるから」と手が止まり、次の記事で別書きしようと判断して複製して移しました。それだけ熱くなってしまった作品と出会いました。季節は冬なのにホットホット。
最低1万文字。さらに文章を足しますが下地はできているので、あまり間隔を空けずに(今週中には)記事を更新できると思います。
【mAb】