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THE映画評論『きみの瞳が問いかけている』『ドクター・デスの遺産』

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鬼はソトに逃げたのかしら?

 

また襲ってくるのでしょうか?

 

 

福はウチに居るのでしょうか?

 

 

どうぞごゆっくりなさってください。

 

 

 

2021年度 初回の記事になります。

 

 

更新頻度も悪く、読み直せば誤字変換ミスの多さに毎回焦る、未だ未熟な書き手ではありますが、本年もどうぞご贔屓に宜しくお願い申し上げます。

 

 

2010年の初夏に初めた『mAbによる映画一期一会』も、早いもので今年で11年目になります。

20代の自分みたいに「一期一会」という言葉は乱用しなくなりましたが、今でもとても大切にしている言葉です。

 

 

これからも細々と更新していきますので、読者の方は更新されたら読んでやってくださいませ。

 

 

私はアメーバブログでのその11年の間。劇場で公開される新作映画を記事にしてきました。

 

 

シネコンが主流となった今、「ロードショーはナマモノ」だと自分自身が記事で繰り返し書いています。

早く観に行かないと上映が終了してしまうよ。映画館の巨大なスクリーンで観れるチャンスを失ってしまうよ。

 

 

公開の平均寿命は1ヶ月。成績の伸びない作品は2週間ほどで区切りをつけられる短命。

 

 

その1ヶ月以内に記事を作成しなければならないと分かりつつ、ここ数年は公開当時(数ヶ月前)の記憶を振り返りながら語る記事を書いています。ただのナマケモノ。

 

 

今年は出来るだけ記事を更新して(上半期中には)リアルタイム(公開中)に戻すのが目標。戻した後は、それを維持できる様にするのが、mAbのアメブロ最大目標です。

 

 

今回から暫くは、昨年中に公開された日本映画で前回の記事にて載せ切れなかった作品をご紹介致します。

 

尚、今は我が国にとって大事な時期ですので、ご自身の判断で劇場鑑賞の参考にしてくだされば幸いですm(_ _)m

 

 

_______

 

 

 

『きみの瞳が問いかけている」

 

 

 

 

監督🎬

【三木孝浩】

 

 

CAST:【吉高由里子】【横浜流星】

【やべきょうすけ】【田山涼成】【野間口徹】【岡田義徳】【風吹ジュン】【劇団EXILE:町田啓太】他

 

 

 

 

 

目は不自由だが明るく愛くるしい明香里(吉高由里子)と、罪を犯しキックボクサーとしての未来を絶たれた塁(横浜流星)。小さな勘違いから出会った2人は惹かれあい、ささやかながらも掛け替えのない幸せを手にした──かに見えた。
ある日、明香里は、誰にも言わずにいた秘密を塁に明かす。彼女は自らが運転していた車の事故で両親を亡くし、自身も視力を失っていたのだ。以来、ずっと自分を責めてきたという明香里。だが、彼女の告白を聞いた塁は、彼だけが知るあまりに残酷な運命の因果に気付いてしまっていた──(公式サイトより抜粋)

 

 

____

 

 

 

本作品が韓国映画のリメイクで、その韓国版が元にしたのは英国の喜劇王【チャールズ・チャップリン】の名作『街の灯』。

 

 

 

その情報を鑑賞後に検索して初めて知りました。

 

 

「近くて遠い国」のキャッチフレーズ(揶揄的愛称)でお馴染みの韓国・・ご承知の通り日本とは現在とても仲が悪い状況です。元凶は我が国ですが、時代を越えてもなお、度重なる言いがかりを付けられている時代の代償の言い分は筋違いで残念に思います。

 

 

腹のなかではよく思っていないであろう、見せかけの握手を交わす機会が政治の世界ではあると思いますが、今作品のように音楽やエンタメだけは両国を行き来し仲良くしていきたいですね。

 

 

先の国会中継でも日韓エンタメの交流を引き合いに出されていましたが、大韓民国の国民反日感情により、全メンバーが日本人だという理由で韓国デビューが困難な状況を強いられている2020年度紅白出場ガールズグループNiziU。韓国でデビュー出来ないということは世界(欧米)を目指せないということですからね。そういうの振り払ってくれないと・・実力もあって魅力的、日本を代表するアーティストに韓国発のロケットで飛ばして欲しいです。脱線しました。

 

 

 

では始めます。

 

 

改めて『きみの瞳が問いかけている』

 

 

劇場鑑賞後の熱冷めやらぬうちにiPhoneのメモアプリに箇条書きした今作品に対する私のレーティングは低かったです。

 

 

___

 

 

>ありきたりな物語とありふれた構成

筋書きだけを追ったシーンの繰り返し、展開の速さ

純愛ストーリーなゆえに作り手側の技術が表面上で悪目立ちをする。

 

 

低評価だがW主演の俳優は見所があった。

【吉高由里子】の存在感・演技力が光り、【横浜流星】氏の高い身体能力の様子が観ていて楽しい。

キャリアを積んだ「演技派天然女優」に、最近の男優に多い運動神経のいい「スポーツマン俳優」。男女の年齢差はあるが面白い組み合わせだった。

 

 

___

 

 

 

(物語を振り返りながら、今作品に対する私の見解を語ります)

 

 

日当たりのバイトで生きるその日暮らしの生活をする青年。横浜流星さんの横浜降臨。

 

 

例えば、品川庄司の品川ヒロシ監督が品川駅を舞台にした作品を撮るみたいな感じで、

 

横浜の苗字を持つ男優が、舞台地を横浜にするとは・・・あえて狙っているのだろうけど、個人的にはあまり面白くはないかな。隣の川崎市だったり、コメディ映画だったらいいけど・・でも、ここを広げても意味ないからスルーします。

 

 

 

 

見た目の印象:売れないバンドマンみたいな髪型。頬がコケていて色白。小顔で少しアゴが前に出ている。

 

 

無気力で無口だけれど物腰は柔らかく、性格は優しい。

 

 

しかし、キレると何をするか分からない若者、「何を考えているか分からない」現代の若者像を連想する。細身な見た目なのにゴツゴツした手は、素人目にも沢山の人を殴ってきた跡が見える。

 

 

冒頭。その日暮らし・住所不定の宿無し(上の写真の)青年は立体駐車場の管理人の仕事を得る。

前任の老人が飛んでしまったそうで、その老人の残骸部屋にそのまま住む。

 

 

(仕事を飛ぶ=トンズラする)

 

 

住み込みのアルバイトということだが、荷物もなく着の身着のままなので、若いのに寂しい人生だなと思った。

 

 

面接は遅刻。愛想も愛嬌もない若者。

履歴書ペラいち・住所不定の若者に管理人を任せるぐらいだから、結構いい加減な管理会社だなぁとは思った。

 

 

(単純に描き切れていないだけなのかもしれないが・・)

 

 

その老人と仲良しだったのが、この映画のヒロイン、盲目の女性。

年齢は20代後半くらいか。健常者が働く職場でテレホンアポインターをしている。

視覚障害者の彼女は【野間口徹】さん演じる上司にアプローチをされている。真剣交際か性目的か?普通の会社で働くことは大変なことなのよ、あなたに分かる?確かにそうだと説得力しかなかった。

 

 

坂の中腹に建つアパートで一人暮らしをしている。親とは一緒に住んでいない。

「障害を持ったまま自立している主人公像」を日本ではあまり見ないので、そこは少し気になる部分でした。中盤に「一人」で生活する理由が紹介されますが、せめて親族の存在は出して欲しかったですね。

 

 

テレアポの仕事帰りに駐車場の管理人室に立ち寄り、老人警備員の隣でテレビドラマを見て帰る、という平日の習慣のようだ。

 

この女性がどういう経緯で、一応は仕事中の管理人室に足を運ぶようになったのか?は謎。こういう箇所は怒涛(内容よりも展開重視)を好む韓国映画のリメイクぽいと思った。

 

 

アルバイト初日。何も言わずに管理室に入って来て、慣れた様子でテレビを見始める女性に戸惑う主人公の青年。

 

青年はとにかく無口で言葉数が少なく自己主張がない。普通なら「えっ、誰?」とか「どうされましたか??」くらい言葉を発してもいい状況。管理室に侵入してくるんだもんね。

 

 

正直、じれったいと思うほど、コミュニケーション能力が低い。

 

いつもの管理人が老人でないことを知った彼女は、新たな管理人と知り合い打ち解ける。

 

そして二人は恋仲になっていく・・・。

 

 

彼と出会う前の管理人室で、隣り合わせで座っていた老人とは恋愛関係にならなかったわけですから・・これが恋愛映画ですよね(笑)

 

 

一般の企業に勤める盲目の女性と施設育ちで前科者のキックボクサー。

 

 

出会うまでは、なんとか生きている、といった状態です。

出会って出逢って恋をして、生きていることへの幸福感を知る。

青年にとっても女性にとっても、互いに信頼できるパートナーを得た幸せが銀幕越しから伝わってきます( ´∀`)

 

 

だが、そんな彼に近づいてきたのは、児童養護施設で兄貴分だった半グレのリーダー。

 

 

幸せを掴むと無理くりにでもハプニングを起こすのが映画というもの。

 

彼女は目に障害がありますが、彼は交友関係に障害・・いや毒があるのです。

 

 

腐れ縁同士。切っても切れない縁。お互い親がいないor親に恵まれない境遇で施設に入所し兄弟の様に過ごしたのでしょう。

悪い友達と付き合うな!とは現実的に思いますが、血が繋がっていないとは言え兄貴分が悪道に染まっているなら止められない真理条件なのかもしれませんね。

 

 

彼女と出会うまで主人公の青年は、この男に頼まれ大金蠢く地下格闘技で闘ったり、闇金業で借金の取り立てなどをしていた過去を持っている。そしてその時期に起きたある事件の傷を今も心に負って生きている。

 

 

前半から【やべきょうすけ】君演じるジムのトレーナーは彼の才能に惚れ込んでいて現役復帰の説得を続ける。

彼女と恋をした彼は、所属していたジムに頭を下げて戻り、再びキックボクシングのリングに戻る。

 

 

全てが順調。まさしく順調。1日ごとに好きの気持ちが強くなるんだ、愛おしい人よ。格闘技も連勝街道を進む。

 

そんな中、半グレ反社の幼馴染が「戻ってこいよ」と近づいて来た。思った通りだ。なんて予想通りの展開だ(・Д・)

 

 

足を洗った、もう勘弁してほしい。そう願っても、彼らには通じない。今の世の中、反社会よりタチが悪いのが半グレだ。

 

 

アパートの玄関を落書きされたり、嫌がらせを受ける日々。彼女は目が見えない。だから落書きも見えない。だが、次はどうなる?拉致されるのではないか??半グレのリーダーは幸せをつかもうとする弟同然の彼を容赦なく追い詰める。

 

 

彼に日の目を浴びる未来はない。表舞台に上がることは許さない。お前は俺と同じちかで生きていくんだよ。さぁ俺と一緒に来いよ。(書いている文言は私の想像(解釈)です)

 

 

一方で、ずっと迷っていた視力の回復手術を受けることを決断した彼女。

彼女の目は事故によるものだが、手術を受ければ昔の様に見える可能性がある。

 

 

難しい手術なんだろうけど、個人的にはその情報は最初に知りたかったですね(^_^;)

 

 

地下に戻る決心をした彼。杖のいらない生活を取り戻そうと決めた彼女。

 

 

だけれども、彼女の目が見える頃には、彼は彼女の前から姿を消している。

 

 

彼の顔を見たことがないままで。

 

 

 

 

 

___

 

 

 

自分はデビュー当時から女優:吉高由里子のファンなので、今回の難役には期待したが、感触としてはそこまでだった。

 

 

【三木孝浩】氏は『アオハライド』や『僕は明日、昨日のきみとデートする』などで知られる監督で、10代20代の旬(ブレイク中)の俳優を起用した青春映画を撮られる方と認識しています。

 

 

恋愛のドキドキを描く(表す)空間認識能力がとても高い人物だと思いますが、日本の恋愛映画に多い典型的な突進型の人物構成で、「主役の両名以外」のキャラクターに幅を広げないため、特に印象に残らないのが残念です。作品と主演俳優は覚えているけれど、内容はどんなだっけ?と思い出す間が必要。

 

 

前半終わり、回復手術を決断するまでを物語文で書きました。その後は可哀想でそれでいて愛おしい気持ちが胸に溢れます。

 

先程も物語文を書きながら、心の声を漏らしてしまいましたが(^_^;)幸せをつかもうとすると邪魔が入る予想通りの展開なので、後半も「そうなるだろうな」と展開に納得しつつ、横浜流星さんの役作りの様子が細長の体躯に表れて素晴らしいと思いました。

 

 

___

 

 

 

W主演の2人は印象に残るが、逆に、もっと印象に残って欲しいのに・・・印象に残らなければならないのに・・と残念に思った俳優は、半グレ社会のリーダー役を演じた【町田啓太】さんです。

 

 

「悪の要素」が俳優から見えなかったこと。

 

 

言い方を変えれば、役柄にある「育ちの悪さ」が見えずに鋭さがない。残念ですが、この俳優にはこのような役が全く似合いません。目の奥に人間味があるんですよね。よく「目の奥が笑っていない」という人の評価がありますが、彼はその逆に感じます。

 

 

演じる役は施設育ちの孤独な少年で、ハングリー精神でこの地位まで上り詰めた悪党です。

 

 

 

 

劇団EXILEの町田啓太さん。苦労人ですし、昨年初春、深夜帯の連続ドラマ『女子高生の無駄遣い』をキャスト目当てで毎週見ていて、彼が演じるオタク教師役がハマっていたので、今作でチラシに名前を見つけて楽しみにしていたんですけどね。

 

 

顔の作り的に柏原崇さんのような爽やかだけどクールさも兼ねそろえた俳優になって欲しいと願っています。

 

 

主人公と同じ児童養護施設で兄弟のように育ち、今でも兄弟分として付き合っている絆。善の道に戻す説得はしない。切っても切れない絆らしい。ただでさえ180cmを超える半グレのリーダーって目立つと思います。日本の警察は何やってるんだ。

 

 

最後に。

 

 

少しだけ現実に重ねて、この映画を観ていました。

 

 

児童養護施設で育った子供が、半グレになり、人を騙し、脅し、恐喝し、それで得たお金で生活をする大人になっている。

 

 

逆に、そういう環境で育った子供が、逆境に負けずに太陽の下を歩いていく物語の方が、素敵ですけど・・それだと映画のネタにはなりづらいですからね。

 

 

何不自由なく育ち、一般的な家庭で悪いものは悪いと叱られて育った環境の子供が、将来犯罪を起こしたり半グレ・反社会の人間になるイメージはあまりないので、ハングリーな環境で育った子供が悪人になる方が納得はできる。

 

 

しかし・・こういう内容の映画を見ると「児童養護施設からの出身者のイメージ」を悪くしていないか心配にもなる。

 

 

今回の映画もカトリックの児童養護施設で育った2人の男の子が、施設を飛び出して悪事を繰り返しながら、裏社会でのし上がって行っておる。この逆で社会に出て真っ当な道で成功していく卒園者もたくさんいるだろう。

 

 

施設育ちの人間は真っ当には幸せになれないという「印象・括り付け」が根底にあるような気がして、そこに韓国映画のキナ臭さみたいなエッセンスも加わっている。

 

 

冒頭に書いた様に、韓国映画のリメイクというのは鑑賞後に知ったことなんだけれど、それを知って「あぁ、だからなんだかしっくり来なかったんだ」とモヤモヤしていた違和感に納得がいった。

 

 

1つ1つの設定をより丁寧に描いたり・膨らましながら展開して行くドラマが「自分の好み」になるので、それで言うと今作品は色々と情報不十分に進めていルノで、映画という2時間ドラマではなく連ドラ(11時間)向きの物語に思います。

 

 

 

 

 

 

脚本 13点

演技 14点

構成 13点

展開 13点

完成度13点

 

[66]点

 

 

____

 

 

 

『ドクター・デスの遺産』

 

 

 

 

 

監督🎬

【深川栄洋】

 

 

CAST:

 

【綾野剛】【北川景子】

 

【柄本明】【木村佳乃】

 

【岡田健史】【前野朋哉】【石黒賢】他

 

 

 

 

 

 

「苦しむことなく殺してさしあげます。」ある闇サイトで依頼を受け、人を安楽死させる連続殺人犯ドクター・デス。その人物の存在が明らかになったのは、「お父さんが殺された。」という少年からの通報がきっかけだった。警視庁捜査一課のNo.1コンビ犬養(綾野剛)と高千穂(北川景子)は、さっそく捜査を開始。すると似たような事件が次々と浮上する。捜査チームのリーダー麻生(石黒賢)、新米刑事の沢田(岡田健史)、室岡(前野朋哉)、青木(青山美郷)と共に事件の解明を急ぐが、被害者遺族たちの証言は、どれも犯人を擁護するものばかりだった。ドクター・デスは本当に猟奇殺人犯なのか?それとも救いの神なのか?そして、驚愕の事実と更なる悲劇が犬養と高千穂に降りかかる。(公式サイトより抜粋)

 

 

___

 

 

 

こちらの作品も上記紹介の作品同様、個人的に期待していた作品でしたが、蓋を開けてみればイマイチだった。

 

 

それを感じさせた原因の一番は(この映画に限って)主役の2人に華がないから。

 

 

どちらも好みの俳優です。

 

 

【綾野剛】君は同世代(昭和50年代生まれ)きってのカメレオン俳優だと思いますし、昔の彼を知っているぶん下積みから主役という頂点に登っていったことを大変嬉しく思っております。

 

 

私情は切り離し。こういう悪態をつく破天荒な刑事役を演じさせた場合には毎回、わめき散らして物に当たる演技プランをするのが私にとっては、どうも感情的・暴力的に感じてしまい、熱演・好演にも関わらず若干引いてしまうのです。

 

 

いきなりワーと大声を出したり、カッとなって物に当たったりするタイプが苦手な方だと、この映画を「やかましく感じる」かも知れません。

 

 

熱血漢や情に厚い表現方法も「昭和生まれ」俳優の特権ですが、刑事という役柄、冷静になる場面は落ち着いて、メリハリをつけて欲しい。

 

 

綾野君は静(シリアス)と動(アクション)どちらの演技性質も兼ねそろえている男優なので役の幅は広い。

 

役に入り込む熱演系なので、彼に商業映画のイメージは付いてないけれど、そろそろハマり役・代表作が欲しいと願います。

 

 

男女コンビで犯人を追う物語です。見た目的に年齢差はあるはずですが、ため口で話し合い格差なく同等な関係性。

 

 

主人公の刑事とバディを組む女刑事役で主演されている【北川景子】さんは、国民的女優でイメージも人気も安定して高いけれど、この映画を見ているとシルエットに芸術性がないのが気になりました。

 

 

演技力どうこうよりも一番に体型です。

刑事役を演じるには体の線が細すぎるし、男勝りな女刑事役だとしても、あえてサラシでも巻いて胸を目立たなく見せているのではないか?と思ってしまうほどバストが目立たないから、中世的に見えてしまう。

 

 

「ぴっちり目の服を着るなら、出るとこ出たボディラインが欲しい」という要求は今の時代違うと思うけれど、オジさんの目線で書いていないのは読者の方ならわかると思います。

 

 

あくまで個人的な見方では、この映画の北川景子さんは、終始キリッとしていて色気がなかったと感じた次第であります。やはり彼女の良さだと私が思う「優しさ」が表面から滲み出てこないので、彼女の良さが出せなければ、他の女優でも今役は良かったのじゃないのかなと思ってしまうのです。

 

 

ちなみに、事あるごとにクワッ!と眉間に皺を寄せるのは、昔からこの女優の癖で初期からここでも書いています。

コメディでもサスペンスでも、目力を意識するとシワが寄るのが北川景子さんの特徴。いい意味で表情はワンパターン。

 

横の線(オデコのシワ)より縦の線(眉間ジワ)なんですよね。

 

 

 

 

 

でもまぁ・・この映画の原作も内容も知りませんでしたが、チラシで綾野剛君と北川景子さんの両名の名前を見て、泥臭くてテンションの高い作風になることはまず間違い無いだろうと予想していたんです。続編を作るテイでキャスティングしているのかな。

 

 

___

 

 

SNSで依頼を受けた患者を「安楽死」させるという、巷で話題の「ドクター・デス」という通り名の闇医者。もちろん日本では安楽死(尊厳死)は認められていないので「犯罪」です。

 

 

ある遺体の出棺に立ち会うことになった綾野剛君演じる刑事は、父親の死を警察に通報した遺族の子供の一言から勘ぐり、火葬を中止させ、その遺体を鑑識に回します。

 

 

解剖の結果、遺体から異常値のカリウム濃度が発見される。安楽死という「殺人事件」が判明。警察は捜査の中で安楽死業を行うドクター・デス(以下・デス)と、デスに帯同する助手の女性看護師を捜索する。

 

 

安楽死を行なったことは確実なのだが、遺族たちは頑なに口を割りません。刑事は何度も足を運び、彼らに訴えることで話を聞こうとする。そして僅かな映像のヒントから看護師の居場所を突き止め任意同行。続けて医者も確保するが、そう簡単にはことは進まない。

 

 

一方。主人公には一人娘がいて、冒頭から娘との描写が展開ごとに描かれていきます。

 

 

妻と死別して以降は男手一つで娘を育てている。しかし運命とは残酷なものですね。

 

 

最愛の一人娘は病弱で小児病棟で入院生活を送る。学校は行っていない。自分用のスマホを持つ。

職場と病院を往復する日々を過ごしていた主人公。疲弊しているが一人娘を心の底から愛している。

 

 

これまで(映画前)はきっと大きな犯罪がなかったから娘のことを気にかけていられた。

安楽死業を行うデスを追う様になってからは、職務に全うする様になるから娘への愛の描写が弱めになる。子供は繊細だし敏感だ。そして何よりも無垢で優しい。

 

 

取り調べ室で、私情を例に話す主人公。そうして「娘の存在」を知ったデスは病院に潜伏し愛娘に接触。あなたはお父さんのお荷物なのだと子供の精神を揺さぶり、子供自らからデスに安楽死の依頼をさせるように仕向ける。依頼をする。依頼を受ける。双方が合意した。

 

 

主人公の携帯電話が鳴る。

愛娘がデスに誘拐され、刻一刻と安楽死へのカウントダウンが始まる。

 

 

___

 

 

 

公式サイトには捜査本部など刑事たちの様子が特集されていますが、主役2名が常にセンターにいるため特別目立ちません。

 

 

【岡田健史】さんなど大ブレイク必至の若手俳優も出演されていましたが、引き立て役に回っていて、2人を囲む刑事役のキャストさん方は皆、いぶし銀のようでした!

 

 

この映画の見所を選ぶなら、合法化されていない安楽死という選択を完全に否定できないこと。

安楽死は尊厳死とも言いますが、この映画では「安楽」で統一されていて、映画を見ながら何か意味があるのでは?と考えました。

 

 

劇中。デスに依頼し死を選ばれた方は、投与前にビデオカメラを回し、生前最後のインタビュー撮影に応じるのですが、

 

その様子はまさしく漢字の言葉通り、「安らか」に「楽しく」「死」んで逝っています。

 

 

尊厳死と聞くと、とても厳かに感じますが、この映画のそれは安楽死。「楽しく死ぬ」という言葉の発想は素晴らしいと思います。個人の見解なので、捉え方が違うかもしれませんけど、私は安楽という言葉がこの映画のメッセージなんじゃないかと想像します。

 

 

ルールはルール。犯罪は犯罪。だけど「死を選ぶ」という選択をしたのは本人であり、家族です。その心理も分かるぶん、デスの言っていることが綺麗事や自己満足だとも思いきれない自分がいました。

 

 

安楽死を選ぶ本人や遺族は、ネットを介しデスに依頼するのですが、介護疲れだったり、迷惑をかけたくないと家族に対しての優しさもあるんですよね。

 

 

年配の方が、どういう経緯でインターネットでも闇サイトみたいな扱いとなるデスの存在を知ってコンタクトを取ったのか?は、描かれていないのでよく分かりませんが、幸せな人生だったと、満足そうに死んで逝った者もいるので、一概にデスを「悪」だとは思えず、それも個人の終わりの在り方なのかな、と。

 

 

ハードルは富士山級に高いですけど、もし近い将来、欧米のいくつかの国の様に、日本でも安楽死が容認される様になった場合は、

選択肢の1つになるのではないかな?と本気で考えてしまった次第です。

 

 

でも・・いいや違う違う、と。そこにはやはり「安楽死は日本では認められていない」が大前提に有るので首を振るのです。

 

そもそも映画だからね。犯人はもちろん、自分を正当化した悪魔みたいな輩だよ(^_^;)

 

 

主人公は現在1人で暮らしていて、病院で入院生活を送る娘がいます。娘が元気になったら父娘2人で暮らすのでしょう。

 

 

冒頭。娘の小児病棟階の広場。娘と親しい喘息で入院していた男児が急逝してしまいます。

 

主人公の心は乱れる。昨日までいた子供が亡くなった。死を身近に感じる。

 

最初にチラッと紹介するくらいの出演なのですが、個人的にはとても印象に残っています。

 

なぜなら、私も子供の頃は小児喘息で、それも重度の喘息で成人するまでは入退院を繰り返していたからです。

 

なので他人事では無い気持ちでした。

 

 

(大人になった現在は元気100倍です)

 

 

その娘さんの事情があるので、この刑事像、子供に対しては敏感で勘が働くように演出しています。最初の安楽死に気付いた映画のキッカケの入り口も子供の通報からで、お医者さんがアパートに来て、その後すぐにお父さんは死んだ。それにピンと来た刑事は火葬中の遺体を引きずり出すのです。

 

 

 

 

この刑事は情緒の起伏が激しく、冷静さを失うと物に当たったりするので、見ていてとても不安定でメンタル面が心配になる。

 

 

昼も夜も薄暗い背景が多いです。

女刑事とバディを組んでハードボイルド風に見せたいのなら、もう少し決めるところは決めるなり、落ち着いて欲しかったです。

 

 

先ほども少し書きましたが、後半デスが本来の筋から逸れて若干、暴走し始めます。

 

せっかく・・安楽死という言葉に唸ってフォローしたんだけどな。。これだとただの計画殺人。

 

 

主人公の弱みに付け込んだり精神的に追い込んだりする展開は暴走に見えますし、これによりよくある刑事物やサスペンス物になってしまうので、後半の展開は残念でした。

 

 

それまでデスの考える正義や主張には依頼者遺族の感謝も込められていたので、肯定される気持ちにもなりましたが、「結局こうなるのか・・」と相変わらず「刑事vsサイコ犯」の似たり寄ったりの展開になるのは、まだ日本映画自体がアクション系に慣れていないからでしょう。独自路線を開拓する様な冒険もして欲しい気持ちも若干あります。

 

 

____

 

 

 

題名に注目します。

 

 

「遺産」(レガシー)という言葉が使われていますので、その意味を踏まえてメッセージ性のある作品になっているのではないでしょうか。遺産とは後世に残す事柄だったり、受け継がれて・語り継がれていくものですよね。題名が深い

 

 

遺産をMacBookの辞書で検索すると

 

 

 

① 死んだ人の残した財産。所有権債権などのほか,債務も含まれる。

 

② 前代の人が残した業績。「文化―」

 

 

とあります。この場合は②になるのでしょう。興味深いです。

 

 

この記事を書く際、キャストを調べるためにWikipediaのページを開きましたら、今作品に原作小説があったことを知ります。

 

 

 

 

 

 

原作がある場合、映画版は最後に表示されるので、ページの一番下までスクロールする必要がありますが、せっかくなのでWikipediaに書かれている小説のあらすじも読んでみました。

 

 

その後、映画版を読んでびっくり。

原作と映画には変更点があるそうで、一番大きな違いは、原作とは異なる設定で主役の刑事2人のキャラクター性を変更したそうなのです。

 

 

この小説を読んだことはないけれど、個人的には記事の冒頭から描いてきた違和感がまさにそれでしたから、原作をいじって面白くなるパターンも中にはありますけど、今作の完成品を見るに、とにかく男女コンビが2人とも同じ様なキャラクターで、耳にも喧しかった。こういうジャンルの映像化は、原作に忠実で映画を作って頂けたら良かった・・と勝手に思いました。すみません。

 

 

最後に。

 

 

鑑賞後にiPhoneのメモアプリに箇条書きした今作の劇後の見解・感想です。

今しがた新規で書いた点と被っているところは、その点を強く押したいのだろうと解釈なさってください。

 

 

 

既に出来上がっている男女バディの関係性に初見では違和感を感じる。警察の捜査本部の主本部以外も知りたいところ。主要キャスト以外の視点がないことで、よくあるテレビのNEWSなどを用意しても、近年は他の邦画もこぞって同じことをしているわけだから規模が狭く見える。北川景子のアクションは魅力的だが、胸の膨らみがなく女性らしさ、母性をあまり見受けず「カッコいい男子」とも取れる。現場叩き上げの女性刑事なので、役作りなのかも知れないが、それにしても北川景子の演者としての良さがこの映画にはほとんど出ていなかった。

 

 

綾野が演じる感情的な刑事。刑事は私情を犯人に話してはダメと実際にも言われるが、人情的な主人公ゆえに、犯罪心理学的に精神を揺さぶりたくなる。おそらく「次回作」も身内が巻き込まれていく様に創るのだろう。劇中にたびたび不安になるような「編集点の長さ」があり、個人的にはきりの良いところで切ってほしいシーンの切り替えがいくつもあった。余韻を残したいのかもしれないが、無駄な尺が多い。木村佳乃さんの水気がないガイコツみたいな輪郭の形がこの映画のタイトルとよく合っていた。キャスト名を見た時からこのメンツの中だと大御所になるので、格が上がった感じ。敵役の登場人物は二人しかいないので的を絞りやすく、それがあえて深みのなさを感じさせるかな。

 

 

 

 

 

 

脚本 14点

演技 14点

構成 13点

展開 13点

完成度14点

 

 

[68]点

 

 

_______

 

 

 

この記事より暫くの間「いいね」機能を停止します。

 

 

お読みになられた方で、読み応えがあったと感じられた方は、

パントマイムみたいに素振りだけでもワンクリックしてください( ◠‿◠ )

 

 

長年定期購読していた映画雑誌も読むのをやめ、海外のタブロイドもチェックしていないので、映画に関する情報はミジンコです。

 

現在各国の映画製作状況がどうなっているのか?また、どうなって行くのか?等、個人的に知り得ていませんが、おそらく来年2022年の夏頃には新型コロナも落ち着くでしょうから、長い目で見て、各自心の平穏を探しましょう。

 

 

私の今年の目標は記事を多く書き投稿するですから、拙い文章と熱い文面を読んでいただいて・・・心の拠り所は言い過ぎでしょうけど・・ほんのひと時でも気晴らしになれたらいいなと思っています。

 

 

 

フォローしてね

 

 

 

ご存知の読者様もおられると思いますが、

私mAbによる映画以外の内容はこちらのブログに書いております。

同じく不定期更新ですが、AcAademyよりは頻度が多いです。宜しければお訪ねくださいね。

 

 

 

 

 

 

【mAb】

 


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