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映画評論『Three Billboards Outside Ebbing, Missouri』

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Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

 

 

『スリー・ビルボード』

 

 

 

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本年度劇場鑑賞作品vol.10

 

 

 

公式サイト 『スリー・ビルボード』

 

 

↑詳しいストーリーや人物情報は、こちらを御覧下さいませ↑

 

 

 

 

監督🎬【マーティン・マクドナー】

 

 

【フランシス・マクドーナンド】

 

 

【ウディ・ハレルソン】【サム・ロックウェル】

 

 

【アビー・コニッシュ】【ジョン・ホークス】【ピーター・ディンクレイジ】【ルーカス・ヘッジス】【ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ】

 

 

配給会社〔20世紀フォックス〕

 

 

 

 

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久しぶりに全体を通して完成度の高いハリウッド映画に出会えた。伝え甲斐があり、鑑賞に手応えがあった。

 

 

1年間で百4・50本の新作を劇場鑑賞しますけど、総合的な充実度で考えたら、No. 1だと思います。

 

 

私の場合、ハリウッド映画には展開や削ぎ落としに減点要素を強く感じるので、先に書いた『デトロイト』などでも触れましたが、この部分に拘り、減点することが多いです。

 

 

例えば、1つの糸(綱)の上を渡りきる綱渡りを、この作品とするならば、

 

 

最初から最後まで、余計な重力がかからずにピンと張った状態で完走できた印象です。

 

 

作り手は、両手でバランスをとって、体幹をしっかり持って慎重に渡っていき、観る手は、その様子を、ヒヤヒヤしながらも安心して観ていく。

 

 

そして完走後は達成感。お互いに達成感。

 

 

来月4日に授与式が行われる第90回アカデミー賞でも最多7部門でノミネート。

前哨戦でも勝利し、多くの予想がこの作品に集中しています。

 

 

私も、ほぼ間違いなく、

『作品賞』・『主演女優賞』・『助演男優賞』の3部門で受賞するだろうと視ています。

 

 

(助演男優賞部門は5名中2名がノミネートしています。私の予想ですとサム・ロックウェルです。)

 

 

作品賞・各俳優賞、全てのノミネート作を見ているわけではないけれど、ちょっと賞レースとなると・・この出来は抜けてるな。

 

 

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舞台はアメリカ合衆国中西部に位置するミズーリ州。

 

 

 

 

 

ミシシッピ川や南北戦争やインディアンなど、自然と伝統と悲しい歴史がある地ですね。2015年ディカプリオがオスカーに輝いた『レヴェナント』のオープニングでビーバー狩りをしていたがミシシッピ川でしたから、ミズーリの古い土地柄の印象が私にはある程度付きました。

 

 

 

交通量ないアメリカの田舎道で1人、年季の入った看板の前に佇む初老の女性。

 

 

遠目からだと背が高く大きいので、男性にも見えました。

 

 

彼女の名前はミルドレッド。広島東洋カープの助っ人外国人みたいなお名前です。

 

 

何かを納得したかのように、女性はその足で町の広告代理店に行き、経営者の青年に、あの道にある「3枚の看板」を私用で使いたいと契約します。

 

 

ミルドレッド・ヘイズ

 

苗字を伝えれば、彼女の正体が分かる田舎町。

 

 

あぁ、あのヘイズさんか。。。。

 

 

そうして完成された3枚の看板が貼り出されるのですが、

 

 

(タイトルにもなる)スリー・ビルボードには、赤い壁紙に黒い文字で「娘はレイプされて焼き殺された」「犯人は未だに捕まらない」「どうしてだ?ウィロビー署長」と記されていたのです。

 

 

 

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田舎町で起きた残虐な事件の被害者、その母親だったのです。

 

それを知った上で、この母親を改めて観てみると、悲しみに暮れるよりも、何かを決意しのように復讐に燃える人間という見方になりました。

 

 

 

続いて母親は看板のメッセージに注目させる目的で、テレビ局に取材させ、テレビがそれを報道。この事件の背景が次第に映し出されて行くのです。(放送の規模が、州テレビか町のケーブルか、全米放送かは分かりませんが。おそらくケーブルテレビかな?)

 

 

 

彼女ミルドレッドの娘は7ヶ月前の夜、何者かにレイプされ、翌日に焼死体で発見されました。犯人の異常心理が過ぎますよね。残虐かつ最悪な出来事。

 

 

そして田舎町で起きた事件なので町民の「誰もが知っている」状況です。

 

 

事件発生から7ヶ月が経ち、未だに捕まらない犯人。

 

 

警察は何をしているの?遺族にとって当然の疑問と焦燥感が生じることになるでしょうけど、アメリカは広いし、国外に逃亡している可能性もあるし、手がかりは少ない。何より防犯カメラ自体がないです。

 

 

警察の捜査は難航。このまま未解決事件になるのでしょうか?

 

そうならないために母親の取った行動は、ある意味、理解できます。

 

 

しかし、この母親の行動に市民は怒ります。

 

 

同情はするが、ここまですることはないのではないか?

そしてもう一つの激怒理由が、名指しでの中傷。

 

 

人格者で信頼も厚い警察署長を名指しで非難する。これが一番の怒り新党。

田舎町のお巡りさん。市民の信頼も信用もとにかく高い。

 

 

この看板がなければ「娘はレイプされ殺された」「犯人は未だに捕まらない」という普通のメッセージですからね。3枚目の名前入りの看板が映画的には異常になります。

 

 

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何を考えているんだ。今すぐ看板を撤去しろ。

 

批判派が圧倒的に多い中で、頑張れと応援派も少数ながらいる。

 

しかし応援派はサイレントマジョリティー。

 

 

市民は、この遺族の母親や家族に対して、敬遠的に時に攻撃的に接してくる。

 

 

特に感情的になっているのは警察署員たちです。

警察署の職員たちは家族のよう。身内を攻撃された。

 

 

 

【ウディ・ハレルソン】〔56〕演じるウィロビー署長の信頼は市民だけでなく、署員たちにも絶大でした。

 

 

中にはウィロビーを親のように慕う者もいて、上司(親)を非難されたと受け取りミルドレッドに対して、相当攻撃的に接していきます。

 

 

 

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警察はミルドレッドに看板を撤去するよう命じます。

 

 

(個人で支払うには)高額ですが広告費を払っているし、(これも驚きですが看板への用語も)記載のルールに違反していないようなので、本人の承諾なしに強制撤去をすることは出来ません。こうして動かされた石(意思)。

 

 

多分これが全てです、この映画は。

 

 

ミルドレッドに引き下がる気配がないので、警察署員は真向かいにある広告会社に行き経営者を脅したり、彼女に精神的ショックを与えるために、彼女の友人を逮捕したり、嫌がらせをするようになります。

 

 

あの手この手で看板の撤去をさせようとする1人の警察官。

 

 

ミルドレッドの度が過ぎる行為に苛立つ町の住民。それでも母親は主人公は意志を曲げない。まるで貴乃花親方みたい。

 

 

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夫とは離婚し、高校生の息子と二人で暮らすシングルマザー。

 

 

7ヶ月前は3人で暮らしていた、という事を想像しながら鑑賞していました。

 

 

元夫チャーリーは劇中に何度か登場しますが、随分ダンディーなルックスで、渋カジの西部男といった感じ。

 

 

19才の女性と真剣交際していて、常に横に連れています。

 

 

間に「誰か」を挟まないとダメなのでしょう。

 

 

ここで思ったのは、チャーリー・・・あまりに女性の好みのタイプが違いすぎるんじゃないΣ(・□・;)??

 

 

こんなに若くて、顔の小さい女性を連れていると、この母親と夫婦だった時の絵が想像できなかったです(⌒-⌒; )

 

逆に今連れてる女性の方が、この男にはデフォルメ的に合っているんじゃないかな?

 

 

 

一人息子のロビーは最初、看板を出した母親の行動に憤慨しますが、徐々に協力するようになり、姉の無念を晴らしたいと気持ちをあらわにしていきます。

 

 

彼もまた姉を最悪な亡くし方で失った人物です。血を分けた姉弟ですからね。。。悲しいでしょうし、悔しいでしょうね。

 

 

学校では勿論いじめられますけど、ある日の送り迎えで、母親が学生に攻撃し「ナイス、ママ!」というくらいですから強い子だと思いました。

 

 

きっとそれ以降、ロビーは学校でイジメられなくなったでしょう。近付かんとこ。何するか分からない親って、こういう映画だと頼もしいな。

 

 

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ミルドレッドを演じる主演女優は【フランシス・マクドーマンド】〔60〕。

 

 

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フランシス・マクドーマンドといえば、コーエン兄弟の代表作1996年の映画『ファーゴ』にてオスカー女優となった人物。

 

 

今回22年ぶり2度目のオスカー受賞となるか!?(なるでしょうけど。)

 

 

私が感じたミルドレッドは、とにかく意識を強く持った女性です。

 

 

意思を強く持つ、という意識を強く持っています。

 

 

意識を強く持つ人物を演じるということは、ある意味、女優の腕が鳴る役だと思いますね。

 

 

劇中に一切、ミルドレッドは怯みません。男相手・警察相手でも胸を張って顎を引いて、目線を外さない。だから迫力のある映像になっています。

 

 

これだけ派手な事をしても、生活のリズムを崩さず、逃げも隠れもしません。それゆえに、危険な状況にも遭遇することになります。

 

 

彼女が勤める土産屋に客を装い入ってくる男の場面では「怖かった」(助かった、ありがとう)と初めて弱さを見せているのが、彼女の本当を視れて印象的なシーンでした。

 

 

また、生まれたところや環境って其々ですから、人物像に大きく影響しますけど

 

 

この映画に出てくる女性達がとても気が強くて、言葉も汚く、言葉使いも悪い。見ているぶんには下品です。

 

 

(日本人の私には、カカァでも、女性には大和撫子さを求めたい感覚になります(⌒-⌒; ))

 

 

ミルドレッドも、こちらは遺伝なのか?ミルドレッドの亡くなった娘も、そして母親と暮らす独身警官の母親も言葉遣いが汚くって・・・西部地方はそういう(自分が思う女らしさがあまりない)町なのかなぁ?と印象が付く。

 

 

フランシス・マクドーマンドはアカデミー賞で、まず間違いなく主演女優賞を獲得するのでしょうけど、このミルドレッドで受賞って、納得はしますが、役が役なのでスッキリはしませんね。

 

 

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こうして3枚の看板が貼り出されたことにより、世間の目は集まりました。

 

 

しかしだからと言って「この事件だけのために」警察の足を向かせるほど、単純ではないです。

 

 

警察は、これまで通り正義の気持ちで、遺族の無念を晴らすべく、事件の早期解決のために尽力しているように私には観えます。

 

 

表立って苛立っているのは、【サム・ロックウェル】〔49〕演じる警官ディクソン。序盤から苛立ちを隠さずに、ミルドレッドに対し撤去を求めるし、父親のように慕う署長を攻撃されていることも重なり「親の仇」を魅せていきます。

 

 

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(父親のように慕う、という紹介から役の年齢設定は低めなのかな?)

 

 

警察官としての資質より、感情をコントロールできず暴走し、仲間も止めに入らない。止めてくれる仲間がいない。あぁだから叱ってくれる署長は父親みたいになるのか。

 

 

ほんと、どうして警官になったのか、最初に紹介して欲しくなるような人物です。

 

 

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監督の【マーティン・マクドーナー】は脚本家として有名な映画監督。

 

 

各シーンごとに名作となる芸的な映像描写があった。

 

 

特に私が印象に残っているのは、前半終わりの「警察署長ウィロビーの拳銃自殺」のシーンで、彼の死から展開して行く映像と、自分の死後に生きる者達へ書かれた手紙内容が見事に映画の進行とシンクロしていく様子は鳥肌ものでした!!

 

 

後世に語り継ぐワンシーンを作ろうとしたんだと思う。

 

 

以降も過激なシーンが続くのに、映画が醸し出せる芸術性を強く感じる結果になるので、きっと貴方様も衝撃的に感動することになるでしょう。

 

 

 

ウィロビー署長は登場シーンで、看板を張り出した広告代理店の店主に対して、こういう態度でした。

 

 

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アメリカ人が、机の上に足を乗せる、のは未だに見ていて「えっ?」となり、慣れませんけど、警察の圧みたいな表情も見せているので、そこまで人徳者ではないのでは?と思いました。

 

 

ですが一向に用件を飲まないミルドレッドと、彼女の真意を直接聞き、そして自分の余命が残り僅かだと知る展開の中で、署長も人間味の弱さを魅せていきます。弱さは優しさで、優しさは人格に。

 

 

この拳銃自殺以降は、死者に対する弔というか、彼の生き様を尊重したいなと思っている自分がいて、好印象に変わりました。

 

 

警察署長のハートの熱さは、日本でいう武士のようで、親心も兄貴気質も入っていて、心に沁みる箇所が多かったです。

 

 

この映画には、態度が悪く癖が強い大人たちが出てくるけれど、それぞれに自分の弱さも見せてくれるので、弱さを見せることで、観客の心も拓けていくのだろうと思います。

 

 

まだ幼い2人の娘を残し、愛する妻を残し、そして沢山の市民と仲間を残して、旅立っていった町のお巡りさん。

 

 

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日本も一昔前までは『海賊と呼ばれた男』だとか部下が上司を父親のように慕うという形ではない信頼関係がありましたけど、この映画のこの地域ではそういう男の中の心意気みたいなものが根深くあって、

 

 

警察署長の訃報で、職員のほとんどが号泣している光景だとか、問題児の警官も声を出してエンエンと泣いているのを見ると、この署長がどれだけ生前に愛されていたのかは分かります。

 

 

だけど不思議だなぁ。

 

 

アメリカは大国ですし、各州ごと、各市町村ごとにも法律や規制があって、その地域に住む人の考え方も生き方も違うでしょうから、正確に映画を理解しようとなると覚えることが多くてホント大変。

 

 

アメリカ映画という1くくりよりは、ミズーリ州映画ですからね。日本のように東西南北同じ考えだとか1括りで紹介できない難しさがあります。

 

 

 

差別主義者(レイテスト)の警官が市民を逆恨みで暴行(半殺し)したり、

 

 

市民が警察署に火炎瓶を投げ込んで放火したり、

 

 

警察は、その犯人がミルドレッドと分かっていて逮捕しなかったり、

 

 

「普通に考えて」という概念が通用しない映画でした。

 

 

1人で生きていかなければ行かない。ラストシーンでミルドレッドが寝ている息子を見つめるシーンが大変印象的です。

 

 

生きるって、それだけで、すごいな。

 

 

カントリードラマの傑作を見た感じです。

 

 

 

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脚本 14点

演技 15点

構成 15点

展開 17点

完成度15点

 

 

〔76〕点

 

 

 

こちらはYouTubeの予告動画です。

 

 

 

 

 

 

第90回アカデミー賞 Wikipedia

 

 

 

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【mAb】

 

 

 


相性抜群『犬猿』

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「犬猿の仲」という言葉があって

 

 

辞書で引くと「何かにつけていがみ合うような仲の悪さ」とあります。

 

 

あいつとあいつは犬猿の仲だ。

 

 

よく政治にも絡めますよね。一番代表的なのは、アメリカとロシアが犬猿の仲って具合に。

 

 

日本の今だったら・・安倍総理と朝日新聞とかかな。鬩ぎ合ってますけど。どちらかが折れないとね(^◇^;)

 

 

それを血縁関係である兄弟で表すのがこの映画『犬猿』なのですが、非常によく出来た日本映画だったので、私情を挟みながら記事にして紹介します。

 

 

 

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まず、早速雑談です。

 

 

今作品は、松竹系のシネコンMOVIXで鑑賞しました。

 

 

私mAb。

TOHO-CINEMASでの劇場鑑賞が年間98%強になりますので、気にしなければ通り過ぎてしまう・観ないで終わった作品です。レンタルビデオ屋の新作コーナーで初めて知るかもしれません。

 

 

 

実は、TOHOのポイントカードの最高の特典である「1ヶ月フリーパスポート」を取得しようってーのに、

 

 

1月末の時点でTOHOシネコンで上映している殆どの作品を鑑賞してしまい、そもそも新作も入って来ない時期でしたから、2月は映画を見ないでおいて、フリーパスのために未鑑賞新作を貯めておこうと思いました。

 

 

このパスポートは取得日から1ヶ月間の間、映画を無料で見放題と言う神特典です。

 

 

基本、1つの作品を何度も観ない私は、常に新作を観続けていたいです。

 

 

そう言うわけで2月は、1ヶ月の間、TOHOシネコンで映画を観ないと言う、自分史上初のNG東宝を過ごしました。

 

 

 

今の悩みは、1月27日付けで公開した作品の殆どが・・上映終了してしまったか、午前中1回しか上映しない扱いになっていること。

 

 

(『彼女は嘘を愛している』とか『リバース・エッジ』とか、地元のシネコンでは客入りが悪く、もう上映終了してしまったΣ(・□・;))

 

 

 

ホント、シネコンが「当たり前」になってから、上映する作品は増えましたし、日本映画も上映する場が増えたので製作されるようになりましたけど、それゆえに、ロードショーの寿命って短くなりました

 

 

待ちに待った寝かせた、フリーパスを取得。

 

 

上映スケジュールを確認したら・・・ヤッバ!?早いとこ観ていかなきゃ!2週間ぐらいで、上映終了という名の打ち切りになっちゃう(・Д・)

 

 

まぁまぁこの話は追い追いね。

 

 

というわけで、未鑑賞の新作を貯める目的で2月を送っていましたが

 

 

私の劇場鑑賞対するヘキは抑えていても無くならないので、この期間中、TOHOシネコンで上映しない作品を調べて鑑賞していました。

 

 

それが上にも書いた松竹系シネコンのMOVIXです。

 

 

いいから早く映画を書いてよ!

 

まぁまぁそう言わないで下さいよ兄さん姉さん。

 

 

長くグダグダ書こうとは思っていませんが・・・やっぱり長くなるかな。性分なのでね。

 

 

だけど、読み終えた時に、「よし、この映画を観よう!」と思っていただけるように熱量と気持ちを込めて紹介したいです。

 

 

 

昔の自分のスタイルで(ガラケーで1万文字打ってた頃(笑))

 

チラシやネットなど、参考とするものを要さずに、自分の知識と観点だけで、語ってみます。

 

 

 

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『犬猿』

 

 

 

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本年度劇場鑑賞作品vol.15

 

 

(日本映画鑑賞作品vol.3)

 

 

 

監督【吉田恵輔】

 

 

【窪田正孝】【新井浩文】

【江上恵子】【筧美和子】

 

 

 

東京郊外。西東京の方かな。

同じ地域に住んでいる2つの兄弟&姉妹の物語です。

 

 

それぞれ2人兄弟で、表の面は容姿も性格も違う。は似てます兄弟ですから。

 

 

主人公カズナリは、年齢は20代後半あたりかな、物静かなサラリーマン。物腰も柔らかい。覇気はないけど、親を大事にしているのがまず1番で、誰かと会話している様子などから好青年に感じます。

 

 

登場シーンはチンピラに絡まれます。車が擦ったと言いがかりで慰謝料を請求されている模様。

 

 

この言いがかりをつけてくる輩。私が大好きな井筒監督の『ヒーローショー』で、生き埋めにされたチンピラ役を演じていた俳優さんでした( ´ ▽ ` )

 

 

「あん、テメェ、どうしてくれんだよ」と舐めるように脅す輩。

すると助手席に座っていた輩の連れの一人が、慌てて車から降りてきて耳打ち。「あの人の弟さんだよ」「このことは言わないで下さい」・・と逃げていく。

 

 

服役中の兄タクジは、地域では有名な、悪党です。刑期を終え出所したようです。

 

 

主人公はその「兄」から何度も携帯電話に着信が来ていますが、それに気付きながら表情を変えずにスルーしています。

 

 

居留守を決め込むその様子を見ていて、きっと関わり合いたくないんだろうな、と単純に思いました。この弟は真っ当に生きているもの。。

 

 

だけれど家に帰ると玄関前にいる「兄」。

 

 

「よう!」目を丸くして「兄ちゃん!?どうやってここ知ったの?」「ババァ(お母さん)から聞いたんだよ」「電話ごめんね、折り返そうと思ったんだけど」(部屋に上がり込み)「とりあえずここに泊めてくれ、それから10万貸しといてくれや」

 

 

記憶違いがあるとは思いますけど、まぁ大体はこんなやりとりがあって、それぞれの人間性的なものを想像できるかと思います。

 

 

この後も、兄からの着信には、出ないことが多いです。

そういう時に限って、兄はその様子を見ているものです。野生の勘がとても鋭いです。

 

 

バレた時は、ごめんね電話に気付かなかったんだ、掛け直す予定だったんだと、必ず弁解をします。

 

 

こうして兄弟の共同生活は始まり、弟にとっては厄介者で生活を乱す兄との暮らしが始まりますが、

 

 

この兄に、弟は結構、告げ口をするんです。末っ子の怖さでしょうか。

 

 

多分、子供の頃から何かあると「お兄ちゃんに言いつけてやる」と最終手段に使ってきたのでしょう。なんだかんだで兄のことを頼りにしつつ、利用していますこの弟。

 

 

 

冒頭に「このこと、お兄さんには言わないで下さい」と頭を下げて退散したチンピラのことも兄に伝え、次の日には、探し出してボコボコにして、携帯でパシャ、それを弟に送って「そこまでしなくていいよ兄ちゃん!」「あん?お前、俺に話せばどうなるかってこと知ってて言ったんだろーが?」

 

 

確かに。

 

 

この流れを観ていて、私は「えっ?それは告げ口しなくていいんじゃない?」と弟に対して思いました。

 

 

兄は根っからの悪人であると見ていて分かりますけど、時々優しさを見せれば、観客の印象もよくなるから、良い役割だなと思います。

 

 

対して弟は、見るからに真面目でこの若さで老後のことも考えている性格ですが、展開が進む中で深く接する人との会話の様子を探って見ると、ははぁ〜こりゃ血筋だなって思います。

 

 

こういう人ほど切れると何するか分からないタイプの人間。うちに秘める狂気。もし犯罪を犯したら、世間からは犯罪者の血筋みたいに思われるのでしょう。

 

 

 

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もう一つの兄弟は姉妹です。年齢設定が分かりませんが、小学生時代を回想シーンで紹介していますので、大体5・6学年は離れているでしょうか。30代と20代の姉妹だと思います。

 

 

 

まずはお姉さんから。

 

 

子供の頃から体が大きくて、だけど頭が良くて、「お母さん」みたいな子供。

学校に一人はいたでしょう。私の通っていた学校にもいました。

 

 

本人からすればコンプレックスなんでしょうけど、子供は残酷。デブでブス。そんな大きな子供がそのまま大人になると、中傷的な見た目いじりは減りますが、社会の大人達はそんな彼女をオブラートに包みながら接します。褒めるところは性格など内面となるでしょう。

 

 

この長女は、寝たきりになった父親から印刷会社を引き継いだ二代目社長。朝から晩まで働いて、従業員達の生活も考えなければいけないし、父親の介護と、家庭の仕事もこなす独身女性です。本当に凄いと思います。

 

 

対象的に妹は、子供の頃から可愛くて周りに容姿を褒められて成長してきました。

頭の出来とかはよくありますけど、容姿を比較される姉妹って、残酷だと思います。

 

 

現在は社長となる姉の下で事務職をしていますが、男性から喋りかけられるのは決まって妹。とても分かりやすいです。生れながらにちやほやされて来た人あるあるで、異性に対してフランクに接します。

 

 

姉はそんな態度に堪忍袋の尾が切れそう。肩をぶつけたり、邪魔者にしたり意地悪はします。

 

 

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お客様をお見送りをした後は、いつも「あんた馴れ馴れしくしすぎだよ」と注意。

ニコニコがピタッ。

 

 

女優を目指し芸能プロダクションに所属しています。姉からは「真似事」と揶揄され、遠回しに「あんたじゃ無理」と言っている様子が受け取れます。個人的にも胸に突き刺さるなぁ、この言葉(⌒-⌒; )

 

 

事務員をしながら芸能活動をしている、そういう方って、私が知っている限りでも現実に沢山います。そういう中から第一線で活躍できるのは一握り中の一握り。

 

 

家の中では家事も手伝わずに、ラフな格好でスマホをいじってテレビを見てる妹。

そんな彼女の生き方を観察している姉はイライラが溜まっている。あんたは良いよね。

 

 

あんたはいいよね。観ていてすごくそのボヤキに納得する。

 

けれど、妹も妹なりに頑張って生きていること、やっぱり知ってる。

 

 

__

 

 

 

姉には密かに想いを寄せてきた男性がいます。それが主人公カズナリ。

 

 

仕事で度々姉妹の印刷会社を訪れるカズナリ。彼の前では仲のいい姉妹を装う。

 

 

「女性は見た目ですか?」「私お肉好きなんです。好きですか?近くにステーキ屋が出来たんですー」など世間話を話ししながら、彼女なりにアプローチして探っていく。

 

 

ある時、カズナリから無理な発注の依頼を頼まれ、なんでもしますからお願いします、と。「なんでもしてくれるの?」「はい!僕にできることであれば!」「じゃあ・・」と、仕事を引き受ける条件に、念願のデートをすることになった姉。

 

 

初デートは、富士急ハイランド。

 

電車で行ったのか車で行ったのかは分かりません。

 

 

楽しそうにコーヒーカップに乗って回っています姉ちゃん。

アハハアハハアハハブハハハ・・・こういう笑い声だけの描写、好きですmAb。

 

 

そのあと、イカれてるんじゃないかと思うほど、霧吹きの様に嘔吐してます。ゲロの霧吹きΣ(・□・;)。これには劇中声に出して笑ったー。

 

 

(コーヒーカップに乗るのは分かるけど、調子に乗ってめっちゃレバーを回すのは大学生までだ!(笑))

 

 

ゲロゲロしたけど、オメカシした初デート。告白できなかったけど、次に繋がると思った初デート。

 

 

 

そんな奥手の姉の様子をウォッチングしながら、社会人として負けている腹いせなのか当てつけなのか、姉の片思いの相手カズナリを狙っている妹。

 

 

それから何日か経て、彼と付き合う妹。

 

 

その事実を仕事の話をするためのテイで入ったファミレスにて、「実は妹さんと付き合っているんです」と彼の口から知った姉は、ドリンクバーのドリンクを吹き出し、以降は情緒不安定に。この時あたりから本当に可哀想だったな・・。

 

 

(感情的になってるなmAb)

 

 

男性経験も交際経験もないだろうお姉さんにようやく来た春。そんな春一番を妹が木枯らしに変えて吹かせる。不憫じゃのー。

 

 

 

__

 

 

 

一方、今度は兄弟です。

 

 

出所し、同居生活をする兄弟。

 

 

癪に障る=手を出す、しかも顔。

 

 

顔をひっぱ叩いてきます。

 

 

弟は兄弟だからタメ口です。ある程度〔扱い〕が分かっているので、癪に障ることを言いますけど、すぐに謝ります。「あん?」となったら「ごめん兄ちゃん」。

 

 

余談ですが、

日本の刑務所を出所した者の多くが再犯を犯すと聞きます。

 

 

たまたまそこに警察だとかがいなかっただけで、繁華街の路地などで半殺しを行う暴力性。

 

 

どうやらこの兄、若気の至りとかではなく、多分30になっても40になっても、尖りに尖った人間性のままだと思います。

 

 

窃盗罪。初犯だとは思いません。これまでも少年院などに入ってきたのだと思います。更生もそうだし、反省の色が一切見えないので、本当、なんのために刑務所があるんだろうと、この兄の姿を見ていて思います。

 

 

そんな兄は出所後、なにやら「痩せるサプリメント」とかそう言った類の「儲け話」の誘いに乗って起業します。

 

 

ここで凄いのは、かなり儲けるんですね、お兄ちゃん。

 

 

普通なら「凄い」でしょうし、立派になったね、おめでとう!って感じですけど、

 

 

この商売には裏があって、いつか捕まるのは、冒頭から人間性を見てきて、観客なら予想できると思う。

 

 

何はともあれ、兄弟で実家に帰省し、家族団欒の一時。

 

 

高級車に乗って、最高級のホテルに泊まって、何万もするワインを飲んで。

 

 

弟が毎月、もう何年間も、コツコツと返していた親の借金も、一括で返します。

 

 

これには弟だって立場ないですよね。

 

 

羽振りが良くなると、元々偉そうだった性格が更にドギツクなり、全ての物事で上から物を言う様に。

 

 

親孝行の形をお金や物で表す兄。

 

親からすれば、たとえ汚いお金だと勘付いていても、借金が全てなくなり、家族が揃っているんですから、ようやく訪れたこの束の間の家族団欒を楽しんでいるように思えます。

 

 

ただ親にとっても、長男は怖い存在のようで、ビクビクしています。

 

 

このシーンが印象的でした。

 

 

再び帰省中の兄は、最新のマッサージ機をプレゼントし、届いたばかりの椅子に年老いた父を座らせます。

 

 

お父さんは、しばらくして座椅子に移動。

 

 

父は次男(弟)からプレゼントしてもらった「腰が痛くなりにくい座椅子」が良さそう。

 

 

「カズナリ(次男)がプレゼントしてくれたんだよ」と母親。

 

 

それを聞いて、キレた兄は「てめぇこっちに座れよ」と癇癪。父はヒェーと怯えて、慌ててマッサージ機に戻ります。

 

 

どちらもプレゼントなんですけど、心、それも「真心」が篭っているのは、やっぱり座椅子でしょうね。

 

 

親に対して、産んでもらった母親に対して、こうした口の聞き方をする。私は個人的にこっちのほうが許せませんけど。

 

 

こうして

いつ何を仕出かすか分からない兄と、回避するのが上手で平穏に暮らす弟が描かれて行きますが、タイトルにもある様に「犬猿」ということは忘れてはなりません。

 

 

この映画の素晴らしい点は、「犬猿」ということを、忘れてしまう時が多くあることです。

 

 

犯罪者にも当然ながら親がいるわけですよね。

 

 

やはり「血」って争えないと思うんです。

 

 

こんな犯罪者を生んだ親・育てた親はどんな人なんだろう?と私は思っていて、

 

 

劇中に登場した親御さんは、人が良さそうな夫婦です。お父さんは他人の借金の保証人になって、借金を返しているような人。

 

 

 

ちょくちょくですが、劇中のいたるところで、登場する双方の兄弟・姉妹の親。

 

 

あくまで主役は4人で、もちろん親は「主役」ではないですし、映画のアクセント的な出場の仕方ですけど、私にとってはインパクトは十分で、探り甲斐もありましたし、丁度いい尺でした。

 

 

これがもう数分、親の出番を増やしていたら、少々説明が押し付けがましくなったことでしょう。

 

 

__

 

 

 

劇中の展開は少々残念でした。

 

 

映画を観た感じの進行だと、

兄が刑務所から出所し、何日かして、事業を始め、成功し、容疑者になる。

 

 

季節は少なくとも1つは変わっていると思います。

 

 

ならば背景などで時の経過を知らせる工夫があっても良かったし、主人公の描写は随分スローに描いているのに対して、兄の時間の描写はうどんみたいにツルッとしていたので、ここは自分が思う残念な点です。

 

 

__

 

 

 

男は暴力、女は僻みや嫉妬。そんな双方の兄弟像。

 

 

中盤。

 

 

末っ子同士が付き合うことになって、映画は2人のデートのシーンを多く描く様になる。

 

 

互いの兄・姉のことを知っている2人は、

「僕のお兄ちゃんはさ」「私のお姉ちゃんはさ」と話の種に語る。

 

 

だけど身内のことを悪く言われたら気分を害す。自分だから(愚痴を)言っていいのです兄を、そして姉を。他人に言われたら腹が立ちます。そういう些細な真理、よく書けています、この映画の脚本。

 

 

デートの場所は、皮肉にも姉と行った富士急ハイランド。

 

 

普通に考えて、気持ち悪くないですか?

 

 

事情があったにせよ、お姉さんと行った遊園地に、妹と行くなんて。

 

 

この辺から、主人公のことを私は気持ち悪く感じました。

 

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後、姉妹とも富士急のロゴが入ったビニール袋を片手に持って自宅に帰って来ますけど、膨らみもないし、一体何買ったんだろ?なんて気になりました(⌒-⌒; )厚さからみてハンカチ的なものかな。

 

 

弟・妹がよろしくやっている時、

 

兄・姉は、自分のことで精一杯です。

 

 

姉はたった1つの恋の終わりを認められずに、軽くストーカーみたいになって、妹は「彼、お姉ちゃんのこと気持ち悪いって言ってたよ、もう近づかないで」と、あえて傷つけようと口撃。

 

 

本当に働き者で、自分の私生活も犠牲にして仕事も介護も家業もこなす偉すぎる女性なので、彼女の味方にもなりたい。けれどプッツンするとめちゃ怖い。そのギャップもこの映画の見せ方だと思います。

 

 

兄は、案の定、警察に追われて、身を隠すのに必死になっています。もうとにかくカウントダウンが近づいています。兄ちゃん自首してくれ。うるせー。

 

 

悪いことをしているのだから早く捕まって欲しいという心境で観ていましたけど、追い詰められれば哀れに思うし、こういう感情移入になれるも、この映画の見せ方なんでしょうね。

 

 

 

__

 

 

 

物語の中盤までを私なりに語りました。

 

 

記憶だけで書いているので、間違っているかもしれません。このまま続けます。

 

 

ここからは見解と加点部分を語ります。

 

 

この映画で一番、私的に収穫だったのは【筧美和子】さんです。

 

 

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筧美和子さんは、グラビアタレントで、ドッキリ番組の仕掛け人などバレエティーでもご活躍されている方、というのが私の印象です。モデル業も熟すモグラ女子。

 

 

そんな彼女が演じるマコは、

 

女優の卵で、卵から孵化するために、殻を破るため揺れて、胸も揺れて、グラビアをする。

 

やはり目立つバストから、男性向けの仕事中心になる。

 

服を脱いで、水着になって、隠す面積が段々と小さくなって、行きゆく先はアダルトビデオか?

 

 

この絶妙なラインを攻めてきているのでリアル。売れないタレントの妹。子供の頃は街で一番可愛かったけれど、組織に入ったら、この子くらいのレベルは大勢いる。

 

 

そうならないために、立ち直れなくなる前に、早く夢を諦めなさい。きっと姉の優しさなんでしょうけど、意地になる。

 

 

 

__

 

 

 

女優としては初見ですが、ニッチェの【江上敬子】さんが姉役を演じます。

 

 

ニッチェさんのコントはよく観てましたし、芸人さんって普段から壇上で演技していますから、これが映像演劇になった場合でも、どういう演技をされるのか?ある程度予想がついていますし、ハマれば上手いことも知っている。

 

 

醜女の役を演じられるのも、女芸人さんだからこそ、感服の至りです。

 

 

私の古い友人でもある新井浩文くんの、魚が死んだような目で、ドラマ的な悪党を演じるのも、安定感があるだろうと、観る前からイメージできましたし、

 

 

主演の窪田正孝さんも、私的には結構観てきた俳優なので

 

伸びしろというよりは、低姿勢の弟キャラなので、どの役にでも合う、「宮崎あおいタイプ」の俳優に思えます。

 

 

(余談に、アクション映画で鍛えた筋肉質な体は、この映画(ドラマ)では不向き。脂肪をつけるか、それが無理なら体を大きくしていった方がいい)

 

 

 

そんな予想できる3名の中に、筧美和子さんってどうなのかな?と、私はそっちの方に興味があって、今作品を鑑賞しました

 

 

キャスティングに意外性があった。これが理由です。TOHO以外で映画を観るのは、私には理由が必要なんです。

 

 

 

それで鑑賞中・鑑賞後に・・なかなかないyo、身を乗り出して見てたmAb。

 

 

正直、グラビアやタレントとしての彼女には興味がなかったのですが、

 

女優としての筧美和子さんには、本気で興味を持つ結果になりました。

 

 

丸みのある体とは対照的に顔の輪郭は四角くて、熱演するとゴリラ系に。興奮(熱演)すると顎を突き出して言葉を発するタイプでしょう。

 

 

透き通る白い肌にはソバカスがあって、そして憂いを感じるMっ気。

 

 

劇中で、パワハラ気味の姉に「ごめんなさい」と、常に受け手になる妹のシーンがあります。

 

 

それでも仕事場では「姉を立てて」いて、姉妹になったら常に啀み合う。

 

 

男兄弟にはこれがないけど、服の趣味も一緒だったりする。

 

 

本当に良かったです。絶賛。

 

 

ラストシーンは筧美和子の迫真の演技に泣かされました!!

 

 

 

正直、制作側の目線で観ると、

 

 

こういう役(売れないタレント)(枕営業系)を演じていると、イメージが付くので、他の役幅の使い勝手は悪くなりそうですが

 

 

年齢もまだお若いですし、今後女優として活躍するなら、これ以上の濡れ場は演じて欲しくないですね。戻れなくなるので。

 

 

きっと素晴らしい女優さんになると思います。

 

 

今後は正統派路線で、同じくグラビアで活躍していた【綾瀬はるか】みたいになってほしいです。

 

 

 

___

 

 

 

そしてタイトル『犬猿』。

 

 

まるで優れたアメリカ映画のタイトルみたいに、根本考えられていて、話の筋がしっかりしている。何を描いているか?劇中に分からなくなったら、タイトルに戻ればいい。そこに答えがあるし、作者や監督の狙いがある。

 

 

 

見た目的には「似ていない」2つの兄弟ですが、顔の別系統をカバーするように根本の性格が似ているように感じさせてくれるので、結果、兄弟(姉妹)に視えました。

 

 

劇中にほっこりする部分とか、和やかなムードに包まれる瞬間が訪れるたび、このままがいいなぁ・・なんて気持ちになっていたけど

 

 

どこに導火線があるのか分からず、長年の付き合いの兄弟だから(これを言ったら怒ると分かっていても)つい口を滑らせて、イライライラ。険悪。

 

 

 

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そんな

ピリピリ・イライラムードの中で、ありがとうとか笑顔があるから、帳消しになるくらいにホッとします。

 

 

これぞ

 

緊張と緩和

 

 

普段アメリカ映画を見ていて、感情激しく大喧嘩とかした後に、ハッピーオーラを出している流れがよくありますが、

 

 

そういう欧米人の陽気さに比べると、日本映画は人種から個性的ですし、派手じゃなくて、限られた予算の中で、上手い役者を上手に起用した緊張と緩和の映像演劇。

 

 

これぞ日本映画の醍醐味だと改めて思いました。

 

 

__

 

 

 

長々と語りました。すみません。

 

 

2月10日の公開ということなので、絶賛公開中かと思います。

 

 

ただこのシネコンのご時世ですから、ロングランする可能性も低いです。

 

 

今年は他にも日本映画を観ましたが、書きたい!と思ったのは今作が初だったので、前倒しで書きました。

 

 

騙されたと思って観てみなよ!なんて本当は書きたいんですけどね。

 

 

(書いてるじゃん)

 

 

おそらく巨大な銀幕で観るほど味がある作品だと思っています。

 

 

ここまで読まれたお兄ちゃん!お姉ちゃん!妹さん!弟さん!お母さん!お父さん!あとなんだ?オジさん!オバさん!一人っ子も!

 

 

この映画がお近くのcinema complexで上映されていた場合は

 

 

是非ともGOで御座います。

 

 

 

⏬YouTube

 

 

 

 

 

 

脚本 14点

演技 14点

構成 15点

展開 13点

完成度14点

 

 

〔70〕点

 

 

 

 

無事にTOHOフリーパスを取得し、先月あえて観なかった新作映画も十分貯まっています。今月は映画日和が続きそうです。

 

 

 

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LIFE IS NOW

 

 

一期一会の三月を。桜と弥生と別れの季節を。

 

 

【mAb】

 

 

映画評論『The Shape of Water』

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本年度アカデミー賞

 

最優秀作品賞

最優秀監督賞

最優秀作曲賞

最優秀美術賞

 

 

受賞作品

 

 

『シェイプ・オブ・ウォーター』

 

 

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本年度劇場鑑賞作品vol.26

 

 

ジャンル〔ダークファンタジー /ラブドラマ〕

 

 

 

監督🎬【ギレルモ・デル・トロ】

 

 

出演

 

 

【サリー・ホーキンス】

 

【マイケル・シャノン】

【リチャード・ジェンキンス】

【オクタヴィア・スペンサー】

【マイケル・サタールバーグ】

 

 

 

配給〔20世紀フォックス〕

本編〔2:03〕

 

 

 

_____

 

 

 

先日開催されたアカデミー賞にて

今年の最優秀作品賞が『シェイプ・オブ・ウォーター』に決定しました。

 

 

他、監督賞、作曲賞、美術賞で受賞となり計4部門のアッパレ。

 

 

今年のアカデミー賞は、日本人メイクアップの方が受賞されるなど日本史に残るものではありましたが、主要6部門を見て、終わってみれば「2強」の戦いだったと振り返ります。

 

 

先に鑑賞して記事にもした『スリー・ビルボード』を大賞確実視にしていたので、個人的には不的中ではありました。

 

 

最近の作品賞といえば『バードマン』など、私からすればキワモノで、一癖のある内容の映画が受賞しているので、その流れが読めなかったなぁ(⌒-⌒; )なんて都合よく解釈しております。

 

 

今作はダークファンタジーにラブの要素を強く足した世界観。

 

 

足し方を間違えれば、調合を間違えれば、失敗に終わるB級映画になったでしょう。

 

 

本編が終わりエンドクレジットの時間帯では、シートに背もたれて眉間にしわを寄せ「これも愛の形なんだろう」なんて云う臭いセリフが私は頭の中に過ぎり、納得・消化しようとしていました。

 

 

描いている内容だとか脚本自体は既存的で、正直、案外大したことがないと思うのですけど

 

 

その表現力だったり表現量だったりが多く魅力的で、作品を司る世界観が十二分に表されているので、フィクションから「かもしれない」の気分に持って行かれた感覚になりました。

 

 

__

 

 

 

主演女優には英国女優の【サリー・ホーキンス】〔41〕

 

 

私には『パディントン』などで観せたお母さん役のイメージがあったので、失礼ながら「若さ」(フレッシュさ)は感じませんが、とにかく演技が巧い。たくみ。

 

 

「ここは脱がなくてもいいんじゃないか?」と冷静に観てしまったほど、何度もバスローブを着たり脱いだりしているので、その脱ぎっぷりからフランス女優のイメージも感じましたね。

 

 

 

また、東京国際映画祭ではR18指定で上映。全国公開ではモザイク処理でR15指定。

 

 

最近は、暴力的や性的な映画(特に日本の商業映画)でも年齢制限のないPG指定で公開されていたので、久しぶりにシネコン映画でR指定映画となりひと安心。

 

 

まぁ流石にね。フルヌードですし、一部分とはいえ『ドラゴンタトゥーの女』ぶりにモザイクが描けられていましたから映倫さんもね。

 

 

 

孤独を感じる中年の独身女性、自宅での毎日の日課はバスタブでの自慰行為。

 

 

上司夫婦の営みの様子ではモザイク。この部分がレーティング対象です。

 

 

近年、上記の描写でもR指定がかからないことへ疑問や、犯罪などを助長するのでは?という不安・不信感があったので、私も自分の記事内でその思いを書いていました。

声を上げない者たちは賛成している、と。

 

 

 

スッポンポンの幻想的なラブシーン。

 

 

R18ではなくR15指定なので、ムラムラしている高校生は観れるだろうな。40代英国女優の裸ですけどね(笑)

 

 

だけど、サリー・ホーキンスの裸体って、変な目線じゃなくて、脂肪分の少ない華奢な体格にほのかに肉付きが良くて、特に曲線がホントに綺麗で見とれてしまいました。絵画のような裸体だ。

 

 

他のレーティング理由は暴力描写とあるので、差別や動物虐待とかかな。

 

 

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気持ち悪いな。このキャラ。

 

 

では始めます。

 

 

___

 

 

 

オープニング。中年で細身の女性がバスローブをはらりと脱いで、印象的なお尻(背中)のアップショットを魅せる。

 

 

ただの入浴シーンだと思っていたら、バスタブの中でマスターベーションをし始めて、小さく喘ぎ出す。

 

 

話は少々脱線しますけど(戻ってくるから読んでてね)

 

 

日本人の映画鑑賞マナーって世界的に見ても静かだと思います。(肝心な世界の映画事情を知りませんけど(^◇^;))

 

 

予告の時点で小声。映画が始まる前には鑑賞中の注意事項が巨大スクリーンに映し出される。

 

 

咳一つしても神経質な人は気になる文化人種体質になってしまった。私自身も模範的な姿勢で鑑賞しています。

 

 

そんな感じで毎回思うのが、こういうマスターベーションだとか、性行為のシーンになると、気不味いなってね。観客同士は赤の他人だけど、家族でテレビを見ていてキスシーンになると気不味くなったあの時の感じ。

 

 

その描写を観客が、芸術だ!表現だ!って意識になって、黙って鑑賞している様子を俯瞰で観てしまって、実際はあまり集中できていないんです。

 

 

映画とはいえ改めてシュールだなと思った立ち上がりです。

 

 

その後、映画が描いていくのは、定石通り状況説明と自己紹介です。

 

 

アパートの一室に独身の女が一人、暮らしている。仕事は清掃業、巨大企業(施設)の清掃員。

 

 

彼女は、働いて、テレビを見て、マスターベーションの繰り返し。それが彼女の1日

 

 

この場合、媒体は主婦でもいいんだけど、「同じ繰り返しの毎日」という紹介の表現はこれまでも「割とよくある映画」の展開でしょう。

 

 

割とよく・・ない、のが、主人公が未婚中年女性で発話障害があるということ。

 

 

この設定がなければ、おそらくアカデミー賞にも引っかからなかったでしょうね。

 

 

(1960年代の映画なので、障害の「害」の字で表記致しますm(__)m)

 

 

※ 発話障害

 

 

アメリカ映画はもちろん、発音の難しい英語が主語なので、英語は言語障害が多い言語です。

 

 

非常に多くのドラマ映画で「吃音の主人公」が登場してきたのを鑑賞しましたが、彼女の場合は友人から「彼女は喋れないのよ」と紹介されます。

 

 

詳しいことは分からないけれど、

 

 

「彼女は喋れないのよ」

 

 

そう知らされると、私たちはある程度、理解しませんか?

 

 

 

___

 

 

 

時代背景は西暦1962年。冷戦時代のアメリカ。

 

 

ということで、敵(好敵手)となるのはソビエト連邦ですね。

 

 

世界はこの2つの強国が中心です。

 

 

そして、そもそもアメリカ映画ですから、アメリカ側の言い分だとか主張・主観で製作されるの前提で、鑑賞することが必然となります。

 

 

でも私達日本人はアメリカ脳の映画を沢山観てきましたので、意識さえしなければ特に違和感はないと思います。

 

 

(ロシア側の言い分もたまには観てみたいものだ)

 

 

主人公の女性は発話障害という言語障害を持っていますが、

 

 

喋れない(声が出ない)こと以外は健常者と変わらないので、「障害者」という感じには外見からそこまで分からない。

 

 

「普通に喋れる雰囲気」がこの女優にはある。

 

 

しかし、手話があることで、周りが「あっ」となるはず。

 

 

ホント手話を使う場合って独特な空気になりますね。進行するはずの映像の中で時が止まったように感じます。

 

 

 

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(手話の意味は放送禁止用語)

 

 

障害を持つ人に対する健常者の向き合い方。

この点は日本と海外の障害者への見方・扱い方が違うとも思います。

 

職場の同僚も「割り込むんじゃないよ!」と苛立っています。

 

 

 

彼女の名前は【イライザ】。声に出して喋ることが出来ません。

 

 

少々私が戸惑ったのは、彼女には家族がいないことです。

 

 

こういう女性を描く映画って、元来サポート役で家族などが登場するのが当然の(ケアの)ように思っていたので、それだけで、なんだか凄く孤独に思えます。

 

 

正確な年齢設定は分かりませんが、独身のアラフォー女性で、一人暮らし。

 

 

仕事は航空宇宙研究センターで清掃員として働いています。研究施設内を清掃する掃除のおばちゃん。

 

 

米ソ冷戦時代で代表的なのが宇宙開発競争ですね。意地張り合って競い合いますが、それで大きく科学の進歩が進むのですから皮肉なものです。競争ですから運動会の定番『天国と地獄』の陽気なBGMを流しましょう(笑)

 

 

紅組ソビエト頑張ってください!白組アメリカも頑張ってください!

 

 

(ふざけ過ぎだΣ(・□・;))

 

 

発話障害の女性で、しかも身分もしっかりしていないような女性が、アメリカ政府の機密機関で働くのも、結構意外に思えますが、

 

 

イライザは、最重要機密の部屋の清掃まで、モップでスイスイと、体はズイズイと行っているんですね。いちパートの女性がここまで入れるの!?

 

 

喋れないのだから、口を割るいうことはないし、機密機関で働くぶんには、いい設定だなと視ていましたが、内部的には随分ユルいとも時代とはいえ思いました。

 

 

___

 

 

 

発話障害、中年の独身女性、イライザ。この設定だけで、どうとでも発想の枝分けを拡げられる役柄だと思います。

 

 

続いて主要登場人物である4名を流れの中で紹介します。

 

 

 

そんなイライザには親友が2人。

それ以外の人達は彼女の人生ではエキストラ。

 

 

アパートの隣人【ジャイルズ】。

ジャイルズはゲイの初老男性でイラストレーター。

 

 

近所のダイナーの若い男性スタッフに淡い恋心を抱いていますが、喋りかけることも勇気が入って、いつもイライザの部屋で恋バナをしています。

 

 

演じる俳優はアメリカの名優【リチャード・ジェンキンス】〔70〕

 

 

ジャイルズ像で特に印象強く描いているのが「老い」だと思います。

 

 

ジャイルズはイライザ同様、独身で一人暮らし。何をきっかけに意気投合したのかな?彼女の部屋でお喋りするのが日課です。

 

 

孤独なゲイの老人。

過去にどのような交際歴・結婚歴があったのかは描いていないので分かりませんが、孤独と老いに対して凄く恐れていました。

 

 

年相応の毛髪分量ですが、絶賛恋しちゃっているので、髪の量をやたらと気にしてカツラを着用。

 

 

叶わぬだろうと知りつつも淡く恋心を抱き、絵描きとしてもう一花咲かせるため筆を進めている、そんな再起をかける状況を描写しているのに、作品が私に訴えてくるのは、なんだかとても勢いのない悲しいジャイルズという人間でした。

 

 

__

 

 

 

もう一人の親友が、黒人女性【ゼルダ】。清掃員の同僚で、持ち場もだいたい同じコンビ。

 

 

 

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ゼルダはとにかく「よく喋る」陽気な黒人の印象です。

主人公の精神的な部分をサポートしますし、人間味があって、非常に気が利く・機転が利く人。

 

 

状況判断だとかポリシーをちゃんと持っている女性です。

 

 

1960年代前半ですから、黒人がこんなに白人の社会で目立って大丈夫なのかな?と内心ドキドキしながら視ていましたが、機密機関内でも大声で私語を話すような人なので、彼女の陽気な性格が逆に可笑しかったです(笑)緊張と緩和。これ大事。

 

 

 

黒人女優はオスカー女優(2011'『ヘルプ』)の【オクタヴィア・スペンサー】〔47〕ポッチャリ体型で目玉が西川きよしさんばりに飛び出す。名脇役です。

 

 

主人公に家族がいないので、2人は身内みたいなもの。

とても純粋な心を持った人間。筋斗雲に乗れるだろうな。

 

 

指摘点として私があげたいのは、この2名とも手話を難なく聞き取れるので、コミュケーションを自然に取れていますが、その経緯も紹介して欲しかったこと。

 

 

彼女と出会ってから手話を覚えたのか、出会う前から習っていたのか?。

 

 

それを描くことで、捉え方も見方も変わると思います。前者だったら感動しますしね。

 

 

もう一つは、ゼルダがここまで主人公を守る理由を正確(明確)に描写して欲しかったです。

 

 

友人関係に理屈・意味はフィーリングなのでいらないですが、映画で描く以上は理由が欲しかったな。

 

 

障害者・手話/老人・ゲイ/黒人・女性。

 

 

こういう世間的に弱い(差別を受けやすい)立場になる3人をベースに描いてくるところが、ある意味で(賞レースを)狙っていますよね。

 

 

女優の余談に、記事に出来ませんでしたが(実は半分だけ書いて保存して放置したままの状態(⌒-⌒; ))

 

 

昨年日本で公開された『ドリーム』にも出演されていたオクタヴィア。

 

 

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(2017年度劇場鑑賞作品vol.90)

 

 

同じく60年代の冷戦期。NASAの職員。その映画で黒人差別がNASAでもあったと描いていました。そうした意識で上記に白人の社会で目立って大丈夫なのかな?と書きました。

 

 

この映画には黒人差別ってそこまで描いていないので、もし描いていたら、こちらも『デトロイト』みたいにアカデミー賞にはノミネートしなかったかも知れませんね。

 

 

(人種差別を描くとアメリカでは賞レースに出場すらできない、それが真逆の年もある。ここ近年のアカデミー賞はお国事情が大きい)

 

 

__

 

 

 

物語に戻ります。

 

 

主人公が清掃員として働く「航空宇宙研究センター」という国家の機関に、

 

 

外国で捕獲したある大物が運び込まれてきました。

 

 

その正体は、アマゾンの神様。いにしえよりアマゾンの村人たちから崇拝された水神様です。

 

 

いかにも「20世紀!!」って感じがしますよね。

 

 

思えば名作『キングコング』だって、捜索隊が「その土地」で人々から崇拝される神様を捕獲して、アメリカに運んでくる物語です。

 

 

神を連れて行かれたアマゾンの人々のその後の様子も描いて欲しいんですけど、そこはアメリカ、俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの。剛田武さん。

 

 

 

運び込まれた 半魚人 は、二足歩行ですが、陸にあげると呼吸困難になる。塩素の強い水槽の中で生かされ、手足に枷をハメられ科学者たちに実験されます。人間界で生存するのは人間の飼育的な保護が必要。

 

 

司令官は軍人の【ストリックランド】。威圧的ですが、俳優の表情筋が柔らかいので、そこまで鬼軍曹という感じはしないです。

 

 

 

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演じる俳優は【マイケル・シャノン】〔43〕。マイケル・シャノンといえば角ばった顔立ちに見開いた目力。数々のハリウッド映画に出演するカメレオン俳優の印象。

 

 

__

 

 

 

もう一人の主要登場人物は、この生物を持ち込んだ博士【ホフステトラー】。

 

 

(今回の映画、みんな名字が読みにくい)

 

 

ドクター・ホフステトラー(写真右)は、この半魚人を実験体として、人間の代わりにロケットに乗せよう!と考えています。

 

 

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1960年代に入り、ロケットに生物を乗せていく段階に入っています。やがて人間。逆算して観れるから興味深い。

 

 

この点はアメリカファーストの映画なので、状況説明は少ないです。

 

理解度を深めるため事前に米ソ宇宙競争の記事を読んでおくことをオススメします

 

 

※ 米ソ宇宙開発競争

 

 

演じる俳優は【マイケル・スタールバーグ】〔49〕

現在最も脂の乗っている名脇役。言葉数の少ない役柄でしたが、滲み出る良い人感にホッとしました。

 

 

__

 

 

 

主人公を取り巻く物語(人間ドラマ)と、

 

主人公が勤める職場内で起こる物語(サスペンス)の2方向。

 

 

 

主人公イライザは

この未確認生物のルームの清掃を担当する。

 

 

見た感じ、彼女以外(イライザとゼルダ)は清掃しないようだ。

 

 

初対面時(驚かし描写で)ビクッとはなるけど、仲良くなろうとする。

 

 

姿を現した半魚人に卵を与える。市販の鳥の卵。半魚人は初め警戒、のち大好物。

 

 

会話は手話。これもいい。変な言い方だけど、お互い「喉」が詰まったような声を出すので。

 

 

打ち解けてくる2名。密会のつもりだが、見られているもの。

 

 

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その一方で、軍人ストリックランドに虐待され続ける半魚人は、マジギレして指を2指、食い千切る。人間なんて動物と戦ったら脆いもの。

 

 

これによってストリックランドは、この実験体をイジメ抜いて解剖してやろう!となる。

 

 

いやいや止してくれ!貴重な生物なんだ。有人ロケットとして半魚人を乗せる!と考えている化学博士と、解剖して生物の秘密を探ろう!とするストリックランド。

 

 

最終的に判断するのはさらに上の人間になるけど、互いの考えは真っ二つに。

 

 

そんな会話を聞くイライザ。耳は聞こえる。聞こえないふりをしているけど。

 

 

解剖・・・それを知ってワナワナ。なんとかして救いたい!!

 

 

 

お願い協力して!親友を頼る。

 

 

様々な葛藤を経て、意を決し協力する老人ジャイルズ。

イライザとの計画はこうだ。

 

 

敵の目を欺いて、その隙に半魚人を連れ出す、駐車場でジャイルズが運転する車に乗せて脱出。

 

 

とりあえずの隠れ蓑として自宅の風呂場に保護し、やがて降水確率の高い雨予想の日に、海に返す。

 

 

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(気持ち悪っΣ(・□・;))

 

 

(半分は魚だし、食べたらどんな味がするのかな?自分の発想も気持ち悪っΣ(・□・;))

 

 

 

防犯カメラの角度を手動で変えたり、偽造身分証で駐車場に入ったり、「今の時代」では考えられない安易な脱出法だけど、当時はお見事なのでしょう。

 

 

その証拠に、血眼になって捜しても犯人を見つけられません。まさか一個人による犯行だとは考えられずに、ソ連の犯行だとも思っています。イコール大失態です。

 

 

 

イライザは翌日からもいつも通りに出勤して、平然を装いながら、猜疑心の塊となったストリックランドの尋問もクリアして行く。

 

 

縁の下では黒人ゼルダがヨイショ。親友ゼルダの味方ぶりには感服。

 

 

そして、政府の機関から連れ出した半魚人と、オス♂メス♀の関係になるのです。

 

 

 

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劇中に観ていて

脱出の様子は、それほど見所は少なかったと思いましたけど、この映画はドラマ要素が強いので、ここだけが見せ場というわけではなく、総合的に流れの中で一連の動作が組み込まれている感じです。

 

 

__

 

 

 

最後に、今作品を鑑賞した直後のエレベーター内で、思いつくままスマホに箇条書きしたメモをそのままコピーして載せます。mAbの生の声です( ^∀^)

 

 

 

○ 大きな感動はないけど、色彩豊かで、最後のエンドクレジットまで世界観を堪能できる。

 

○ とにかくサリー・ホーキンスの裸身が素晴らしく綺麗だった。

 

 

○ 怪物の容姿に気持ち悪さがあるけど、「そのうち慣れるだろう、愛着が湧いてくるだろう」と自分に言い聞かせた。しかし最後まで気持ち悪かった。外見より中身を見なくちゃいけないな。

 

○ 誰がスパイだか〔本当〕を隠す時代

 

 

○ ただただ愛を歌った物語。外国の童話みたい。

 

 

○ 時代背景をもう少し説明的に描いても良かったのでは?と思うが、オスカーを取

っているので、何も言えねー。(何故北島康介Σ(・□・;))

 

 

○ 以前、日本でキモカワとかブスカワという枠があったが、このキャラクターは醜カワかな。

 

 

○ 仮面ライダーに出てきそうな怪人。怪奇アマゾンの魚人!!

 

 

 

○ でもオスの習性を出したり、そもそも主人公がシンボルのない魚人を見て、直感で「オス」と判断しているのもおかしな話だけど。。まぁそれで男と女というよりオスとメスになるので、人間の定義として考えなくていいのかな。

 

 

 

○ 個人的にネコを食べるシーンが印象的。魚人がネコを食べる・・・本来逆だろ!と思ったけど、ネコの首から上がなかったので「頭から食べるタイプΣ(・□・;)!」と思った。

 

 

○ この魚人、アベンジャーズの一員にならないのかな?

 

 

○ 自分が小学生の頃に読んでいたコロコロコミックの『おぼっちゃまくん』の王子様に、この半魚人、激似。

 

 

 

 

こういう箇条書きを1作品ごとに書き残していて・・・今確認したところ200件くらいあって(⌒-⌒; )

結局書かないで終わっている状態なので・・今後は掘り起こしてあげたいです。

 

 

(携帯を落としたらジ・エンドだな。)

 

 

 

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⬇️YouTube⬇️(公式予告動画)

 

 

 

 

 

 

 

脚本 14点

演技 15点

構成 14点

展開 14点

完成度15点

 

 

〔72〕点

 

 

 

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【mAb】

 

 

 

 

映画評論『Ready Player One』

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『レディ・プレイヤー 1』

 

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本年度劇場鑑賞作品vol.36

 

 

ジャンル〔SFアドヴェンチャー〕

 

 

 

物語)

 

 

 

2045年 

 

世界は荒廃している。

 

 

アメリカ合衆国

オハイオ州コロンバス

 

 

 

 

(wikipediaより)

 

 

町の住民には夢や希望がなく、この状況をよくするために決起するキッカケもなくなっていた。

 

 

そんなコロンバス民の唯一つとも言える町の娯楽は、バーチャル・リアリティ(VR)の世界に入り込むことである。

 

 

そこでは誰もが自分のなりたい姿(アバター)になれるのだ。

 

 

__

 

 

 

VR界の最王手「オアシス」社。

 

 

オアシスの世界に入れば、格闘ゲームやカーレースなどのアトラクションが満載で、プレーヤーの理想郷を楽しめる。

 

 

ある時、オアシスの開発者【ハリデー】が死んだ。

 

 

そして彼の遺言が、世界中のプレーヤー達が大冒険に出発するキッカケになった。

 

 

ハリデーは、オアシスの世界の中に3つの鍵を隠したと伝え、それをすべて見つけた最初のプレーヤーに、自分の資産と後継者の権利を与えるというのだ。

 

 

その価値なんと56兆円!!

 

 

この遺言に導かれ、世界中のプレーヤー達がオアシスのヘビーユーザーとなっている現在の状況である。

 

 

__

 

 

 

VR業界のNO.2に位置付ける「IOI」社は社長の【ソレント】の意向で、社運を賭け、社員総動員でオアシスの世界に入り、オアシス内に巨大帝国を作り、ハリデーの資産56兆円を狙っている。

 

 

獲得すればIOI社は1位になる。そしてソレントの私腹も肥えることに。。。

 

 

__

 

 

 

オアシスの世界に散りばめられたハリデーの資産を目指し、チームや組織を組み連携で鍵を探す者達、そして単独で狙う一匹狼の者達達もいる。

 

 

 

ある時、ついに1つ目の鍵を手にした者が現れた。

 

 

アバター名【パーシバル】。この映画の主人公【ウェイド】である。

 

 

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青年ウェイドは、半世紀前の1980年代のカルチャーに強く憧れている。

 

 

両親は子供の頃に亡くなり、育ての親の叔母の家で今も暮らしているコロンバス市民。

 

 

VRは、自宅から離れた廃棄車の中の秘密基地で行い、

 

素行の悪い叔母の彼氏に耐えながら、家には寝に帰っているだけの状況だ。

 

 

 

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1つの目の鍵を手にした者として、一躍、バーチャルの世界で超有名人となったウェイン。

 

 

ウェインが攻略法を見つけたことで、能力の高いものたちは彼の後に続き1stステージをクリアーしていく。

 

 

___

 

 

 

ある時。兼ねてから気になっていた孤高の女戦士【アルテミス】と親しくなり、念願叶いデートにこぎつける。

 

 

だが、彼女とのダンスタイム中に感情が高ぶり、現実社会でも君に会いたいと願い、つい本名を伝えてしまう。

 

 

有名人となったパーシバルの素性を探っていたIOI社の刺客によって、アルテミスには盗聴器がつけられていた。

 

 

バーチャル世界で本名を名乗ったその瞬間、彼のプライバシーは丸裸にされてしまう。

 

 

居場所を特定され、IOI社はドローンを飛ばしウェインの家をドーンと爆破。

 

 

ウェインの命を狙った攻撃により、叔母と叔母の恋人が犠牲となり死亡する。

 

 

__

 

 

 

目の前で家が爆発し、叔母が死んだ。

 

 

天涯孤独になりパニックとなるウェインの前に、想い人であるアバター名アルテミス、本名【サマンサ】が現れた。彼女は仮想現実の見た目と、実際の見た目(外見)が違う事をとても気にしていた。

 

 

サマンサたちの反乱軍に加入したウェインは、チームを組み、これからのプレイを共にすることとなる。

 

 

ハリデーがプレーヤー達に残した大いなる資産。

 

 

現実とバーチャル世界を股にかけた大冒険が始まる。

 

 

 

監督🎬

【スティーブン・スピルバーグ】

 

 

 

ウェイン

【タイ・シェリダン】〔21・米〕

 

 

サマンサ

【オリヴィア・クック】〔24・英〕

 

 

ハリデー

【マーク・ライランス】〔58・英〕

 

 

ソレント

【ベン・メンデルソーン】〔48・豪〕

 

 

 

配給〔ワーナーブラザーズ〕

本編〔2:20〕

 

 

 

_________

 

 

 

 

久しぶりに物語文を書きました。

 

 

映画人【スティーブン・スピルバーグ】〔71〕が兎に角、私の映画人生の中には在ります。

 

 

どのジャンルでも燦然と煌めくイメジネーションとメッセージを込める御人٩( ᐛ )و

 

 

 

今作品『レディ・プレーヤー・ワン』の最大の魅力となるのは、制作会社の所有権・著作権の垣根を超え、全世界のアニメーションやゲームや過去の映画のキャラクターが集結する映画。尋常ではない数であーる!!そして使用料などでとんでもない額の制作費がかけられた映画でもあーる。

 

 

(この魅力がなければ・・・)

 

 

最初、大まかな設定を聞いた時は、日本ではブロックバスター級にはヒットしなかったが、アダム・サンドラー主演の『ピクセル』を連想しました。その作品はドンキーコングなどコンピューターゲームや昭和のゲーム界(主にアメリカ)の人気キャラが沢山登場していて、懐かしさも9割で鑑賞中は興奮を覚えた映画でした。

 

 

今作品はそれらも全て網羅していて、これ多分史上最強なんじゃないか?と、今後これを超える作品が作られるのか心配になるほどの規模の映画です。

 

 

自分の好きなキャラクターのアバターなって仮想現実社会を生きる。

 

 

未だに概要を詳しく説明できないけれど、アバターという用語は大体の方がイメージできるだろうから説明は省きたい。

 

 

アニメやゲームだけではなく、BTTF(バック・トゥ・ザ・フューチャー)など20世紀末のクラシック映画を代表する名画も選択可能。それを撮るのが手掛けたスピルバーグ本人なら、まさに理想だし、本当のオールスター。

 

 

これが平成生まれの新鋭の監督が撮るとかになれば、おそらく中途半端な仕上がりだし、映画ファンの反感も買うでしょうね。ただ集めればいいってわけではないし、超大物監督自らが撮ってこそ味が出たと思います。

 

 

__

 

 

 

4月27日。公開初日の金曜日に鑑賞。とにかく久々に胸をワクワクさせ、楽しみにこの新作を待っていました。

 

 

そして、これは本音で嬉しい事なので先に紹介しておきます。

 

 

公開直前に発表されたキャストで、自分が陰ながら応援していた【森崎ウィン】〔27〕君がハリウッド映画に出演していたというニュース!!

 

 

日本では主役というより、主人公の親友役の番付けだったと思います。要するに主役のイメージがないところから、飛び級したウルトラC。

 

 

私がファンになったキッカケは深田恭子さん主演の学園ドラマ『学校じゃ教えられない!』で、主役中村蒼君の2番手でした。その時の恋のパートナーが仲里依紗さん。2番手って制作側にイメージがつきやすいし、なかなか主役になりづらいんですよね。

 

 

『学校じゃ教えられない!』。当時、そこまで話題になったドラマでもないですけど、数多くの学園ドラマの中でどうしてか・・この作品がスーパー好きで、今でもその時の熱が私にはあって、生徒役の出演者みんな好きになりました( ^∀^)

 

 

10代20代の若い男優が主演として活躍している昨今。起用も人気一辺倒になってきて、年齢的にも森崎君、最近見ないな・・消えちゃうのかな・・と寂しく思っていた矢先のサプライズだったので、これ、本当に嬉しかったです。

 

 

 

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今作は、ゲームの中の世界と、現実社会という2つの姿があり、

 

現実社会ではスーツを着てマフィア(リボーン?)みたいにクールなアクションシーンがありました。

 

 

仮想現実の中で演じる役(アバター)は日本人(モデルは三船敏郎)のサムライです。

 

 

これまで見てきたアメリカ映画の日本人の役(アクション)って、大体これ(現代人より侍・つまり過去(100年以上前)の日本人の像)が求められきましたので、スーツ姿は新鮮でした。

 

 

そして、今までは日本で成功し知名度が高かった(渡辺謙さんや真田広之さんや浅野忠信さんなど)脂の乗った中年の俳優さん方が海を渡りハリウッド映画に出演されるのが通例でした。お笑いでいう関西芸人の「2度売れる」感じかな。森崎君のように日本で2番手の俳優のハリウッド出演は珍しい筈です。

 

 

(「その話、長くなりそう?」)(「もうそろそろ映画に入ろうよ」)(分かったよ)

 

 

そんな森崎君は、ミャンマー人とのハーフで、小学生の時に日本にやってきたそうです。(日本人✖️母親が東南アジア)

 

 

ミャンマーとのハーフなので、顔立ちも独特です。彫りが深く・肌の色も褐色。

 

 

(この勢いで乃木坂46の齋藤飛鳥さんも世界いっちゃえ!なんてね)

 

 

すごくいい意味で、肌の色と彫りの深さ&お顔立ちもモンキー顔ですから、日中韓・極東人役というだけではなく、東南アジア系の役柄が今後増えてくるでしょうし、演じる人種の選択肢は無限に広がるでしょう。(私的には森崎君は孫悟空役をイメージします。『西遊記』でも『ドラゴンボール』でも)

 

 

ハリウッド映画で、日本人役の方の声の演技がカタコトだったり、明らかにイントネーションが違ったりするのを観て、毎回、モヤモヤした焦燥した気持ちになりますし、それを書いてきました。なので今回、日本人の役を日本人が演じて違和感なく耳に入ってくることが、私にとってはとても嬉しかったです。

 

 

 

ハリウッドの台本には日本人役が割と多く設定されていますが、英語を喋れる日本人俳優が少ないんだと言われてきました。長きに渡って言われていたこの課題も、欧米化や混血化が進む日本で、10年後くらいにはクリアーしていくんでしょうね。

 

 

 

今後も森崎君が沢山ハリウッド映画に出演して、東南アジア系ハーフの「道」を作っていって頂きたいです!!

 

 

 

__

 

 

 

映画を造ったのがトーマス・エジソンなら

 

映画に命を吹き込んだ父がジョルジュ・メリエスなら

 

スピルバーグ監督は現代映画の概念を作った人だと思います。

 

 

私はスピルバーグとクリント・イーストウッドの大ファンです。

 

 

(他にティム・バートンとピーター・ジャクソン、最近ではジェームズ・ワンのファン・・・名前を挙げたらキリがない)

 

 

そんなスピルバーグ監督には世界最強とも言われる超優秀なブレーンも持つスタッフたちがいるから、「かもしれない」が常にあり、大きな矛盾点が少ない。

 

 

そして何より映像が毎回温かい。日本で言う人情が映像にある。アメリカ人というより地球人だな。

 

 

映画というものに八百万の神のような心が存在するのならば、スピルバーグの映画には、ソレが在って、ソレを感じ取れるから嬉しい。

 

 

映画の入門としてベタかも知れませんが、スピルバーグ監督は、私自身の映画への入り口をたくさん作っていただいたお方です。これからもなるべく毎作品取り上げて書いて、この愛を伝えていきたいです。

 

 

__

 

 

 

思い出話です。

 

自分は東京ディズニーランドと同い年の東京生まれ。

そして小学生低学年くらいの時に家庭用ゲーム機が登場したり、こういう内容の話題を語るには、何かとドンピシャな世代に属しています。

 

 

アーケードゲーム(ゲーセン)は、当時(80年代後半から90年代前半)は不良の溜まり場だったので、小学生の時は危なくて行けませんでした。ゲーセン=カツアゲ・恐喝の時代。時代は変わりましたね。

 

 

そんなドンピシャな世代ですが、基本体育会系で、中学生くらいでゲーム自体をやらなくなったので、語れるのはプレーステーション2までです(^◇^;)

 

 

__

 

 

 

だから正直、知らないキャラが沢山いるんだろうな。。と思って鑑賞したのですが

 

 

映画の主人公は1980年代のファンという設定だったのが幸いし、殆ど知っていました。

 

 

2045年の未来に生きるアメリカ人の青年が、60年も前の1980年代のオタクという設定も、すごく映画的に都合がいいですけどね(笑)

 

 

あくまでも主人公個人が1980年代のファンで偏っているように観ていましたが、後にチームを組む仲間も、80年代に詳しんだこれが(^◇^;)少年少女なのに。

 

 

上にも書きましたが、スピルバーグ陣営に矛盾点は少ないです。

 

 

キャラクターを知っていると知らないとでは、気分の評価は分かれると思う。

 

 

一応、サンリオとかもチラッと映っていますが、キティちゃんが戦闘に加勢するイメージは湧きませんから(笑)

 

 

総合的には男性(少年)がワクワクする映像に仕上がっているんじゃないかな。

 

 

特に後半の大見せ場。ロボットとかメカゴジラとか、そしてガンダムとか。男子諸君大興奮。子供の頃の私がこのシーンを見たら、きっと「やれー!やれー!」と手を振って応援したと思うのです。

 

 

__

 

 

 

『Always-三丁目の夕日-』で1960年代の少年達が、少年誌のSF小説を読んで、未来の世界を空想するシーンが描かれますが、

 

 

私から見て、今作は、インターネットも何もない昭和の男の子たちが、そういう空想していた未来都市をそのまま具現化した映像に思えます。だからワクワクします。ディズニーランドでいうと『トゥモローランド』。

 

 

基本機械に疎い私は、「3D」が映画館に登場した時も衝撃でしたが、VR技術なんて今でも未来の発明品に思います。

 

 

そんな少年時代に思い描いた未来都市。

 

 

そこにアメリカ設定で、戦争や大気汚染で荒廃していた「地球の未来」をプラス素材にトッピング。科学は発達しているが、文明は低下し世界は暗い、という王道の設定です。

 

 

(日本はどうか分かりませんが、2045年のアメリカ国内ではこういう戦争による廃都市がありそうですね)

 

 

また今作では、主人公の趣味や知識に合わせて80年代の名画も沢山オマージュがかかっていますが、中でも20世紀を代表する『シャイニング』が中盤のバーチャル世界となります。伝説のオスカー俳優・快優ジャック・ニコルソン。(拝啓ニコ様、お元気でしょうか?)

 

 

大きな邸宅に滞在することになった家族一家の主人の気が狂っていく映画。

深層ホラー系のスリラー映画なので、当時敬遠された方もいると思いますし、若い世代の方々は「昭和世代の名画」を観ている可能性も低いと思われます。

 

 

映画を見ていてゾクゾクしましたし、主人公と同じく「あれ?原作にこんなシーンあった?」とも思えました。こういう部分はシャイニングを観られた方々が特に楽しめる映画でしょうね。

 

 

(映画を観終わった人は、シャイニングを観よう!)

 

 

映画が国の産業であるアメリカでは、リアルに、こういうクラシックの名画を学生が知っていたりしますし、今作の時代設定が2045年なのに、1980年代の作品を若者たちが普通に会話していたりします。おそらくこういうタイプのアメリカ人は今作品を観ても違和感がないのかも知れません。それが普通なので不思議もなく。

 

 

これって日本では仮に「今現在(2018年)」の設定にしたとしても考えられないと思います。圧倒的に視える文化と産業の差。

 

 

日本では「昭和生まれ」という言葉があるくらい隔たりがあるのでね。

 

 

スピルバーグやハリウッドの映画人が、日本映画を語る上で黒澤明監督や三船敏郎氏をリスペクトし熱弁しても、

 

 

肝心の日本では、現代の一般人の会話にミフネやクロサワはないし、もしかしたら「誰?」って返しになるのかも知れません。

 

 

来年、日本は年号が変わります。

 

 

そして10年後くらいに、新年号の子が芸能界とかスポーツ界に出てきて

 

平成生まれの人が、今の昭和生まれの人と同じ驚きを味わうのでしょうし、「え?もう○○世代が」と同じ言葉を発するのだろうね。

 

 

何を脱線しているのだかm(__)m今作品とは全く関係のない。

 

 

 

__

 

 

 

長々と書きましたが、とても魅力的な映画です。

ここからは恒例化してきた箇条書きメモ風で締め括ります。

 

 

話は近未来設定の在り方りだが、いい意味で王道の定番SFに素晴らしい映像が斬新。ワクワクと心は踊り続ける。現実社会から逃げ出しゲームに身を注ぐ未来の人間。私も現実逃避したいものだ。

 

 

この物語の規模が、全世界なのか、アメリカ限定なのか?。「前者」であるのは鑑賞の経験上判って視ているが、なんだかんだ結局はコロンバスというアメリカのいち都市の中で繰り広げられているいつもハリウッド映画なので、世界なら世界、アメリカならアメリカ、とハッキリさせて欲しかったです。

 

 

中盤、主人公のもとに集結した日本人と中国人は、在米なのか?外国から駆けつけたのか?など、やはり私には↑規模の細かい紹介が必要だ。

 

 

 

子供から老人まで世代を問わずVRゴーグルを装着している世界、ということだけど、各家庭の収入源だとかゲーム機の値段なども知りたい所。貧富の差が明らかにあるのに、皆新品のゴーグルを装着しているのでね。(身の丈にあった中古品でもいいのでは?)

 

 

VRゴーグルの使用状況とかで、レンズに傷があったり、装着時の視界が見えにくかったり、ピントが合いづらかったりなど、おそらく実際問題にあるはず。他のキャラの視界の見え方も気になった。

 

 

創設者によってゲーム内に隠された3つの鍵をプレーヤー達が探す流れで、ゲーム史上初1つ目の鍵を見つけた主人公をキッカケに、ゲームの世界は大盛り上がりを見せていく。何しろ第一発見者の特典がアメリカン・ドリーム。一発で人生を大逆転できる。

 

 

その流れの中で主人公以外のプレーヤーが鍵を手にし次のステージに移る場面があるので、どこから「チーム戦?」なのか「個人戦?」なのか、ならばいつ切り替わったかをハッキリさせて欲しかった。攻略法さえ判明すれば、後に続けるが、2度は描かないということかな。

 

 

 

ヒロイン・サマンサ役の【オリヴィア・クック】〔24〕はわたくし初見の英国女優。顎をクイっと突き出すように演じるタイプの演技。『スターウォーズ』の【デイジー・リドリー】や【クリステン・スチュアート】など、昔でいうとナタリー・ポートマン系の、この系統のお顔立ちの女優さん(丸顔というよりは五角形)が近年ヒロインに多いので、しっかりと認識して覚えようと思います。演技は無難、アドヴェンチャー系より今後は心理サスペンス系のジャンルで活躍していくんじゃないかな。

 

 

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両親は他界し、叔母の家で生活している主人公。叔母には彼氏がいて呑んだくれ。こういう設定の映画は多いけど、叔母の描写をもう少し増やして、感情移入できるドラマ要素を追加して欲しかった。ずいぶんあっけなかった。あとドローン最悪最強説。

 

 

 

終盤、最高品質の映像美に心が躍った。バーチャルの世界のプレーヤーが集結して、悪を倒すなんて、もし本当にあったら私も参加してみたくなったし、やはりカメラワークが正面すぎて、誰目線なんだろう?(笑)

 

 

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ゲームの世界でプレーヤーが負けて消滅する時は、コインになる設定が個人的にツボだった。ゲーム内で死んだら、体に電流が流れるような衝撃が走る。味わってみたい(笑)

 

 

そんな消滅したプレーヤーのコインを集める様子は、まるで死んだゲーマーの肉片をかじって強くなっている様。君のぶんまで生きるぞ。森崎君の「オレはガンダムで行く」の日本語セリフ、めっちゃよかった。

 

 

 

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この1人1人が「誰か」のアバターというのも面白い。あなたは誰にする?

 

 

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殺人鬼フレディ。これを選んだプレーヤー、悪趣味だなぁ(^◇^;)

 

 

(私はやっぱりスーパーマンがいいな)

 

 

 

前半は正直それほど新鮮に思わなかったので退屈だったけれど、中盤から後半にかけての気分の高揚は半端じゃなかった。もう一回、観たいと思っている。だけれどオチがわかってしまうと、ゲームを攻略した後の気分にもなるので、次はノリで(⌒-⌒; )

 

 

目線については少々及第点。

映画なので違和感はないですが、主人公を正面から映しているので、これだと誰目線なのだろうか?と客観的に見てしまう。

 

 

『シャイニング』にしても、実際にVRゴーグルを装着して観ている感覚にして欲しかったな。きっといつかそんな時代(映画館で観客がVRゴーグルを装着する日)が来るのだろうけど。

 

 

2045年設定の近未来映画で、『チャイルドプレイ』のチャッキーが登場してきて、敵の兵士が「チャッキーかよΣ(・□・;)」って突っ込んでいたのを視て、見ているぶんに楽しいけれど、やはりその時代の人にチャッキーが通じるのかな?とも思った。現代を生きる人ならまだしも。

 

 

 

映画はゲームの世界という事で、

子供の目線にも立ちながら、メインで登場するのは80年代のキャラクターなので、30代40代以上の観客のリアルタイムにもハマるだろうし、ターゲットの幅が広い。

 

 

これが主人公が1990年代マニアだったり2000年代マニアという設定だった場合、タイムリーの世代も変わってくるだろうから、現時点で絶妙なバランスで描ける時代なんだな80年代って。

 

 

やっぱり自分が知っているキャラクターを見つけられたら嬉しいもの。その瞬間が沢山訪れて嬉しさ連鎖。

 

 

 

よくゲームやアニメの見過ぎとか漫画の読みすぎとか、親御さんは子供の将来を危惧されてきたでしょうけど。

 

 

ゲーム(理想)の世界と現実の世界が一緒になった!

理想と現実が混ぜ合わさったら、「混ぜるな危険」も通用しなくなり、もう何だか解らない(笑)

 

 

映画の世界に没入するのが、私は前半終わりからでしたが、まず間違いなく楽しめますし、スピルバーグ監督らしい映画愛とSF要素が詰まった作品でした。

 

 

 

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脚本 15点

演技 14点

構成 15点

展開 14点

完成度14点

 

 

〔73〕点

 

 

 

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『近畿地震』

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映画評論『Wonder』

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『ワンダー』 邦副題「君は太陽」

 

 

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本年度劇場鑑賞作品vol.56

 

 

ジャンル[人間ドラマ]

 

 

 

 

監督🎬

【スティーブン・チョボスキー】

 

 

 

主人公のオギー

【ジェイコブ・トレンブレン】

 

【イザベラ・ヴィドヴィッチ】

 

姉の親友

【ダニエル・ローズ・ラッセル】

 

 

オギーの親友

【ノア・ジュプ】

 

 

校長先生

【マンディ・パティンキン】

 

母親

【ジュリア・ロバーツ】

 

父親

【オーウェン・ウィルソン】

 

 

 

 

配給[キノフィルムズ]

本編[1:53]

 

 

 

______

 

 

 

 

[トリーチャー・コリンズ症候群]は

遺伝子の突然変異により5万人に1人の新生児がなる下顎顔面異骨症という先天性の障がい。

 

 

人口が850万人強の大都市ニューヨークには、こうした奇病を抱えて生きている人たちが数多くいるのでしょう。

 

 

トリーチャー・コリンズ症候群は西洋人に多い病気のようなので、私自身はこの映画をキッカケに知ることになりましたが、検索すると日本テレビでもドキュメントが放送されていて、こちらは1万人に1人となっています。放送後の反響もあったとのこと。

 

 

インターネットで参考にした記事のリンクを貼らせていただきます。↓

http://kininaru-syumi.com/?p=9031

 

 

 

劇中のクラスメイトがイジメ用語として彼の見た目を表現していますが、顔だけを見ると映画で見たフランケンシュタインだとも私は思う。そしてハリウッド映画の特殊メイクでこういった「怪物みたいな顔立ち」を多く見てきたから、その度にこの障害の方はいじられてきたんだろう。映画の主人公もSF映画の登場人物に似ているとからかわれている。

 

 

主人公のオギー。彼は[トリーチャー・コリンズ症候群]。

 

 

出産後すぐに産婦人科内がザワつき、緊急手術が行われるほど深刻な状態で産まれてきました。産み落とした母親に我が子の顔を見せず、助産師が分娩室から抱えて出ていく。誕生の瞬間に立ち会った父親がなんとも言えない表情をして俯くシーンが大変印象的です。胎児がどういう顔をして産まれてくるのかは現代医学では判らないのでしょう。医者たちが驚いている様子が物語ります。

 

 

その後は入退院を繰り返し、多くの手術を乗り越え、現在は自宅で生活している10歳になる男の子です。その間、幼稚園や小学校は経ておりません。

 

 

子供が出来るまでは画家を目指していた母親が、先生となり我が子に勉強などを教えていますので、オギーは国語力に問題はなく、むしろ学校に行っている子よりも出来が良いくらい。宇宙飛行士になる夢を持ち、部屋はそれ関連のものや、スターウォーズが大好きでSFな想像力もある。学校に行っていないぶん、最初はコミュニケーション能力が低かったけれど、空想に耽ったりテレビを見てきたので、同年代の子供よりユーモアが付いたのでしょう。

 

 

そんなオギーが小学校に入学します。この学校は日本で考えるなら小中一貫校で一番上は9年生。詳しくは分かりませんが新設校のようです。統合なのか詳しくは分かりません。生徒数も少なくマンモス校という訳でもない。奨学金で通っている子供もいます。ともかく皆が同じようにスタートしている環境だったのでオギーにとっても両親にとっても不安材料が1つ消せたのではないか?と憶測で考えています。

 

 

黒人の先生が自己紹介で、「ウォール街で働いていたけど辞めて、夢だった教師になった」と言うほど、大都会ニューヨークって「人口の坩堝」と表現されるように多民族で、翻せばそれぞれに個性があって、都会の冷たさもあって、干渉もしなければ色んな人達がいる、数多くのアメリカ映画で観てきたけれど、こういうドラマには欠かせない舞台だなってつくづく思いました。

 

 

オギーの入学により物語の幅は広がっていきます。家族構成はビジネスマンの父親と専業主婦の母親、高校に入学した姉、そしてオギーの四人家族。

 

 

入学初日。家族揃って。

 

 

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(1歩下がって微笑むお姉ちゃんも高校初日なんだけど(^_^;))

 

 

これからどんな試練・現実が待っているのか?

外出時はヘルメットをかぶって顔を隠しています。誕生日プレゼントのようで、仮面をつけることで何者にもなれるオギー。

 

 

学校のスペースに入るために、ヘルメットを外します。ここからは素顔を晒します。

 

失礼な例えですが、白人の学校に黒人が一人だけ入学してきたら、学校中の噂になると思います。最初に話しかける人が肝心ですね。そこから輪になれるか。そうしてアメリカは歴史を作ってきた国。

 

 

 

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オギーが歩く道はスペースができる。

 

 

この様子を両親は見ているわけですから、心が張り裂けそうだし、我が子がこんなに頑張っているのだから、自分がしっかりしなければと奮い立たせたことでしょう。

 

 

子供に理解を要求するのも酷な話ですけど、ニューヨークの子供達は、彼を見て明らかに気を遣っています。

昔だったら直接的に攻撃とかしていたのでしょうけど、今の時代のアメリカはそういう描写は問題になるのでタブー視されていると聞きます。とにかく関わらないようにして、でも気にはなるからチラチラと見る。

 

 

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(この中国系のエキストラの子役、いい表情してるな)

 

(ニューヨークだから、いろんな皮膚の色があって、いろんな人種がいる。それなのに皮膚やタイプの見た目が変わっているだけで一緒にされたくないと言ってる)

 

 

直接イジメを行うのは、クラスメイトでお金持ちの少年ジュリアン。お金持ちの彼には手下がいて派閥みたいになっています。

 

 

ジュリアンは入学してくるオギーのための学園紹介で、学校側から選抜された3名のうちの1人。他に大親友となるジャック、子供タレントのシャーロットは典型的なニューヨーカーと言った感じの同級生。

 

 

彼らとは2度目なので入学時に面識はありますが、やはりみんながみんな、同じ価値観とは限りません。

 

 

気にはなるけど、関わりたくない。そしてイジメの言葉として最も強烈な「菌」。オギー菌が感染る!!

 

オギー菌が感染る!オギー菌が感染る!こっちにくるな!

 

 

もうオギーは家に帰って自分の部屋に引きこもりシクシク泣くしかできない。だけど毎日登校するのだから偉い。

 

 

昼休みの食堂はいつも一人。お弁当を食べています。描写はありませんが、母親が心を込めて作ったのでしょう。

 

 

下顎顔面異骨症なので、食べ方も普通とは違います。犬食いみたいと表現されています。

 

 

そんなオギーのガラ空きのテーブルに「座っていい?」。のちの大親友ジャック。

 

 

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私自身の彼の印象は「子供らしい子供」で、何も(映画的に)特別なキャラクラター性ではなく、普通の子供です。普通に親友となって、普通に接し、親友として理解者として一緒に成長していく。多分、彼を見る周りの目に意識が集中してしまうので、ジャックのことを特別に思うのでしょうけど、ほんと普通の子供です。あとイケメンだなぁ・・って。オーランド・ブルームを更に柔らかくしたようなお顔立ち。

 

 

ジャックの1歩から、次の1歩(他の子達が近付く)までの時間(期間)は空きますが、二人は放課後も遊んだり、家でゲームしたりテレビを見たりプルマン家にも溶け込んでいく。

 

 

登下校の送り迎え。心配そうに我が子の帰りを待ってる母親。

友達を連れて下校してきた様子を見た母親の嬉しそうな表情・・・忘れらんない。

 

 

____

 

 

 

この映画で私が素晴らしいと思ったのは、見所がいくつもあることです。

 

 

見所というのは、各登場人物の私感となって、その人なりの「人と成り」を見せてくれる作風の雰囲気。

 

 

太陽であるオギーを中心として、その周りのヒマワリ達にもスポットを当て、輝き咲くように作られていること。

 

 

オギーは太陽なので、太陽の方をほとんどの人が向きます。けれど太陽を見ているヒマワリ達を観るのは観客の特権です。

 

 

オギー以外にも親友のジャック、姉のオリヴィア、姉の親友のサマンサと、それぞれの主観で紹介がされていて、思春期の葛藤や人好き合い・人間力の成長(形成)過程が詰まっている。そのためきっとあなたは、この映画の登場人物、全てを好きになれるはずです。

 

 

この映画の主人公は、自分のことや(障害を持つ)自分と接する周囲の様子をすごく客観的に見ていて、冒頭からナレーションで観客に対し説明しています。ナレーション付き展開、アメリカ映画の定番とはいえ、非常にわかり易かったです。

 

 

例えば、小学校の登校シーンでのナレーションでは「みんな僕を見て、何も言わず、そして(僕が去った後に)振り向く」などと状況を説明していて、デリケートに描いていることを知る。そして障害を持つ側からの発信だから文句は言えないし、説得力がある。

 

 

顔の作りいう「オチ」は公開前から発表されていたので分かっていた。

この映画の最大の特徴であろうオギーの顔は予告編で何度も観ていたので、免疫が出来ていたし、大体の話の流れも話の筋書きも視えてはいました。結果的に予想通りでしたが、それ以上の、想定以上の秀でたものが連続して起こったから、心踊ります。

 

 

冒頭の「靴を見ればその人が分かる」という描写から引き込まれました。お金持ちの子、貧乏な子。外に出ると下ばかり見て歩いているオギー君の人間観察能力。

 

 

私はこの病名を知りませんでしたが、オギーは生まれてから何度も手術をしたそうなので、きっと多額の費用もかかったでしょうし、産んだ母親も父親も長女も胸が張り裂けそうな思いを何度も経験し、それなのにとても仲のいい四人家族で、それを想像すると、、、ごめんなさい、それだけで泣きそうになります。

 

 

見た目は「普通じゃない」ですが、運動能力は健常者と変わらず、成績だって優秀。

 

 

とにかく全てが素晴らしく愛おしい。最高の作品です。

 

 

___

 

 

 

以下は、自分が今作を鑑賞後、スマートフォンのメモに書き残したもの。ブログの恒例となっていますが、1番素直な気持ちを熱冷めやらぬうちに画面にいトントンと指をタップし、後にキャストを調べまとめたものです。

 

 

 

感覚として今年1番の映画だと思っています。観ていてとても楽しいし、主人公だけではなく、主人公以外の子供たちに対しても丁寧に描写しているので、感情移入が出来るし、その人物の気持ちも分かり易く悟しやすい。

 

 

1番上のお姉ちゃんだったり、1人だけちょっと偏見(通常の反応)を持っていた男の子だったり、彼の場合は悪役を買った感じですけど、それでもちゃんと役割が出来ていて、その気持ちが分かるなぁとその都度思えて、逆に彼らの気持ちを理解しなくちゃいけないなと心から思いました。

 

 

「1」という数字を今回よく使っているので、もう1つ。

 

 

1番良かったのは、作風がさりげなくお洒落なところ。中身がふんわりオムレツみたいにあったかい。ここまで幸せな家庭があるのかなぁ・・・。支え合って、運命を受け入れ合って。

 

 

(何故オムレツで例えたΣ(・□・;)??)

 

(オムライスだと中身が重くなるでしょ。)

 

 

 

両親の気持ちとか、親役が二人共一世を風靡したクラスの名優なわけだし、バラエティー色的にもすごく魅力たっぷりなんだけど、前半部分にある(残念ながら後半はなくなる)スライド式の人物(視点)紹介が主に子供たちだったし、この映画の主人公は子供達なんだと気付きます。

 

 

製作陣にも俳優陣にも、その気配りがちゃんとあって、親は主人公ではなくてあくまでも、まさに日本語の漢字の作りのごとく、立って木の上(影)で見ているという置き方であり、一歩下がって我が子を見ている見守り方でした。

 

 

親の漢字は日本語ですけどね。英語にはないよね。日本語の深さみたいな圧倒的なもの。

 

 

 

子供を見守る。ハラハラしながら胸を押さえながらも「行ってらっしゃい」と背中を押す。弱さを見せない。嬉し涙はしっかり見せる。そんな母親の中の母親、クイーンオブマザー的な母親は、私自身大ファンであるこのお方が演じています。

 

 

【ジュリア・ロバーツ】。私生活でも双子のママ。

 

 

私はジュリア・ロバーツの毎回の作品内で魅せる、テーブルに座り肘をかけて手の平の上に自身のアゴを乗せて口角を上げて微笑む仕草が、本当好きで女性的な魅力や母性を感じます。

 

 

それはそれ。私の好きなジュリアを紹介しただけ。

 

 

今回、彼女の役柄で涙が出たのは、先ほど書いた、息子オギー君のナレーションで紹介する場面の1コマです。

 

 

「ママは僕らが生まれることで画家になる夢を諦めた」と紹介しているシーンがありまして、彼女にとって夢を諦めるほどのすべての人生観を変える「1番」が出来たんだなと想像したら涙が出てきました。結婚し子供が出来て、それまでの目指していた未来が、また違うものになった。

 

 

我が子が友達と歩くシーンを見た瞬間のジュリア・ロバーツの表情とかほんとに素敵。

 

 

父親役の【オーウェン・ウィルソン】も自殺未遂をして以降、なんだか私は彼が笑顔でいるだけで嬉しくなります。映画ファンにとって色々な思い入れがある。オーウェン・ウィルソンの父親像も最高です。「一番怖いのお母さん!」「女の人怖い!」と息子のオギーと話しているシーンが大好き。1家4人、男二人に女二人。分かれて見せる情緒の成長期。理想的な描写の仕方。

 

 

 

__

 

 

 

「mAbが絶賛!」

 

 

なんの影響力もありませんが、個人的にも読者の方的にも、私がこんなに手応えあり!で紹介している新作映画は珍しいと思います。

 

 

何より4人家族の容姿や性格が似ているところもポイント高いですね。

 

 

本当の「血を分けた家族」のようにも感じました。

日本映画ではこういう投影タイプのキャスティングは観ないので、これこそハリウッド映画のチカラだな。

 

 

(日本人俳優は個性や主張を出すので、親子の設定でも他人に見える)

 

 

あとお姉様オリヴィア役の女優【イザベラ・ヴィドヴィッチ】もそうですし、役柄の人間性がとても良かったです。

 

 

 

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(女優のお顔立ちは【キャリー・マリガン】や【ケイティ・ホームズ】系の黒髪犬顔かなぁ٩( 'ω' )و)

 

 

副題にあるように、弟は「太陽」で、弟が誕生してからは、みんなが彼の方向を見る。両親も家と病院の往復だった。だからきっとオリヴィアはいつの間にか成長した子供なんだろうと私は観ていました。

 

 

姉は「手のかからないイイ子」。弟のことも大好きで、両親のことも大好き。性格的にも優しい子。だけど本音を喋れた祖母が最近他界したことで、理解者がいなくなり淋しい気分。

 

お姉ちゃんが子供の頃、自分の誕生日に「弟が欲しい」と願い事をした、というエピソードほんとに素敵。

 

 

(上は「オリヴィアの回」で紹介されています)

 

 

 

姉の親友のミランダも良かったです。両親が離婚、現在母親と二人で暮らす女子高生。

 

 

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(女優のお顔立ちはmAbのどタイプの【レイチェル・マクアダムス】系かな٩( 'ω' )و)

 

 

 

ミランダは姉の幼馴染で大親友。オギーのことも古くから知っていて弟同然の感覚。

 

一切の偏見がなくて、オギーたちプルマン家とも非常に親しい関係性。

 

 

高校入学、新しい学校で久しぶりに再会したオリヴィアは髪の毛を1部分染めて、派手になっていた。

 

 

このミランダ。春休み期間に何かがキッカケとなり、外見が派手になるのですが、オリヴィアと同じ演劇部に入部しているところから想像しやすかったです。

 

 

アメリカ映画で「普通」だったら「チアリーディング」とかカースト上位の花形部活に行くと思うのですが、疎遠になっても同じ文科系の部活に入るなんて親友(ソウルメイト)だなぁと思いました。

 

 

役柄的に(無視をしたり)キツめの表情や表現をしていても、印象の良さを感じるのは、きっとそれがこの女優さんの内面なんだろう。

 

 

女優は初見の【ダニエル・ローズ・ラッセル】。ローズさんですね。棘の抜けた薔薇は愛そのもの。

見た目は完全に今後の映画界のヒロインになるべく美顔でした。思わず見惚れた目の保養。

 

 

中盤、どうしようもなく心苦しくなったミランダが、プルマン家に電話し、受話器を取ったのはオギー。

 

オギーは彼女がまだ名乗ってもいないのに「ミランダ!!!」と大喜び。

 

小学生のオギーと普通に電話で会話しているのも良かったし、オギーはお姉ちゃんが二人いるんだなぁ。。。よかったなぁ。

 

 

そして飼い犬のワンコ・デイジーも可愛いくて、アットホームだった。

 

 

__

 

 

 

生まれてから入退院を繰り返し、容体が安定したので小学校に入学。と「あらすじ」にはあったので、劇中で急変とかあるのかな?と想像しましたがそれはありません。けれど鑑賞にスタミナはいらなくて、すーっと最後まで観られました。

 

 

バイ菌扱いされ周りの学生たちの視線が突き刺さる登下校シーンで、オギーは「もしもチューバッカがいたら、みんな僕じゃなくてチューイの方を見るはずだ」と空想していて、映画ではスターウォーズの名物キャラクター・チューバッカが登場。なんだかいいなぁ。。。友達が沢山いるオギーの空想の内容が切ないけど、きっと良くなっていくから今は辛抱。

 

 

子供の目線でもものが視れる校長先生もいいし、親友役の男子の心も可愛い。これが中学高校となれば描写は変わるだろうけど、小学校時代の親友ってこんな感じ(キャッキャとジャレあって)で距離も近いんだよな。

 

 

彼に学ぶこともあるし教わることも多い。

 

 

そして彼と接する大人や子供たちにも学ぶことがあるし、教わることも沢山あった。この映画の登場人物、みんな半端ないって。

 

 

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映画館を出て、ショッピングモールのエレベーターで1Fに降り、地上に出る。

 

 

まだ映画の余韻に浸っているのか、それとも私の心が変わったのか、世界が少し違って見えました。

 

 

 

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脚本 14点

演技 16点

構成 16点

展開 13点

完成度14点

 

 

[73]点

 

 

 

【mAb】

 

 

 

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『心境報告』

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アメブロを始めて今月で8年目になりました。

 

 

杮落とし記事

 

 

 

8年って・・

中学校に入学した人が、成人する年数ですね(笑)

 

 

(そりゃそうだ)

 

 

今、進行形で考えることがあります。

 

 

(言ってごらん。)

 

 

もう少し記事を書きたいな。昔みたいに(記事を書くことを)習慣にしたいなぁ、と惟っています。

 

 

(多分無理だな)

 

 

と言っても今初めて読まれる方も沢山いらっしゃると思いますので、文章の書き出しで一概に昔話をしても、「知らないよΣ(・□・;)」と思われるでしょう。

 

 

 

まぁ、そうだなぁ。。。そだなー。掻い摘んで言えば、初期の頃は毎日のように書いていたけれど、今はほとんど書いていない人、と解釈なさってください。

 

 

「初期の頃のように」とは言葉にして宣言できませんが、以前よりは記事を多めに書きたいとは思っています。

 

 

__

 

 

 

関係ないのですが

 

 

冒頭の書き出しを最初2010年7月・・ナンチャラカンチャラで書いていこうと思い書き出したのですが

 

 

普通ならば「しちがつ」と読みますが、文字を見ていたら「ななのつき」になって、そこからノストラダムスを連想しました。

 

 

「1999年ななのつき、空から恐怖の大魔王が降りてくる。。。。」世代的にこの文言と音の響きが懐かしくなる。

 

 

それでいつの間にか別ページで「ブログを書く」を開いてノストラダムスの話を3000文字くらい書いていて、急に我に返って「なに書いてるんだろ?(^_^;)」って。ここに戻ってきました。

 

 

 

ノストラちゃんのエピソードトークは、多分ボツ記事にするか、レインマン(mAbの映画以外をテーマに書くブログ)の方に載せるかにします。

 

 

(レインマンさんへのアクセスはこちら→レインマン

 

 

__

 

 

 

そんな20代半ばで始めたこのアメブロで、私は毎回記事の終わりに格好良く言えば「決めセリフ」というのでしょうか、〆の文言で書いていたのが、『LIFE IS NOW』。

 

 

人生は今この時。人生は今だ。

 

 

昔から茶道の心得である一期一会という言葉が好きで、そこから「今を生きよう!」という発想をしました。

 

 

(私の映画の神様である亡きロビン・ウイリアムズの代表作にも関連する)

 

 

茶道の亭主の心構えで、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう&これからも何度でも会うことはあるだろうが、もしかしたら二度とは会えないかもしれない、という覚悟で人には接しなさいと戒める意味を持つ四字熟語。

 

 

固定文は「LIFE IS NOW 一期一会の◯月◯日を」です。

 

 

実際にこの言葉、日常生活でもよく言ってました。私の常套句でありキャッチコピーみたいな言葉です。

 

 

しつこいようですが「一期一会」と「今を生きろ」が私の細胞のポリリズムになっていました。

 

 

(ポリリズム:異なる複数のリズムを同時進行させる音楽手法)

 

 

30代突入から暫く経った現在。

 

椅子に座った状態から立ち上がる時、膝の関節がポキっと小さく鳴ります(笑)

 

 

後者はほとんど口にしなくなりました。

 

 

「一期一会」という心掛けは未だ自分にあり、なんなら年齢とともに侘び寂びの方が我が身に沁みるようになっていますが、

 

「今を生きろ!」と誰かに対し意気掛けるような熱男のテンションは無くなりました。なのでLIFE IS NOWを終了します。

 

 

 

あゝそうか。

 

そうだと思っていたけど、自分は松岡修造(タイプ)じゃなかったんだ。

 

 

20代の頃の自分を何かに例えると、夏に咲く向日葵みたいな感じだったかな。

 

 

人間の一生を春夏秋冬で表現するとした場合。

 

 

0〜10代が春で、20代〜30代が夏だと思います。

 

 

そう考えた場合は、まだまだ夏でいたいので、向日葵は枯れてしまったけど、夏の花は向日葵だけじゃないので、他の花になりたいな。

 

 

(ズミコΣ(・□・;))

 

 

一回枯れて、もう一度、種や球根から伸びて咲こうと思います。秋(40代〜)になる前にね。

 

 

(何なら花じゃなく木に。大きく言って、樹齢何百年のご神木になれるように)

 

 

__

 

 

 

今後の記事の終わりに

「LIFE IS NOW 一期一会の◯月◯日を」に代わる何か〆の一文を載せようと思い思考。

 

 

私らしく私なりでパッと思いついた最初の言葉をメッセージポエムとして今回から使用します。

 

 

(今後、言葉の音の響きを調整するかもしれませんが)

 

 

それでは皆さま、リニューアルです。

 

 

 

日本の未来は暗い。

だからあなたが光になるんだ。

一期一会の今この時を。

 

 

 

【mAb】

 

 

 

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『穀物運動会』

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映画を観に行きますよね。私にとっては日常のこと。

 

 

昔と違い劇場スタッフとの会話は殆どなくなりました。

 

 

年齢を重ね社交性がなくなったのかも知れませんし、時代のせいかも知れません。この場合は後者で考えます。時代に合わせて生きていく臨機応変さも必要だなぁ。

 

 

TOHOシネマズはスマイル選手権(アワード)みたいな接客スタッフのランキングを毎年開催しているので、社員教育もしっかりしていて悪い印象はないですね。

 

 

しかしそんな選手権をやったところで、昔みたいに雑談できる親近性は欠けていると思います。応対はあっても雑談は少なくなりました。都合よく考えれば、映画は最高の庶民娯楽なのですから、親しみも欲しいものです。

 

 

その背景にあるのは、映画のチケットを購入するのが人相手ではなく機械相手になったからだと私は思います。

 

 

機械的なやりとり。今は病院でさえ機械で精算を済ます時代。セルフの自覚。機械に感情はないから気を使わなくて済むし、慣れたらそっちの方が楽だけど、このままで果たしていいのかな?

 

 

「いらっしゃいませ」「◯◯を大人1枚」「どちらの席がよろしいですか」「(常連になると自分の好みの席も把握してくれた)」「ありがとうございます」「頑張ってね」。

 

 

この会話の部分が全部、削除。これって私にとっては凄く寂しいことです。

 

 

20世紀末から訪日外国人が増え、混血の子供が生まれ、都市部以外の街にも外国人がいる光景が当たり前になってきました。

 

 

その欧米化に反して、機械化が進むと、どんどん日本人のコミュニケーション能力が低くなっていく気がします。

 

 

それでまぁ、なんかすみません。シンミリもしました。問題定義するつもりはないので次に進みますけどね。このテーマ、書きたかったことではありました。

 

 

券売機でのチケット発券の流れとしましては、

作品名→人数→席確保→支払いです。

 

 

 

自分は大体10年間近く毎回おんなじポジションの席に座るので、いつもの席を確保するわけです。映写機の真下。埋まっていたらその並び。「一番後ろの真ん中」が合言葉。

 

 

それから。だいたい予告上映中に、入場ゲートに向かいモギリの方にチケットを見せ、指定のシアターに入ります。

 

 

20時と明記されていれば、20時10分に本編が始まるのが基本。

TOHOシネコンの場合、予告は10〜15分あります。

 

 

皆様も映画鑑賞時、予告の最中に入ってくるお客を思い出せると思いますけど、私の場合は「あえて」そのタイミングで入場しています。なので「間に合ってよかった!」はなく、全く焦っていません(^_^;)

 

 

場内が薄暗い予告中にあえて入る理由は、これから1本の映画を観るのに、余計な情報(意識)を入れたくないから。

 

 

予告を見てしまうと、mAbの脳の性質上、映画を思い出して記事を書く時に、その時に観た予告も一緒になって蘇ってきてしまうのです。

 

 

あとは最近の邦画って、テレビドラマとかもそうですが、これから観る出演俳優の別の作品の予告やCMが流れるじゃないですか。あれヤメてほしいな。雰囲気が壊れるし、なに観にきてるのか分からなくなる・・。

 

 

なので記事を書くためには、予告を見ない方が我が身のためです。

 

 

まぁそういう特殊な記憶力をしているのでね。何かと上手く付き合っていかなければなと思ってるわけですよ。歳をとったら消えちゃうのかな?思い出せなくなっちゃうのかな??

 

 

あとは予告中って結構「話し声」が聞こえるもので、本人たちは静かに喋っているつもりでも、ひそひそ話の方が静寂の場合はハッキリ聞こえるもの。

 

 

作品紹介ごとに、例えば渋谷だったり若者が多い劇場では「観たいね!」「面白そう」なんて声が聞こえてきます。配給会社・制作側にとったら本当に嬉しい会話。

 

 

楽しみにしている声。予告に手応えがあった声。

映画を観に来て次の映画の予定を立てる

 

 

それは製作陣にとっては嬉しい言葉かもしれませんが、上にも書きましたけど、私はなるべく直前まで他の情報を入れたくない鑑賞者です。

 

 

色んな人がいるでしょうけど、私は極力、それだけを観たいのです。

 

 

映画についての会話なら良いですけど、例えばカフェや居酒屋で隣の席の会話を聞いている様な雑談が、声の反響する映画館で耳に入ってくるのは、本当に困ります(^_^;)

 

 

それでほぼ毎回、本編開始5分前くらいに劇場に入って、階段を登り、最後尾の列で、同列に座っている人がいれば「すみません」と断り、膝下を開けてスペースを作ってもらって通って着席。(あるある=「すみません」→膝を引き、姿勢を正す)

 

 

まぁこれが毎年百数十本の劇場鑑賞でいつもの流れです。何も面白いことがないmAbの鑑賞手順を紹介しました。

 

 

 

_____

 

 

 

シアターに入ってからの話をします。

 

 

映画を観に行って、いつもの席を確保し、基本予告中に入場ゲートを潜ります。

 

 

予告中に入る理由は、復唱する様ですが、これから1本の映画を観るのに余計な情報を入れたくないから。

 

 

着席して、隣が空席なので(座席指定時に両隣が空席であることを事前に確認している)バックを置いて、あとは「ただ見るだけ」の準備。

 

 

映画館で映画を見る行為って、何がいい?って、

一点集中強制的に過ごせる時間になるから好き。

 

 

観客のパターン。

自分の統計ですが、入場中に着席をしている人が全体の8割ぐらい。私のように予告中(時間ギリギリ)に入ってくる人は1.5割かな。上映が始まって入ってくる人が0.5割。だいたいこんな感じでしょう。

 

 

私の普段通っているシネコンは、盆正月以外は満席になることが殆どない穴場なので、今回(観た映画時のエピソード)も観客は客席の2割程度でした。

 

 

 

ある日の劇場鑑賞。

 

 

もうすぐ予告が終わって、映画撲滅キャンペーンの動画が流れて、鑑賞中の注意事項が流れるであろう時。

 

 

サラリーマン風の男性が一人、入ってきました。

グレーのスーツに短髪の黒縁メガネ。東京03の角田さん似の方(以後角田さん表記)。

 

 

シアターに入りスクリーンまでの通路を進むと、大体のどこも構造が同じですが、入り口近くに上り階段があります。そこからA列ーZ列などと続いていくわけです。

 

 

階段を登る時の視線の角度と表情から、おそらく角田さんの席は自分が座っている列付近なんだろうと予想。

 

 

ちなみに座っている列(最後段)は、現在私だけしかいません。

 

 

角田さんは階段を登りきって、1段手前の通路側角の席に着席。

映画を見る人、角が好きですね。空席が目立つのに角だけ縦一列に埋まっている光景を何度も目にします。あなた様はどうでしょう?どこの席に座りますか?

 

 

「近くに座ったなぁ」私の意識はそんなもん。

 

 

何度も書きますが、本編前に余計な情報は入れたくない人です。

記憶と意識の天敵です。

 

 

予告が終わり、TOHOシネマズの注意事項が流れます。

 

 

「携帯の電源はオフに、館内きんえーん、上映中はお静かに、撮影禁止ぃ、どんなに足が長くても、前の席は蹴らない」

 

 

もう何百回と観てきて聞いてきた其れを、毎回ボケッーと眺めるように観ています。

 

 

だけどこの時は違って、

前の席は蹴らなーい!!とキャラクターが歌い上げたタイミングで、間近でドン!バン!ザザー!!と大きな物音が鳴りました。

 

 

音が鳴った真横を見ると、先ほどの角田さんが、ポップコーンを全部こぼしていたのです。

 

 

ポップコーンセットを頼むと、付いてくるドリンクホルダーの付いた五角トレー。

 

 

 

 

(画像はお借りしました。楽天市場より出品。今の時代なんでも売ってるなぁ。)

 

 

座席のドリンクホルダーに差し込める様になっています。

 

 

おそらく買って1口も食べていないであろうポップコーン。

 

 

シネコンのMサイズって、分かる人は想像できると思うのですが、結構大きいです。私なら1時間くらいずっとゴモゴモ食べているくらい量が多い。

 

 

(モゴモゴね)

 

 

 

おそらく着席しようとした時に溢したのでしょう。予告上映中の場内は薄暗いです。

 

 

ポップコーンに加えて、ドリンクもビシャーです。

床にはストローとフタと、その周りに氷が散らばった状態。

 

 

 

お伝えした様に観客の少ない劇場。この日の回も客入りは5分の1程度。

 

 

幸い角田さんの前の席(列)には観客がいなかったので、巻き込み被害とかは発生しなかったんですけど、これが隣にお客がいたり、満席で起こしてしまったら、場内パニックになりますよね。喧嘩になるケースもあるでしょう。

 

 

中央座席付近に集まっていた観客は一斉に音の鳴った方向に振り向き、口を開けて「あーぁ」「やっちゃった」という目で見ます。まぁ私はそんな振り向き顔(角田さんを見る観客の表情)も一緒に見るので、こういう風に描写を書いているのですが(・・;)

 

 

ポップコーンだけなら、手で搔き集めるとか、色々ごまかせると思いますが、

 

加えて飲み物までぶちまけてますから・・場内に物凄く甘い香りが充満しました。

 

甘い「匂い」はいいけど、甘すぎると「臭い」になると知りました。

 

 

 

この最悪な状況。何となく気まずい状況で場内が完全消灯しました。

 

 

スクリーンでは「Illuminationー!!」とTOHOシネマズを暴れるミニオン。

 

 

自分としては「えっ!?この状況で映画始まるのΣ(・□・;)」です。

 

 

何度も説明し申し訳ないですが、私が予告中にシアターに入るのは、余計な情報を入れずに観たい為です。

 

 

それなのに、なにこの状況!?

床に大量のキャラメルポップコーンが転がり、ジュースも溢れ、それが合わさった臭いが僕の鼻に漂って

 

 

おまけに、この人どうするんだろう?どう動くのだろう?と気になって

 

 

映画以外の意識・邪念が終止私の意識に付きまといました。

 

 

 

だけど角田さんの後ろ姿の様子から、一向に動く気配も、片付けようとする気配もないので、おそらく諦めたのだろうと思いました。

 

 

私は自分に「気にするな」「集中しろ」と言い聞かせて、映画の世界に入ることにしました。

 

 

・・・・・映画はクライマックスを迎え、エンドクレジットが流れ始めました。

 

 

映画の世界から正気に戻り、思い出したように斜め前を見てみます。

 

 

角田さんの姿勢は中腰に見えました。

 

 

そしてクレジットに入ったタイミングで、スッと立ち上がって、結構なスピードでシアターを後にしました。

 

 

ハリウッド映画のエンドクレジットは携わる人数・企業などが多いので、5分以上ある中、私は回想することもなく、余韻に浸ることもなく、その時間、映画以外に興味を注ぎました。

 

 

場内が明るくなり、立ち上がり、その席を見下ろすと、想像以上でした。

 

 

花火大会の翌朝くらい地面が散乱としていて

 

 

床はベトベトだし、そのベトベトな床にポップコーンが張り付いていて、階段の段差の部分にも散らばっていました。

 

 

前の席の人たちも、意識はしていたでしょう。階段を降りる時に振り向いて、一様に驚いた顔をしていました。

 

 

後ろの席に座っている自分にも目線が向けられて、目が合います。違う違う僕じゃない。違う違うそうじゃなーい。

 

 

これって・・そそくさとシアターを後にした角田さん、劇場スタッフに一声かけたのかな?なんて思いました。

 

 

「すみません。ポップコーンこぼしちゃって。」「いいですよ」と想像。

 

 

普通の感覚の持ち主ならば、放ったらかしにして逃げるように帰らないと思います。

 

 

ですが残念ながら声をかけていないと思います。

 

 

そう思う理由はスタッフの表情から察します。

 

 

通常時、館内が明るくなり、階段を降りていくと、出入り口に箒と塵取りを持ったスタッフがスタンバイしています。最後の一人くらいになると構わず入ってくるものです。

 

 

その清掃スタッフが分かりやすく「え?」という表情をしました。

 

 

ポップコーンって場内が明るくなると結構、食べ溢しているのものですが、Mサイズ全て(&ドリンク)をぶち撒けた、となれば想定外の光景です。

 

 

(やってることはMじゃなく、どSの行為だな(笑))

 

 

今回の場合だとモップレベルですから、清掃スタッフの方は大変だったでしょうね。

 

 

その惨状を見た清掃スタッフは、階段を降りていく私に視線を向けました。

 

 

また疑われた。

違う違うそうじゃないΣ(・□・;)

 

 

参考までに、シネコンの入れ替えの間隔はTOHOの場合30分です。上映終了後は速やかに清掃をして、次の来場者を迎え入れる準備をします。冷や汗ものですよ。

 

 

___

 

 

 

買ったばかりのポップコーンをこぼしたのは災難でしょう。

 

 

買った時はテンションが上がったでしょうし、こういうの買うぐらいだからお腹も空いていたと思います。でも後処理も後味も悪いですね。

 

 

というか、今見た映画、頭に入ったのかなぁ?

 

 

映画の上映中、どんな気持ちでいたのだろう?

 

 

あなたならどうしますか?

 

 

映画館って、トイレに立つだけでも、ちょっとした覚悟が必要ですからね。

マナー的に携帯の光もNG。物音も極力NG。会話や動作も極力NG。

 

 

今回の場合、全部こぼすと同時に本編が始まったので、もう何が正解なのかよく分からない状況でした。

 

 

 

近々ロードショウ記事を更新していく予定です。

 

 

 

日本の未来は暗い。

だからあなたが光になるんだ。

一期一会の今この時を。

 

 

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【mAb】

 

 

 

 


『神鳴りさま』

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短い話を致します。

 

他愛もない話です。

 

 

この「他愛ない」という言葉の意味は、

 

 

しっかりしたところがない。

手応えがない。張り合いがない。

取るに足りない。とりとめもない。

 

 

などの意味を持ちますが、

この意味合いに「愛」という漢字を用いた昔の日本人は素敵だなと思います。

 

 

 

では手応えがない・・他愛もない話をしよう。愛想尽かされない程度に。

 

 

 

ALL IS NEED IS LOVE

 

愛こそすべて!!

 

 

・・・あっ、これは英国人か。

 

 

___

 

 

 

シネコンのロビー通路に近日公開の新作映画のポスターが横一列にズラッと飾ってあるのは日常の光景ですが、

 

 

いつも行く劇場の其れが

最近、私の中でツボとなり、通るたびにチラ見して、一人でクスリとしているのです。

 

 

それが近々日本で公開する【ブルース・ウィリス】の新作映画『デス・ウィッシュ』Death Wish。

 

 

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直訳すると「死の願望」。半世紀前に公開されたDeath Wishシリーズの中から1972年に公開された『狼よさらば』をリメイクとのこと。このシリーズは五部あるそうですが、1作も観たことがありません( ´△`)

 

 

外科医から処刑人に・・・最近のハリウッド映画では、よくこの設定を観る気がします。転職系。愛しい人を傷つけられた事がきっかけに殺し屋に転向パターン。今回はメスを銃に変えるんだろう。

 

 

配給会社様には申し訳ないのですが、ポスターを視ただけで、公開から2・3週間で上映終了していくんだろうなぁ、と予想が出来ます。

 

 

御年63歳となられたブルース・ウィリス。本場アメリカではドラマ映画での失敗が続き「終わった俳優」などと言われていますが、日本ではアクション俳優として未だ人気が高い大スター。

 

 

私は何と言っても学生時代に『アルマゲドン』にどハマりした世代ですから、ウィリスといえばハリー役のイメージが強くあります。

 

 

『RED』『ダイハード』などで「若い者には負けないぜ」的なキャッチフレーズが海を渡った日本で付けられていますが、高齢化社会となる我が国では、このキャッチコピーがウケると狙ってのネーミングでしょう。

 

 

でもブルース・ウィリスって・・・スキンヘッドならドウェイン・ジョンソンとか、それこそジェイソン・ステイサムなどいますが、「Leon系」とか「ちょいワル系」に属していないように私には見えるのです。果たして何系なんだろう??

 

 

 

この新作ポスターを見て、改めて思ったわ。亀だ。タートル系だ。

 

 

というかヴォルデモート卿だ。ハリーポッターの。

 

 

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鼻が有るか無いかの違い。

 

 

ブルース・ウィリスは特殊メイクいらずだな。

デス・ウィッシュの劇中で処刑人役なんだから、決め台詞にて言ってくれないかな「アブラケダブラ」と。

 

 

・・・笑

 

 

 

10月10日公開です。

 

 

 

日本の未来は暗い。

だからあなたが光となるんだ。

一期一会のこの時を。

 

 

 

フォローしてね

 

 

 

【mAb】

 

 

『お口にチャック』

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自宅の郵便ポストを開けると何も書かれていない茶封筒が入っていた。

 

 

糊付けはされていない。

 

 

封を開けて見ると 縦書きの便箋が1枚。

 

 

中央に大きく

 

 

 

 

 

 

「なんだこれ?」。ポカーンとする。2018年を御神籤で表すならそんな総括。

 

 

__

 

 

 

昨年日本で公開された新作映画の内、私が鑑賞した劇場鑑賞数は〔107本〕でした。

 

 

107本と聞き多いと取られる方もいらっしゃるかと思いますが、

自分が「映画館で映画を観る」というスタイルとスタンス&ポリシーで映画鑑賞を始めた2002年以降、最も少ない結果となりました。

 

 

 

___

 

 

 

この記事は年初めの報告と多少の抱負を書こうと思い立ち書き始めました。

 

特に面白い文章は書きません。そもそも人を惹きつける文章を書けているのか?という感じです。

 

 

(何も更新しないでいても毎日アクセスがありました。読んで戴いた読者の方ありがとうございますm(_ _)m)

 

 

回顧を大いに含めた初記事。

 

 

 

毎年頭に劇場鑑賞作品数の最低目安を立て、年間で3桁(100本以上)とします。

 

 

普通に観ていけば、普通に達成(通過)する数字なので、あえて「言ってる」だけですけど・・・ね。

例えば空気を飲むような自然な(映画館で映画を観る)行為を、不自然にもブログで伝えることで多少の歎称が欲しいだけかもしれません。

 

 

なんだかんだ言っても、SNSをやる以上は自分の存在意義や活動理由みたいなものを残したい煩悩が働き、こういう年間100本だとか、映画が好きという今更宣言(宣伝)を時々したくなります。

 

 

『mAbの映画一期一会』をスタートさせた当初、何年かは「映画大好き!映画超好き!」というテンションで書いていましたが・・・あっしも随分落ち着きました( ̄◇ ̄;)

 

 

(あの頃はHA!ガラケーでHA!1万文字HA!打っていた!。今となっては古い日記ログ、懐かしい。)

 

 

ちなみに、ここ何年かは基本的に劇場鑑賞は1日1本です。

集中力的にも時間的にも、1日に数本の作品を観る事が叶わない( ´△`)

単純に考えてシアターに年間で100日以上足を運んでいるいう事ですから、それに関しては胸を張れる日常生活のルーティーンだと思います。

 

 

(映画を観ない日でもシネコン近くのコーヒーショップにとりあえず居たりした。もう染み付いてんだな。)

 

 

__

 

 

 

昨年度は自分史上、過去最低の鑑賞数でしたが、

 

その反動で少しだけ嬉しい(新しい)発見がありました。

 

 

それは、映画を見なくても割と平気な体質になっている事に気付いたディカバリー。

 

 

掻い摘んで説明しますと、私はブログ開設当時(2010年〜)相当な映画依存体質だったので

 

仕事などで映画館に行けない時が続くと、禁断症状みたいな心の焦りが出ていました。

 

 

例えるなら、重度の携帯依存みたいなもの。

持っていないと不安で、家に忘れでもしたら、その日1日落ち着かなくなったり心ここに在らずだったり(~_~;)

 

 

映画を観ないだけで、それ同等以上の状態になったので、映画鑑賞が起爆剤でもあり精神安定剤でした。

 

 

私は物書き・物創りを生業とする人間なので、会社側が私に対し精神的に落ち着く状態にするように配慮し、映画を見る時間を作ってくれたりと、孤高の売れっ子作家先生みたいな生活をさせていただいていた・・・そんな時代もあったね。しみじみ。

 

 

__

 

 

 

昨年は映画以外の事にベクトルを向け邁進するような沢山変化のあった1年だったと振り返ります。

 

 

そうした中で映画を観れない日が3日、4日、1週間、2週間と続くと

 

 

なんだか熱中した後の三日坊主みたいな気分になって、「別にいっかな」とまるで憑き物が落ちたような気楽な軽さにもなりました。

 

 

それ(映画)どころじゃない!と優先順位が下がった時期もありました。

長いこと君臨していたからな優先順位の最上位「映画鑑賞」Σ(・□・;)

 

 

 

それでも私はやっぱり映画に狂った人生なので、映画を観れない日が続くと久しぶりに観る時はとても心地よくて、「あぁやっぱり映画が好きだ」とマゾヒズムを感じたり(笑)

 

 

(15年間、2日に1回は映画館に行っていたからね。15日間、空けるだけで新鮮。)

 

 

あの「観なくちゃ」という焦燥感はなんだったんだろ?と思うくらい気が楽になり、映画を楽しめるようになりました。

 

 

 

___

 

 

 

あとは、携帯のメモや記事を書くノートパソコンのメモ機能、アメブロの記事保存のフォルダーには、書き途中でやめた文章がズラリと縦並び、ゴロゴロと転がって残っています。

 

 

昨年だけでも、書き途中でフォルダーに保存した状態の2018年度公開映画が、57記事もあります(゚o゚;;)

 

 

(時間の無駄Σ(・□・;))

 

 

私のモットーが「新作映画はナマモノ」なので、公開を終えた(旬を終えた)映画を書くのは、墓場から掘り起こすようなもの。

 

 

(新作映画がナマモノなのに書き手がナマケモノだから鮮度が落ちる)

 

 

結局、毎年恒例だった映画大採点も出来ていない状態なので、そういう機会を作って、どこかでまとめて発表できたらいいけど。

ゾンビでもいいから掘り起こそう。一応パソコン上でも活字を書くときは、言霊だと思って指を動かしているので。

 

 

 

ちなみに2019年がスタートしてから、半月以上が経ちましたが、

 

 

今年の映画鑑賞はまだ「1本だけ」です。

 

 

 

『蜘蛛の巣を払う女』

 

 

 

(公式YouTube↑)

 

 

本年度劇場鑑賞作品vol.1

 

 

7年前に公開された『ドラゴンタトゥーの女』の続編で北欧スエーデンが舞台のミステリ。

 

 

2012年2月20日に記事で上げていますので、当時の記事のリンクを。

 

『ドラゴンタトゥーの女』

 

 

 

当時の自分は記事の中で「ため息の出るほど面白い作品!」と興奮気味に書いています。

 

 

(もうそういう躍動的なテンションでは書けないσ(^_^;))

 

 

前作で天才ハッカー・リスベットを演じた【ルーニー・マーラ】の演技に心底惚れたので、続編の女優交代は正直ガッカリ。

ルーニー・マーラのイメージが私には強いので最初は違和感しかなかったのですが、それでも本編が進むにつれて英国女優【クレア・フォイ】のリスベットにも感情移入してくるから相変わらず良い感じ。

 

 

監督の【フェデ・アルバレス】は1作目にホラー映画、2作目にパニックスリラー映画のメガホンを取り、3作目の今作でミステリー映画。単なるミステリ調ではなくアクション映画ともビジュアル(芸術性)映画とも視えます。ヨーロピアンスタイルが全体的に表れていますが、ハリウッド管轄の北欧映画という見方だとサバサバしているかも。

 

 

洋書が苦手な私は読んだことがないのですが、世界的大ヒット小説の『ミレニアム』は本当に凄まじく素晴らしい内容なんだと、この映画を見るだけで思わせてくれます。雪のように柔らかくて脆くて、暖かいと溶けてしまい何もなかったようになる、そうして寂しい映画。

 

 

少々淋しいと思うことがあります。

 

 

当時は『ハンガーゲーム』などもそうですが、世界で大ヒットし社会現象になっている洋画が日本に来る流れだったので、日本上陸前から大きな話題になっていた作品が多かったです。

 

 

日本公開から7年が経ち、近年の日本の風潮なのか、当時のような「ブーム」も去ってしまい、熱度も下がったかな。

公開2週目で多くのシネコンが1日の上映本数を減らす現状。本格的な作品なんですけどー(T ^ T)

 

 

 

自分がドラゴンタトゥーを映画館で観た日のことを今でもハッキリと思い出せます。

 

ぼかし入りのベッドシーンや過激な性描写や主人公の設定などがありR指定でしたが、多くの観客で連日賑わっていました。

 

 

混雑した劇場を極力避けるのが私のストレスフリーの鑑賞法。どこも混んでて困ったなぁ・・なんて思っていたら

 

東京に雪が降って、雪に免疫が全くないのが東京、交通機関が麻痺していました。

 

 

こういう日は空いてる!と

 

私は自宅から映画館までの5kmほどの道程を、長靴を履いて徒歩で向かい、念願叶い鑑賞しました。

 

予想通り1割ほどの観客数でした。

 

 

ドラゴンタトゥーの当時の記事にも書いていると思いますので、気になった方は上のリンクからお読みくださいませ。今の私は懐かしむようにしか当時の自分の描写を書けませんからϵ( 'Θ' )϶

 

 

赤と黒の姉妹。父親の性的虐待と否応と逃避の惜別。見所も見応えも非常にあります。

幸先のいい今年1本目の映画鑑賞になりました。

 

 

 

___

 

 

 

このように、1つの記事の中でテンションや文体を変えるのが・・良い意味でmAbのスタイルです。

 

 

昔の私のアメブロスタイルは、例えるなら親世代には懐かしい「伝書鳩」です。

 

 

クルックーと映画を観たあと、それを書いたものを電波で飛ばして、また映画館に帰巣する。習性。

 

 

 

今の私のアメブロスタイルは、せっかく鳥で例えたから「コンドル」が・・・良いなぁ。

 

 

サイモン&ガーファンクルの歌みたいに悲しげに、そして優雅に翔んでいけるように・・これは例えではなく ただのアウトローだけどΣ(・□・;)

 

 

 

今年は年間100本にこだわらずに、

 

好きな時に「気が向く方向」が映画館であって、そういう機会で映画を観ていけたらいいなと思います。

 

 

 

(です・ます調で書きすぎてグロッキー。そろそろグダグタを終わらせ〼。)

 

 

 

___

 

 

 

最後に。

 

 

観た映画を記事に仕上げないようになってからは、怠け癖というよりは、「書かなくても大丈夫」な体質になりました。

 

 

ブログを書く事が習慣だったので

 

 

最初の頃は「書かなくちゃ」なんてモヤモヤしたり、何の使命感だか分からない麻痺的なSNS依存がありましたけど

 

 

今はただただ純粋にポップコーンを脇に抱えて映画を観ています。

 

 

プライベートな時間は楽しまなくちゃな。

 

 

いつの間にか新作映画を評して語るスタンスになりましたが、このブログは「映画ブログ」なので、これからはただ単に好きな映画を紹介したり、もちろん新作映画もかけるように。プライベートな時間を使ったとした場合、楽しんで書けるようにしたいです。(同じ表現2回目Σ੧(❛□❛✿))

 

 

 

しかしご存知の通り、かなりの気まぐれな書き手(コンドル)なので、「いつ書くの?」と尋ねられても「今でしょ!」とは即答いたしません(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎以上・年男でした🐗。

 

 

 

【mAb AcAdemy】

 

 

 

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『ほしぞら』

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3月11日。東日本大震災から8年が経ちました。

 

被害に遭われた皆さまに心よりお悔やみ申し上げます。

 

 

あの時に地震や津波の被害に遭われた知人達。「原発の町」に住み強制立ち入り禁止区域となり東京に避難した私の親戚。震災以降、被災地を訪れ、それを通し知り合った人達。

 

 

信じられないくらいの人の命が失われたことは、自分が生きてきた中で一番の混乱でした。

 

 

深い悲しみの中、混乱の中、そして復興という未来を選ばざるを得ない中。

 

 

自分に何ができるのか?

これからもその問いに対する答えは出ませんが、せめて今一緒にいる人を笑顔にさせ、出会ってくれてありがとうと感謝をしようと想います。

 

 

当たり前だったことが、当たり前ではなくなり、忘れる事など出来ないが風化は起こり、この日が近づくと強く意識をします。

 

 

東京都ではあの年、計画停電や節電があり、夏の暑い日に室内熱中症になりながら映画館で映画を見ていたことを思い出します。

また、食料品や日用品、乾電池などの買い占めが問題となりました。もしもの時に分けてあげる人になりたいです。電池切れの人に手を差し伸べられますように。

 

 

丁寧に丁寧に言葉を選んで、この文字に言の葉を添えたいのですが、上手く伝えられずにすみません。

 

 

頑張っていきましょう。頑張らなくてもいいので頑張っていきましょう。

 

 

これから先も、一日も早い復興と皆さまの幸せをお祈りいたします。

 

 

 

2019,3,11【mAb AcAdemy】

 

 

 

追伸。この記事でいただける「いいね」は「頑張ろう東北」に対しての「いいね」でお願いします。

 

 

 

『THE映画館』

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ご無沙汰してます。

 

 

約5ヶ月ぶりの更新なので、お忘れの方、結構いらっしゃるかと思います。

 

だいぶ滞っておりますが、書ける時に書くスタンスを、もう少し意識できたらと思います。

 

 

ドント・フォーゲット・ミー。

 

 

___

 

 

 

7月の1週目の出来事になります。

 

 

夕方の時間帯に『スパイダーマン』の最新作を映画館で劇場鑑賞。

 

 

公開初週の夕方+アメコミということで、シネコンの劇場も7割近くの席が埋まっていました。

 

 

その鑑賞中・鑑賞後にあった出来事を描写いたします。

 

 

 

 

 

___

 

 

 

先に寸評を。

 

 

映画を書くと言う「勘」が鈍っているので手短に致します)

 

 

(いつも山勘で書き始めているくせにΣ(・□・;))

 

 

 

シリーズ大本章『アベンジャーズ』のロードショウが全国各劇場で終了したのも束の間。

 

 

余韻に浸ることなく間髪入れず(時間軸が同じ)新章が公開されたのが今作『スパイダーマン フォー・フロム・ホーム』fromアベンジャーズ

 

 

「スパイダーマン→アイアンマンの一番弟子」という設定が追加されてからは、一都市(NY)の中のヒーローだったスパイダーマンが世界を股にかけて怪物たちから人類を守る役割を担うようになりました。

 

 

先に公開されたアベンジャーズのラストでアイアンマンは自らを犠牲にし亡くなりましたが、

 

 

今作はアイアンマン亡き直後の世界・葬儀の後が時間軸になっていますので、紛れもなく「続き」(継承)となっていました。

 

 

自分の劇場生活の映画人生は15年ほどですが、その15年で実に様々な映画の流れを見てきました。

 


一番大きな変化はシネコンの普及ですけれど・・・アメリカ映画のシーンでいうと、アメリカの世界的人気コミック会社であるマーベルの作品が次々に映像化され、大ヒットし、世界的に大きな市場を生み出したこと。

 

 

『キャプテン・アメリカ』『ハルク』『アイアンマン』に『マイティ・ソー』そして『スパイダーマン』。

そのどれも私は文章で紹介しましたが、正直こんなにブームが続くとは予想できませんでした。

 

 

(日本のコミックが世界一だと思っていたから。)

 

(二番目に大きな変化は、日本映画の興行収入が、外国語映画を抜いたことです)

 

 

 

そして現在。

 

 

2000年代前半は、1・2年に1度のペースで上映されていた(マーベル)シリーズが、年に何作品も上映されるこの現実。

 

 

それも全て制作費が膨大な大作。

 

 

自分としては『アベンジャーズ』で一区切りついたし満足もしたのに、3ヶ月後のロードショウで「続編」が来ましたから、気持ちも追いついていないし、「どれだけ製作しているんだよマーベルΣ(・□・;)」なんて思った冒頭。

 

 

そして、マーベル映画ファンは幸せだろう・・なんて感覚で観ておりました。

 

 

・・ちなみに昔はよくアメコミ映画の記事を書いていましたので紹介していましたが、私はマーベル映画よりもDC映画の世界観の方が好きなので、マーベル映画に関してはとても娯楽的に鑑賞しています。

 

 

(『ジャスティス・リーグ』が最高に好きです)

 

 

___

 

 

 

あとは、なんとなくスパイダーマンは、2000年代(2002年)のイメージが強いので、

その時代のリアルタイムに映画に没入した自分としては、主人公は全3作品とも白人ですが、ヒロインのMJも「白人」であることが絶対条件のような意識があり、ラブストーリーは「白人と白人」の恋物語が定番という固定概念があります。



これこそアメリカ映画から私が頂いた知識であり価値観です。

 

 

隔年でアカデミー賞で問題となるのが白人至上主義の差別問題ですが、最近のハリウッドの傾向なのかな、日本に入ってくるアメリカ映画では、白人と黒人(またはヒスパニック系)で成立させるカップルが多くなりました。

 

 

舞台がニューヨークの映画は特にあからさま的で、学園物だと白人を探す方が難しいくらいです。

 


今作も「世界の有色人種」が登場するので、アメリカも変わったなと思って観ています。

 

 

私自身は日本人ですが、学生の頃は西海岸のロスに留学していましたので、そうした映画を多く見て、あの時の自分は彼等にどう映っていたのか?と客観的に興味を持ったりもします。

 

 

そして、モンゴロイドなりに白人側の主張も考える機会を映画から設けます。

 

 

白人による有色人種への差別意識は、白に1滴でも色が加われば、真っ白には戻れない、という絶対的なシンキングポイント。

 

 

只々、客観的な感想なのですが、白人至上主義の方々がこういう組み合わせに何を思うのだろう?と、

 

これからもニューヨーク映画の定番の描き方を観るたびに、似たようなことを思うのだろうと自分を推察します。悪しからず。

 

 

1作目のMJが【キリステン・ダンスト】で2作目のMJが後のオスカー女優【エマ・ストーン】。

 

 

私は漫画を読んだがことがないのでスパイダーマンは完全に映画から入門したのですが、冴えない主人公ピーター・パーカーと、学園のマドンナ的女性MJという組み合わせがシックリきていたので、個人的には新スパイダーマンのヒロインMJ【ゼンデイヤ】は・・有名な歌手ですけど演者としては勝気な表情が多くて、理系女役すぎて色気がなぁと思っています。

 


(学園のマドンナは白人のブロンドヘアというイメージが多くの映画を通して定着している)



 

雨の中の逆さ吊りのキスシーン・・・当時はキュンキュンしたんだけどな(^^;;)

あの頃は私も20代前半だったし感覚も若かった。

 

 

(トビー・マグワイア・・・もう長いこと銀幕で観てないな)

 

 

__

 

 

 

question。あなたは映画館でどこに座りますか?

 

 

心理テストでも何でもありません。ただの投げやりな質問です(^◇^;)

 

 

一番多いのは「通路側の角席」でしょうか!?

 

 

角席は人気ですよね。電車も角を好む人が多いですもんね。

 

 

観客が少ない上映に対して、角席だけに縦一列ズラッーと座っている異様な光景を何度となく観ています。

 

 

(私はその光景を「ビンゴ」と名付けています)

 

 

My answer。

mAbはいつも決まって、一番後ろ映写機の真下(最後列中央)辺りを好みます。

 

 

座席指定ですので画面で説明しますと、普段はこんな感じで席を抑えております。

 

 

 

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(写真は別の回ですが、同じ劇場です。)

 

 

この列の席に座るのには、ちゃんと意味も理由も設けていまして、【淀川長治】氏所縁など代表例もありますが、「周囲がよく観察できる位置」というのが①番の理由です。

 

 

(故意にジロジロは見ません。映画の盛り上がりごとに反応が気になり、そうした人間観察が好きなのです。)

 

 

あと一番上まで階段を登るので、ちょっとしたながら運動にもなる(笑)

 

 

事件が起きたのは鑑賞も終盤。

スパイダーマンが英国はロンドンのタワーブリッジで今回の敵と大激戦を繰り広げている最中でした。

 

 

最後列に座る私の2列前。

 

上の図で説明するならK列中央になります。

 

 

トイレか何かでシアターから退出していた男性が、自分の席に戻って来たのですが、

 

立ち止まったままで、なかなか着席しません。

 

 

時間にして「1分」ほどですけど、本編上映中の1分って、周囲の体感的にはなかなかですよね。

声にこそ出しませんが、周囲はザワザワした状況の空気が漂っていました。

 

 

自分の席が分からなくなったのかな?なにかあったのかな?

 

分かりませんし知る由も無いですが、ショーもクライマックスでしたから、心配よりも先にただただ「邪魔だな」と思いました。

 

 

男性は結構な長身ですが、姿勢を低くすることも、上映中の出入りの際も前屈みになるわけでもなく、周りに気を使うこともなかったので、同じ鑑賞者としてはショックを受けました。

 

 

上映中の出入りで、前屈みにならない人って結構いらっしゃいますが、真ん中で立ったまま動かない人と遭遇するのは稀です。

 

 

それなりに気が長い鑑賞者である私が気を散らしたくらいですから、真後ろに座っている人はもっと迷惑だった事でしょう。

 

 

壮絶なクライマックスのアクションシーンの最中に、完全に前を塞がれてしまっているのですから。。。気の毒です。

 

 

間も無く、その後ろに座っていたオジ様が「おい早く座れよ!迷惑だろ!」と、周りに気を配るくらいの声量で注意しました。

 

 

周囲も、よく言ってくれた、という空気感になったと感じました。

 

 

誰かが言わなくちゃ、なかなか座ってくれない感じでしたから、その役を担ってくれたオジ様に小さく感謝です。

 

 

もう少し柔らかい口調で伝えればいいのになとも同時に思いましたが、こういう時って「早く座って」と言う方も焦りますからね。

 

 

その後、男性は着席し、ロンドンの街を舞台に地球防衛するスパイダーマンのアクション劇を鑑賞していました。

 

 

___

 

 

 

もう初期の頃のトビー・マグワイアが演じてたスパイダーマンみたいな、親友や親友のお父さんが敵になって弔い合戦する規模のアクション劇には戻せないなぁ(^^;;)

 

 

前作は宇宙空間に行きましたし、世界を舞台にアクションしてるスパイダーマン。超規模度合いがハンパないって。

 

 

 

話を戻します。

 

 

映画館の上映中。「誰かが誰かを」注意した瞬間から、劇場の空気は一変します。

 

 

(「誰かが誰かを」なので第三者)

 

 

そういう時に一番後ろの席に座っていますので、ある程度の一部始終を見れる・・利点があります。

 

 

今回の場合だって、

前の方の席に座っていたら、何が起きたのか分からず「なんだなんだ?」と後ろ(上段)を振り向くことになるので、状況を理解できないですもんね。

 

 

ただ私は完璧に映画の世界に入りたいがために、ペアで映画館に行くことを拒み、長年ソロ客で務めてきた鑑賞者です。映画を独りで観に来ている方の半分は、理由が同じでしょう。残りの半分は単純に一緒に行く相手がいないから、かな。

 

 

あなた様も経験されたことがあるかもしれませんが、集中している時に、話し声などが聞こえてくると、映画一辺倒だった意識が、他に向けられ・・はっきり言って台無しですね。この数分間、銀幕から意識が離れてしまいました。

 

 

___

 

 

 

本編が終わりエンドクレジットが流れます。

 

 

予想以上に面白かったです。最近のマーベル映画は物語こそ膨らましすぎの風船状態な印象ですけど、壮大なスケール感があるので気分を爽快にしてくれます。

 

 

マーベル映画はエンドクレジット中に続編を匂わせる映像(つづき)が流れるのが常。

観客もそれを心得ているので、席を立つことなく沢山の英字をボーッと直視する時間を過ごします。

 

 

今作はエンドクレジット中盤とクレジット終了後の2回ありました。

 

 

そうして字幕翻訳家の名前が表示され場内は明るくなり、

 

 

隣の空席に置いておいたリュックサックを片手で持ち上げて、帰り支度を始めるのですが、

 

 

そういえば・・さっき注意していた前の席の人って、どんな感じの人なのかな?

 

 

その興味があったのでチラッと前の方向を見てみます。

 

 

年齢は60代くらいかな。

ご夫婦で鑑賞されていて、スキンヘッドのご主人でした。(高橋名人似)

 

 

もう今の時代は、

 

他人に注意することが難しくなってきましたので、そういう注意する行為は「勇気?」が必要で、私自身もトラブルになる可能性があるので傍観者でいることが多くなりました。

 

平成を経て令和の「日本人の国民性の風潮」になりつつあると思うのですが、

誰もが自分のことが大事であるため、他人に干渉したり、物申す習慣がなくなってきたので、萎縮もする。

 

 

(mAb、何かあったの?)

 

 

ここは大江戸、下町。鯔背なおっちゃん。よく注意してくれた!という思いです。

 

 

それでその流れで、オジさんの1列前に座る、注意された男性側も見てみたのですが、

 

 

これが乱闘寸前までの事態になるとは思いもしませんでした。

 

 

____

 

 

 

目線を向けた瞬間。場内が明るくなった瞬間のこと。

 

 

男性は真後ろのオジさんの方向を勢いよく振り向くと・・・

 

 

(ここからは記憶にある言葉を再現します)

 

 

開口一番「テメェ、なんだよオイ!」と、おじさんに向かって言い放ちました。

 

 

(この下から若い方を「男」と表記し、オジさんは「オジさん」と表記します)

 

 

男は20代後半くらい。白いTシャツと破けたジーンズというラフな出で立ち。家族や親戚かな?5人くらいの集団で横並びで映画鑑賞に来ていたようです。

 

 

その瞬間、非常識とは思いますが、今起こっている状況や登場人物を私は確認します。

 

完全に職業病と性分なので気にせず読まれてください。

 

 

「こういう時に周囲はどういう表情をするのかな?」と(それ以外の)全員の顔の変化を見回します。

 

後列で起きたことなので、当事者の前に座っていた観客は、一斉に怒声のなった方向にガバッと首を向ける。これが最初の反応。

 

 

1分前までスクリーン(銀幕)が「視聴率100%」だったけれど、今は前方後方左右、客席の中央部分が視聴率100%の状態に。

 

 

 

例えば、学生時代にクラスで喧嘩が起きた時に、円を囲むような陣形になって、状況を見届けるクラスメイトみたいな感じです。

 

 

こういうクラスの喧嘩の場合は、

 

 

「おい、やめろよ!」と止めに入る男子生徒がいたり、

 

「キャー!」と女子同士身を寄せて叫ぶ生徒がいたり、

 

シクシク泣く女子がいたり、

 

関わりたくないと下を向くガリ勉タイプの生徒がいたり、

 

「私、先生呼んでくる」と、先生(この場合は劇場スタッフ)を呼びに行く委員長タイプの女生徒がいたりするものです。

 

 

 

各自それぞれの役割や性格が出るものです。

 

 

・・この時はどうかな?結果として最後まで(先生役の)劇場スタッフは現れませんでした。

 

 

それに皆が初対面ですから、学校の喧嘩とは違い、他人に干渉しません。

 

 

私の予想では、注意の仕方が強かったので、注意された方は「なんだよ」と思うかもしれませんが、間違ったことではないし、お互い気不味さは残るだろうけど、注意から20分は経っていたから、その間に冷静になって退出時は軽いお辞儀の一つでもするだろうと思っていました。

 

 

「テメェ、なんだよオイ!」

 

 

オジさんは怯むことなく「迷惑だから、注意したんだろ!」と正論を言いますが、声色は完全に苛立っています。


 

下町人の気質は気が短い。一瞬にして一触触発のムード。

 

 

男は坊主頭で白いTシャツにジーンズといった出で立ちと書きましたが、どことなくリンダリンダの時の甲本ヒロトさんに似た感じでした。

 

 

(ヒロト先生ゴメンなさいm(_ _)m)

 

 

今一度位置を説明します。

 

 

 

K列とL列の中央で言い合いをしています。

 

 

K列の男は、後ろを向いて話しています。

 

 

ちなみにすぐ真後ろに、私がいるわけですが、mAbは表情一つ変えずにガッツリ男の目を見ていますよ。

 

 

「迷惑だから、注意したんだろ!」と言われた男は、面食らった顔をした後、「なんだとー!」と言いながら、オジさんの胸ぐらを掴もうと手を伸ばしました。しかしリーチの問題で伸ばした手は空振りです。

 

 

すると通路側に走っていき、1列上のK列に登ってこようとします。

 

 

1列上なんだから足で跨げばいいのにな・・なんて、これまた冷静に視ていたものですが(^^;;)

ダダダダと走って向かって来た瞬間、こうなったら仕方がない、自分も応戦するかもしれないなと少しだけ覚悟を決めました。このオジさんを守る。

 

 

他のお客は、同じく傍観者ですが、皆静かに状況を観戦していたように見えました。

 

 

若くて目が血走ってるニイちゃんが、テメェこのやろーと向かってくる。

 

 

オジさんも火がついてしまったようで一切物怖じせず、やってやるよ!といった具合で通路側に歩いていきます。

 

 

隣の奥さんは「お父さん、やめて!やめて!」と体を抑えて止めに入っていたのが印象的ですし、

 

 

同じように男の家族も止めに入っていましたが、羽交い締めにしようとするも、それを振り切るくらい、彼はキレていました。

 

 

「塞き止め役」

 

 

と言いましょうか、まぁ・・その役を担った方にとっては非常に災難なんでしょうけど、通路側の角席には1人で観にきたOL風の女性客が座ったままでした。

 

 

その女性客は突然始まった喧嘩に固まっていて、男が通路側に走ってやって来たことで、運悪く男とオジさんの間に挟まれてしまいました。

 

 

手を出したら、大惨事になる可能性もある。

 

 

男は相変わらず血の気が多く、私の記事では書けないような汚い言葉を言い放っています。

 

 

(一応、日本語の美しさをテーマにしているのでね)

 

 

一番わけがわからないのは、「どうしてこの男はここまでキレているんだろう?」という疑問です。

 

 

こういう人は厄介だなと思います。もし刃物でも持っていたら刺してきそうな雰囲気がありました。

 

 

(そんな人がスパイダーマンを観ているなんてΣ(・□・;))

 

 

多分、こういう人って、例えば、人混みで肩がぶつかったら、すぐに相手に対して突っかかってくる人間なんだろうな。

 

 

___

 

 

 

女性の1人客が2人の間に座っているからか、男は行くに行けず、握りこぶしを見せたまま体を左右に動かし、暴言を吐き続けている状態。

 

 

オジさんは奥さんが止めていますが、来るなら相手するぞ、といった感じでした。

 

 

それでも男が1度殴りかかって、実際にパンチが空を切りました。姿勢を低くして下を向き座る無関係の女性客の真上、男の右腕が空を切る。

 

 

それを見てようやく私は男に「いい加減にしろ」と言いました。止めるのが遅くてすみませんm(._.)m

 

 

男がギロッとこっちを見ます。私は視線をそらさずに真っ直ぐに目を見ました。

 

 

もし向かって来たら、柔道技でもかけようと思いました。一応有段者だし、正当防衛になると思ったので。

 

 

男は視線に負けたのか、冷静になって、ハァハァ言いながら周りを見渡します。

 

 

この劇場に彼の味方は、家族以外いなかったと思います。

 

 

みんなが自分を見ていると気付き、男は「クソが」と言い、もう一度目線をオジさんに向けます。

 

 

最終的に男の連れの方たちが、もう行くよ、となだめて階段を降りて劇場を出て行くのですが、私としては、子供の責任は親の責任と言いますか、彼の家族がオジさんや周囲の観客に一言、何か言ってから退出して欲しかったです。

 

 

この出来事は終了です。

 

 

女性客の方は怖い想いをされたと思いますが、ほんと殊勲賞ですね。

 

 

それを見て他のお客もゾロゾロと出口に向かいますが、後味という空気は激不味です。

 

 

やはりこの直後の男と遭遇したくないのか?一拍の間を置いた上で出口へと歩いているように見えました。

 

 

オジさんは手荷物を取るため自分の席に戻ります。

 

その際に近くに座っていた渋谷系のカップルのお兄さんに「大変でしたね」とねぎらいの言葉をかけられていました。

 

 

公開第1週、夕方のスパイダーマン。

館内は当然若い観客層が中心でしたので、もしかしたらSNSなどでこの事を呟かれているのかもしれません。

 

 

____

 

 

 

余談を2つ。

 

 

(2つの時点で余談じゃないよΣ(・□・;))

 

 

日本の映画館は、シネコン時代になってからは特に、上映中のマナーを観客にルールとして託します。

 

 

映画館で「マナーの悪いお客にお客が注意する状況」に遭遇することは時々あります。

 

 

注意する方は大抵イライラ声になるので、聞いていて気持ちのいいものではありません。

 

 

昔は相手に気付いてもらえるように「咳払い」で知らせていたと思いますが、最近では咳払いも聞かないな。それぞれのマナー意識が高くなったからでしょう。



代わりに咳払いというクッションがなくなり、いきなり口頭注意になるパターンが増えた気もします。

 

 

なので今回のように喧嘩に発展するのかもしれません。

 

 

お読みになられたあなた様はどう思われますか?

 

 

 

2つ目。

 

 

 

この件に関して、15年以上、劇場鑑賞を年間100本以上続けてきた者の意見ですが、

 

 

喧嘩や言い合いは個人vs個人なので、何を引き金に起きるか、その地雷源は予測しづらいと思います。

 

 

注意する側も、言葉の圧が強いのもアレですけど、こういう相手にはもしかすると丁寧口調でお願いしても、イチャモンをつけてくる可能性もありますからなんとも言えません。

 

 

そういう事で私が今回の件で一番指摘したいのが、劇場スタッフです。つまり私が愛するTOHOシネマズのスタッフ対応ですね。

 


 

今回の出来事も、場内が明るくなった瞬間に喧嘩が始まりましたが、騒動の実に5分間ほど、劇場スタッフは誰一人現れませんでした。夕方のシネコンには最低2・3人は館内スタッフが表に出ているはずです。

 

 

例えば、街で喧嘩があったら「お巡りさん」に頼りますし、施設で喧嘩があったら「警備員さん」に頼ります。

 

 

同じように、映画館で喧嘩があったら、まずは劇場スタッフです。頼られた劇場スタッフが施設の警備員を呼べばいい話です。

 

 

なので、どうして劇場スタッフがいないのだろう?と疑問に思いました。もしもの話、その5分間で、事件が起きた場合、劇場側の対応も責められると思います。

 

 

場内が明るくなった瞬間。TOHOのマニュアルではスタッフは清掃に入ります。次の上映まで約30分。客入り(開場)は20分後。早急な清掃活動が仕事。

 

 

舞台袖の階段下で待つか、出入り口で清掃カートを出して、ポップコーンやらドリンクなどのゴミの清掃にあたるのが常。

 

 

そういう光景を何百回と観てきたので「どうして今回はいないの!」と思うのです。

 

 

ビビって出てこなかったんじゃないのかな?というのが正直な思いなんですけどね。

 

 

まぁ逆の立場だったら・・客同士の喧嘩の仲裁に入るほど、面倒臭いことはないと思うのですけど(^^;;)

 

 

TOHOはスタッフのスマイルアワードなど毎年やっているので、笑顔のいいスタッフはいますが、

こういう時に、本当に助けて欲しい時に、「お客様。落ち着いてください!」とか仲裁に入ってくれる劇場スタッフって本当に少ない気がします。

 

 

昔は「支配人」とか責任者の方が劇場にいましたが、今のシネコンは巨大な企業になりすぎて、誰が社員で誰がアルバイトなのか分かりづらいです。



今後の日本は、外国みたいにショッピングモールとか映画館などでいつ何が起きるか分からなくなる時代になると予想しているので、都合よくも、シネコンの入り口に警備員(ガードマン)がいてくれたらなんて思ったりもします。

 

 

春夏秋冬の中で、一番トラブルが多いのは夏だと思います。

 

 

この前、自販機でペットボトルを買っていたら、目の前の公園で中年のオジさんが「暑ちぃーんだよ!!!」と一人で叫びながら園内をぐるぐる回っていました。

 

 

さすがに怖くて直ぐにその場を離れました(^^;;)

 

 

映画館だと、この時期に目につくのは、ウチワやセンスを仰いでいる人ですね。後ろに座っているので、かなり気になる。人間の意識は動くものに反応します。



劇場入りの予告の時はいいにしろ、本編上映中までに体内温度を調整して、周りにも気を使って欲しいなと思っています。やはりトラブルになる可能性の1つ。

 

 

と柄にもなく愚痴溢しを熱く書いてしまいましたけれど、確かなことを1つ言えば、面白い映画でしたよ『スパイダーマン』。

 

 

(え?これが〆なのΣ(・□・;))

 

 

ちょくちょく、記事を更新できたらと思っています。

 

 

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映画以外の記事も是非読んで下さいね。⬇️

レインマン(From mAb)のブログ

 

 

 

 

【mAb】

 

 

『THE映画評論:18作品』(前編)

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「15年間続けてきたんだ。だけど今年こそ劇場鑑賞数100本(3桁)いかないかもなぁ・・。」

 

 

毎年言ってるこのセリフ。通年は上半期だったけど、今年は8月の炎天下の下で汗を拭い呟いていた。

諦めの心の声というよりは自分を納得させるような気持ち。

 

 

結局なんだかんだアーダコーダ喚いても年間100本は当たり前に超えていたので、映画依存の病気みたいな口癖なのですが、

 

 

今年は本当に映画鑑賞の意欲が失せ、心の足を負傷し松葉杖をついているようでした。

 

 

(その比喩、上手いようで下手じゃない?)

 

 

実際。上半期にTOHOシネコンで公開された映画は、あえて鑑賞しなかった作品が多かったです。

 

 

しかし、昨年今年と立て続けにTOHO-CINEMASの会員制度が変わりました。大きく変わりました。

 

 

それにより映画鑑賞のペースが上がっております。

怪我の功名とポジティブに考えるようにしていますが、その制度(会員システム)変更により私の現在の劇場鑑賞のペースはアメブロで映画評論を描き始めた頃に戻っております。

 

 

この手の話を書くとなると必要以上に長文になると思いますので、暫くしたら具体的な説明を書くと思います。まぁ秋の夜長です。馴染みの読者の方々は気長に更新を待っていてくださいね。

 

 

今回の記事は、この1ヶ月半で鑑賞した劇場公開作品を、少しだけ昔に戻って紹介しようと思います。

 

 

約1ヶ月間で18本の映画を劇場鑑賞しました。ハイペースですね。いいペースですね。勘も戻ってきます。怠慢な私を書く気にさせた作品にも出会えました。

 

 

数が多いので、1作品ずつの文字数も気にしながら書きますね。

 

気になった作品が貴方の地域で上映されていましたら、是非とも劇場鑑賞の参考にしていければ幸いです。

 

 

 

____

 

 

 

(先頭から公開が古い順(8月→10月)となります)

 

 

 

Once Upon a Time in Hollywood

 

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

 

 

 

 

 

監督🎬

【クエンティン・タランティーノ】

 

 

主演

【レオナルド・ディカプリオ】【ジョニー・デップ】

【マーゴット・ロビー】【アル・パチーノ】

 

 

 

本編上映時間〔161〕分

 

 

 

寸評:

 

 

約3時間の長尺映画。

タランティーノの新作はハリウッドの黄金時代と呼ばれる1960年代後半から1970年代前半のロスが舞台。落ち目の映画スターと彼が雇うスタントマンの2名を中心に描かれる。高級住宅地ビバリーヒルズの隣人がロマン・ポランスキーだったり、スタジオセットを描いたシーンでは故ブルース・リーが登場するなど、映画ファンには堪らない名前が出てくる。

 

 

自分が最も好きなシーンは、ブルース・リーがブラット・ピットからかわれる際に、日本人の名前で呼ばれている場面です。これは差別的描写なんだろうけど、欧米人には日中韓の顔の区別がつかないという事実が丁寧に描かれていると判断するので好印象。『レヴェナント』で念願のオスカー俳優となったディカプリオの顔芸(表情芸)は相変わらず凄い。40代となったディカプリオ。ドイツ系の顔立ちが味付け良く出来上がってきた。

 

 

 

脚本 [14]点

演技 [16]点

構成 [15]点

展開 [13]点

完成度[13]点

 

 

[71]点

 

 

 

___

 

 

 

Us

 

『アス』

 

 

 

 

 

監督🎬

【ジョーダン・ピール】

 

 

主演

【ルピタ・ニョンゴ】

 

 

本編上映時間〔116〕分

 

 

カリフォルニア州サンタクルーズ。ビーチに建てられた遊園地に遊びに来た黒人親子(父娘)。ゲームに夢中になる父親から離れた少女が波打ち際にあるミラーハウスに誘い込まれるように入場する。四方八方が鏡となる迷路。自分だけが映っている鏡の世界。突然、自分が動き出す。

 

 

冒頭から前半までの流れが素晴らしい。スリラーではあるがA-RANKだと確信していた。

しかし「同じ者」が現れて以降の格闘・種明かしに向かう後半は拍子抜けする。

この脚本だとホラースリラーではなく、純粋なミステリー映画にして製作した方が評価が高くなった筈。

 

 

 

脚本 [15]点

演技 [15]点

構成 [13]点

展開 [12]点

完成度[13]点

 

 

[68]点

 

 

 

_____

 

 

 

 

 

 

日本映画

 

『台風家族』

 

 

 

 

 

 

監督🎬

【今井昌秀】

 

 

主演

【草彅剛】【新井浩文】【MEGUMI】【中村倫也】【尾野真千子】他

 

 

寸評:

 

 

銀行強盗を実行し金を奪った後逃走した父親の消息は現在もつかめていない。事件は時効を迎え、消息不明から死亡扱いとなる年数が経過したある日。形だけの葬式を行うべく集まった4人の兄弟(長男・次男・長女・三男)と長男の家族(妻・娘)。実家は葬儀屋。長男の一番の目的は遺産相続で根こそぎ金を頂く事。遺産相続・罵り合いの兄弟喧嘩、その様子が家中に隠されていたビデオカメラによりネット配信されていた事で状況が一変する。

 

 

小さな町で起きた銀行強盗事件が時効後に再注目されることになったキッカケはYouTube。そのネット中継をきっかけに家族の形に変化が起き、事件の真相が第三者を交えハッキリと浮かび上がっていく。

 

 

当初予定されていた公開月から3ヶ月の延期を経ての封切り。

元ジャニーズ事務所所属の草彅剛さんが、他の役者のように映画の番組宣伝でバラエティー番組(TV)に出演される日が来る事を願います。やはりテレビで直接宣伝できない現在の状況って配給会社にとっても大きなデメリットになると思います。

 

 

そして元俳優の新井浩文さん。死んだ魚の眼のような表情が今作品でも活きていて、出演陣全体バランスを整えています。

演者として印象に残るバイプレーヤーだったので残念ですが、とりあえずは本作品が公開されて良かったです。

 

 

最近は4Kのテレビみたいにクリアな映像ばかり銀幕で観てきましたので、いい意味で日本映画らしい暗い画質と、小慣れた俳優陣の映像演劇が観れて満足出来ました。台風の強まる後半はナルシストな演出が多く(中国映画のトロッコアクションのような)ドタバタ劇になりますが、不思議なもので赤の他人の俳優同士が血を分けた兄弟のようにも思えてきましたので減点材料は少ないです。

 

 

 

本編上映時間〔108〕分

 

 

 

PG12

※小学生未満の鑑賞には成人保護者の付添・助言が適切な作品です

 

 

 

脚本 [13]点

演技 [14]点

構成 [13]点

展開 [15]点

完成度[13]点

 

 

[68]点

 

 

 

___

 

 

 

松竹映画

『引っ越し大名!』

 

 

 

 

 

 

監督🎬

【犬童一心】

 

主演

【星野源】【高橋一生】【高畑充希】【及川光博】他

 

 

寸評:

 

姫路城主だった松平直矩に幕府から突然の国替え命令が命じられた。

国替えとは藩ごと別の地へと移り住む一大行事。大移動の移動手段はもちろん徒歩である。

今回の引越しは姫路から海を越えた九州の豊後国。

 

 

国替えは参勤交代をはるかに上回る膨大な費用と労力が必要となる。そんな金はない!と嘆く。

押し付けられる形でリーダーに命じられたのは、コミニュケーション能力が極端に低い書庫番・片桐考之助。

人と接することが苦手で屋内に籠っては本を読んでいることで「カタツムリ」のあだ名で呼ばれていた。

 

 

彼は藩の亡き国替え名人の娘(バツイチ子持ち)の協力を得て、武士として男として大きな一歩を踏み出していく。

 

 

要所要所、メインの部分ばかりを映像で描いており、中途省略の印象はあるのだけれど、全てを見終わった後に振り返ると、田舎侍の大きなロマン胸が熱くなるから気分がいい。柔らしく爽やかな熱さだ。

『のぼうの城』で時代劇映画の評価を高めた犬童一心監督の才を見た。ガツンとしたものはないが、心にくる。

日本人の気質をよく描いていて、だからこそ共感できるし、応援も出来る。昔の人から学ぶ姿勢も大事だと私は思います。今の日本人に必要な思誠だと思います。

 

 

 

本編上映時間〔120〕分

 

 

 

脚本 [15]点

演技 [14]点

構成 [14]点

展開 [13]点

完成度[14]点

 

 

[70]点

 

 

 

___

 

 

 

 

 

Tolkien

『トールキン』「旅のはじまり」

 

 

 

 

 

監督🎬

【ドメ・カルコスキ】

 

主演

【ニコラス・ホルト】【リリー・コリンズ】

 

 

寸評:

 

本編上映時間〔111〕分

 

 

 

英国作家【ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン】〔1892-1973〕の伝記映画。

12歳時に孤児となったトールキンは、後見人となったカトリックの神父のもと有名高校に入学し、名門オックスフォード大学へと進学していく。高校では3人の親友と出会い、仲間内で秘密結社を結成。文学で世界を変えるべく馴染みの店に集まっては物語を創作していく。やがて戦争が始まり4人はそれぞれの地に出兵。固い絆で結ばれた親友たちが命を落としていく。

 

 

第一次世界大戦で英国兵として戦った筆者の体験談が、後の『ロード・オブ・ザ・リング』の世界観になったと知った時は、本当に鳥肌ものでした。戦争体験をファンタジー小説にして表現するなんて・・ロードの見方が変わります。名門高校に通う高校生が日本でいう喫茶店で紳士的に文学を語っている姿も紅茶の国・英国というお国柄を表している感じがしました。

 

 

個人的にファンである【ニコラス・ホルト】。演技はあまり上手ではありませんね。基本的に口が半開きですし(^_^;)表情の使い方が毎作品同じなので、あまり演技的な評価は出来ないかな。【エディ・レッドメイン】とかこういう英国人の顔立ちをしている俳優がmAbは好きなのです。

 

 

小説『指輪物語』や映画『ロード・オブ・ザ・リング』への愛が深い方には特にオススメですね。公開過多の9月の公開となり、残念ながらシネコンでは短命のロードショウになってしまいました。私の最寄りの比較的空いているTOHOシネコンでは二週間で打ち切りです。ディスク化した際は是非とも鑑賞していただきたい作品です。

 

 

 

脚本 [13]点

演技 [14]点

構成 [14]点

展開 [13]点

完成度[14]点

 

 

[68]点

 

 

 

___

 

 

 

『ロケットマン』

 

 

 

 

 

監督🎬

【デクスター・フレッチャー】

 

主演

【タロン・エガートン】【ジェイミー・ベル】【ジョン・リード】

 

 

寸評:

 

 

脚本不足とされるハリウッド映画の近年の傾向は、ヒットした例に頼り続ける一昔前の日本式(鉄は熱いうちに打て)になっているので、ミュージカル調の伝記映画は今後も多く制作するだろうし、そのたび世界を喜ばし賞レースにも名を連ねていくでしょう。

 

 

20代で俳優キャリアをスタートさせ、作品にも恵まれ一気に世界的スターになった印象の英国(ウェールズ)俳優【タロン・エガートン】〔28〕。元々音楽性に富んでいる人物なので、ロケットマンの公開を知った時に私が期待したのは歌唱シーンです。

 

 

・・・私が初めて購入した外国の音楽CDは【エルトン・ジョン】でした。なので思い入れがあります。

作品名は『Candle in the window』。ダイアナ元英国妃が交通事故で亡くなられた際に発表された楽曲ですね。日本でも大ヒットしました。

 

 

QUEEN伝記の『ボヘミアン・ラプソディー』のフレディ・マーキュリーの際もそうですし、このブームが来る以前から多くの伝記映画を鑑賞して来ましたが、「映画化される海外のスター」は成功後にプライベートで失落します。この栄光の表側ではなく裏側を描くのが映画のミソですが、基本的にはスターの習性は似たようなものです。

 

 

世界的音楽スターになると麻薬がつきもので、途中から才能よりもお金に人が群がってきて、かなりの割合で「孤独」になって、儚く描かれるような気がします。特にエルトン・ジョンはソロシンガーですので、全て自分で抱え込まなければならず、(音楽)パートナーの作詞家とのやりとりの場面はほっこりしましたが、(性)パートナーとの描写は孤独色が強いので儚い気分に。

 

 

映画としての完成度は・・どうでしょう。

下積み→成功→酒やドラッグ→再起を賭けるの展開は、この作品に限らず結構描かれてきたジャンルですからね。エルトン・ジョン・・名前勝ちの印象も強く、全体で考えると楽曲の良さでカバー(誤魔化)している面もあると思います。『僕の歌は君の歌』は・・あゝ美しい旋律・・と溜息が出る。

 

 

クイーンのように楽曲を口ずさみながらライブ感覚で観進められる映画ではないので、1人でじっくり宵に浸った夏の終わりでした。

 

 

世界で最も売れたソロシンガー。。。次の伝記映画はマイケル・ジャクソンかな。

 

 

 

本編上映時間〔121〕分

 

 

 

脚本 [15]点

演技 [15]点

構成 [13]点

展開 [13]点

完成度[15]点

 

 

[71]点

 
 
 
___
 
 
 
フルCG映画
 
 
Lion King
『ライオンキング』
 
 
 
 
 

監督🎬

【ジョン・ファヴロー】

 

声の主演

【ドナルド・グローヴァー】【ビヨンセ】

 

 

寸評:

 

本編上映時間〔119〕分

 

 

 

実はディズニーのアニメーション1994年の『ライオンキング』&今なお盗作されたと問題視されている手塚治虫大先生の『ジャングル大帝』も観たことがないので、今回初ライオンキングでした。

 

 

動物たちの世界。動物たちの共通の言葉。ジャングルの王者であるライオン。

メイン(センター)にはターザンのような人間がいた方が映画として締まると思うのですが、実写なんじゃないか?と思わせるCG技術と世界の歌姫ビヨンセの歌声に心踊りました。

 

 

・・・ハイエナ怖い。

 

 

 

___
 
 
 
 
東宝映画
『記憶にございません!』
 
 
 
 
 

監督🎬と脚本🖋

【三谷幸喜】

 

 

主演

【中井貴一】【小池栄子】【ディーン・フジオカ】【石田ゆり子】【木村佳乃】【草刈正雄】【佐藤浩市】他

 

 

寸評:

本編上映時間〔127〕分

 

 

平成の日本の映画界に多大な影響を及ぼしたのは紛れもなく三谷幸喜監督だと思います。

今では数多くの映画で、もはや当たり前のウリとなっている「豪華俳優陣の共演」もハシリは三谷監督ですし、舞台畑の俳優が映像演劇でこれ程映えるのだと分からせて下さったのも三谷監督です。

 

 

前回は時代劇でしたが、今回は原点に戻り現代喜劇。現職の総理大臣が狙撃(投石)され病院に搬送。記憶喪失になった総理。それを知るのは秘書と限られた人物だけ。総理の席を狙う連中は与党野党限らずに多い。

 

 

記憶を無くしたことで、これが元々の彼の人格性なのか?優しい柔男。この点は中井貴一さんの十八番。

記憶を無くした日本のトップは1から政治の勉強を始め、元々総理までなれる人物だから出来が違う。短期間で習得し勘も戻る。

 

 

ある意味、ここまで「ありえない」描写が続くと、ツッコミどころ満載で、清々しい気持ちにもなる。

支持率1桁の現職総理。口が悪く短気。心なしか総理と副総理を足したようにも主人公のモデルを思う(^◇^;)

 

 

国民に石を投げられる。それが直撃なんてSPなにやってるんだΣ(・□・;)

日本のセキュリティの弱さ。映画とはいえ海外の反応(報道)も知りたい。

 

 

(よかったね拳銃じゃなくて)

 

 

同志である女党首と不倫関係にあったり、秘書への毎日のセクハラ。妻とは不仲で、妻も不倫をしている。息子は火遊びで警察の厄介に。記憶喪失になったことで、暴君だった主人公の政治家像が初見の描写として明るみに表される。

 

 

まっさらな状態でもう一度初心に戻ってこの国を護ろう。必要ならばアメリカにも自分の意見を言おう。(どうせなら北と南にも言って!)

 

 

場内は三谷作品のファンか?世代的に中井貴一さんのファンか?場面場面で声を出して笑う奥様方がチラホラいました。

(でもこういう奥様方って斉藤由貴さんの出番になるとシーンとするんですよね(^_^;))

 

 

現実的に国民に愛される総理大臣って生まれないと私は思うので、こういう風刺を込めた喜劇映画で理想像・理想論を描いて、この「胡散臭い映画」にホッコリさせて頂きました。三谷映画はスタジオセットに拘りを魅せるし、映画は数年に1作品の公開になるので、オリンピックみたいに楽しみにしています。

 

 

 

脚本 [13]点

演技 [15]点

構成 [13]点

展開 [15]点

完成度[13]点

 

[69]点

 

 

 

____
 
 
 
 
Ad Astra
『アド・アストラ』
 
 
 
 
 

監督🎬

【ジェームズ・グレイ】

 

主演

【ブラット・ピット】【トミー・リー・ジョーンズ】

 

 

寸評:

 

本編上映時間〔123〕分

 

 

近未来。人類は火星に基地を建造し、地球外生命体の探査に乗り出している。

ある日突然、地球はサージ電流が覆われ、人類の実に4万人が犠牲に遭う。

宇宙飛行士として完璧な職業適正能力を見せる主人公ロイは宇宙の起動基地での作業時に爆発に遭い、命からがら地球に帰還する。

 

 

その後、極秘裏に呼ばれたロイは、このサージ電流の原因が海王星付近に留まっている地球外生命体探査計画で使用された反物質装置が引き起こしたと推定していることを伝えられ、さらに海王星には16年前に宇宙で死んだとされた父親が生存している可能性が高いと知らされた。父の事故死をキッカケに他人と適切な関係を築けなくなり妻とも離婚したロイ。プロジェクトに参加する。

 

 

圧倒的な映像。宇宙空間。無重力。ポツンと一軒家じゃないけど、人間が豆粒みたいに宇宙空間にいると、相当の圧迫感がある。

火星経緯で冥王星。この作品は全体的にモワーンとしている感覚を覚えました。ブラット・ピットの表情以外は状況説明が外観。

 

 

例えれば、静かな場所で耳鳴りがして鼻をつまんで耳抜きをするみたい。その耳抜きが今作でいうドラマ部分になり、考える時間は十分に用意されているので、ある程度ストーリーを把握した上で観進めていくのがいい。アメリカ映画は父と息子をメインに描くものが非常に多いから今回もその根底に習って鑑賞しました。

 

 

 

脚本 [15]点

演技 [15]点

構成 [13]点

展開 [14]点

完成度[13]点

 

 

[70]点
 
 
 
___
 
 
 
18作品を一気に書く予定でしたが、やはり書き出すと止まらなくなる性分でした。(毎回オノレの性分忘れるんだよねΣ(・□・;))すでに文字を打つ入力の反応が重くなっております。9作品ずつ前・後編と題し2つに分けて紹介いたします。
 
 
 
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【mAb】
 

『悲しみの覚え方』

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台風19号によって被災・被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

 

関東地方に台風が直撃した12日の土曜日は都内で仕事をしておりました。

前日からJRの計画運休は発表されていましたので、対照的に当日も運行していた地下鉄を利用しました。

夕方以降も動いていましたが、いつ止まるか解らないので、太陽が沈む前を目安にと早めの帰宅をしました。

 

 

その夜は実家で両親と過ごしましたが、自宅の中庭にある楓の木の枝が強風により回転するように揺れており、その様子を例えるならば歌舞伎の連獅子のようでした。東京でこんな光景や音を耳にするのは初めてだったので驚きの連続でした。

 

 

23時頃。

TVの赤い円マークで台風が完全に過ぎたと確認し、街の様子を見に出ました。

 

 

外に出ると同じように出てこられた方がチラホラいました。

まず目に飛び込んできたのが、電信柱が1本倒れている光景と、広い国道の至る場所に救急車が止まっている状況です。

 

 

電信柱が倒れた場所には、すでに立ち入り禁止のテープが貼られており警察官の方が1名門番をされていました。

尋ねると、電線が切れて一角が停電している、東京電力を待っている状況だと教えてもらいました。

 

 

風も弱まっていたので、十分に注意しながら自転車で墨田区台東区のぐるりを回ってみると、大規模に停電している地域があり警察官が道路上で手信号をしていたり、電柱やポール、時間貸の駐車場の電光掲示板が倒れているなどの光景を見ました。

 

 

どこか今までの経験上、東京は交通機関こそ気象に弱いけれど、それ以外は大丈夫だと確信しているので、現実なのかな・・と。

自分の父親の時代の東京は大雨が降るたびに川が氾濫して多くの家屋が浸水被害にあっていたと教わります。それを知らない世代になると現実感が湧きません。

 

 

その夜は朝方までNHKを見ていましたが、コメンテーターがいて会話がある民放キー局は、夜が明けてから被害状況が見えてくるという予想をされていましたので頷きながらザッピングをしていました。15号のこともあるので嫌な予感しかしないまま就寝しましたした。

 

 

__

 

 

 

今回の台風の特徴は、関東甲信越・東北など広範囲における河川の崩壊でした。専門的な知識は自分にはありません。

 

 

福島県いわき市に住む私の一番の親友の家では、16日の現在も断水が続いているそうです。

彼の家は高台に建っているので浸水被害はないそうですが、すぐ近くで川が氾濫し、浸水、断水や停電など深刻な状況にあるそうです。

 

 

彼の親戚の家が断水・浸水しているそうで、片付けの手伝いに行くと伝えると、この先は重機や業者に頼むしか他ない状況らしく、、、もう本当に悔しいです。役に立てません。こういう時のために体を鍛えているんじゃないのか・・mAb。

 

 

また悪いことばかりではありません。「携帯電話」というものは、災害時に繋がりにくい印象がありましたけど、幾度の災害を経て非常に便利になったと思います。最近では視聴者提供の災害映像もTVで流されています。

 

 

2011年の東日本大震災の際は、携帯電話が通じずに情報を伝えるメディアも混乱する場合が多かったので、通信手段が無事なことだけは良かったです。災害とネットワーク、この令和時代の幕開けを象徴するかのように思えます。

 

 

職場のスタッフや自分の生徒の中には、今回の台風で被害に遭っている地域に実家や親族の家がある方が多くいて、10人じゃ・・・きかないです。こういう時に知り合いが多いと情に脆い自分としては辛いです。

 

ご家族の安否確認や状況報告を聞きます。それらの会話で「実家は大丈夫でしたが、隣の町は深刻な被害に遭っています」などの報告を多く聞きます。一概に運が良かったと思えないので非常に複雑です。

 

 

テレビをつけると台風の情報をメインで放送しているのは今はNHKだけ。

だからNHKはぶっ壊さないで欲しいと、私は思います。

 

 

水が去った後の世界はどうなるでしょうか。決壊した人を護る盾はいつ直るのでしょか。

 

 

荒川の河川敷をロードバイクで走るのですが、自分の地域はなんともなくても、埼玉方面に行くとグラウンドが泥まみれだったり、おそらく浸水したのでしょう漂流物や枝木や大きな岩などがサイクリングロードに落ちています。これも東京都や国が整備するのでしょうか。次にその道を通る時には何もなかったようにいつも通りになっているのでしょか。

 

 

土曜日は家に籠るので映画評論の続きを書こうと思っていましたが、台風が過ぎて外に出ると世界は一変していました。

意識の気持ちがまだ被災地にあり、親友や知人の状況を聞くたびに、「映画だけ」に向き合う記事が私には書けないまま数日が経ちました。こういうところ頑固な性格です。

 

 

正直な心情を吐露しますと、こういう状況の時に、どういう文体の記事を書けばいいのか?だとか分からなくなりました。

本当に申し訳ありませんが、SNSで楽しい様子の方を見ると何だかすごくお気楽に思えたり、東京の街を歩くと何もなかったかのような日常があって、関心はないのか?心配ではないのか?と思ってしまいます。そういう風に人の笑顔を捉える自分自身にも腹が立ちましたし、情けなくなりました。自分としては、どの地域で起きる災害も「日本で起きたこと」として意識しますが、やはり自分自身にゆかりのある東日本で起きると相当こたえます。

 

 

今週中には映画評論の後編を書こうと思っております。

せっかく前回をキッカケに映画を書く気持ちを取り戻しつつあるのだから『mAbによる映画一期一会』の更新もしていきたいと。

 

 

被災者の方々は、気丈に振る舞っていても、大丈夫なはずがないですし、仕方ないと仰っても、平気なわけがないと思います。

 

だけど前を向くしかないのだから前を向いてください。後ろを振り向きたいときは私が話を聴きに伺います。

 

 

災害に強い日本を作るのは国のお役目です。

自分に出来ることは覚えておくことだと思います。

 

 

改めまして

台風19号によって被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

 

復旧を願っております。

 

 

 

【mAb】

『THE映画評論:18作品』(中編)

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『アイネクライネナハトムジーク』
 
 
 
 

 

 

監督🎬

【今泉力哉】

 

主演

【三浦春馬】【多部未華子】【矢本悠馬】【森絵梨佳】【原田泰造】他

 

 

 

本編上映時間〔119〕分

 

 

寸評:(オムニバス調構成で登場人物が多いためある程度展開に沿って纏めた流れを書きます)

 

 

①主人公サトウは優柔不断で内気な性格。ごくごく普通だが心優しきサラリーマン。

大学時代の親友②オダ・カズマ&ユミ夫婦と今でも親交があり、休日はよく訪ねる。

 

 

オダ家。

大学在学中に学園のマドンナ的存在だったユミの妊娠が発覚。カズマは働くために大学をスパッと中退し結婚する。現在は小学生に成長した娘がいる。生活は豊かではないが笑顔ある幸せな家庭である。

 

 

独身のサトウがオダ家を訪れるたび結婚の話題となる。その席でサトウは理想の女性像や出会いのシチュエーションなどを話す。オダ家の人々はサトウの幸せを心底願っている。

 

 

そうした中でサトウが出逢うのは後の彼女となる人物サキ。

職場で起きた機材トラブルによりパソコンが使えず、市場調査のため仙台駅で街頭アンケートをするサトウ。やる気もないし覇気もない。こんなサラリーマンはダメリーマンΣ(・□・;)サキが通り過ぎる。柔らかな雷に打たれたように見惚れるサトウ。互いに印象に残っていた。その後の再会ではサキを見つけたサトウが花束を持って猛ダッシュ。「運命」を自分演出し、理想の女性像や出会いのシチュエーションを自ら叶えた。

 

 

作品の時間軸は前半後半の2部構成で、ここまでが第1部。

 

 

第2部では、それから10年後が軸となります。

 

 

いきなりテロップのみで「10年後」となるから苦笑。流れが無理やりだな!とは思いました。

日本映画の展開省略はよく見ますけど、流れを大事にしている作風だからこそ、こういうところを丁寧に描いて欲しいです。もしくは(オダの子供を中学生ぐらいの設定にして)5年後くらいでもよくない?など色々と指摘点が浮かんでしまう。

 

 

交際10年目。同棲生活のサトウとサキ。10年の節目、喉まで出掛かる「結婚してください」はきっと何十回も飲み込んできた。

 

 

一方、オダ家は女子高生に成長したミオがメインとなり、同軸(1部でいうオダ家の目線をミオ目線のみにしてサトウとW主演)で展開。高校生や高校が舞台になるので、一気にフレッシュにも感じることでしょう。その他にもミオの同級生の男子(と腰の低いサラリーマンの父親)などもメイン視点で登場しますので、2部は盛り沢山だしキャラの上塗りも多いです。

 

 

個人的には1部でサトウの職場の上司だったサラリーマン役の【原田泰造】さんはいい味が出ていて最高でした。もちろん、このキャラクターもサトウにとって、映画にとって大事なテーマをもたらすのでキーパーソン。今でもあの自問自答のセリフが私の胸に残っています。

 

 

まさに1つのテーマを決めた上で展開するオムニバス映画構成ですが、テーマに沿っての描写が続くので理解しやすく映画も見やすいと思います。

 

 

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続きまして。

この映画には舞台演出上のオーケストラピット的な役割をするキャラクターがいるのが印象的です。

まずは映画を語る上では100人が100人、玄人も素人の書き手も紹介するくらい重要なキャラ。

 

 

仙台駅のロータリーで、心に隙間がある人を集める見た目スナフキンみたいな『名もない歌唄い』。

映像の構成上、展開を切り替える際における「ツナギ」として登場するが、1曲しかレパートリーがないの?ってくらい、いつも同じ曲だけをアルペジオで歌っている。観客は殆どいない。映画の登場人物だけが足を止める。

 

 

サビの「小さな夜ぅ⤴︎」が印象的。ちなみに映画タイトルの『アイネクライネナハトムジーク』の日本語訳は「小さな夜の音楽」。

 

 

舞台となる仙台駅は年に数回訪れます。

このスナフキンがいつも歌っている場所も何度も通ったことがありますので、現実的な目線でも観てしまいました。

七夕まつりが行われる有名な商店街や商業施設も近く、毎日多くの人が行き交う夕方の仙台駅で路上ライブをしているのに、誰も足を止めずに素通りの状態なんだから、シビアに視ると「才能ないんじゃないの?」と捉えますが、おそらく映画として考えれば「見える人にしか見えない妖精的な登場人物」なんだろうと解釈して視る事にしました。

 

 

妖精さんが歌う1曲(小さな夜)は「魔曲」となり、心ここに在らずの人間を立ち止まらせます。例えば、泣いた後のヒックヒックしている精神状態の人物が、この路上シンガーの場所に集まってくる感じです。この魔曲に足を止めたことで、サトウとサキら映画の主要登場人物が話すキッカケになり、その後の展開が発展していきます。

 

 

もし次に私自身が仙台駅を訪れた際には、スナフキンいるん(見えるん)じゃないかな?なんて考えました。人肌恋しいので(笑)

 

 

もう一名。こちらは生身の人間ですけど、メインキャラクターの人生観のキッカケを作るプロボクサー。リング名はウインストン小野。彼が世界王者になった出来事は多くの人の分岐点を作っているので最重要キャラ。1部ではメインで登場し【貫地谷しほり】さん演じる美容師との恋模様も描いています。ウインストン小野の役割は「懐かしみ」をもたらすこと。黄昏的なキャラクターです。

 

 

原作者の伊坂幸太郎先生は自身が描きたいことを表面上で文章にする作家に思えます。内容の重み深みは映画(第三者)に任せて、表面的な言葉を小説に書くタイプの作家。なので大半の作品が映像化に向いていますし、その内面(深み)を描くのは監督らの役目だと思いますが、残念ながらその役目は観客に任されている毎回の印象です。個人的には『ゴールデン・スランバー』が伊坂映画の最高点です。

 

 

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あまりにも有名なモーツァルトの『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』は、日本の音楽界でも沢山の歌手が「創作のアテ」に使っています。このタイトルを予告で見た時は、アイネクライネの楽譜と同じ進行を辿っているのだろうと会社のクラシック部署に出向き、私用ながら譜面をコピーするべく頂戴しに行きました。

 

 

あくまでmAbの見解で映画を解説しておりますが、

 

 

女性が男性に求めたいものはなんでしょうか?

 

 

この映画における男性役には「決断力」が女性から求められていました。男性を選ぶ決め手でした。

 

鑑賞中も鑑賞後も自分はどちらのタイプかと考える機会にもなりました。

 

決断力って元々の性格だったりその人の人間性なので、いきなり変わるということはないですから、サトウは真面目なサラリーマンなのに交際10年目。おそらく同棲も彼女のサキが言い出しっぺなのでしょう。でも流石にプロポーズは彼氏の口から・・と想像致します。

 

 

出会った男性に決断力があるのか?

【三浦春馬】演じる主人公サトウは決断力はないけど天然で優しい男。

【矢本悠馬】さん演じるオダは、いざという時に決断力があります。ただ普段は家庭内でグータラしています。奥様がしっかりされているので安心ですが、1人だったらきっと年金とかNHKの受信料とか払わないようなタイプだな。

 

 

 

2つの家庭主人公から物語を展開させ、短編で描きながら伏線としていた点を、展開を進める中で、線で結び回収していく。

 

複数の物語をオムニバス調で進行させ、関係図が繋がると楽しい気分になるものですね。ウディ・アレン監督を思い出します。

 

 

 

この映画の人物像を観ていて、自分なりのチェックポイントを書きます。

 

昔から日本人の理想の家庭内男女像を表す「女は愛嬌、男は度胸」の言葉を思い浮かべました。

 

 

この映画は「女性から見た男性(異性)」という目線での描き方をしていました。

ママとしてパパを。彼女として彼氏を。などなど。見守る視点で。

 

 

サトウとオダ、親友同士の二人の男性は対照的で、彼女と交際してからの行動力・決断力が異なる描き方で進行しているので、二人の女性はそんな男性を客観的に映画の観客に紹介する役割で存在感を出しています。少し前の時代の男女像。

 

 

逆を言えば、女性の描き方が弱いので男女比のバランスが均等ではないよう、多くの観客、特に女性の観客は物足りなさをこの映画全体に感じると思います。

 

 

最後に。

 

 

前半後半の2部構成で、その2人の男性や彼らに関連する人物の成長記録を描きます。

子供が年月を重ねて高校生になるので情も湧く。アミューズ期待の女優【恒松祐里】さんの演技が良かった。瞳の開き具合から第二の北川景子か!?なんて注目したい若手女優さんです。

 

 

大人の俳優陣には、泥臭さ・人間味のある俳優が集まった印象。

両名の出世作・恋愛漫画『君に届け』、難病役を演じたドラマ『僕のいた時間』で恋人役で共演してきた三浦春馬と【多部未華子】さんが、今回3度目の共演。現在ドラマ映画に引っ張りだこのバイプレーヤーで今回もいい味を出し続ける矢本悠馬さんも適役だと思う。

 

 

個人的に【森絵梨佳】さんをスクリーンで観れたことで満足しています。伊東美咲の再来か!?とCMを観ていて思っていた方だったのですが、年齢的にも妻役スタートなんだなぁ。美女と野獣の夫婦。10年後(2部)にはしっくりきてた。

 

 

多くの映像化作品を輩出する伊坂幸太郎先生は、舞台地を宮城県の仙台に固定することで有名。そのため映画化した場合の舞台も仙台。作家の印象は今作品もそうですけど、海外の物事や人物や既存の題名にかなり影響を受けているなと思います。年齢的に英語圏文化やカタカナ文字に憧れた世代ですもんね。アイネクライネ・・原作を読んだことがなかったので、映画タイトルを聞いたときはポップな喜劇になるとイメージしたものです。

 

 

レンタルビデオ屋で陳列される光景が目に浮かびます。

何気ない日常の静かな夜に、自宅の部屋で鑑賞したら、泣いちゃうかもな。

 

 

 

脚本 [13]点

演技 [13]点

構成 [14]点

展開 [15]点

完成度[14]点

 

[69]点

 

 

 

___
 
 
 
 
 
 
『人間失格』「太宰治と3人の女たち」
 
 
 

監督🎬

【蜷川実花】

 

主演

【小栗旬】

【二階堂ふみ】【沢尻エリカ】【宮沢りえ】他

 

 

 

寸評:

 

 

現代人で太宰治を読む人間は心が病んでいる奴だ。暗い人間だ。なんて常套化したイメージが憑き物。

「太宰を読んでいる」なんて人に言ったら、心配されたり暗い人間なんじゃないかと思われた学生時代。

 

 

しかしこの映画で知る太宰は現代人とほぼ遜色がなく比較対象が多い。

 

 

当時の太宰治の読者は女性が中心で、まるで男性アイドルに全てを捧げるファンのようにも視える。

小説のタイトルを見たくらいで「あら素敵ねぇ〜」と吐息を吐きながら腰をくねらすのだから、全てが愛しいと肯定する状態。

 

 

そのファン心理を利用する太宰。各作品の誕生秘話には「女性の死」が常に付き物である。

 

 

「一緒に死ぬ」ことを女(不倫相手)と約束し入水自殺を図る。互いの体に縄を巻きつけ夜中の川に入る。死んでも一緒に入れるというわけだ。例えば、好きな男性アイドルに「一緒に死のう」と言われれば、「喜んで」と答える女性ファンも少なくはないだろう。

 

 

ところが太宰は確信犯。今際になってからあらかじめ緩めておいた自分の縄を解き脱出する。

女性はびっくり。え?ちょっと待ってよ治さーん一・・アップアップしている女性を「一人で死ね!」と足蹴り。

岸に上がった太宰は「あゝ死ぬかと思ったぁぁ」と一服し、その絶倫状況を元に新作の小説を書きおろすのだ。

 

 

言い換えれば、手っ取り早くファンに手を出して「人に歴史あり」彼女の人生録を盗んで、執筆の犠牲に死んでもらう。それに対しての哀悼はないが、出版業界では太宰のこの執筆方法は有名な話のよう。死ぬ気はないが、女性が一緒に死にたいと願う、生と死の間の儚さのようなものが題材にはあると私は思う。

 

 

太宰は儚い。死神が背後霊に憑いているよう。死んだ女たちも取り憑いて、おそらく水子もいくつか憑いているだろう。

「どうして生きているのか?」そんなことを考える思春期の一部の人間は生に固執していない太宰治の文章に食いつく。

 

 

男性は気にくわない。あいつの文章は女々しい。本心ではどう思っているのかわからないが、口に出す言葉は太宰治という作家を認めないぞ!と意固地になっている作家や読者や評論家たち。それはそうだろうなとは思った。女房や恋人が他の男性に夢中だなんて、時代こそ違えど男には気に食わない。

 

 

予想したよりいい映画でした。正直もっとダラダラ進行していく作調だと思っていたので。

監督が現代女性のカリスマである【蜷川実花】さんということで、20代30代の若い女性が観客の中心のようです。

実際、私の観た回は平日の夕方でしたが、8割強が女性の観客で埋め尽くされていました。女性に圧倒的な支持を受ける蜷川監督と、当時、多くの女性の心を圧倒的に掴んでいたカリスマ太宰治。意外なようで必然な組み合わせに感じた作品。

 

 

他に【千葉雄大】【池松壮亮】【瀬戸康文】【成田凌】【高良健吾】ら女性人気の高い人気男優たちが各場面にゲスト登場したり、自分が意外だったのは【藤原竜也】と【小栗旬】の共演。この2名は上の5名の俳優とはジャンルが違いますし、小栗も大人になったんだなぁと感慨深いです。

 

 

基本的にはこの映画、全体の完成度は高いですが、演技のみで考えるとプロの学芸会レベル。観客の目的は豪華で若いキャストと蜷川実花ブランドになると思うので、それを踏まえた上で考えると「映像演劇」としてのレベルはそこまで高くないと思います。

 

 

タイトルの副題にあるのが「太宰治と3人の女たち」なので、3人の女優は映像演劇の演技をしていました。それ以外、特に男優同士の兼ね合いは「舞台演劇」を観ているみたいで残念です。

 

 

【二階堂ふみ】さんは彼女が10代の頃から映画評論で頻繁に紹介して来ました。

18歳を超えてからは、トップレス有りの濡れ場女優になった印象があるので、「演技が出来て濡れ場がOK」ということで性的な映画にも多く出演されています。彼女の表情の作り方は基本的に毎回同じで、一人演技の場合は斜め四十五度下に目線を落として、男性と接するときはその視線を上目遣いにします。これがうまいんだなぁ。

 

 

マブタの重い瞳の様子を作り、薄眼を開け声も体のくねらせ方も。じっとりと相手役に絡みつく演技をなされるので、演技的評価は相当高いです。個人的には絶対に「お岩さん役」をやらせたらハマると思います。

 

 

他に【沢尻エリカ】さんと【宮沢りえ】さんが出演されていますが、女優合戦の印象部門で勝ち残るのは二階堂ふみさんでしょうね。「別に」一番出演シーンが多かったから印象に残ったからとかではないです。

 

 

タイトルの副題『太宰治と3人の女たち』をもじり『太宰治と20代・30代・40代の女優たち』になりますが、演技合戦を期待していたぶん思ったほどでもなかったです。沢尻エリカさんが会見で、折角ヌードになったのにカットされた的な感想を仰っていましたが、二階堂ふみさんに軍配。他の女優は物足りなさがあったかな・・・別に。

 

 

R15+

※年齢が15歳未満の方は入場・鑑賞が禁止されております。

 

 

 

脚本 [13]点

演技 [14]点

構成 [14]点

展開 [14]点

完成度[13]点

 

 

[68]点

 
 
 
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Hotel MUMBAI 
『ホテルムンバイ』
 
 
 
 
 

監督🎬

【アンソニー・マラス】

 

主演

【デーヴ・パテール】【アーミー・ハマー】【ナザニン・ボニアディ】

 

 

本編上映時間〔123〕分

 

 

寸評:

 

 

私の記憶では、このテロ事件は日本であまり報道されなかったように思います。

いや報道はされたんでしょうけど、未だにテロといえば「911」や「ボストンマラソン」のテロ事件の当時の報道が思い出せるので、アメリカが直接被害にあった場合に日本のメディアは厚く報道するのでしょうか?

 

 

この映画のテロの攻撃対象は無差別ですが、標的はアメリカ人・イギリス人の欧米のセレブ。これほど無残で無差別的な殺戮劇が、どうして報道されなかったのかなと、実話を基に描いた映画を見ていて思いました。

 

 

2008年。インドのムンバイ。この都市には特殊部隊がなく、テロが発生しても到着まで数時間かかります。

標的はアメリカ人及び欧州の白人。無差別なので現地民、同じイスラム教徒などの犠牲は仕方がないけれど、ムンバイは観光都市なので沢山の外国人がいます。

 

 

特殊部隊のあるニューデリーは1400キロも離れている。緊急要請しても到着まで相当時間がかかる。逃げ出す地元警察も続出。

 

 

テロリストにとって、これほど魅力的な条件が揃った都市はない。

町に入ってしまえばこっちのもの。犯行グループは、すぐに実行する。

 

 

このムンバイのテロは、どこか日本のセキュリティーの弱さにも重なります。

もし外国人に密輸した武器を持ち込まれたら日本はおしまいでしょう。

 

 

『スラムドック$ミリオネア』『LION』などに出演し、出演作が公開されるたびに毎回話題となるインド系の英国俳優【デーヴ・パテール】〔29〕は今作もたいへん素晴らしい。まだ20代なんですね(^◇^;)インド系の方って見た目で年齢が分かりにくい。

 

 

映像はリアルで迫力満天です。ホテルでは息をひそめた空間で銃声が鳴るので、耳鳴りのような感覚にもなります。

テロリストの若者の特徴は貧しく、家族のためにテロリストとなり、親玉の指示のもと訓練し殺人マシーンとして送り込まれます。

若いので覚えるのも速いし、体力もあるのでしょうけど、テロリスト役の1人の少年が家族に電話して恋しくて泣いていました。

 

 

私は日本人なので、ただ(命は)儚い・(テロは)怖い・(個人の人生を奪う様子が)辛いという感情となり、彼らに対して恨みの意識は芽生えないですが、この映画を欧米人が観たら敵対心が生じるのでしょうね。

 

 

R15+

※年齢が15歳未満の方は入場・鑑賞が禁止されております。
 
 
 

脚本 [14]点

演技 [16]点

構成 [14]点

展開 [14]点

完成度[16]点

 

 

[74]点

 

 

 

___
 
 
 
 
 
 
 
日本映画
『見えない目撃者』
 
 
 
 

監督🎬

【森淳一】

 

主演

【吉岡里帆】【高杉真宙】【浅香航大】【田口トモロヲ】【大倉孝二】他

 

 

 

寸評:

 

 

すごい映像ですよ。女子高生の腕や足を切ったり、そういう凄さです。こういう拉致監禁の展開は何度も観ていますが、ここまで映像とはいえリアルを追求してもいいのかな?と自分の倫理観を全面に出したくもなる映画でした。

 

 

観られる方の多くは、観疲れを負うと思われます。

 

 

実はこの作品を見て、映画評論を再開しようと思ったんですよね。久しぶりに記事を書く意欲が湧いてきて・・。

衝撃的だったので、映画鑑賞後にスマホに書き残した作品寸評がありますので、この作品はそのメモをそのまま書き写します。

 

 

>今の時代に「よくもまぁ」という過激な表現。

対して警察側の陰気な雰囲気(画質)は古い時代の映画を見ているよう。

 

 

>【吉岡里帆】さんは、刑事というより婦警という感じがしたが、ほとんどの女優にアクション女優のイメージがないので誰がやってもそう感じるだろう。この点は本人の役作りの努力とポテンシャルの高さがカバー出来ている。

 

 

>「え?これで終わりなの?」邦画には非常に多い駄作にする台無しなシメ方。

エンドロールへの入り方も消化不良になった。前半の素晴らしい出来から考えれば、「いい映画に出会い」席を立てないような気分になると思っていたけど、後半はその気持ちが一変、気分が悪いのか、早々に席を立つ人が多くいた。明るい場所に出た方がいい。

 

 

>その気分の悪さは、グロテスクな映像もそうだけれど、私の場合はあまりに非現実な物語の描き方によるもの。

 

何しろ見ている最中に何回も何十回も不満が爆発する

 

一般人、一人はなんと男子高生。盲目の女性と男子高生が連続誘拐事件の殺人犯を捜すという設定だ。

 

 

主人公は優秀な刑事だったが車の事故で失明し退職。その事故で助手席に座っていた高校生の弟を亡くす。

 

 

盲導犬を伴い片親の母親と墓参りに行った帰り、危険な運転をしてきた車の後部座席から若い女性の悲鳴を聞いた主人公は、警察でその時の状況と拉致をされた可能性が高いと警察官に訴える。警察は盲目の目撃者に信憑性が低いと考える。

 

これらの場面では、観客の心境はこの女性が優秀であると知っているし、女性が拉致されたと映像で見ているから、警察に対して不信感を覚えるはず。

 

 

その後、主人公はもう一人の目撃者である男子高生を見つけ出し、スケボー少年の高校生と共に事件の真相と犯人を追っていく。

 

 

物語(脚本)のみを見ると成立しているし、もしかした私の拙いあらすじ文で「観たい」と興味を持たれた読者の方がいるかもしれませんが、上記で書いた気分の悪さや不満を感じたことは、おそらく何度同作品を観ても払拭しないかな。

 

 

盲目の主人公は警察学校を首席で卒業していて、刑事としての能力もずば抜けているので、状況判断能力や予測はかなりの割合で合っています。非常に優秀な女性刑事だと思うのです。しかし盲目なぶん防御力がない。ブランクもあるので危険察知能力も低い。

 

この点は合気道だったり、例えば役作りのために自衛隊で訓練するなどして、隙のない雰囲気が吉岡里帆さんに備わっていたのなら良かったですが。

 

 

主人公と高校生に協力する刑事は2名。この事件の担当となったのがキッカケで、最初は面倒な仕事の担当になったくらいの感じでしたが、捜査をしていくことで顔色も真剣度も変わる。

 

 

問題なのが、警察が一般人(1人は未成年)主導で捜査協力を託す側で描いていることです。刑事二人が情報提供や連絡を取り合って、一般人のサポートで活躍する。言うなれば警察官はコマなのですが、単独行動が多すぎて、正直映画で腹を立てることがあるんだなぁと(^_^;)立場が逆の描き方なら良かったです。「警察官、頼りになる!」という描き方・・・これだと普通の映画になってしまいますけどね。

 

 

主人公も元警察官としての能力を遺憾なく発揮していますが、襲われると「女の子」になったり、そういう事態の時に観客心理で頼りにしたい味方もひ弱な男子高生だったり、猟奇的でサイコパスな犯人に向かっていくには無謀すぎる。

後半になりますが、警察の到着が遅いし、警察の到着を待て!って感じですΣ(・□・;)

 

 

『悪の法典』の残虐性描写や『スマホを落としただけなのに』の誘拐拉致監禁殺人のように、近年の日本のクライムサスペンス映画で主流となっているサイコパスな犯人像と惨殺動画。『スマホを落としただけなのに』とほぼパターンは同じですが、こういう風に後付けでシーンを重ねることで魅せていくのは日本映画くらいじゃないかな?

 

 

キャストから失礼ながら1名。【松田美由紀】さんは、『ちはやふる』などでも口元だけの演技が気になったが、他に同世代の女優がいなかったのかなと思っていまうほど演者として強い魅力を感じません。毎回同じなんですよね。まぁ友人のお母様なので本当恐れ多いですがm(._.)m

 

 

エグすぎるほどリアルな描写陣は本当にしっかり描けているのに、肝心な詰めが甘かったり矛盾点が多かったり、バランス良くはなかったです。制作段階や撮影中に、矛盾点などを指摘する人物が現場にいなかったのかな?とも思いました。

 

 

良くも悪くもグウタラな私に記事を書く意欲を与えてくださった作品です。

 

 

個人的に、これは近年の主流なので仕方がないとは思うのですが、

リアリティを追求した映像とはいえ、こういうグロテスクな映画に出演した主演女優が、バラエティ番組の映画宣伝でニコニコしているのはどうかと思います。「昔は」のトークになってしまいますがm(._.)m今は女優や男優がテレビに出て人柄を出したりSNSで自己PRしますが、昔の俳優は滅多なことではテレビに出なかったので、私生活や人柄がベールに包まれ役のイメージがつきましたけど、シネコン時代になっては、とにかく商品を売るための「商業」としてテレビなどで宣伝しなければならない映画は、私にはマイナスだと思うのです。

 

 

R15+
※年齢が15歳未満の方は入場・鑑賞が禁止されております。
 
 
 

脚本 [13]点

演技 [14]点

構成 [14]点

展開 [14]点

完成度[15]点

 

 

[70]点

 
 
 
___
 
 
 
日本映画
『任侠学園』
 
 
 
 
 

監督🎬

【木村ひさし】

 

主演

【西島秀俊】【伊藤淳史】【池田鉄洋】【佐野和真】【前田航基】

【葵わかな】【桜井日奈子】【生瀬勝久】【西田敏行】他

 

 

 

 

 

本編上映時間〔119〕分

 

 

物語)

困っている人は見過ごせない、義理と人情に厚すぎるヤクザ`阿岐本組’。組長は社会貢献に目がなく、次から次へと厄介な案件を引き受けてします。今度はなんと、経営不振の高校の建て直し。いつも親分に振り回されてなかりの阿岐本組NO.2の日村は、学校には嫌な思い出しかなく気が進まなかったが、親分の言うことは絶対!子分たちを連れて、仕方なく学園へ。待ち受けていたのは、無気力・無関心のイマドキ高校生と、ことなから主義の先生たちだったー。(チラシより)

 

 

 

寸評:

 

 

3作品連続R15指定の映画だったので、任侠ホームドラマにホッとした感覚でした(笑)

 

 

暴力はあるけど、アクションシーンだけでした。『見えない目撃者』を観た日に続けて観たので・・癒されました(^◇^;)

 

 

こちらの作品は面白い・・しかしこんなのありえない!

実際にヤクザが学校を裏で経営しているという例は昔はあったと思いますが、今の時代はまずないでしょう。

任侠ドラマって『ごくせん』とかテレビドラマのイメージがありますが、「ありえない設定」なのが逆に視聴者に受け入れやすいんでしょうね。

 

 

【西島秀俊】さんのサ行で息の漏れる滑舌の悪さは俳優としてマイナスに思いますが、表情や佇まいが素敵で毎回そうなのですが上映時間が進むごとに好きな俳優さんの気持ちに変わっていきます。ヤクザには見えませんがコメディ分野で役幅の広さを感じます。

 

 

まだ暴排条例が成立する前は繁華街でも多くのヤクザの方を見かけたし、関わるのが怖いので近づかないようにしていました。

それと下町の銭湯には、今でも限られた地域では見かけますが、鯉や金太郎や龍の刺青の入った年配の方が結構おります。

 

映画とは関連ありませんが、ヤクザの方って暴力団という言葉を嫌がりますし、ジャンルの違う半グレと一緒にされるのは言語道断。なのでヤクザという呼称でこの記事は書いています。縦社会で筋の通った世界ですけど、映像化にすると任侠系は特に男性に人気が高いんですよね。

 

 

物語はチラシを写させていただいたので書くことはしないです。

 

 

予告が面白かったので鑑賞しました。【西田敏行】さんと【生瀬勝久】さんのやり取りに毎回クスッとなり、予告で場内の観客の笑い声を聞いていたのもプラスに働きました。実際、予告を観て今作を観た方も少なくないと思います。

 

予告で笑い声が聞こえるって・・あまりないので、西田さんと生瀬さん、コメディ俳優として愛される方々を予告のオチに使用した編集者は集客上手👏👏

 

 

おおよそヤクザに視えない阿岐本組の俳優陣のキャスティングも、人情ドラマなので、しまいはハマります。

ヤクザになる人って小っちゃな頃から悪ガキだったり二世の家系だったり、周りも将来は極道だろうなって口には出さないけれど予想していた人物がなると思うのですが、この映画は人情的な親分の下、元々ヤンキーでも不良でもない人物が人情的に組員になったりして、、、金曜ロードショーの地上波テレビで放送しても何ら問題ない雰囲気と仕上がりでした。

 

 

もう一つ私がこの映画で注目していたのは、今作は少数精鋭の阿岐本組の組員が私立高校にカタギとして働く物語なので、高校生役として将来性のある俳優が多数出演されています。中でもダブルヒロインで【葵わかな】さんと【桜井日奈子】さんが出演されていること。桜井日奈子さんが私は気になる女優ですが、結論から言って、この2名は噛み合っていなかったです。

 

 

葵わかなさんは昔というより現在の遠野なぎこさんに雰囲気が似ているかな。そのまんまって感じがして特に感想はないです。

 

 

桜井日奈子さんは何度か出演作を視ましたけど、身長が高い男優が相手役になると上顎で唇のぷるぷる感を魅せるように演じるので、何だか凄く無理している感じの印象を受けます。レンタリースのCMで過剰なまでにハシャイデいる娘さん役が印象的ですけど、今作は裏番長役。もう少し伸び代があると思っていたので物足りないですが、今後はもっと影のある役柄を演じて女優としてカメレオンになってほしいと期待しています。

 

 

 

脚本 [13]点

演技 [14]点

構成 [13]点

展開 [13]点

完成度[13]点

 

[66]点

 

 

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すみません。2編成の予定でしたが、ここでも文字数が1万文字を超えてしましましたので、3部構成に致します。

 

 

 

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【mAb】

『THE映画評論:18作品』(後編)

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1記事ごとの間隔が空いてしまったこと、読者の方には大変申し訳なく思います。

続きを書きます。

 

 

 

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日本映画
『惡の華』
 
 
 
 
 
 

監督🎬

【井口昇】

 

 

主演

【伊藤健太郎】【玉城ティナ】【秋田汐梨】【飯豊まりえ】他

 

 

本編上映時間〔127〕分

 

 

物語)

 

 

山々に囲まれた閉塞感に満ちた地方都市。中学2年生の春日高男は、ボードレールの詩集『惡の華』を心の拠り所に、息苦しい毎日をなんとかやり過ごしていた。ある放課後、春日は教室で憧れのクラスメイト・佐伯奈々子の体操着を見つける。衝動のままに春日は体操着を掴み、その場から逃げ出してしまう。その一部始終を目撃したクラスの問題児・仲村佐和は、そのことを秘密にする代わりに、春日にある契約を持ちかける。こうして仲村と春日の悪夢のような主従関係が始まった。(チラシより)

 

 

___

 

 

 

予告を観て鑑賞を決めました。

予告から受けた印象は、ゴスロリ系のドSのハーフ少女が思春期の男子高生の(奇行)性癖を目撃し、それを弱みに自分のシモベにする青春映画なんだろうと予想。視てビックリ。アングラーな泥臭い演劇集団の舞台を観ているみたいでした。

 

 

原作の漫画は読んだことがないので純粋に作品のみを観れましたが、正直言って「二度はないな」が感想です。悪い理由ではないです。単純に女優のキーキー声に耳がキーンとしたので、体力が奪われた鑑賞後の帰宅道(⌒-⌒; )

 

 

物語を振り返りながら、少々見解いたします。

ボードレールの詩集『惡の華』に没入した思春期の男子高生カスガ君。

 

 

この詩集は私自身読んだことがありませんので映画の内容から推察するしかないですが、勝手なイメージで太宰治にハマった学生みたいな感じなのかな?比較対象の知識が少なくて申し訳ありません。

 

 

彼が片思いしているのがクラス・・いや学園のマドンナであるサエキさん。

 

 

 

こんな子、田舎の学校にいたら、町おこしになるレベルです。

 

 

(ということはご両親の顔立ちも良いはず)

 

 

ある日の放課後。出来心でサエキさんの体操着の匂いを嗅いでいたカスガくんは、その最中に物音がしたことで慌てふためき体育着を持ち帰ってしまいます。

 

 

 

 

 

翌日学校に行ったら大騒ぎ。クラスの人気者の体操着が盗まれた!!

カスガ君の精神状態はアパーです。(春日違いΣ(・□・;))

 

 

その日の下校時。舞台は土手沿い。通学自転車で帰宅するカスガ君は、クラスでも暗くて何を考えているか分からない仲村さんに待ち構えられていて「体操着盗んだでしょ、黙っている条件として私と主従関係になりなさい。」と、このような流れで契約を結ぶ。

 

 

ニタニタ笑って、口角を上げながら「カースーガクン」(○○ちゃん、遊びましょ)の定番リズムの呼び止め。この点は子供らしさを見せる演出かな?

 

 

弱みを握られたその日から、仲村さんの奴隷になったカスガ君。「どうしてここまでされるんだよー!」と嘆くほど、仲村さんの

執拗な「イジメに近い要求」が続きます。だけど主導権は仲村さんですから最終的にはカスガ君は実行します。

 

 

そんな中でホッコリするシーン。

片思い中のマドンナ佐伯さんとのデートの約束を取り付けることに成功すると、当日は仲村さんの指示により、盗んだ体操着を中に着てデートを行います。

 

 

なんとなく壇蜜さんと板尾創路さんのR18映画『私の奴隷になりなさい』のプレイ演出に思い浮かべました(笑)

 

 

仲村さんは尾行しながらそれを見て喜んでいるのですが、

彼女にとって予想外だったのが、カスガくんがデート中に告白し、そしてOKを貰えたこと。

 

 

結果は佐伯さんからOKの返事が!?

このシーンを観ていて、なんだかすごくキュンとした自分がいました。青春っていいなって( ◠‿◠ )

 

 

しかし次の瞬間、告白成功を物陰で見ていた仲村さんが鬼の形相で近づいてきて、暴れに暴れて取り乱して、体操着の存在をバラそうとする。幸せムードが一変。必死に隠すカスガくん。佐伯さんキョトン。仲村さんテメェこのヤロー!

 

 

なんでそんなことをするんだ!mAbの気分も返してくれΣ(・□・;)

 

 

その後、それまでクラスで孤立していた筈の仲村さんが、カスガの彼女佐伯さんに接触し友達になると、しばらく三角関係のような奇妙な形を描きますが、彼女が出来リア充となり「普通」の学園生活を送るようになっていくカスガ君が気に入らない。

 

 

彼(同類)の「惡の華」を解放することに全力をかける仲村さんの情緒は、ここから急激な上下動を繰り返します。

 

 

視ているこちらとしましては、熱演する若い役者の演技と、字数の多いセリフを熱弁している様子を同時に視るのが忙しく感じましたね。5分おきに役者の見せ場がある構成なので、これ(ぶつかり合い)を作品の持ち味にしているのかもしれませんが、まったりする時間も必要だったのでは?と思います。

 

 

惡の親友・仲村さん。初めての彼女・佐伯さん。

 

 

前半の中学生編ではカスガを起点に2人のヒロインが登場します。

後半の高校生編になると芸歴の長い【飯豊まりえ】さんが「3人目の女」として映画に登場します。飯豊さんは私のいう「まったり感」の役割を担っていますが、ベテラン感もあるので映画の雰囲気が変わった印象を受けます。もう少し透明感のある女優の方が良かったかな。女子大生ならしっくりきますが、女子高生にしては落ち着いた雰囲気です。

 

 

主人公は中学生編で「色々」な経験をしますし、大人に迷惑をかけ、親も子の責任を負い、主要登場人物の人生航路は変わります。

 

 

これが高校生編になると、精神的にも成長し考え方も落ち着いていきますので、そうした変化も映画から感じ取ることが出来ました。

 

 

___

 

 

 

では少しだけ寸評的なものを書きます。

 

 

ヒロインはとにかく取っ付きにくい性格で、主人公に話しかけるまでクラスに友達が一人もいません。

 

 

そして現実的に見ても手に負えない暴力性が・・厄介です。

 

 

この表現が果たして適しているのか分かりませんが、私には彼女は「癇癪持ち」に思えました。

 

こう感じさせたのは、女優の演技気質なのか、役柄のイメージなのか、私には前者の気がします。

 

 

ヒロインの仲村さん。漫画原作とはいえ、無理やりすぎる映像キャラクター。

このキャラ設定にするなら、精神病院などを描いた作品なら映画として成立(大成)すると思います。

代表的な成功例は『17歳のカルテ』のアンジェリーナ・ジョリーが演じた役柄リサかな。

 

 

仲村さんという役柄は台本的には成立していると思いますが、如何せん、演じる女優のレベルが低い。だから「こんな子いないよ」という矛盾した気持ちが生まれて、鑑賞中はその気持ちが邪魔をする。

 

 

クラス内では常に「ぼっち」で口数も少なく、テストの答案も書かず担任が嘆いてる。しかし「一匹狼の不良」というわけではないし、世の中に反抗しているわけでもない。彼女に対して誰も話しかけないので、おそらく「気味が悪いクラスメイト」という立ち位置だと思います。例えば、現実的に学校に一人は、デスノートとか書いてる人がいますよね。そんな感じ(^◇^;)

 

 

(後ろの席の真ん中という席順は、クラスで目立つタイプが座るイメージなのでヤメていただきたい。こういうタイプの子は廊下側の前から三番目くらいが理想。)

 

 

そして私にとってはここが一番違和感かな。ここは「映画だから」「芸能人だから」という理由で問い詰めてはならないところでしょうけど・・仲村さんは、どう見ても「外国」の血が入っているハーフ(もしくはクオーター)の女子高生。現実だったらモテるでしょ。

 

 

 

 

 

 

普通にこの容姿を見れば、女子は「どこのジャンプー使っているの?」と聞きたくなるようなサラサラへアーじゃないですか?(^◇^;)クラスで目立たない子の設定だったら、こんなサラサラヘアーの白人系ハーフモデルタイプにしないほうが利口です。

 

 

仲村さんは父子家庭で田舎街の寂れた地域のトタン屋根のバラックに住んでいますが、映画の舞台は北関東の山に囲まれた地域です。

 

 

東京だったらまだしも、北関東にこんな「華奢で人形(蝋人形)みたいなハーフ女子高生」がいたら東京の芸能事務所にまで噂が回ってきます。なので映画とはいえ無理あるな・・と。

 

 

純日本人の設定でしたが、両親のどちらかを外国人にして欲しいです。

ちなみに仲村役を演じた【玉城ティナ】さんは沖縄出身で、父親がアメリカ人だそうです。

 

 

(東南アジア系のハーフは父親が日本人。欧米系のハーフは母親が日本人というケースが多いですね)

 

 

あくまで映画にリアルを求めたい自分の目線で視ているので、日本人設定だとしても、北関東の設定だと違和感しかないなぁ。。

これが栃木県という舞台設定ではなく、横須賀とか横浜(の田舎の地域)にすれば、違和感はないでしょうけど。。

 

 

___

 

 

 

かつては漫画愛読家で、当時の映画評論では実写化になった愛読書も書いていましたから多少は想像できますが、おそらく字画数の多い作品なのでしょうね。セリフの羅列・文量が半端じゃなかったです。なんだか長セリフでは哲学みたいなことを言っていますが、言葉自体はあまり入って来ません。

 

 

セリフの感情表現は基本的に何かに踠いているキレ芸です。思春期ドラマなのでワメキが多い。

 

 

しかしそれを実写化した場合に漫画と同じセリフ量にしてしまうと、よほど演技力がある俳優でない以上は、一定のリズムになってしまうので、初見の観客は引いてしまうのではないか?が私自身の今映画の体験。原作漫画を読んでたよ!という人の見方は分かりません。あくまで1つの映画としてまっさらな状態で鑑賞しました。

 

 

特にヒロインの玉城ティナさんには、セリフの言い回しに抑揚がないので、ずっと同じリズムでヒステリックに喚いているだけで、五月蝿く聞こえてしまいます。これだけ甲高い声で喚いたら、癇癪ぽいし、映画内でも浮くし、見ていても引く。なんだか女優として悪いところばかり視える作品なので損していますし、そもそも男性と女性とでは声質が違うのだから、女性のヒステリックな声は聞こえのいいものではないと思います。という、ダメ出しです。

 

 

玉城さんの出演作は結構観てきました。TOHO系のシネコンで公開される作品が多いのが理由です。

 

 

『貞子vs伽倻子』の時はいい死に方をしていたんだけどな・・演技に「肝心な軸」がないというか・・リンゴで例えると(肝心な)芯がないけど、周りが甘いので許される感じかな。種無し果物。

 

 

熱演しているけれど、必ずしも、それが好演に繋がるとは限りません。

明らかに頑張っているんだけど・・拍手したい気持ちはあるんだけど・・熱演なんだけど・・うまかった!と本心では言えないな。

 

 

これは数多くの日本映画で何度も書いていますが、笑いの演技・笑い声を出す演技これが日本人の声帯的気質なのか、人種的気質なのか、上手な俳優がほとんどいない。

 

 

今回なんて典型的なダメ演技で、笑い声が喉に詰まってしまっています。カスガに自分の本当を曝け出せと言う前に、仲村自身が無理しているように視えるので、厳しく書きますが配役ミスでしょうか。

 

 

学生レベルの「下ネタ」や、男子を蹴り飛ばすなどのアクションの連発なので、世間に俳優の今後の印象がついてしまうから演じ手にも事務所的にも覚悟を決める作品になると思いますが、今回の役柄はそこまで難しいとは思いませんし、女優次第では最高評価になる可能性がある内容だと思うので、もう少し女優の演技レベルを見極めて選出して欲しかったです。

 

 

対照的に、主人公の初恋の相手で初めての相手にもなる佐伯さん役を演じた【秋田汐梨】さんは、、、私もやられました(^◇^;)

こんなに映像映えがする10代の女優がいるんだなぁ・・と思いましたし、純粋無垢だった中学生の美少女が、ある体験をキッカケに腹の中を黒くして、男性に色仕掛けするようなカマトト女性に成長していく変化も素晴らしいです。

 

 

そしてこれは秋田さん全体から感じた印象ですが、演技が好きなんだなぁと、そういうオーラ的なものを感じました。今回で「陰」と「陽」の2パターンの演技幅を魅せていただきましたので、今後の出演作での伸び代を楽しみにしています。

 

 

(関係はないですが、この記事を書くために訪ねたレストランのお米が秋田こまち、でした)

 

 

あっ💡主人公カスガの母親を演じた【坂井真紀】さんの喚き方が良かったです。ワンポイントの出演が多いですが印象に残ります。

 

 

 

最後に。

 

 

漫画だからこそ書ける日本語・セリフ量を、いざ生身の俳優がそのまま演じた場合は、冷静になってしまうんだなぁ。

 

 

男性が女性を叩くのは問題ですが、逆に、女性が男性を叩くのは問題というより「衝撃的」になるでしょう。

 

 

2010年代、漫画が実写化されるようになって、アクションも増えましたし、そうなることで必然的にハリウッドみたいな熱演をする映画も増えてくる。

 

 

果たしてこのアクション(アドレナリンを出す)シーンは映画に必要なのか?と何度も思いながら鑑賞してしまいましたが、

 

 

『台風家族』などでもそうでしたが、役者同士ぶつかり合って最大の見せ場を作る演出が近年多くなっているので、こういう若手の原石がぶつかり合って磨きあっていければ、今後が楽しみになるし、いいんじゃないかな。本編の中で男女関係なく波打ち際で投げ合っているシーンがあるのですが、いいぞ、やれやれ!演技してるな!と楽しそうでしたし、一発本番の役者魂を見せてもらいました。

 

 

今後もこういう「ぶつかり合い」の演技演出が増えていくんだろうな、と思った作品です。

 

 

 

R15+
※年齢が15歳未満の方は入場・鑑賞が禁止されております。
 
 

 

脚本 [13]点

演技 [14]点

構成 [13]点

展開 [14]点

完成度[13]点

 

[67]点

 

 

 
 
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The Hummingbird Project
『ハミングバード・プロジェクト』
副題「0.001秒の男たち」
 
 
 
 
 
 

監督🎬

【キム・グエン】

 

 

主演

【ジェシー・アイゼンバーグ】

【アレクサンダー・スカルスガルド】【サルマ・ハエック】

 

 

本編上映時間〔111〕分

 

 

物語)金融の中心地シカゴの取引が発信されるカンザス州のデータセンターとニューヨーク証券取引所を、直線の光ファイバーネットワークで結び、従来以上の高速取引を実現して莫大な利益を上げるというプロジェクトが実在した。

野心家のヴィンセントと、従兄弟で天才型のアントンが目指す、0.001秒遅い回線の実現を阻むのは、一万件の土地買収、FBI、私企業との規格競争。そして病魔。果たして彼らの無謀なプロジェクトの運命はー。(チラシより)

 

 

 

寸評:

 

 

 

自分にもっとこの分野の知識があればなと後悔した作品です。

ウォール街の知識などは映画のおかげで多少ありますけれど、ネット回線などの知識は未だに頭の中でカタカナが溺れ続けてる状態です。不得意分野(^◇^;)。

 

 

同じような方が多かったのか、地元のシネコンでは2週間で打ち切りとなってしまったので、あまり客入りが良かった作品という印象も私にはつきませんでした。

 

 

主演の【ジェシー・アイゼンバーグ】〔36〕がスティーブ・ジョブズ氏を演じた際に今後は分からないと、俳優業の進退を仰っていましたが、その後は「渋めのイケメン役」として『グランド・イリュージョン』などに出演されているので、今後も銀幕で観れそうです。

 

 

今作品では、全米の株取引で光ケーブルを開通して他者よりも早い回線を実現することで莫大な利益を得るプロジェクトを行い、その代表者をアイゼンバーグ演じるヴィンセント。ヴィンセントのパートナーでコンピューターの天才アントン。演じる俳優はスエーデン出身の【アレクサンダー・スカルスガルド】〔43〕。

 

 

一万件の土地を買収し、直線1600kmの地面に光ファイバーケーブルを埋めていき、0.001秒短縮しウォール街を牛耳るプロジェクトを行った・・という実話の物語です。勿論。この話を知りません。(日本のことだってよく知らなーい)

 

 

この1600kmの工事を行うために、土地の買収や交渉などを行うのですが、基本的には大枚をはたいて契約書にサインをするスタンスで順調に掘り進むのですが、先祖代々受け継いできた牧地での工事は家主が断固として拒否します。

 

 

「金なら払うよ。工事もすぐに終わるし、地面に埋めるから場所も取らない。」

 

 

「NO。金じゃないんだ」という考え方・根本的なプライド・その訴えは、利益という欲を持つ主人公にどう響いたのかな?

エンディング前のシーンも、この先住民の農場となるので、この映画の重要なポイントだと思います。

 

 

1600kmの地面を直線で掘り進めていくので、その直線上に建つ家であり、山や谷や川などの障害も強行突破。

 

科学の進歩はすごいな!と思う中で、上にも書きましたが先住民族がお金よりもハイテクよりも大事なものがあると工事を拒否したりするので、アナログやステレオタイプの方が大事なんだ!と目を覚ましてくれる描写も多いです。

 

 

アイゼンバーグ演じるヴィンセントは、末期ガンを患う中で、抗がん剤治療もせずにプロジェクトの総指揮や金策に全力を賭けていきます。

 

 

咳の様子や窶れていく様子は流石ハリウッド俳優という感じですが、観ていて痛々しいというか、良い意味でも悪い意味でも、ゴールデンラズベリー賞(その年の最低の映画を決める祭典・通称ラジー賞)の最低助演賞を受賞した俳優だなという感じがしました。

 

 

 

脚本 [13]点

演技 [15]点

構成 [14]点

展開 [13]点

完成度[13]点

 

 

[68]点
 
 
 
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日本映画
 
『宮本から君へ』
 
 
 
 

監督🎬

【真利子哲也】

 

主演

【池松壮亮】【蒼井優】【井浦新】【一ノ瀬ワタル】【佐藤二朗】【ピエール瀧】他

 

 

本編上映時間〔129〕分

 

 

 

まず初めに。

 

 

これは最初に書いた『惡の華』の評価と同じなのですが、主演女優の演技がうるさかった、という印象の方が映画内容どうこうよりも強く残りました。うるさくて、思わず耳がキーンとなって反射的に後ろに逸らしたり、ちょっと・・イヤかなり引きました。

 

 

今作で【蒼井優】はヌードを披露し、彼氏が寝ている前で強姦されたり、女優が仕事を受けたがらないスッピンでの熱演だったり、

涙・鼻水は当たり前、汚い言葉、癇癪、出産シーンでは絶叫(←最近の妊婦さんに多い)など、R指定とは言え強烈。

 

 

蒼井優は映像作品上で年上の男性(男優)に程よいタメ口を聞いて話す女優(例えば、「ダメですよ」ではなく「ダメよ」というヘルパーさん口調になるタイプの女性)ですので、オジさん受けがいいのですが、今回の作品は私にとっても衝撃。日本のトップ女優で1作品で「やりすぎる」のは彼女ぐらいだなぁとも思います。

 

 

余すことなくやりきったと思うので、来年の日本アカデミー賞に選出されれば間違いなく彼女のものでしょうね。他の売れてる女優にここまでやれとは要求自体がされないと思います。

 

 

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90年代に連載し人気を博したという同名タイトルの漫画を読んだことがなく、昨年に放送されていた深夜ドラマも単発は見ましたが継続して見ていたわけではないです。

 

 

映画の入り方から既に何らかの関係性が出来上がっていたので、「初見で視れるのかな?」と不安な気持ちにはなりましたが、映画の結末(後ろ軸)を先に冒頭で見せておいて、交互に回想していく最近日本映画でハヤリの展開だったので分かりやすかったです。

 

 

簡単なあらすじを展開順に紹介。

 

 

冒頭は、喧嘩の後か?事故にでも遭ったのか?池松壮亮演じるサラリーマン宮本が高台の公園を息を荒げて歩いています。こんな奴が街中で歩いていたら通報されますよ。周りにお子様が遊んでいますしね。

 

 

続いて前半。サラリーマンの宮本が会社で上司と話しているのですが、前歯が3本ありませんし、腕も骨折したのかギプスをしています。上司から宮本は喧嘩をした、相手とは示談が成立した、という情報を聞きます。これは観客に状況説明するためのセリフ。

 

 

冒頭はラストシーンの後が時間軸。

 

 

前半が後ろ軸。

 

 

続いて、都電荒川線のとある駅の商店街。

こちらは歯がありますので、回想シーン(前軸)になります。

 

 

宮本は仕事帰り、年上の靖子と待ち合わせ彼女の家に招かれます。そこに彼女の元カレが訪ねて修羅場。それまで普通だったけど、猫をかぶっていたんだな・・この女性。元カレに出て行ってもらいたいとは言え、口も悪いし声も大きい。

 

 

と言うか、全体を通してですが、二階建ての安アパートで大声で話しすぎΣ(・□・;)窓も開いてるし間違いなく壁も薄い。

映画なので過剰演出は仕方ないにしても、こんなに大声で喧嘩したり、交尾を覚えた猿みたいにラブラブしたりして、よく騒音トラブルにならないなと観ていて思いました。

 

 

宮本と靖子に大事件。ある日、仕事先の付き合いでラグビー部出身の方々と交流し、その席に靖子も連れて行きます。体育会系のオジさん達は、靖子にセクハラ発言ばかり、宮本は一気飲みして酔い潰れる。靖子も靖子で、演じるのがおじさんキラーの蒼井優ですから下ネタにも上手く対応していく。またまたご冗談をホッホ。

 

 

取引先のリーダーを演じるのは元俳優の【ピエール瀧】さん。この映画で唯一、救いようのある役に思えました。

 

 

他の人物は感情の起伏が激しすぎます。特に【佐藤二朗】さんは今回はいつものボソボソ調の見せ場が少なく、なんだかとても気持ち悪すぎました!

 

 

途中で父親に呼び出され居酒屋に駆けつけた大学の日本代表に選出されたラグビー選手。

酔い潰れた宮本を車で自宅まで送り届けることに。ベッドに宮本を寝かせ、お茶を出した靖子を犯す。

 

 

翌日。靖子から報告を受けた宮本は気が狂う。草野球のラグビー版かな。詳しくないのでスミマセンm(_ _)m

ソイツがラグビー場にいると知り、殴り込みに向かうが、逆に返り討ちにあって重症に。以降、宮本はソイツを倒す(おそらく殺してもいい程の覚悟で)体を鍛え始める。

 

 

という内容と展開です。交際している相手が自分が(酔って)寝ている間にレイプされる・・かなり屈辱的・衝撃的ですし、正直その男に対して殺意的な感情になるのも分かります。

 

 

しかし宮本が殺意を抱く相手がラグビーの大学日本代表候補で、喧嘩も強く・喧嘩に慣れていて、女好き。

 

 

まさに「相手が悪い」と言った感じですけど、でもだからと言って、我慢できないですよ。男として考えて。私だってこのラグビー選手をぶん殴ってやりたい!と映画を鑑賞中に何度も思いました。

 

 

宮本はまず体を鍛えます。全ては復讐のため。そいつをボコボコにして、靖子の前で土下座させるため。

 

 

街中で逆立ち腕立て伏せをしたりするシーンは通報レベルですけど(^◇^;)

筋トレのシーンは殺気立っていて、こんな奴が街中とか河川敷にいたらヤバイなと想像出来るので、池松壮亮の演者としての良さが全て出ています。

 

 

____

 

 

 

この映画は「現在」(後ろ軸)と「過去」(前軸)を交互に展開し、冒頭のアドレナリン全開で公園を歩いている宮本の「どうしてこうなったか?」を逆算して説明していく展開です。

 

 

こういう映画って「今どっちの時期を描いているの?」と鑑賞中に分からなくなってしまう事も、観客さんにはあると思うので、「歯あり」or「歯なし」または「怪我してる」or「怪我してない」など見た目で区別がつくのは分かりやすくていいですね。

 

 

どうして歯が抜けたのか?どうして怪我をしているのか?が本編が進む中で紹介されるから、安定して気持ち良くなれます。

 

 

もう1つの区別は、歯ありの宮本は穏やかで優しく、歯なしの宮本は何だか人が変わったように気が立っています。

 

事件前、事件後。キッカケがあれば人は変わります。

 

 

書き出したら歯止めが効かなくなりそうですし、文字数的にもまだもう1作品を書くので、〆に入ります。

 

 

とにかく演者のぶつかり合いリアルな喧嘩・口喧嘩。罵詈雑言。立派なR指定

 

 

一番衝撃的なのは、蒼井優の口の悪さが目立つ演じ方。

一番印象的なのは、後半のマンションの上階での最終決闘シーン。

 

 

 

 

相手の股間を握りつぶすシーンがとにかくリアルでした。

スタントなしでマンションの上階の階段から落とされそうになる格闘シーン。

 

 

あとは何と言っても、歯抜けでの演技!!

 

 

映画で歯を抜いた俳優といえば、【ロバート・デ・ニーロ】や『ザ・ファイター』の【クリスチャン・ベール】が有名で、いずれの名優も最高評価でアカデミー賞を受賞しました。

 

 

失礼ながら、日本の映画で日本人俳優がそこまでするのかな?と思いましたが、実際には前歯を抜いてないそうで特製のマウスピースを着用して演じたそうです。

 

 

(クリスチャン・ベールの立場Σ(・□・;))

 

 

しかし映画を視ていて、実際に池松が前歯を抜歯したのだと思ったほど「歯抜けの喋り方」はリアルだし、マウスピース着用の口元の厚みも全く感じられず超リアルでした。本当にすごいと思います。

 

 

日本の俳優の役柄って正直一辺倒の「似たり寄ったり」でパターンがないので、熱演というカテゴリーだとこういう「起伏が激しい」キャラしかないと思います。最近はサイコパス的な役も多く役柄の幅も広げていますが、それは主役ではなく悪役。池松壮亮は普通の役でハンニバルレクターになれますから今後も最高に楽しみです。

 

 

とにかくすごい映画でした。ただ何がすごいのか?と問われれば、映画の内容よりも先に、「役者の熱演」と「蒼井優の熱演模様が引く」と私は答えます。ここまで口が悪い女性(ヒロイン)は(商業映画に限り)日本映画史上初に思えます。

 

 

伏線の回収はしっかり映画内でしていても、矛盾点は多いし、通報レベル・いや騒音レベルの大声で喧嘩しているし。それに対してラストシーンの近所の主婦ぐらいしかエキストラを登場させない「ありえなさ」。過剰演出に役者の大変熱量の高い演技合戦。今の時代には合っていない気がしますので、正当に評価できない気にもなります。

 

 

 

R15+
※年齢が15歳未満の方は入場・鑑賞が禁止されております。
 
 
 

脚本 [13]点

演技 [16]点

構成 [14]点

展開 [12]点

完成度[13]点

 

 

[70]点

 

 
___
 
 
 
『蜜蜂と遠雷』
 
 
 
 

監督🎬

【石川慶】

 

主演

【松岡茉優】【松坂桃李】【森崎ウィン】【鈴鹿央士】【斉藤由貴】【臼田あさみ】【ブルゾンちえみ】他

 

 

 

本編上映時間〔118〕分

 

 

 

芳ヶ江国際ピアノコンクールに集まったピアニストたち。復活をかける元神童・亜夜。不屈の努力家・明石。信念の貴公子・マサル。そして、今は亡きピアノの神が遺した異端児・風間塵。一人の異質な天才の登場により、三人の天才たちの運命が回り始める。それぞれの想いをかけ、天才たちの戦いの幕が切って落とされる。果たして、音楽の神様に愛されるのは、誰か?(チラシより)

 

 

 

寸評:

 

 

主役を演じる【松岡茉優】の冒頭の初登場シーンには驚いた。

芯のない声に独特の語尾の上がり方。方言なのか?どういう口調なのか?

あまり聞いたことのない声のアクセントで役を演じているので、なんだかすごくワクワクした立ち上がりになりました。

 

 

役作りにしても、このポカーンとした「表情」(ピアノしかない+幼少期に母親を失くす)と、私の注目した「声」に特異性があって興味深かったです。考えてみれば声も楽器ですからね。原作者が恩田陸先生だし、映画の意図に声帯も隠されているのかも知れないな。

 

 

松岡茉優さんが演じるのが栄伝亜夜。エイデンさん、、珍名。

名前に「夜」を付けるとよくないって何かの情報で聞いたことがあるけど、小説や漫画では自由なので、時々見かけます。

 

 

神童と呼ばれ将来を高く期待されていたエイデンさんですが、小学生高学年時に講師でもある最愛の母親が亡くなり、コンクールをボイコット。そして映画の国際ピアノコンクールで復帰します。少女だった亜夜ちゃんはすっかり大人の女性の亜夜さんに成長。

 

 

彼女がコンクールボイコットからの数年間、どこで何をしていたのか?

空白の期間が幼少期から女性になる間なので、その点を映画から見えてくればよかったことは残念に思います。

 

 

松岡茉優の印象が強いですが、映画は主役を置かずに、コンクールに出場する4名に焦点を置き展開します。

 

 

映画を鑑賞された皇室の方に「年配」と呼ばれていた【松坂桃李】君は、妻子あるサラリーマン・アカシ役。年齢的に最後の大会と決めて臨んでいます。松坂君・・個人的に好きなんですけど、男優としては演技もさほど上手ではないし、こういう映画だとフレッシュさに欠けるので、演じる役柄の本来の設定よりも、彼の落ち着いている性格が逆に陰気に見させてしまうんですよね。

 

 

亜夜の幼馴染で数奇にも再会するマサル・カルロス・レヴィ・アナトール役にはスピルバーグに認められた【森崎ウィン】君。mAbは彼が出始めの頃から注目しているファンですけど、雰囲気から風格みたいなものが出ているように感じます。設定がルックスよし育ちの良い「王子様」で、全体を通して負けん気の強さも性格の良さもあるので、特にダメ出しも思いつきません。強いて言えば、彼メインのシーンでは時々「どこ向いて話しているんだろう?」と自分の間拍で話をしている自然体が気になりました。

 

 

そしてわざわざ「新人」とエンドクレジットに入る紹介は久しぶりに見たが、満を時して国際コンクールに初出場してきた風間塵を演じる【鈴鹿央士】さん。顔の系統からは岡田将生2世。ピアノ界の巨匠の弟子で、その先生に秘密裏に鍛えられた隠し球、風間は巨匠亡き後、日本で開催されるピアノコンクールに出場。審査員は賛否両論。実力は認めるが、型にハマらないスタイルになかなか肯定しない。そしてダークホースとして勝ち進んでいく。いかにも小説や漫画にいる登場人物だと思うが、実に面白い。

 

 

天才型の3名がオフの1日に砂浜を走り回るシーンは、彼らの境地でしか聞こえない歌があり、非常に見応えがありました。

 

 

__

 

 

 

以下は、鑑賞後にスマホのメモに箇条書きしたものです。

 

 

いいピアノ演奏を聴かせてもらった。

その気持ちの方が映画内容よりも強い。

ドラマとしては大したことはないが、やはり想像させることと、観客となってコンサートを聴くこと。

 

 

私は松岡茉優が演じるエイダンさんのピアノ演奏を聞いているときは、何故だか胸が苦しくなった。

実際によくクラシックを会場に聞きにいくが、LIVEでこういう感覚になったことはないので、やはりキャラクターのストーリーを紹介して感情移入感をもたらす映画ならではなのかもしれない。

 

 

その胸の苦しさが、終盤の演奏ではドキドキやワクワクに変わったのだから、演じた女優、実際の演奏者、音響、映画スタッフの音声など、たくさんの作り手の気持ちがそのまま映画で現れているような気がする。

 

 

指摘点。子役と女優の顔の系統が似ていない。この子役の少女が、成長し松岡茉優になるとは想像がつきにくい。

 

 

世界的指揮者を演じる鹿賀丈史さんのぽっこりお腹が気になりました。

 

 

エイダンさんの逃亡癖は、主催者・運営側からしたら堪ったもんじゃない!!

 

 

審査員役を演じる【斉藤由貴】さんは騒動後も多くの映画でお見かけしますが、個人的には他の同世代女優はいないのか?と思うほど、どの役も毎回同じ表情(キョトン顔)なのが気になる。

 

 

海辺のシーンはこの映画で描く数少ないオフショットだけれど、全体的にこの映画のカメラワークは独特で、自分としてはベン・アフレック主演の『トゥ・ザ・ワンダー』でモン・サン=ミシェルを訪れたワンシーンを思い浮かべた。

 

 

 

___

 

 

 

最後になります。

 

 

 

例年になくハイレベルになった国際ピアノコンクールを舞台に4名のピアニストを描いている映画だが、この映画の魅力としては、やはり「いいピアノを聴かせてもらった」という気持ちが締め、それが全体の感想となります。

 

 

1つの大会をじっくり描き、決勝進出者3名に照準を当てているので、映画としてブレずにクオリティも高かったです。

 

 

個人的な気分で言えば、9月10月期にシネコンで公開されていた日本映画の大半がR指定ばかりでしたので、箸休め、と言いますか・・

 

かつては日本映画のR指定といえば性描写のイメージでしたが、ここ数年は(テレビで描けないものを映画で描く表現の自由的)暴力性が年々激しくなっているので、野蛮で汚い言葉の連作にメンタルがやられていました(^◇^;)

 

このピアノクラシック映画を観て救われたし、息抜きとなったことを感謝しています。

 

 

点数的には、ブルゾンちえみさんがインタビュアー役で出演されているので35億点と言いたいところですけど・・

 

 

 

脚本 [14]点

演技 [14]点

構成 [15]点

展開 [13]点

完成度[13]点

 

 

[69]点

 

 

 

___

 

 

 
以上。3記事合計18作品。お読みになられた方・・お疲れ様です。
 
 
ここ数年くらいで変化が見えることがあります。
 
それは洋画に関してです。
 
10年近く同じことを記事で書いていましたが、ハリウッド映画の原題を日本語タイトルに直すと、すごくダサいから考えて欲しい!!的なニュアンスを書いていました。
 
 
それがここ最近になり、原題をそのままカタカナ表記にしただけのハリウッド作品が目立つ気がします。
 
実際この3記事で紹介した8作品全て、日本語タイトルは原作のカタカナ表記です。
 
これ、一昔前だったら原題の原型を残さずに、日本語タイトルに変更していました。
 
 
言い続けたことだったので、届いたのかな?とも思っております。
 
 
 
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【mAb】
 

『名残の稲穂とTHE映画評論『コロカノ』』

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2年ほど前になると思いますが、アメーバ内のアプリに「Amebaなう」がありました。

 

 

 

 

 

覚えている方、利用されていた方も多くいらっしゃると思います。

 

 

私は当時「Amebaなう」をとても重宝しており、今でも時々「Amebaなうがあればなぁ・・」と欲していることシバシバです。

 

 

ご存知のようにここ何年も定期的に記事を上げていませんが、以前は鑑賞した週、つまり新作が公開された第1週に記事を書いてはブログに載せていました。今となっては「そんな時代もあったね」と中島みゆきがBGMで流れるような懐かしい気分です。

 

 

毎日のように新作映画を描いていましたので、アクセスも平均的に1000から2000ありました。現在はその十分の一になりましたね。

 

 

記事を書かなくなったのは、「ブログを書く習慣」と「ブログを書くスタミナ(モチベーション)」が低下したことが理由で、特に習慣性を失ったことが大きいです。

 

 

 

ブログを書く行為が「習慣」になると、使命感を持つと言いますか・・取り憑かれたように更新を続けます。この使命感って一種のSNS依存なのでしょう。

 

 

ご存知のように、私は映画を書いたり人に語る者でが、書く習慣が無くなってからは、書きたいは書きたいのだけど、書くタイミングがなかなか掴めず気付けば時が過ぎ、三日坊主的なものに。

 

 

 

でも鑑賞した作品を何とかして活字で伝えたい。

 

ということで「アメーバなう」が最適なコンテンツでした。

 

 

私はTwitterを利用していないのと、

もともと長文スタイルなので、短文で伝えたいことをまとめられるかな?なんて不安でしたが、

 

 

じゃあ記事を書けばいいじゃん!と自分でも思いますけど、習慣がなくなってしまった後は面倒臭いが自分の中で勝っていました。

 

 

『映画タイトル』映像のバランスもいいし役者の演技もいい。特に誰々の表情筋の使い方はこの映画にとても適している。オススメします。68点。

 

 

みたいな事を呟いていました、

たったこれだけでも最新映画の良さや熱量を伝えられた気がして、気に入っていたのですが、

 

 

突然アメーバなうが消滅すると運営様のブログで発表され、何の不都合があったのか?は知りませんが身勝手にも思いましたし、終了=消滅という跡形や形跡が残らないネットの怖さを知った気分でした。

 

 

消滅後は行き場をなくした気持ちになって凄く残念でした。桜を見る会じゃないけど、納得させる説明は必要ですよね。

 

 

(急に何を言うのΣ(・□・;))

 

 

 

___

 

 

 

以降は、読者の方にはご存知のように、本当時々しか記事を更新しなくなりました。

 

 

ロードショーの映画鑑賞は相も変わらず続けていますから、いい作品に出逢った時は、もしくはその逆の時も、アメーバなうがあったらな・・と無い物ねだりを繰り返しています。

 

 

じゃあ記事を書けばいいじゃん!と自分でも思いますけど、習慣がなくなってしまった後は面倒臭いが自分の中で勝っていました。

 

 

(なぜ全く同じ文章をかぶせたΣ(・□・;)?)

 

 

この作品なんて正に鑑賞直後にアメーバを開いて、Amebaなうで「いい作品です」と報告したと思いますよ。

 

 

 

『殺さない彼と死なない彼女』

 

 

 

 

 

 

 

じゃあ記事を書けばいいじゃん!・・・えっ?既に記事で書いてるじゃん!?って。

 

 

んんっとまぁ、、その流れで今作品を書いちゃいましょう!

 

 

(って確信犯かΣ(・□・;))

 

 

監督🎬

【小林啓一】

 

 

【間宮祥太朗】【桜井日奈子】

【垣松祐里】【堀田真由】

【箭内夢菜】【ゆうたろう】他

 

 

本編〔129〕分

 

 

 

TOHOシネマズで公開している劇場は8館と少ないです。

 

 

これは私の長年の経験上ですが、公開3週間くらいで終了してしまう作品となり、後はDVDとかネットの有料コンテンツなどで鑑賞してください!という流れになるのでしょうけど、

 

 

いやぁ〜 この作品は映画館で観てほしいな。 派手さはないけど、足を運ぶ価値は充分にあるので。

 

 

土曜日(最近は金曜)で映画の週が変わりますので、この記事は公開2週目に載せることになりました。

 

 

2週目現在を調べてみると1日の上映回数は減っていますが、全国29館で現在上映しております。

このシネコンのご時世、当然と言えば当然ですが、来週以降も公開が続く保証はありません。

 

 

それを想って、今回は早めに書こうと思いました。

 

 

 

__

 

 

 

今作は数稼ぎ(マイル貯金)のために選んだ作品で、下調べも事前情報(チラシ)も一切ないまま、

 

 

主演の【桜井日奈子】さんを「とりあえず」観に行くことをモチベーションにして鑑賞。

 

 

どんな理由にせよ、観るキッカケになればいい。結果とっても良かった。

 

 

先に。劇場鑑賞直後にスマホのメモ機能で、今作の寸評を箇条書きにしたので、それを貼り付け、以下はそれを元に話を広げたいと思います。

 

 

 

 

私の両隣の人が泣いていた。泣くと言うより泣きじゃくると言う感じの泣き方。

左隣は40代くらいの女性二人組。右隣は40代くらいの男性ソロ客。どちらも私より年上であろう。

 

左の女性客の鼻の啜り音から「泣いてるな」と思ったら、右の男性のソロ客も鼻をグジュグジュし始めて、それからはそんなシーンでも涙腺崩壊になるような体質になっていた。両脇の観客が嗚咽するほど泣いていた。これは記事で記したいな。

 

その後、場内が明るくなった時に、席を立たない観客が多かったので目元を確認すると、どうやら立ち上がれないほど泣いていたのは、私の両脇の観客だけだったらしいけど、誰もが清々しい顔をしているように私には視えた。もちろん私もその中に含まれる。

 

 

 

 

不思議な映像でした。画面は淡くボヤけていて、「逆光」も多いので、その場面は眩しくて目を瞑りそうだったし、変な映画だなぁと。

 

 

 

 

舞台が千葉の田舎。主役となる女子高生役3名の喋り口調もお嬢だし、演劇のセリフ(劇)口調。

こうした映画は経験上、「退屈」か「不退屈」になると立ち上がりに思ったけれど、、、後者で良かった。

 

 

 

 

前回の記事(任侠学園)を書いた時に、桜井日奈子さんが一番輝ける演技のキャラは何だろう?と考えていた。演技のタイプ的に一番近いのは戸田恵梨香。顔の系統は似ていないが、目の動かし方やセリフの音域が似ている。

 

 

演技はそれほど上手ではないから伸びしろには期待できないが、一生懸命に演じるし、負けん気も強そうだし、不思議な華もあるし、バラエティのドキュメントで見たけどバスケに明け暮れた体育会系。キャラ1つで大化けするのではないか?と思っていたからだ。・・・そうか。これだったのか。おそらく監督も同じことを模索していたのではないだろうか?はまり役だ。

 

 

「地声の低さ」だったり、ボソボソ喋る『ちびまる子ちゃん』で言う「野口さんタイプ」、今までが正統派(少女漫画のヒロイン・優等生役)の役柄ばかりだったから、ようやく持ち前の特徴を活かせる作品で自分を演じられた印象。

 

 

 

 

地名は分からないけど、千葉の山々に囲まれた田舎の高校に通っているのに、放課後に下校立ち寄りするのが「ららぽーと」だから背景の違和感がすごい。電車で県内に移動するにしてもJRの電車賃は高いと思うので、現実的には気になりました。

 

 

田舎の町の放課後となるなら・・個人的にはジャスコとかにしてほしい。

 

 

週末のデートでイクスピアリを選ぶのは初々しくて好き。中高生の初デートって感じがして好き。どうせならディズニーランドも行ってほしいけど・・それは映像権的に無理か。

 

 

今作をTOHOシネコンで鑑賞。劇中でイクスピアリの映画館が登場。シネマイクスピアリはオリエンタルランド所有。

例えれば、テレビで日テレの番組を見ている最中にフジテレビの番組が映っているような感じ!?

 

 

 

 

正直な話。全く持って期待していなかったので、劇後は「いい意味で予想外で」凄く気分が良かった。

 

物語の原作は知らないが、出演するキャストからある程度予想が出来たし、間宮君は、ちょっと大きめな声で、滑舌よくはっきりものを言う演技で、目力を大事にするタイプの男優。桜井さんは、あの上唇が少し尖らせた(前に出た)演じ方で、相手役が間宮君だと身長差があるので上目遣いになるだろう・・などと想像がした。演者自体は予想通りだったけれど、結果的にそれがとても良い方向にハマっていた。

 

 

____

 

 

 

では上記のメモを広げつつ、この作品の良いところも悪いところも・見所も御紹介いたします。

 

 

冒頭から暫く、これはどんな映画なんだろう?と思って観て行く。いまいち掴みづらい。

 

 

シアターの扉前に貼られた作品チラシで今作品が「泣ける4コマ漫画の実写化」という情報を初めて得る。

 

 

えっ4コマ漫画?(失礼ながら)4コマ漫画で泣けるの?話題になった矢部太郎さんの8コマ漫画『大家さんと僕』だったら知っているけど・・。どっちにしろ4コマ漫画の特徴は究極の一話完結、各話にオチがある訳ですから、観る側にもある程度の想像力が強いられる映画なんだろうな。

 

 

 

【間宮祥太朗】君演じる高校3年生の男子生徒・小坂。窓際後ろの席でやる気なく不機嫌に、ほっといてくれオーラを出している一匹オオカミ。

 

 

のちに紹介されるが彼は留年生ということ。クラスの連中(特に男子生十)との間に温度差があるように感じたのはそのためか。学生の「1才」はかなり違う。

 

 

小坂はいい奴だが口が悪い。相手との対話の口癖が「死ね」や「殺すぞ」だから、個人的に観ていて気分のいいものじゃない。色々設定があるのだろうと割り切ることにした。

 

 

まぁ中学生の男子なら分かるけど、高校3年生(19才)にもなって「死ね」とか語尾に付けてるようじゃ、精神的に子供だなとは思いました。

 

 

冒頭の出逢いのきっかけのシーン。クラスに蜂が入ってきた。

 

 

クラスの男子の声が聞こえる。悲鳴をあげる女子にイイところを見せようと教科書でバンと殺生。留年君は気にもせず目線もくれずに自分の世界。窓の外を何をするわけでもなくボケーと見ている。不良じゃないけど孤立しているのが分かる。

 

 

関係ないですが、東京の学生だった自分は「クラスに蜂が入ってきた」という状況が一度もないので、蜂が入って来てキャーは分かるけど、仕留められる学生がすごいと思いました。

 

 

暫くして、ドアの近くに設置されたゴミ箱を漁り「いらない紙」に蜂の死骸を乗せ退出するクラスの女生徒が一人。

 

 

ねぇねぇあいつだれ?とクラスの女子に聞くと、「シカノ?気持ち悪いんだよね」、周りから気味悪がられているキャラ情報。

 

 

匂いか空気か?興味を持った主人公・小坂は後を追いかけ、埋めに行くという鹿野に付いていき、アイスを奢ったりお墓を作ったり、一瞬にして親友となる。コサカは留年君で口癖が「殺すぞ」、シカノはリスカ女子で返答に「殺せないくせに」。

 

 

どこか似た者同士で、親友以上恋人未満の2人のやりとりや雰囲気が観ていて楽しく、特に【桜井日奈子】さんが演じる鹿野の「秒で泣く泣き虫具合」が面白い。コメディ調で「泣き芸」にはなっているが、その涙の理由を知ると、想像力が豊かで心の優しい子なんだと分かる。

 

 

2人の関係は主人とペットみたいで、主従関係などはないですが、完全に映画内で成立している空気感の良さ。

 

桜井日奈子の「懐き具合」が観ていて楽しい。アイス食べたい。肉まん食べたい。よし食べに行くか!

何よりカッターで手首を切るリストカットをしている自傷女子が彼を通して笑顔でいるのだから、観ていて楽しい。

 

 

 

 

先ほど「野口さんタイプ」と例えましたが、鹿野は下を向きながらボソボソ喋り、自己主張の出来ない女の子で、主に女子からイジメを受けています。中学の同級生と再会するシーンが劇中にあるのですが、あの弄り方は完全にイジメを想像させます。

 

 

授業中に教科書の内容やユニセフの道徳の授業で急に嗚咽するほど泣き出す。話していて何気なく喋ったワードを拾い泣き出す。

 

 

実際にいたら・・ちょっと面倒臭いですけど(^◇^;)想像力が豊かで性格がいいのは間違いナッシング!

 

 

mAbの注目女優・桜井日奈子さんで気に入っているのは、ずばりシルエットです。

 

 

顔立ちは「岡山の奇跡」で出てきたように美少女ですし、ホッペのプニプニ感は国民的女優有村架純さんを連想します。

一番いいと思うのは、バスケで鍛えた体型で、そこまで痩せ型でないのがいいです。今の女優はBMI値(ボディ・マス・インデックス(肥満度指数))が基準より低く華奢すぎるので、彼女くらい細くてムッチリしている方が親しみを持てて好かれるのではないでしょうか。肩入れしているわけではありませんが、なんにせよ「この映画の桜井日奈子さん」を私は最高評価しますし、このキャラクターを引き出した監督に感謝します。私の両隣のお客が号泣したシーン・・桜井さんも演技じゃなく本気で泣いてるように視えました。

 

 

まだ高校生役など学生の役なので、こういう「駄駄を捏ねる系」の演技が彼女らしくハマりますが、今後は社会人役などになるでしょうからその時にハマれるかどうかですね。個人的には体型のシルエットが美しいので刑事ドラマなどでアクション女優になってほしいです。

 

 

___

 

 

 

シーンが変わり登場人物がチェンジする。心情としては「違う話」が登場して来たΣ(・□・;)。

 

 

間宮祥太朗君と桜井日奈子さんが主役(メイン)の2時間映画だと思い込んでいたので、他の登場人物が長尺でメインに居座る展開は正直焦った。チラシなどで最初からストーリーを知っていたら何ら意外でもなかったのでしょうけどね。結果3組のオムニバス映画でした。

 

 

ここから他の2組がメインの話となり合計3組。恋愛描写兼青春演出の物語が3組交互に展開されて行く。

 

 

こういう複数のオムニバス調の映画の場合は、好きな番を待ってしまいませんか?。

自分の中で「優先順位」をつける。

 

 

私は桜井日奈子さんを観にきていますので、彼女の「番」の時は落ち着く気分になるのですが、途中から残りの2組のカップルにも愛着や情が湧いてきて、フルで楽しみになりました。

 

 

 

___

 

 

 

3組のカップル。いずれも胸が切なくなる。いい年して柄にもなく胸キュンしました。

 

 

続いて映画に登場するのは、同じ高校に通う親友同士の女子2人です。

 

 

名前が「地味子」と「キャピ子」です。あだ名かな?と思いましたが、これが本名(役名)のよう。漫画ならではですね(^◇^;)

 

 

地味子を演じるのは、初秋公開『アイネクライネナナハトムジーク』に出演していたアミューズ所属の【垣松祐里】さん。

好感触に感じた女優さんをこうして再び紹介できるのも冥利に付きます。今回はメガネ女子の役なのですが、何度となくスターダストの北川景子さんに観える時がありました。彼女も今後の作品次第で大化けしそうです。

 

 

 

 

 

キャピ子を演じるのは【堀田真由】さん。アミューズ事務所所属の若手女優さん2名が、この回を務めることになります。

 

 

 

 

 

キャピ子は「超恋愛体質」で常に彼氏がいますが、すぐに別れます。フラれるのが怖いから私からフル。そうして親友の地味子の前で失恋したと涙するのです。こんなの親友だからこそですよね。私が可愛いが口癖。周りの女子からは「またあの子、何あの子?」と嫌われ、田舎の町でいろんな男を取っ替え引っ替えしてますから、とにかく敵が多いです。女子の友達は地味子だけ。

 

 

キャピ子の恋愛体質の経緯は、展開が進む中で台詞やシーンで紹介されています。

前半部分で水商売の母親が男の元に出かけて行くシーンが描かれていまして、母子家庭のアパートに1人残された小学低学年のキャピ子。その後はどうなったのか分かりませんが、高校生の現在、キャピ子は変わらずアパートに住んでいまして、一人暮らしなのかな?母親は登場しません。義務教育の中学や高校などの手続きや、児童相談所レベルですので、この点は映画で説明したかったかな。高校生の一人暮らし・・家賃はどうしているのか?やはり細かい設定を知りたい。

 

 

そんなキャピ子には「本命」の彼がいるのですが、彼はキャピ子のことを都合のいい女としか思っておらず、1人暮らしの女子高生のアパートにやってきては彼女を抱くという大学生。彼の一番になりたい。でもなれない。そのための努力はしないが、キャピ子は心底寂しいから新しい男を作る。とにかく容姿が可愛いから、男なんて単純。でも心が満たされない。

 

 

考えれば考えるだけ、儚いキャラクターです。

 

 

映画の番手的には地味子が主役でキャピ子は2番手なのですが、地味子だけあって地味なので、引き立て役に徹し、キャピ子の方が印象に残ることから思います。

 

 

相方の地味子は実家が割烹店かな。

歴史のありそうな保存地区で実家の手伝いをしています。接客は着物ですが、1場面で披露した地味子の着物姿の印象は・・地味でした。照明とか見た目とかなのかな?セーラー服から着物になるのに、何の新鮮感もないから驚き。着物とメガネも合ってない。

 

 

地味子はキャピ子の「世話役」と言った立ち位置でしょうか。恋愛感情(ガールズラブ)ではないので、彼女が付き合う男性に対しての嫉妬も持ちません。幼稚園の頃からの付き合いで、いつも二人でいた幼馴染で、今後も彼女の恋愛遍歴とその度の失恋を聞くのでしょうね。ソールメイトの大親友であり相当な腐れ縁だと視ていて思いました。

 

 

これから先の地味子を想像すると六大学に行って、テニスサークルに入って、いい男性と巡り合って、そいつの車に乗って海沿いの道をドライブしたりして、垢抜けていくんだろうな・・いや待てよ、そいつ誰だ!?(なぜback numberΣ(・□・;))

 

 

 

___

 

 

 

3組目のカップルは、とにかく初々しい少年少女の恋愛模様です。

 

 

撫子ちゃんと八千代くん。

 

 

千葉県在住の八千代くん。同県に八千代市がありますので、何か因果関係でもあるのかな(笑)

 

 

撫子は・・・私はこの映画のキャラクターの中で一番バッチグーですね。

 

 

こんな子いる?ってくらい純粋無垢な清純女子なんですけど(^◇^;)

 

 

(そう生きるようになった理由がラストシーンにあるので必見です)

 

 

演じる女優さんは【箭内夢菜】さんというモデルを中心に活躍されている方ですが、映画を観ていて「背が大きいな」と。

プロフィールを拝見すると166cm。なるほど男性アイドルとは中々絡めない身長だ。

 

 

撫子は学年の男子・八千代に「好き」と告白し、その後、会うたびに「好き」を伝え続けます。

告白というよりは宣言ですね。休み時間に彼のクラスに行き公開告白。みな知っていますが、他のクラスメイトのエキストラの視線は映していません。ヒューヒューとか冷やかしくらいの声は欲しいかな。

 

 

八千代はその度にあしらいますが悪い気はしていません。恒例になっていく撫子とのやりとりが気に入っています。

 

 

 

 

 

この写真で見ると、撫子は学校カーストの上位にいそうなルックスに見えますが、映画内ではごく普通の女生徒です。

 

 

八千代も整った童顔の顔立ちですが、他の女生徒のキャーの描写もないですし、囲碁部ですし、特に目立つ生徒ではないようです。

 

 

いつも会うと君がニコニコしながら僕に「好き」と言うんだ。。。。

 

 

男としては告白が続けば「交際する・しない」の返事が必要だと思うので、

 

 

ある時の「好きです」後、八千代は改まって「僕は君と付き合えないよ。」と伝えます。

そうしたら「付き合う?私は八千代さんに好きと伝えているだけですよ。」と返って来ます。

 

 

八千代はキョトン・・千代に八千代に♪( ´θ`)・・これは男はやられますね。

八千代の意識は以前からではなく、この場面から変わったように私には観えました。

 

 

自分に好意をくれる女の子。君は僕に好きって言うこと(やりとり)が好きなんじゃないか?そうかも知れませんわ。

 

 

でも恋愛の本質ってそうですよね。好きになって以降はその時間が無性に恋しくなりますし、相手を好きになった自分のことを誇らしくなると思います。

 

 

撫子は、両親は登場しませんが農家の娘さんで、見た目は元気で健康的な女子高生という印象ですが、とにかく言葉遣いが丁寧。

 

どこぞのお嬢様??と思うほど「いいとこの女子」。性格も擦れていませんし、とにかくリアクションがウブ。

 

 

裏表を探してしまいましたが、心の声にも裏がないから・・この子はこういう子。

 

 

中盤に突然差し込む、撫子の「八千代への好き集」のスライド動画には、ニヤけてしまいました。。。。学生時代に戻りたい!!

 

 

(何か嫌なことあったのかΣ(・□・;))

 

 

対する八千代は、2組目に紹介した、あの地味子の弟。

 

 

だからと言って、姉弟の共演(接点)を必要最低限に納めているのが、この映画のこだわりに感じます。

 

 

八千代は毎日のように「好き」をくれる撫子のことが気になっていて、それが日課になっていて彼も依存状態なんですけど( ´ ▽ ` )

ちょっとシスコンで、過去に年上の女性に思いを寄せた失恋経験があったり、なかなか(姫を守れる)男になれませんでしたが、ある日、撫子に映画に誘われOKします。OKをもらえると思っていなかった撫子の反応が可愛い。

 

 

撫子のことですから、彼の好み(アニメ)をリサーチして、映画のチケットをお小遣いで購入して駄目元で聞いてみたと想像します。ちなみに今しがた「お小遣い」と書きまして、これは私の「書き方」なんですけど、書き方一つで撫子の印象は良くなると思います。(どうしても撫子の心の清らかさを伝えたいんだなmAb!)

 

 

初デート当日。何故かこのシーンだけロケ地を大紹介していました。

 

 

記事の途中のメモ書きの中にも書きましたが、舞浜駅に隣接する施設イクスピアリ内の映画館です。

正式名称はシネマイクスピアリ。Experience(体験)とperi(妖精の名前)を掛け合わせた意味を持つ総合施設。ショッピングはもちろん、何と言ってもディズニーランド&シー。歩くだけでも夢の国行った気分になれますね。

 

 

この2人の映画鑑賞シーンは正面玄関の廊下とシアターのみでした。次のシーンでは、彼女を家まで送り届ける帰宅道で、いつもの田舎道に切り替わりますので、まさに田舎(山や田んぼ)から夢の国(⇄逆)に行くという風景差が見れました。

 

 

2人の行き先がどうなるのかは・・・観てのお楽しみです。

 

 

八千代を演じた方はモデル出身の【ゆうたろう】さんと言う男優さん。撫子が劇中で言うように背は小さいけど、あどけなさの残るイケメンくん。演技は今回のようなスンとしている役が合うと思います。喜怒哀楽をハッキリ表情で表せそうな演者のタイプかな。

 

 

 

 

 

それにしてもこの芸名・・・私の世代で「ゆうたろう」と言えば、石原裕次郎さんのモノマネをする芸人さんのお名前ですから、どうしてもサングラスとワイングラスを想像します。エンドロールでお名前を知った時に「えっ?この映画にゆうたろうさんが出演してたっけ!?」と本気で思いました(^◇^;)

 

 

 

 

本人も事務所やご家族に芸名をこれで行くと決めた時は、少し揉めたりしなかったのかなぁ?いやいや同じ芸名の方が既にいるから、と。逆にインパクトがあると思ってゴーサインしたのだろうけど。でもまぁ・・今作はいい存在感があったので、新旧交代でしょうね。

 

 

この映画に関しては以上です。

 

 

___

 

 

 

メモ書きでも書きましたが、自分が鑑賞した回で、両隣の観客が号泣していました。

 

私はもう長いこと、それこそ1500回以上劇場鑑賞(年数✖️年間100本)していますけど、その中でもベスト10に入るくらいの号泣具合でした。

 

 

この回の観客は3割程度。失礼ながら、あまり混んでいる状況で映画を観るのが苦手なので、空いている作品を選びました。公開第1週目の鑑賞でこの客入りなのですから、終了は早いだろうし、だからこそ微弱と知りつつも自分の記事で紹介しようと思ったのです。

 

 

自分は映写機の下を指定席とするので、今回も一番後ろの中央の席。

左隣に1席空いて、中年の女性2人組。右は2席置いて、中年の男性がソロで鑑賞。

 

 

画像で説明しますと、こうした位置です。

 

 

image

 

 

後半に間宮君と桜井さんの最大の見せ場があります。

お涙頂戴シーンではなく、それまでの2人を観てきた方には大感動シーン。

 

 

その前からハンカチを手放せずに涙を拭っていた女性客が、このシーンでウッウッと嗚咽し始めました。

 

 

すると・・右の男性客もウ〜ッと唸って鼻水をすする。

 

 

両隣の号泣に、私もええいあ君から「もらい泣き」をしそうになりました。

 

 

場内が明るくなった時、両隣ほど泣かれている方はいなかったので、当たり前ですけど「人によるんだ」と。

 

 

でもそんな迷惑じゃなかったんですよね。

 

 

それに泣くか泣かないかではなく純粋にこういう方達と話をしたいなとも思いましたし、おそらく細かいことなど気にせず・・私ならキャピ子の一人暮らしの背景など指摘しましたが、そういうのじゃなくて純粋に映画を楽しんでいた方々が偶然にも自分の両隣にいたことを感謝しました。

 

 

 

今作品の予告編と

公式サイトのリンクを貼らせていただきます。

 

 

『殺さない彼と死なない彼女』公式サイト

 

 

 

タイトルが言い辛いので、私は未だにフルで覚えていません。

そこまで捻っていないけど、もっと分かりやすいタイトルでも良かったんじゃないかな・・そんな事を思っていたら、長いタイトルは略語で呼ばれるサダメ。早速コロカノと呼ばれているみたい。。。タイトルあったもんじゃないな。。って記事のタイトルにしただろΣ(・□・;)

 

 

お近くの映画館で上映されていたなら、かなりお勧めしたい日本映画で、

お遠くの映画館で公開されていたとしても、遠出して観る価値があると思います。

 

 

3組のカップル、それぞれに「いい笑顔」があることが、本当に良かったなぁと思うし、すがすがしい気分になれました。

 

 

最後になります。

 

 

私の普段の口癖、常套句みたいな言葉がありまして、、それが「未来の事を考えよう」です。

 

 

未来の事を考えよう、楽しい事を考えよう、未来の話をしよう、これらの言葉をよく人にかけることがあります。

まぁそれだけ突き詰めたり追い込まれたりする人が周りにいる環境で働いているのですが、ジョン・レノンのイマジンがとにかく好きなので、そこからインスパイアされ口癖になりました。

 

 

この映画の間宮祥太郎君演じるコサカナが同じセリフを言っていて、、まぁ詩的なセリフとしては王道的なので自分のものでも何でもないのですけどね。(小坂という名字はコサカナと呼びたくなっちゃう)

 

 

その言葉をかけて、桜井日奈子さん演じる鹿野が元気になっていたし、、客観的に良い言葉を言ってたんだな自分(笑)と自己満足しました。おしまい。

 

 

 

 

 

 

脚本 13点

演技 15点

構成 14点

展開 14点

完成度14点

 

 

[70]点

 

 

 

フォローしてね

 

 

 

【mAb】

 

 

 

 

 

 

『THE映画評論8作品』

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前回の18作品後に新たに鑑賞した劇場公開作を鑑賞順に複数回に分けて紹介致します。(現時点で全て書くなら23作品です)

シネコン時代のロードショウはナマモノ。更新の間隔を空けないよう心掛けますが、ナマケモノの筆者である事情を何卒ご理解くださいませ。ではクセモノの映画評論を書き始めます。

 

 

 

___

 

 

 

シリーズ3作品目

『アナベル 死霊博物館』

 

原題)Annabelle Comes Home

 

 

 

 

監督🎬

【ゲイリー・ドーベルマン】

 

出演者

【マッケナ・グレース】【ケイティ・サリフ】【パトリック・ウィルソン】【ヴェラ・ファーミガ】

 

 

本編⏰[106]分

 

 

公開日[9月20日]

 

 

[鑑賞当時の話と「オイラの着眼点」]

 

 

初秋。

TOHOシネマズ日本橋にて21時台の回が1日1上映されているのを偶々知り、急遽夜のスケジュールをキャンセルして鑑賞。

すっかり映画雑誌や映画サイトをチェックしないようになり、ロードショウや知識が最寄りのTOHO劇場に偏り、今作が公開していることさえ知らなかったので、今作を知れたのはラッキーだったと思っている。さすがにオフィス街+ホラー映画+平日ということで観客は数人(まばら)だった。

 

 

このシリーズはホラーの中でも特に好きな作品。初期の【ジェームズ・ワン】監督作品『死霊館』にハマりにハマった。悪魔祓い、面白い&興味深い!!初期作品に出演したフォイちゃん(【マッケンジー・フォイ】mAb激推しの女優)はその後、『インターセプター』や『不思議の国のアリス』の大作でヒロインを演じるまでに超出世したことで思い入れも強い。

 

 

今作品だと【マッケナ・グレース】〔13〕がその(出世の)ポジション。

 

 

既に多くのハリウッド作品に出演し演技に定評がある総合評価が高い名子役。自分も過去に出演作を書いたことがある。金髪のイメージが強いが今回は黒髪で雰囲気も一変。第二のフォイちゃんになること間違いない!と視ている。

 

 

霊能力者・超常現象研究家の第一人者であるウォーレン夫妻は、依頼者から除霊を頼まれ霊の入った品(災いのアイテム)を引き取り自宅の1部屋に保管しているその世界では有名な人物。基本的に相手宅に行って「曰く付き品」を除霊・(品に)封印して自宅の1室で保管するパターン。

 

 

大学で講義をしたり、アメリカ国内のテレビにもよく出演しているから国内の知名度は高い。死霊館に保管されているのは主にアメリカ国内の「曰く付き品」になるが、印象的なのは部屋の入り口に日本の甲冑があるので、日本人なら一番目が行くアイテム。今作はようやくこの甲冑に出番が用意されていて満足。音声もカタコトではなく日本人のイントネーションだった( ◠‿◠ )

 

 

映画と関係はない話ですが、甲冑を着て戦で死んだ武士なんてゴマンといますけど、「幽霊」として我が国で有名なのは甲冑を脱いだ落ち武者だと思うんですよね。なので博物館で戦国武士の甲冑を見ても「怖い」とか恐ろしい感覚になりません。ヨーロッパは鎧があるので、鎧そのものがホラーの感覚になるのでしょう。

 

 

(日本も80年代あたりは宜保愛子さんや丹波哲郎さんなどが霊界系の心霊番組をやっていたと聞く。ウォーレン夫妻もその類なんだろうと、映画の情報は信じるが実際の気持ちはそう思っています。)

 

 

話を戻します。

今回の主役はウォーレン夫妻ではなく上で紹介したマッケナ演じる娘ジュディ。両親の特殊な仕事ゆえ、学校では気味悪がれ友達もいない。そんな彼女だが性格は優しく物静かな少女。そして一番重要な点は、本人は口外しないが母親の遺伝子をしっかり受け継いでいること。ハッキリとした霊が見える。それも悪い者を中心に(^◇^;)よく霊から挑発されている。アメリカンホラーなので「ワッΣ(・□・;)」という驚かし方。

 

 

今作のキッカケ作りは両親が除霊依頼のために出張訪問。出張なんでも鑑定団!!

数日留守にすることで、能力者不在の家に残された娘に悪霊たちが襲いかかる。

 

 

この設定の時点で定番すぎて新鮮味はないが・・まぁいいだろう(^◇^;)

 

 

自宅に留守番となるジュディ。近所の女子高生メアリーがシッターのバイトで放課後(夕晩朝)はウォーレン家に来てくれる。

留守番させるのは慣れていると言っても、小さい子供を1人モンスターハウスに残し、高校生のシッター1人に娘を任せ出張に出かける親もどうかと思ったが(^◇^;)気味悪がられている家なので働き手も見つけづらいのだろうか!?

 

 

そして留守番初日、高校生シッターの親友ダニエラが遊びに来て、関係者以外絶対立ち入り禁止の死霊室に入室し曰く付きの品をイジクリ、あろうことか一番霊力の強い最恐最悪のアナベル人形の扉を誘われるように開けてしまうという展開になる。

 

 

黒髪のダニエラ。観客はこの元凶を作る親友にイラつくはず。おいアンタ!何してくれてんだΣ(・□・;)

興味本位なのか?何なのか?前半は分からないが(後半で分かる(印象が変わる)のでご安心を)、それにしても人の家にお邪魔して勝手に家中を物色したり、書斎(仕事場)を物色したり、挙句には最も危険な死霊館に無許可で侵入するトラブルメーカー。

 

 

まぁ押すなよ押すなよ!と言って押すのが日米の伝統芸なので・・まぁいいだろう。

 

 

作品の脚本・展開などは、よくあるアメリカの「お化け屋敷型ジェットコースターホラー」(←mAbの造語)

 

 

右回ればバケモノが驚かし、左を向けばバケモノが驚かし、観客を飽きさせないために内容よりも衝撃重視に作ってある。

とはいえ、自分的には余計な演出が多く、正直見応えがなかった。ジェームズ・ワン監督は悪魔祓いがテーマであっても深層ホラーに近く深みがあったし、私は彼の作品で『死霊館』シリーズにハマったわけだから、次の作品では再びメガホンをとることを願う。

 

 

 

脚本 〔13〕点

演技 〔14〕点

構成 〔14〕点

展開 〔13〕点

完成度〔13〕点

 

 

[67]点

 

 

 

______

 

 

 

英国映画

『イエスタデイ』

 

 

 

 

 

 

監督🎬

【ダニー・ボイル】

 

出演者

【ヒメーシュ・パテル】【リリー・ジェームズ】

【ジョエル・フライ】【エド・シーラン】

 

 

本編⏰[116]分

 

公開日[10月11日]

 

 

ロンドン五輪の開会式で芸術監督を務めた英国を代表する映画監督ダニー・ボイルの新作。

 

 

地球上に一斉に起きた12秒間ピッタシの大停電により、「何か」が起き、その「何か」によって全人類に表れた影響とは、

 

なぜか多くの歴史的人物の存在や功績が元々「なかったこと」になったことだ。

 

 

この作品は英国映画なので、英国を代表する物事がメインになる。例えば『ハリーポッター』がなかったことになっている等。となれば著者のJ・K・ローリング女史もハリポタを書き上げていないのだろうし、小説家になっていないのかな。

 

 

英国にゆかりのある人物が歴史から無くなった映画。

これがアメリカ版ならアメリカ、日本版なら日本で描写すればいい話。

 

 

ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズがもしいなかったら・・・実は書いてみてこっちの方が興味あるけど(^◇^;)

 

日本だったら坂本龍馬がいなかったら?ペリーが横須賀に来航しなかったら?という感じかな。

 

 

英国版なのでそれは勿論、【The Beatles】がもしいなかったら?が今作品。

 

 

その人物がいてこそ、作品が誕生し、そうして影響を受けて目標にして世に出て来た人物も多くいる。

 

 

今作のビートルズなんて特にそう。非常に多くの音楽人・文化人がビートルズに刺激を受けているでしょう。

 

 

ビートルズがいなければ、笑点の山田君は座布団を運んでいなかったかも知れない。

 

 

(この例えが分からない方はお父さんお母さん、お爺ちゃんお婆ちゃんに聞いてね。)

 

 

大停電によってビートルズそのものが「ないもの」になった。ただし安心してくれ誕生はしている。

 

 

ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリソン、リンゴ・スターの4人は存在する。

しかし4人はバンドを結成せずにすれ違う。おそらく同じ町(リヴァプール)に住む同世代という程度の関係性だろう。

 

 

(例えバンドを組まなくても、ポールなんて特に個人の能力で名をあげるほどの星の下に生まれていると思うが・・4人がイコールでなければ成功しないという表現で果たしていいだろうか?という疑問は今作に感じます)

 

 

そう考えれば、人が出会い、チームを結成するということは、偶然や運命ではなく、ただただ「奇跡」なんだと思えるのだが、今作には関係ない考えだと思う。映画の描写はもっとあっさりしたものだった。

 

 

大停電の後、売れないミュージシャンのインド系イギリス人の青年だけがビートルズを覚えていて、恋人や友人の前で名曲『イエスタディ』を弾き語りすると、皆口をポカーンとして「その曲いつ作ったの!?素晴らしいわ!!」と大興奮。

 

 

いやいやこの曲はポールが作った・・ビートルズの曲でしょ(^◇^;)

 

なにビートルズって?カブトムシの事?・・えっ?

 

いやいや信じないぞ(^◇^;)僕を騙してるんだろう。

 

帰宅しネットで検索しても、ビートルズは一切出てこない・・ってことは💡

 

 

主人公はその後、状況を知り、ビートルズの楽曲を楽譜に起こし、披露し続け、テレビ出演やアメリカ進出とビートルズの楽曲を引っさげて世界的に大成功する。自分自身が作ったものではないので心は晴れないが、ビートルズの楽曲を世間に残すためにも彼は歌い続ける。地位や名誉を掴んでも、単なる金儲けや私欲のためではなく、音楽人として尊敬の意を表しているのがいい。

 

 

そして好都合な脚本だが、ギターやピアノが弾けて楽譜が読める主人公でよかったと思う。あとは程々に歌唱力があって、インド系という事で見た目はイマイチだが、ビートルズのコピーシンガーとしてはかなりいい感じなのではないだろうか。

 

 

やがて多くのメディアでビートルズの楽曲を歌い続ける主人公を見て「謎の人物たち」が世界中から彼の元を訪ねてくる。分かっているのは彼らがビートルズを覚えているという事。メディアの前で「その曲、本当は誰が作ったのー??」。ビートルズの曲を自分が作った楽曲であると歌い続ける主人公は気が気ではない。

 

 

謎の人物たちの表情は一様に皆真顔で、白人なので、まるで奴等こそ停電を起こしたITで、ハリウッドのパニック映画によく出てくる人間に紛れた宇宙人みたいに観えて私は恐怖を感じました。

 

 

近年、英国初の流行となっているQUEENやエルトン・ジョン伝記映画のようなライブシーンを今作にも期待したが、前者の伝記映画ではなく、今作は第三者が歌うライブになるので「いい歌だな」くらいの感覚で終わった。

 

 

まぁ主人公が元々崇拝していたビートルズを世界中の人が知らない。という設定だし、その楽曲を自分の手で残したいという考えでステージに上がっているので、「いい歌だな」という感覚に私がなったのは、映画の感想としては主人公の望むことを代弁しているようで、それでいいと思う。

 

 

だけれど、ビートルズが其々の人生に無くても、人々は普通に生活していて世界は何も変わっていないので、寂しいと思ったし、もっと各設定を掘り下げて深みを付けてもよかったのではないか?替えの効かない存在みたいな描き方も敬意を込めてして欲しかった。

 

 

高額な著作権が発生するビートルズに手をつけるとは流石ダニー・ボイルといった感じだし、ビートルズ本人ではなくコピー歌手が歌えば安くなるという裏事情を『I am Sam』の制作秘話で観たのを思い出します。

 

 

 

最後に。

 

 

「誰を消すか?」という選択は制作側は難しかったと思います。劇中の数場面で、主人公はスマホやパソコンを使って検索していますが、最初の文に例で出したスティーブ・ジョブズを今作で消していたら、主人公はスマホで検索はできなかったでしょう。

 

 

もし私がアイデアを出せるなら、あえてスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツを消してしまいます。

その意図は、ビートルズが現役で活躍していたのは、人は雑誌やテレビや人伝や噂で妄想を広げ、そういう思いが昂ぶって本人に見たときに発狂や失神をした時代です。今作品の主人公はあまりに条件が揃っているので、携帯や電子機器がない時代に戻して今作品を作った方が魅力はあるのかも知れないと思ってしまいます。

 

 

ドラえもんの無敵アイテム「もしもボックス」を使った発想の映画。

 

 

 

脚本 〔13〕点

演技 〔14〕点

構成 〔14〕点

展開 〔13〕点

完成度〔14〕点

 

[68]点

 

 

______

 

 

 
 
 
シリーズ3作目
『ジョン・ウィック:パラベラム』
 
原題)John Wick:Chapter3-Parabellum
 
 
 
 
 

監督🎬

【チャド・スタエルスキ】

 

 

出演者

【キアヌ・リーヴス】【イアン・マクシェーン】【アンジェリカ・ヒューストン】

【ローレンス・フィッシュバーン】【ハル・ベリー】他

 

 

本編⏰[131]分

 

公開日[10月4日]

 
 
 
シリーズ3作目。1作目を鑑賞した時は、まさか続編を公開するとは予想できなかった。理由はキアヌ・リーブスに落ち目の感が否めなかったからだ。実際、日本での観客動員数もそれほどだったが、回を重ねると人気シリーズになっていく。
 
 
長くは語らないが『マトリックス』の最新作の製作も発表されたし、マトリのファンとしては【ローレンス・フィッシュバーン】との共演が今作の魅力。リーブスは旬を過ぎたと思っていたが、『コンスタンティン』以降悪たれをつくアクション俳優という地位を確立して銀幕に戻ってきた印象。
 
 
(「マトリ」って書くと「麻取」みたいだな。別に。)
 
 
最強の殺し屋だった主人公ジョン・ウィックは、のちに妻となる女性と出会いカタギに。しかし妻が病死し生きる希望を失う。妻が残してくれてた唯一の希望である仔犬も強盗に襲われ亡くし、そして再び裏社会に戻ってくる。業界に復帰した1作目。この裏社会には「ルール」があり、それを破ったことで超多額の懸賞金をかけられ全世界の殺し屋が彼の命を狙う。まだまだルールはシリーズが進むたびに追加されていきそうです。
 
 
今作パート3は鉄の掟を破ったことで懸賞首となってしまったジョン・ウィックが、国内外の殺し屋が手柄を立てようと襲いかかるスピードアクションになりますが、
 
 
よくガラスを割るなぁと、その印象しかないです。ほんと、確信犯なんじゃないかってくらいです。
 
 
え?キアヌ・リーブス??自分からガラスの方に飛び込んでない?
 
 
例えば、リアクション芸人が川の桟橋で、カメラが回っているのを確認して誤って川に落ちるみたいな感じで、なんだか自分からガラスの方に向かっていったように思える(笑)なのですごく作られた殺し屋アクション映画にも観えます。目の前のガラスを割れ!握りしめた拳でoh!
 
 
シリーズも3作品目のアクション映画となれば、設定の規模も膨らみ、観客にとっても設定や相関図を頭に入れて鑑賞できるようになるし、劇中でも過去を振り返るセリフが多く使われるようになる。
 
 
R15指定なので、殺傷シーンはリアルで、血吹雪、惨殺シーンは当たり前。殺し屋アクションなのでスピード感を大事にしているし、攻撃力はあるが防御力のない主人公。よく倒れる。しかしすぐに立ち上がる(笑)防御力がないのに怪我が少ないように見えるのでもっと生傷を増やして欲しいです。
 
 
個人的にも、おそらく鑑賞された方にも、今作で印象に残った殺害シーンは、馬の後ろ足を利用して敵を蹴り殺す遣り方。
敵を馬の後ろに立たせ、腹を叩き足蹴りさせる。馬をも操るとは恐るべき知識と殺害勘を持ってるなジョン・ウィック!!
実際に馬に蹴られたら顔が吹っ飛ぶほどで即死でしょから、なにぶんスピード感を大事にしている映画ですから一瞬の映像ですけど、すごくリアルだなぁと思いました。「よくガラスを割る」「馬を武器にする」この2つが私のシリーズ3の印象です。
 
 
 
脚本 〔14〕点

演技 〔14〕点

構成 〔15〕点

展開 〔13〕点

完成度〔14〕点

 

 

[70]点

 
 

______

 
 
 
アメリカ映画リメイク
『最高の人生の見つけ方』
 
 
 
 

監督🎬

【犬童一心】

 

出演者

【吉永小百合】【天海祐希】【ムロツヨシ】

【満島ひかり】【前川清】【賀来賢人】他

 

 

本編⏰[115]分

 

公開日[10月11日]

 
 
 
今作に限ったわけではなくいつも思うけれど、【満島ひかり】さんの涙を流す演技は本当に自然体で、目元を真っ赤にして、目は充血して、それなのに「強がるように」「堪えるように」涙をこぼすんですよね。自然体という点で言ったら日本で一番だと私は思います。
 
 
「泣きの演技」に定評のある女優だと涙を貯めてジワリとこぼすものですが、彼女の場合は、涙が目の奥から湧いてきて真下に溢れるよう見えるので「涙の量」も多いし、見ている側も「もらい泣き」しやすいし、この部分は本当に彼女の特権だと思います。
 
 
例えるなら子供。子供って涙の量が多いので、ワンワンヒックヒックと泣きますね。肩を震わせて。満島ひかりさんはそれ(子供)に近いです。そして涙は溢れてから手で拭いますので、手の甲が濡れるのもいいですね。ちょっとマニアックな目線でしたm(__)m
 
 
所属事務所を辞めたりなど色々あったようで久しぶりに銀幕で観ましたが、フリーランスとなり幅や質も増えるしオファーも増える。彼女の実力は間違いないので大きな活躍を期待します。
 
 
『最高の人生の見つけ方』は【モーガン・フリーマン】と【ジャック・ニコルソン】という超名優であり演技派俳優が共演したハリウッド映画です。
 
 
2人の名優がそれぞれ熟年の域に達した段階で製作されたので、演技的評価も高い作品であり、公開当時は劇場鑑賞しましたし、DVDを所持する私も何度も鑑賞しています。
 
 
富豪の男と庶民の男は共に末期癌で病院で出会います。富豪なので特別室になるのが普通ですが、「人生は奇なり」ですね、一般病室になったことから知り合うのが出会いのキッカケ。
 
 
富豪の男は金はあるが家庭には失敗していて孤独、庶民の男は貯金や収入は一般的だが家庭は幸せという設定です。
 
病室での出会いから連絡先を交換し、ある時「死ぬまでしたいリスト」に挑戦してみようとなります。
 
 
富豪の男の資金は膨大。リストを達成すべき世界中を飛び回ります。その度の道中では、血を吐いたり、「こんなことやってられるか!」と衝突したり、確実に病魔が襲いますが、2人ともが最後までリストをやり遂げるという信念を持ち行動を続けます。
 
 
そして忠実な秘書によって、それらの達成を見届けられます。映画は主に「2名+秘書」で構成。という映画でした。
 
 
このハリウッド映画を鑑賞された方にとっては、今作はほとんど同じ内容となるので、文字通り「日本版」という感じでしょう。違うのはモーガン・フリーマンが演じた役は幸せな家庭という設定でしたが、吉永小百合さん演じる専業主婦は引きこもりの息子がいて、定年後は家でダラダラしているだけの亭主がいて、腹で思っていることは多い。
 
 
死んでも死に切れないという正に「日本の女性」を描写にしている印象です。こういう(男性に尽くし世話をするという)主婦像の主人公って、アメリカとかイギリス映画ではまず見られないですもんね。
 
 
天海祐希さん演じるのは、原作のジャック・ニコルソンとほぼ同じ。大金持ちで地位も名誉も手に入れているが孤独で、疎遠となっている家族がいる。
 
 
余命宣告を受けた2人の女性は入院中に知り合い。連絡先を交換。病院で知り合った小児患者の「死ぬまでにしたいことノート」を、彼女に代わって私達で叶えましょうと意見が一致。余命を謳歌することに。資金は勿論女社長。エジプト行ったり京都行ったり若者のライブに行ったり・・←その映画のライブシーンは【ももいろクローバーZ】。MC中に偶然にもステージに上がっることになり丸々一曲楽曲に参加するという、この場面だけ現実的ではなかった。まぁ今作品の観客は女性や年配の方が多いと思うので、(若者のライブ=ももクロ)ちょうどいいのかも知れませんが。
 
 
(個人的には日向坂46にしてほしかったな。そうすれば国民的アイドルの格になるから。)
 
 
__
 
 
 
日本映画のドラマらしく「家族の再生」や「めぐり逢い」「友情」がテーマに合って、程よく感動もできるし・・悪い作品ではないですが、どうしても納得の出来ないと私が視ているのは、大スター【吉永小百合】さんの演技です。
 
 
個人的に思うのは【吉永小百合】さんって「隙」全くないんですよね。
 
 
大女優ですし、サユリストは熱狂的ですが、今回は専業主婦の役という観点で考えます。
 
 
くたびれた「初老の主婦」の背中を映す映像も、例えば合気道でいう「気(オーラ)」が出ていて、「只者じゃない」と視えて、とてもとても今作品の「一般家庭の専業主婦」という役柄は合わないと思います。(例えるなら【藤岡弘、】さんに近い背中)
 
極寒(過酷な環境で)のロケのイメージがあるし、歯を食いしばって生きてきた役柄を近年は映画で観ています。
 
 
なんだかそういう全ての経験や糧が「覚悟」などを全身から出しているように私には思えるし、演技中は目元を真上に「クワッ!」と見開く目力があるので、闘病中で周りに平然でいようと気丈に振る舞う表情という観点でも考えましたが、世の中に、こんなに「隙がない主婦」は多分いないと思うので、やはり女優の背中ですね。
 
 
【天海祐希】さんはこういう気丈な女性を演じるとピカイチですね。お体を壊されて報道もありましたから、病気の演技は(映画的に)期待しました。鬼気迫る演技が劇中に何度か魅れました。演技派女優としての格がさらに上がった印象を受けます。
 
 
金目当ての若い夫役を演じた【賀来賢人】さんは残念アンガイ。こういう鼻で笑うような憎たらしい演技をする俳優は探せばいるので、彼の個性が観たかったです。原作でも大好評の秘書役を演じた【ムロツヨシ】君は文句なし。ラストの涙は、ムロ君のお調子者の演者スタイルがあってこそ活きる緊張と緩和です。オンリーワン。
 
 
最後に。
 
 
逆はありますが、ハリウッド映画を日本映画がリメイクというのは稀。
ハリウッド作品を観てきた自分としては、今作をもし再びリメイクするなら原作と同じ男性にして欲しいです。
日本映画で女性が主役だと、男が子供みたいになります。男性って還暦を超えてからは社会から注目されなくなりますよね。
それに男の涙って同性としてはグッと来たりします。でも女性と違い男は年取ってから出来た親友の例はあまり聞きませんけど(^◇^;)
 
 
吉永小百合さん、天海祐希さんという、演技のタイプが対極にあって60・70代と40・50代あたりの映画スターで想像できるなら。。。
 
 
男優で私の組み合わせだったら、渡哲也さん、大泉洋さんが理想かな。
または田中泯さんと堺雅人さん。そしたら興行収入かなり行くはず。こういう想像・・楽しい( ^∀^)
 
 
 

脚本 〔13〕点

演技 〔13〕点

構成 〔14〕点

展開 〔14〕点

完成度〔14〕点

 

 

 

[68]点

 
 
 

______

 

 

 
 
『ジョーカー』
 

 

 

監督🎬

【トッド・フィリップス】

 

出演者

【ホアキン・フェニックス】【ロバート・デ・ニーロ】

【ザジー・ビーツ】

 

 

本編⏰[122]分

 

公開日[10月4日]

 

 
アカデミー賞で最有力となる作品の日本公開は2月3月が多いので、その時期になってノミネート作品を観て予想しようと思っているのですが、ジョーカー役を演じた故【リヴァー・フェニックス】の弟【ホアキン・フェニックス】の主演男優賞はほぼ間違い無いでしょう。これまでも何度となくノミネートしていますが、大方の予想通り初受賞すると思います。
 
 
バットマンの最大の好敵手であるジョーカーの創世秘話の物語(ドラマ)。
アメリカ映画の二大巨頭マーベルコミックとDCコミック。映画としての質の高さはDC。何度も関連記事で書いているのですが、mAbはDC映画が大好きです。
 
 
「ババ抜き」を想像してください。
 
最後まで持っていた人が負けです。
 
しかしゲーム中は有効利用します。
 
まだまだゲームの中盤なのに、ババを引くと、緊張します。
 
そうして「ヘッヘッヘッ」と腹で思いながら、輪の中のグループと駆け引きをしますね。
 
 
最強で最悪なカード。だけど最後は「お前なんかいらない」と思われる。お前なんか必要じゃない。お前なんか必要じゃない。声なきものたちよ群衆となり右手を上げろ!
 
 
 

脚本 〔16〕点

演技 〔15〕点

構成 〔15〕点

展開 〔14〕点

完成度〔15〕点

 

[75]点

 
 
 

______

 
 
 
日本映画
『スペシャルアクターズ』
 
 
 
 

監督🎬

【上田慎一郎】

 

出演者

【大澤数人】【河野宏樹】【淡梨】【小川未祐】

 

 

本編⏰[109]分

 

公開日[10月18日]

 

 

12年も前になるけれど、織田裕二さん主演の時代劇『椿三十郎』で、若侍役のキャストを完全オーディション選考にして、封を開けると殆どが無名の新人俳優だった映画が公開され「話題」になりました。

 

 

この当時の映画館は、今のような邦画中心のロードショウーではなく洋画が7割の状況でしたが、とてもエネルギーを感じました。

 

全国公開で上映される日本映画の場合、出演者のネームバリューが「最も大事」だということを幼心に理解した作品です。

 

 

ミニシアターで公開した『カメラを止めるな!』が空前のヒットとなり、内容よりもブロックバスターよりも、私が最も嬉しかったのは、出演するキャストが9割方初見の俳優だったことです。個人的には一番新鮮でした。

 

 

今回の上田監督の新作『スペシャルアクターズ』も同様で、鑑賞が始まると、まずは顔を覚える作業をしました。初めて見る俳優さんしか出演されていないからです。

 

 

ここまで見事に名前も顔も存じない俳優さんが出演されていると、それだけで好感を持てるし、今後もこの信念を貫いて欲しいです。上で名前を入力するときは、一文字一文字、漢字変換していました。

 

 

今作は面白いし、手も込んでいるけど、この先も筆頭が『カメラを止めるな!』になるでしょうから、カメ止め以上のヒット作が出ることは生涯ないでしょうね。同じ監督で三度ブームが来るという現象はあまりないと思います。

 
 
俳優を志す主人公は極度のあがり症で、追い詰められると気絶をしてしまうという、特殊体質。
 
そんな主人公はある時、偶然にも弟と再会します。2人とも地方から上京してきましたが、都内で会うなど連絡はしなかった模様。
 
 
主人公は所持金も貯金もなく家賃も滞納していて、どん底状態。そんな兄の状況を聞いた弟は、自分が勤めている「何でも屋」を紹介します。何でも屋と言っても便利屋ではなく、演劇集団によるパフォーマンス。
 
客席を埋めるサクラもそうですし、別れさせ屋、占い師など、依頼主の依頼に応じて様々な役になりきります。
 
初めはお金のためだった主人公も生き生きしてくる。「気絶の体質」も弟が会社にバレぬよう上手くカバーして名コンビに。
 
 
そして大きな依頼が訪れる。依頼主は女子高生。胡散臭い新興宗教団体に、両親が姉妹に遺した実家の旅館が乗っ取られそうになっていて、団体の本性を暴き、追い払って欲しいと依頼。依頼金の札束は両親の遺産。
 
主人公はじめスペシャルアクターズの一行は、新興宗教団体のセミナーに参加し入会。信者になりきることで内部潜入し、教祖や幹部らの化けの皮を剥がしていく。という展開と内容です。
 
 

ラストは余計に思える。色々と見せ場を作ろうと遊び心を魅せる脚本作りは素敵で、何度も言いますが初見の俳優さんが殆どでしたが、それを感じさせないテンポの良さと技術力の高さが魅力的です。劇場・ディスクなどで鑑賞くださいませ。

 

 
 

脚本 〔14〕点

演技 〔13〕点

構成 〔15〕点

展開 〔13〕点

完成度〔14〕点

 

[68]点

 
 
 

______

 
 
 
『ジェミニマン』
 
Geminiman
 

監督🎬

【アン・リー】

 

出演者

【ウィル・スミス】【メアリー・エリザベス・ウィンステッド】

【クライブ・オーウェン】【ベネディクト・ウォン】

 

 

本編⏰[117]分

 

公開日[10月25日]

 

 
アカデミー賞監督の【アン・リー】とヒットメーカー【ジェリー・ブラッカイマー】に、主演が90年代後期のスター俳優【ウィル・スミス】となれば自ずと期待する。
 
 
上で書いたキアヌ・リーブスもそうだが、40・50代のアクション俳優になれば、現役ではなく、引退した元殺し屋という設定になってくる。
 
冒頭ののどかな隠居生活が一変、殺し屋がやってきて、我が家を襲撃するパターンが多い。
 
 
今作の物語は、自分のクローンが自分を殺しにやってくる。
自分のクローンは若く全盛期の自分。今の自分は熟練だが各所に衰えを感じる。
 
見所は、何と言ってもウィル・スミス❌ウィル・スミスの「まさかの共演」。
同じ顔の俳優が2人いるのは正直気持ちが悪かったが、違和感はなかった。
 
アクションシーンは圧倒されるが、物語に深みが足りない。数あるアクション映画の1つに収まる印象。
 
 

脚本 〔14〕点

演技 〔14〕点

構成 〔13〕点

展開 〔13〕点

完成度〔15〕点

 

[69]点

 
 

______

 
 
 
 
『フッド:ザ・ビギニング』
 
原題)Robin Hood
 
 
 

監督🎬

【オットー・バサースト】

 

出演者

【タロン・エジャトン】【ジェイミー・フォックス】

【ベン・メンデルソーン】【イヴ・ヒューリン】【ジェイミー・ドーナン】

 

 

 

本編⏰[116]分

 

公開日[10月18日]

 
 
 
昨年の秋にアメリカならび海外で公開された作品で、『ロビンフッド』が大好きなmAbは心待ちにしていた。
主演は日本での公開作が続く【タロン・エジャトン】。演技的には可もなく不可もなしの俳優のイメージだが、今作はハマっていた。
 
 
牧場主の地主だったロビンフットは
戦争で出兵命令が下り戦地に出向き、そこで弓の名手となるが、何度となく九死に一生を得る。
 
 
帰国したロビンフットが目にしたのは、廃屋化した我が家と貧困にあえぐ町。そして愛する恋人が別の男と生活しているという衝撃的な事実。彼が戦死したと聞かされた恋人は、傷を癒すために新しい恋人を作ったのだ。
 
 
大ショック!!そんなロビンは戦地で戦い連れてこられた黒人奴隷と再会し、彼から戦い方を教わることに。
そして国が強制的に徴収する税金を奪い、その盗んだ金を貧しい町民たちにバラまく、石川五右衛門に。
 
やられっぱなしの国は対策として、最強のボディガードを雇い、盗賊ロビンフットを迎えうつ。
 
 
映像の迫力、アクションシーン、異論なし。
 
 
 

脚本 〔15〕点

演技 〔14〕点

構成 〔14〕点

展開 〔13〕点

完成度〔14〕点

 

 

[70]点

 
 
 
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【mAb】

THE映画評論『Last Christmas』

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『ラスト・クリスマス』

 

 

 

 

昭和の少女漫画家が脚本を書いたのか!?と思ってしまうほどありきたりな脚本ですし、絶賛!というわけではないですが、久しぶりに1記事を書きたくなったので書きます。

 

 

監督🎬は『ゴーストバスターズ2016』の【ポール・フェイグ】。

 

 

英国(ロンドン)が舞台で英国にゆかりのある俳優が出演なので、てっきり英国映画かと思って観ていましたが、アメリカ映画となります。

 

 

劇中歌はワムの名曲『ラスト・クリスマス』。クリスマスになると日本でも国中の繁華街で流れますね。

 

 

自分の耳の記憶の中では、小学生だった90年代に街に流れるクリスマスソングといえば、『クリスマスイブ』と『ラストクリスマス』の二曲になります。子供心にバブルの都内の街並みにワムは豪華絢爛で、30年以上の時が流れた現代の街並みにも変わらず二曲とも流れていますから抜群の安定感があります。逆に寂しいことを言えば、それ以上(以降)に愛される王道のクリスマスソングが日本ではまだないということでしょう。

 

 

 

主役の女優は【エミリア・クラーク】〔33〕。

遅ばせながら『ゲーム・オブ・スローンズ』を半分ほどDVD鑑賞しましたので、デナーレス役という認知があります。

2015年の『ターミネーター』のヒロインでもありますので、世界的な女優さんになるのでしょう。

 

 

個人的に、劇中のエミリア・クラークを観ながら、自分の好きな女優さんを思い浮かべていまして・・・

 

それが【レイチェル・マクアダムス】。アダムスのような「金髪」+「犬系」の顔立ちの女優さんが好きです。劇中は何度も可愛いなぁと思いながら鑑賞できたので、感情移入もしやすかったし目の保養にもなりました✌︎('ω'✌︎ )

 

 

公開日は[12月6日]で、本編の上映時間は[1時間43分]です。予告を入れてちょうど2時間かな。この記事を読んだ方が今作品に少しでも興味を持っていただけるように描きたいと思います。

 

 

___

 

 

 

あまり長く書く予定はないので、さっと読んで気になりましたら映画館へ。

 

 

舞台は英国はロンドン。私の大好きな街です。

 

 

クリスマスの時期です。

 

 

やはりクリスマスはカトリック圏のお祭りですから、「ヨーロッパ=クリスマス」というだけで、とてもしっくり来るのは私だけかしら。

 

 

主人公のケイトは心配になる生き方をしています。

 

 

彼女の一家は旧ユーゴスラビアからの移民で、内戦の中、海を渡って英国にやってきたという過去があります。

裸一貫で私財もなく英国にやってきて、現在は一軒家に住んでいます。それを考えるだけでもグッときます。

 

 

そのぶん家族の絆は強いと思うのですが、表面上ではバラバラです。

 

 

ヒステリックな母。そんな妻が苦手で避けるように生活している父。レズビアンを告白できない姉。そして主人公の次女。

 

 

この時期、イギリス国内で移民排除の運動が行われて、連日テレビではその様子を報道しています。

特に母親は強制送還されるのではないか?と気が気ではありません。

 

 

主人公のケイトは「帰る家」はありますが、(冒頭の時期は特に)あまり帰ろうとしません。実家はロンドン市内からバスで行ける距離なのに、まるで家出少女のような日々を過ごしています。

 

 

お酒が好きなようです。

 

 

パブ(イギリスの酒場)で一人飲みをしていると、かなりの確率で男にナンパされます。

 

 

ケイトはその知り合ったばかりの男の家に泊まります。もちろん体の関係はあるでしょう。

 

 

別に男目的で一人飲みしているわけではないのでしょうけど、そう思われても仕方はないので、心配になるし、正直なんでこんな生き方をしているんだろう?と印象は悪いです。

 

 

今夜の宿が確保できない時は、友達の家に転がり込みます。

 

 

しかし彼女は毎回、粗相をします。粗相といっても「ドジっ子」を想像してください。

 

 

相当な天然さんで、友達の家で、くつろぎすぎて、転んで家のものを壊したりするなど、何かしらのハプニングを起こします。

 

 

冒頭の女友達の家では、泊めてもらっている身分で一人飲みにいって酔っ払って「行きずりの男」を連れて帰ってきて行為に及ぶ・・友達にしてみれば知らない男を自分の家に連れ込んでいる・・さすがに「もう来ないで!」ですよね(^◇^;)

 

 

彼氏はいないようです。そりゃそうでしょう。恋愛映画のオープニングなんですから(笑)

 

 

バイト先はクリスマス用品を扱う専門店。二階使用で大きなお店ですが、バイトは彼女1人です。

 

 

【サンタ】という名前の女店長は在英中国人。女優が【ミシェル・ヨー】〔57〕なので、私は真矢みきさんを思い出し安心感を持ちます。

 

 

 

 

中国人女店主は、メイドイン中国のツテを頼ってか、ヨーロッパでは手に入らないようなクリスマスグッツを店内で販売しています。

 

彼女も主人公同様、独身でクリスマスに過ごす相手はいないようです。

 

 

___

 

 

 

時期は12月に入った辺りかな。ラストシーンがクリスマス本番になるので、約1ヶ月間を描く「クリスマスの奇跡」の恋愛映画だと把握して鑑賞しました。

 

 

店は繁盛しているように見えます。店内の電飾が明るくキラキラしているのでお客が少なくても賑わって見えるのかもしれません。

とても贅沢な空間にも感じます。

 

 

クリスマス商戦でケイトはエルフのコスプレです。エルフとは北ヨーロッパ伝承の妖精のこと。

 

 

 

 

話は変わりますが、最初エルフと言われるまで、緑色のサンタなのかな?と思っていました。

日本で売られる近年のサンタのコスプレでは、色んな色のコスチュームを見るので、「赤いランドセルは古い」じゃないけど「サンタ服=赤い」の常識は私の中で低くなっていました。これがエルフなんだぁぁ。(日本はゴチャマゼだからね)

 

 

 

彼女のキャラ(明るく・感情的でおっちょこちょい)がいいので、お客様受けはよく看板娘になっているのですが、雇い主からすれば手を焼く存在。心ここに在らずだったり、勤務中に携帯をいじったり、店長に無断で店外に出ていったり、かなり自由。

 

 

サンタ店長はいつも彼女を気にかけ、目を光らせて注意に熱心。

 

 

店の鍵を預けていますので、戸締まりをちゃんとせずにデートに出かけたりもされます。預けた店長にも責任ありますね。ミシェル・ヨーの涙をこらえる演技にグッときました。

 

 

でもまぁなんだかんだで上手くやっているお二人です。

まるで『ナースのお仕事』の松下由樹さんと観月ありささんみたいな関係性に思えます

 

 

話は変わりますが、クリスマスが終わったら、日本の場合は翌日からお正月の準備ですけど、欧米は2ヶ月くらいムードが続くと聞きます。こういう専門店ってシーズン以外はどうするのでしょう?海の家の冬みたいな感じなのかな(^◇^;)?

 

 

__

 

 

 

ある日。

 

 

性懲りも無く、自由なバイトスタイルで店外に飛び出したケイトは、一人の男性と出会います。

 

 

長身のアジア系で、ハニ噛んだ笑顔が素敵な好青年。少年のようにはしゃぐ人。

 

 

男性は明らかに気に入られようとアプローチしている。しかしなぜだかケイトはそっけない。

それまでが少し軽い女に映っていたので、彼の善意的で優しい問いかけのわりに、反応が悪いのが気になりました。

 

 

彼の口癖は「上を見ろ」。色々な発見ができますし、おそらく人は下を向くより上を向いた方が心は晴れる。

 

 

その日から彼は彼女の前に現れます。

 

 

2度目の出会いは人生どん底の日。

 

 

歌手志望のケイトは大事なオーディションに遅れてしまい。トボトボと帰宅。バイト先から直行したのでエルフ姿。

 

 

その道で彼は自転車の鍵をかけていました。偶然だね。あなた私を付けてるの?

 

 

彼はなんとか彼女に明るくなってもらおうと励ましたり、おちゃらけたりと、ポジティブに振舞います。

 

 

元々惚れっぽい女性ですから打ち解けるのも早い。(実際はそういう設定ではないとは思いますが、100分台映画のカット割り上、常にケイトには男性がいるように観えました)

 

 

それからはバイト終わりに自分の前に現れる彼のことを楽しみに待つ時間に。

 

 

彼と過ごすことで、温かく穏やな気分で入れて、それまでのように家出娘ではなく実家に帰るようになっているので、単純によかったなぁと(^_^;)

 

 

 

外出時には携帯を持たないと言う彼。連絡手段はないので、しばらく自分の元に現れないことにより不安になり恋心のドキドキは上昇。

 

 

自分としては携帯を家の戸棚に置いて持たないということや、慈善活動をしているという好青年ぶりと、俳優の過去の作品から、大企業の社長さんなのかな?とも思っていました。

 

 

 

アジア人の青年トムを演じる俳優は【ヘンリー・ゴールディング】[32]。

 

 

この俳優のデビュー作を劇場鑑賞しています。(記事には書き残していませんm(._.)m)シンガポールの貴族を演じた『クレイジー・リッチ』という作品です。TOHOで上映されたので鑑賞しました。

 

 

 

Wikipediaの情報では、本人は英国人の父親とマレーシア人の母親との間に生まれたハーフで英国育ち。20代前半でマレーシアで芸能活動を始め、昨年クレイジー・リッチでアメリカ映画デビュー。現在今後が最も注目されるアジア系俳優です。

 

 

 

気になったのは、彼のマレーシア人の母親が先住民族のイバン族の家系であること。イスラム教徒でもマレー人でもないダヤク族(イバン族)はボルネオ島の先住民族で、最も有名なのは「首刈り」と呼ばれる別の集落の敵の首を刈る殺人で、その首を煮て乾燥させを繰り返し、干し首にして小さくして持ち歩いていたという民族です。今は流石にコンプライアンス的にもないと思いますが(^◇^;)マレーとかパプアなど、この辺りの先住民族って怖いですよね。

 

 

___

 

 

 

そろそろ記事を〆ますよ。

 

 

トムとしばらく会えていないことで不安になったケイトは、トムがホームレス達相手にボランティアをしているという教会を訪ね、それ以降、現れない彼に変わって炊き出しや職員の手伝いをしたり、クリスマスパーティの主催をしたり、彼「きっかけ」で自分自身が変わっていく、心の成長に◉。

 

 

元々、人間性は柔らくて優しい主人公ですが、自分が一番いいなと思ったシーンを紹介します。

バスに乗っている際、英国人が旧ユーゴスラビア移民の夫婦に「国に帰れ!英語以外を話すな!」と凄い剣幕で怒鳴りバスを降りていきます。その後、他の乗客が後に続かなかったのでホッとしましたが、車内の空気は最悪。

 

ケイトは夫婦の隣に駆け寄り、自分も同郷だと同じ言語を話し微笑みかけます。そこには、普段のおっちょこちょいで、ドジで悪気のない天然娘の面影はありませんでした。

 

 

オスカー女優であり今作の脚本家でもある【エマ・トンプソン】[60]演じる母親がテレビで移民差別のムードが高まっているというニュースを見ながら、強制送還を恐れて家から外出できないでいるので、ただの恋愛映画ですけど、歴史的背景や状況を勉強したいと意欲的に思えるテーマも描かれていました。

 

 

 

もう1つ。今度は気になった話です。

中盤で紹介されることですが、ケイトは心臓移植をしていて、手術前の人生は恐らく色々なことが制限されてきたのでしょう。それゆえに命のありがたみみたいなものは人一倍知っているのでしょう。

 

しかしそれを描かれると正直首を捻りたくなってしまうのが、前半部分では毎夜、酒場で知り合った男の家に転がり込んで、ナンパ男達と一夜を過ごす生活をしていますが、彼女は胸のところに結構な手術跡があるはずなのに、行きずりの男はそれを見て「引かない」のでしょうか。

 

 

なんだかそれまで普通の体の女性みたいに描かれていたので、途中(告白後)から取って付けたような脚本だと思いました。

 

 

出だしでも書きましたが、非常にありきたりな脚本で、既存の作品を真似たのではないか?と疑いの気分にもなりますけれど、

 

2人の男女の主役は「愛くるしい」しロンドンの冬の町並みにもとても合っていて「好感」を持てます。

 

 

 

 

こんなに幸せそうに笑ってくれると観ているこちらも幸せな気分になります。

 

 

 

それとこうも考えました。

 

 

この作品を中高生が観たら「思い出の映画」になるのではないか?と。

 

 

映画鑑賞歴が長くなると比較対象数も増えて、「これはあの作品に、あれはあの作品に、」と偉そうにも雑念が働き、どうしても完全には純粋な気持ちで鑑賞できなくなります。

 

 

自分が中学生の時に、こういうラブストーリーを観たら、帰り道は気持ちホクホクになるんだろうな。

 

 

それで付き合いたての彼女に「手・・繋いでいい?」なんて聞いたんだろう。

 

 

心の中に温かい思い出があると、きっと人はそれだけで幸せだと言えます。

 

 

書くのが遅くなってしまったことで現在は1日の上映回数が少ない状況かと思いますが、愛嬌のある映画なのでオススメ致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脚本 12点

演技 14点

構成 13点

展開 13点

完成度13点

 

追加項目

 

優しさ+1点

温かさ+1点

 

 

[67]点

 

 

 

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【mAb】

 

 

『THE映画評論9作品』

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『マレフィセント2』

 

原題)Maleficent:Mistress of Evil

 

 

 

 

 

 

監督🎬

【ヨアヒム・ローニング】

 

 

出演者

【アンジェリーナ・ジョリー】

【エル・ファニング】

【ミシェル・ファイファー】

【ハリス・ディキンソン】

【サム・ライリー】【キウェテル・イジョフォー】

 

 

 

本編⏰[118]分

 

公開日[10月18日]

 

 

 

私は完全にエルファー(【エル・ファニング】)目当てで鑑賞しているのですが、前作以上に満足しました。

 

シリーズ2作目となる今作は「ファンタジーアクション」の要素が強くなり、期待以上に興奮したし純粋に楽しかったです。

 

 

特に圧巻だったのは【アンジェリーナ・ジョリー】の存在感で、美しさは勿論のこと、ここ何年か私生活のニュースが報道され演技派としての魅力が薄れたように感じていましたが、まさに「女王ここにあり」でした。

 

 

アンジェリーナといえば、慈善活動と全身に掘られたタトゥーの人。常に隣に男性がいるイメージと結婚生活が短いことでも有名な人物で、あんなに世間を騒がせたブラピともやはり離婚。そして家系に女性の病気が多いことを受け乳腺・卵巣・卵管を切除する手術を受けたことで世界に衝撃を与えました。女性人気が非常に高い人物ですが、今作品を視て「アンジーここにあり」でしたから「女優」としてのキャリアも上がるでしょうし、数年以内に再びアカデミー賞を取るんじゃないかと思いました。

 

 

今作のパート2は、冒頭で「妖精の国」のオーロラ姫と、川を挟んだ隣国「人間の国」の王子フィリップがついに婚約。

プロポーズから結婚式までがストーリーテラー。

 

 

演者の見所は、アンジェリーナ・ジョリー、そして【ミシェル・ファイファー】の2大名女優による闘い。

 

 

妖精の国の姫オーロラ。人間の国の王子フィリップ。メアリーミー?オーケーよ!

 

接吻。子役の頃からエルファーを観ているmAbはオーマイガーΣ(・□・;)

 

 

両家の顔合わせの舞台は嫁ぎ先となる人間の国へ。

 

 

オーロラ姫の母は悪名高き魔女マレフィセント。新婦の母として人間の王国に入国しますが、人々は最大限の警戒をし迎え入れます。人間界では親が子に「昔々あるところに悪い魔女がいました」とベットタイムストーリーで語り継がれてきた人物です。

 

 

マレフィセントの悪いイメージを利用し、悪巧みを考えているのはM・ファイファー演じるイングリット王妃。

 

 

王妃は会食中、王に毒針をプスッ。それをマレフィセントのせいにしオーロラと仲違いにさせ「出てけ!」と王国から追放すると、妖精の国から拉致した妖精から抽出したエキスを使い、魔法を使う厄介な妖精たちを滅ぼし自らがこの世界のトップになろうと企てるのです。

 

 

結婚式当日。オーロラは軟禁。マレフィセントは不在。妖精の国からは多くの妖精たちが結婚式に参列しようとやってくる。

イングリット王妃は妖精たちを教会に閉じ込めて、触れると死んでしまう劇薬を巻きます。1で馴染みの妖精も消えて無くなる。

 

 

一方のマレフィセントは攻撃を受け重傷に陥りますが、それを助けたのが同じ種族の者たちでした。今「人間vs妖精」の大戦争が幕を開ける。

 

 

うん。面白い。パート3も期待しています٩( 'ω' )و

 

 

 

 

脚本 〔14〕点

演技 〔14〕点

構成 〔15〕点

展開 〔14〕点

完成度〔14〕点

 

[71]点

 

 

 

______

 

 

 

『マチネの終わりに』

 

 

 

 

監督🎬

【西谷弘】

 

 

出演者

【福山雅治】【石田ゆり子】

【伊勢谷友介】【板谷由夏】【桜井ユキ】【古谷一行】

 

 

 

本編⏰[123]分

 

公開日[11月1日]

 

 

 

【福山雅治】さん[50]。お世話になっております( ✌︎'ω')✌︎

ドラマに映画に出演作が次々と発表され、嬉しい限りです。

 

 

ここ何年か、1周りも2周りも年の離れた「若い女優」をカップルにした映画に出演されていたので、本質的なことを忘れがちになっていましたが、同じトレンディ時代に活躍された同年代の女優【石田ゆり子】さん[50]との恋愛ドラマを見ていて、あゝこの人は愛くるしいんだな、と思いました。中高年の同年代・同世代って恋物語としての共演はどうか?も、同じ時代を生きたぶん落ち着いて視えます。

 

 

この映画はクラシックギターの演奏者が、40代の海外在住女性記者に運命を感じ猛アプローチ。やがて交際に発展していく映画です。年齢設定がよく分かりませんが、恋愛の見方は男女違った用途で描いています。

 

 

福山君は「駄々っ子」で「子供のような少年の心」を持つ恋愛模様で、石田ゆり子さんは男性を包む「母性に溢れている」ように観えました。多分お二方が共演するとどの作品でも自然とこうなるのでしょう。男の方がマザコンだなと観てて思いました。

 

 

石田ゆり子さんの役柄は作品に問わずちょっと気の強そうな「Sっ気」があって、男を「説教する」ような所作がいいですね。

 

 

主人公のギター奏者・蒔野は自身のソロコンサート中、客席に座る女性に強い縁を感じます。一目惚れなのか?ソウルメイト的な運命なのか?

 

 

彼は演奏中に深い孤独の世界に自らが入り込んでしまうタイプの音楽家。職業柄時々そのような芸術家とお会いしますので理解しやすかったです。

 

 

そして独身。人生の半分を過ぎて守るものがありません。

メンタル的にも日々限界を感じており、公演後は楽屋に引きこもって踠いています。記者や報道陣に説明する女性マネージャーは大変そうですが、彼の能力や人柄に惚れ込んでいるので、健気にも彼のサポートに務めています。

 

 

公演後に【板谷由夏】さん演じるイベンターに連れてこられた友人が石田ゆり子さん演じるヒロイン洋子で、さっきまでの焦燥は何処へやら、楽屋から出てきて「あなたのために弾いた」とイケメンだから許される臭いセリフを吐く。その夜、気の知れた身内(スタッフ)の打ち上げにも招待し、連絡先を聞いてその日は帰宅。

 

 

時は流れ彼女が務めるフランスはパリでテロが発生。主人公は急激に彼女を意識し、何度も何度も無事を確認するメールを送る。その後、連絡が取れ、目の前で起きたテロで友人を失い精神的に不安になっている彼女を励まし、一気に猛アプローチをかける。

 

 

婚約者がいると彼に伝える彼女だが、福山雅治プッシュ!プッシュ!プッシュ!!

結局婚約を破棄した彼女は、彼との交際を決意し帰国。しかし結ばれるはずだった2人はすれ違うことになる。雨の強い日本の夜だった。

 

 

前半の1時間までは満足。中盤以降は「なよなよしい」印象。40代50代の落ち着いた恋愛を期待していたぶん、軽いのか?重いのか?分からぬ中間線で映画全体が進行しているように感じた。

 

 

恋愛はするまでが楽しく、付き合いたては絶頂の幸福感を得る。

しかし恋愛が始まってしまえば、観ている側にも「飽き」が来るんだと思う。

海外ロケ含みいい映画なのは確かだけど、どっちにも転べる消化不良感が多少ある。

 

 

最後に1つ。

 

 

W主演以外のキャストを調べずに鑑賞に望んだものですから、大きな思い違いをしました。

 

 

専属マネージャー役で出演されていた女優さんを鑑賞中ずっと【岸井ゆきの】さんだと思い込んで演技等をチェックしておりましたが、エンドクレジットで【桜井ユキ】さんと知り、この2時間なんだったんだーΣ(・□・;)って白紙。ですが画像検索してみるとお二方とも似てる(^◇^;)や比較記事まであって、私自身は正直見分けがつきません。ついに「みんな同じに見える」オジサン化!?今は沢山の男優女優さんが映像演劇に出てくる時期なので、ちゃんと記憶しようと思わせてくださいました。

 

 

 

 

 

 

脚本 〔14〕点

演技 〔14〕点

構成 〔13〕点

展開 〔14〕点

完成度〔14〕点

 

[69]点

 

 

 

 

__________

 

 

 

 
 
 
『IT THE END』
 
IT:Chapter two
 
 
 

監督🎬

【アンディ・ムスキエティ】

 


出演者

【ジェームズ・マカヴォイ】

【ジェシカ・チャスティン】

【イザイア・ムスタファ】

【ジョン・ライアン】【ビル・ヘイダー】

【ジェームズ・ランソン】【アンディ・ビーン】

 

 

本編⏰[169]分

 

 

 

長尺で3時間あるので、事前にしっかりトイレを済ませて、ロビーで大きめのポップコーンを購入して準備万端で鑑賞。
 
 
1990年のオリジナル。リメイクの前作(2017)と、とにかく注目を集める作品。
 
 
今作の後編(2019)で一番驚いたのはキャスト。小学生だった子役が成長する過程で27年後の俳優に引き継ぐ。
 
 
多くの主演作がありX-MENのプロフェッサー役としても有名な【ジェイムズ・マカヴォイ】に、ヒロインにはなんとオスカー女優の【ジェシカ・チャスティン】が主演。
 
 
こういう冒険系ホラー映画には出演されないような演技派俳優たちが集まった。
本圀アメリカでの【スティーブン・キング】作品の人気をうかがえるが・・・後編は駄作だ。
 
 
鑑賞中は 常に驚かしを優先する削ぎ落としの展開にガッカリしたし、裸の巨大老婆の容姿は「ふざけてるんじゃないか?」とシラけてしまいました。27年周期で町に現れては子供だけを狙う連続殺人鬼ペニーワイズ。子供時代に正体を知られながら殺し損ねた主人公たちを今度は本気で殺りにきます。まずは幼少期のトラウマを本人たちに幻覚としてみせ精神的に弱らせる。
 
 
ここまで各場面で驚かしを入れることないのになぁ。。でも欧米だとリアクションが大きいから受けが良く視えるんだよなぁ。。
 
 
1990年作『It』が私の中で神作で思入れが強いので、これだけ演技面を評価されている豪華な俳優を揃えておいて、オリジナルを超えられないとは、、、前編はワクワクしたんですけどね。後編はシクシクでした。
 
 

 

 

 

 

脚本 〔14〕点

演技 〔14〕点

構成 〔13〕点

展開 〔13〕点

完成度〔13〕点

 

 

[67]点

 

 
 

______

 
 
 
日本映画
『楽園』
 
 
 
 
 
 

監督🎬

【瀬々敬久】

 

出演者

【杉咲花】【綾野剛】【佐藤浩市】

【村上虹郎】【片岡礼子】

【柄本明】【黒沢あすか】

 

 

本編⏰[129]分

 

公開日[10月18日]

 
 
気になった役者を数人。
 
 
フィリピーナを演じる【黒沢あすか】さんの存在感がいい。本当にフィリピン人だと思って劇中は観ていました。
昨年最も話題になったドラマ『あなたの番です』で中国人役を演じた金澤美穂といい、日本人がカタコトの日本語を演じて存在感を出すのは素晴らしいと思います。90年代に日本に渡って来たフィリピーナの子供は、20代30代となり現在の芸能界に沢山いますので、今後はその方々を起用した方がリアルかもしれません。
 
 
【柄本明】さん演じる老人の孫が行方不明になることから物語は始まります。この柄本さん演じる老人がほんと憎たらしくて、最初は同情しますけど、最終的に大嫌いになります。
 
 
前半の主人公は【綾野剛】君演じる気弱なハーフの青年。フィリピン人の母親と田舎で2人暮らし。神社の週末バザールでリサイクル品を売っていますが、母親が恋人(日本人)に暴力を振られている状況でパニックになり、柄本さん率いる町内会に助けを求めます。彼は「おつむ」が弱いと町中の人が噂していて、中盤は中世の時代のような田舎町の魔女狩り。怖かったですね。
 
 
この映画の村の人達は限界集落なのにプライドも高い。男尊女卑で、【佐藤浩市】さん演じる蜂蜜農家が村のためを思って村おこしをしようとするのを応援しつつ陰口を叩いて笑ってる。田舎町のドロみたいな部分を観た思いです。
 
 
映画の起点となるのは小学女子児童失踪事件
幼馴染の2人の少女が学校からの帰り道。お互いの家に分かれるY字路でバイバイ。その後、消息を絶ちます。その夜から地元民・警察・消防などがフル稼働で捜索に当たりますが、結局見つからないまま時が流れます。
 
 
この失踪時の最後の目撃者となる幼馴染の少女。大人になった役を【杉咲花】さんが演じます。
彼女のその後の人生は楽しいことなんかないように思えます。責任を感じているのか、何かを隠しているのか?は分かりません。
 
 
劇中特に気になったのは、柄本明さん演じる老人の態度で、やたらと杉咲花さんにアタリが強くて、孫娘が行方不明になって「お前はなんで生きてるんだ!?」と言い寄ったり、親しみがありません。私個人としては「孫の分まで命を大事にしてくれ」と願って欲しいのですが、これがカゴメカゴメと閉鎖された田舎の考え方と下町人情の価値観の違いなのかな?とも自分の考えを思惑します。
 
 
この映画は「温かみ」という人情要素が一切ないように私には感じたので、観ていてドヨーンとした気持ちになります。
脚本自体は「あの日、あの時、あの場所で」の選択肢・分岐点を中心に描いているので、見易さがあります。
 
 
日本のニュースでも毎年報道されますが、子供を狙った誘拐や失踪はほんの些細なタイミングのズレで起きるので、皮肉なものだなと思いました。都会のように防犯カメラがない田舎の畦道、誰が拉致?
 
 

 

 

 

 
 

脚本 〔13〕点

演技 〔15〕点

構成 〔13〕点

展開 〔14〕点

完成度〔13〕点

 

 

[68]点

 

 
 

______

 
 
 
 
 
日本映画
『ひとよ』
 
 
 
 
 

監督🎬

【白石和彌】

 

 

出演者

【佐藤健】【鈴木亮平】【松岡茉優】

【田中裕子】【音尾琢真】

【筒井真理子】【韓英里】【MEGUMI】【佐々木蔵之介】

 

 

公開日[11月8日]

 

 

日本映画界で権威のある白石和彌監督。白石組のスタッフは優秀だという評判をよく耳にする。

 

 

今回の作品『ひとよ』は、公開前の段階で「日本映画史に残る名作」などという「言い切ったキャッチコピー」がチラシなどで打たれていて、そういうことは観てから(封切られてから)言って欲しいなと思った。ハードルを上げて観た作品に首をひねった過去は1度や2度じゃない。

 

 

誰も手に負えないほど家庭内暴力を振るう夫を、自身が運転する車で轢き殺す妻。というショッキングなオープニングシーンから始まる。

 

 

母親は警察に出頭する前に3人に子供達に報告をする。父ちゃんを殺しました。母ちゃんは警察に行って刑務所に入ります。平然を装いながら淡々とした口調で云う。演じる女優【田中裕子】さんは出演作を見るたびに印象に残る演技をなさる。

 

 

時は流れ、母親の出所に合わせた時期まで早送りをする。映画の都合的な進行で「それから15年後」に。

 

 

小中高だった3人の子供は成長し、皆それなりの年になっているが、幸せか?で観れば、そうは見えない様子と雰囲気。

 

 

水商売(スナック)で働く長女は3兄弟の末っ子。子供の頃はお人形さんの髪を切るのが好きで美容師になる夢があった。

 

 

長男はサラリーマン。現在女房に離婚届を突きつけられている。子供の頃から吃音なので相当敬遠の目で見られてきたのだろう。

 

 

そして主人公の次男はエロ雑誌の記者。実家にはほとんど帰らない。口も悪いし態度も悪い。冷めたように振る舞うが心根は熱く、いい男だ。

 

 

田舎町にある実家のタクシー会社は、経営者が夫を殺すという殺人事件により世間から必要悪とみなされ執拗な嫌がらせを受けたが、事件後は社名を変えて営業を再開している。【音尾琢真】さん演じる甥っ子社長が本当にいい味を出している。

 

 

そんな3兄弟の元に、いよいよ出所した母親が現れる。出所後すぐに戻ってきたわけではなく全国方々を旅しながら、意を決して戻ってきたと云うだけあって、たくましい雰囲気が身を纏っている。一体どんな獄中生活を過ごしたのだろうか?

 

 

田舎は狭い。すぐに殺人犯が戻ってきたという情報が入り、タクシー会社はタイヤをパンクさせられたり、罵詈雑言の貼り紙を巻かれたりという嫌がらせを受けることになる。鑑賞中、嫌がらせをする犯人も一度刑務所に入ったらどうだろうか?と思った。

 

 

母親が父親を殺して15年間刑務所に入った。残された小・中学生の3兄妹。あんたのせいだ。どんな思いで俺たちがそのあとを過ごしてきたか、あんたは知らないだろ!

 

 

「妻」としては耐えられる。私が選んだ男だから。けれど「母親」としてはこうするしかなかった。

テーマは重いし虐待のシーンはリアルだけれど、最後まで飽きることなく観きれる作品に仕上がっていた。

 

 

「一夜」の出来事。積み重なったものがある一夜に音を立てて集結した。そして想う「人よ」。

 

 

 

 

 

 

脚本 〔13〕点

演技 〔14〕点

構成 〔15〕点

展開 〔15〕点

完成度〔14〕点

 

[71]点

 

 

 

______

 
 
 
 
 
『ターミネーター ニュー・フェイト』
 
原題『Dark Fate』
 
 
 
 
 

監督🎬

【ティム・ミラー】

 

出演者

【マッケンジー・デイヴィス】

【ナタリア・レイエス】

【リンダ・ハミルトン】

【アーノルド・シュワルツェネッガー】

 

 

本編⏰[128]分

 

公開日[11月8日]

 

 

公開前の予想とは違い11月中に1日の上映本数を減らす劇場の対応が目立った。

 

 

興行的にも評価的にも大失敗した作品と後追いで知る。公開前から「ターミネーター2の正統な続編」という売り込みがすごかったので、【ジェイムズ・キャメロン】監督の1991年作品を、所持するDVDで鑑賞してから今作に臨んだ。

 

 

28年の時の流れに少々ショックを受けたのが、今作で28年ぶりに出演するサラ・コナー役の【リンダ・ハミルトン】[63]が、、、、随分おばあちゃんだったこと。口も悪く男勝りな役柄を演じていて、ファンの人は懐かしいだろうけど、第一印象が私としては引いてしまったかな。

 

 

今回の物語は、未来で重要的な役割を担うメキシコ女性ダニーを抹殺すべく過去に送り込まれたターミネーター「REV-9」と、ダニーを守るために2020年の現在にやってきた半ターミネーター「グレース」の死闘を描きます。グレースは分かりやすくいうと仮面ライダーかな、改造人間。白のタンクトップ姿で長身の白人金髪ターミネーター。

 

 

襲いかかるREV-9(レブ・ナイン)は最新型ターミネーターで、【アーノルド・シュワルツェネッガー】元州知事が演じたT-800をはるかに凌ぐ殺傷能力を兼ねそろえていて最強最悪の敵。ターミネーターの基本としましては、目的が「ターゲット殺害」なので余所見はしないし情や情けも一切ない完全な殺人兵器のロボットです。

 

 

グレースから護られるダニーは、普通の一般庶民でしたが、展開が進む度にどんどんと逞しくなって、中盤以降は率先して女戦士と化しています。

さらにサラ・コナーと人間の生活をするT-800が仲間に加わり、共闘しREV-9を倒しダニーを護ろうと最終決戦に挑みます。

 

 

古参と新規キャラの豪華な共演模様が見所。少々残念なのは主役であるはずのダニーがイマイチ目立った印象でないことかな。

若いままの見た目でいると思っていた名俳優に刻まれた皺と、息切れの様子を観ました。

 

 

 
 

 

 

 

 

脚本 〔14〕点

演技 〔14〕点

構成 〔13〕点

展開 〔13〕点

完成度〔14〕点

 

[68]点

 

 
 

______

 
 
 
日中映画
『オーバー・エベレスト』
 
 

 

 

監督🎬

【ユー・フェイ】

 

出演者

【役所広司】【張静初(チャン・ジンチュー)】

【林柏宏】【ビクター・ウェブスター】【ノア・ダンビー】

 

 

本編⏰[110]分

 

公開日[11月15日]

 
 
 
予想通り打ち切りになるのが早かった作品。多くのTOHO劇場が3週間で公開終了の運びに。私が鑑賞した公開2週目の水曜日の夕方はレディースデイにも関わらず観客は10人程度でした。日本で公開するアジア映画って短命の傾向が強いです。
 
 
日中映画でアジアの俳優たちによる共演が見所の一つですが、私自身は【役所広司】さん以外初見の俳優さんなので、まずは顔を覚えることから映画を観始めました。顔とキャラをいち早く覚えない限り映画全体を理解する読解力が怠ると思っています。
 
 
世界最高峰のエベレストで救助活動をするチームの物語で、そのリーダーが役所広司さんです。
非常にチームワークが取れたチームで、行きつけの酒場を貸し切りにして宴会を開く様子は青春映画のよう。
ある年にヒマラヤの地でサミットが開催されることとなると、黒い陰謀が秘密裏に始動していて、救助チームが巻き込まれるという展開に。戦争を引き起こす機密文書を乗せたヘリがヒマラヤの頂上に墜落。それを手にするべくヒマラヤ救助隊が登頂を目指す。
 
 
雪深いエベレストの山中、目撃者がいない状況での殺人。チームのメンバーが1人1人と消息不明に。そこにあるのは白銀と自然の猛威、そして「無」の境地。新入りでヒロインの中国人女性は、エベレストで行方不明になった恋人の消息を探すためにチームに入隊。
 
 
自分としては予告編が一番面白かったです。迫力感がエグすぎる予告でした。
下にYouTubeの公式予告を貼らせていただきます。
 
 

 

 

 

ハリウッド映画でこのような脚本はたくさん観ていますし、正直初見ではそこまで好みに感じない作品だったのですが、予告編を再び観て「あれ、思ったより面白いんじゃないか?」と独り言を呟いたので、ディスク化したらもう一度観てみようと思いました。

 

 

 

脚本 〔13〕点

演技 〔14〕点

構成 〔14〕点

展開 〔13〕点

完成度〔14〕点

 

 

[68]点

 

 

______

 
 
 
『ブライトバーン』
サブ題)恐怖の拡散者
 
 
 
 
 

監督🎬

【デヴィッド・ヤロヴェスキー】

 

出演者

【エリザベス・バンクス】【デヴィッド・デンマン】【ジャクソン・A・ダン】

 

 

本編⏰[91]分

 

公開日[11月15日]

 
 
 
シネコン時代の昨今。選別されているからか?日本に入って来る洋画に対し昔ほど「ハズレ」の作品が少なくなったように思います。どの作品も平均的には面白いです。特に日本映画過多の傾向により、洋画の本数が減らされ、故に少数精鋭公開みたいな感じ。
 
 
そんな中で久しぶりに観たB級映画。途中あたりから、中高生の映画同好会が考えた作品なのかな?と本気で思ってしまったm(._.)m両手の平を上にあげてデニーロポーズです。「こりゃ参ったね(^◇^;)」。
 
 
アメリカ合衆国のカンザス州。カンザス州といえばオズの魔法使いの舞台地。そして竜巻が多いイメージの2点。
 
カンザス州の小さな町ブライトバーン。
 
 
州とか県だったらまだしも、町名をそのまま映画タイトルにするのも映画を産業とするアメリカらしいですよね。それもホラースリラー映画!?
 
 
妊活中の夫婦の元に舞い降りた赤ん坊。牧場の庭の森に小型の宇宙船が着陸したのです・・・・まるでドラゴンボールそのものですね(^◇^;)
 
 
赤ん坊は成長し12歳の誕生日を迎えます。自分が何者かは知りません。
誕生日を境に育ての親である両親や親戚・学校生活に反抗的な態度をとるようになり、興奮時に電球が点滅したり割れたりなどする現象が起きる。そして夫婦が隠していた少年が地球に乗ってきた宇宙船を牛舎で見つけてからは、明らかに様子がおかしくなる。
 
 
意中の人だった筈の同級生の少女の手を握りつぶし複雑骨折を負わせたり、善人である身内を殺害したり、気に入らないことがあれば暴力でそれを解決(自己満足)するように。父親は「あいつはバケモンだ」と訴えるも、母親は我が子を信じよう・守ろうとする。しかし決定的な真実を知ってしまうと、育ての親さえ殺そうとする。
 
 
先ほども例に出しましたが、ドラゴンボールの孫悟空とかなりカブります。
孫悟空は地球人を虐殺するために地球に送り込まれましたが、地球着陸時に頭を打ったことで戦闘民族の本能が失われ善人になりヒーローとなりました。この映画の主人公ブランドンも頭を打って欲しかったですね(^◇^;)当たり前ですが罪もない人に刃を向けたらダメですよ。
 
 
超常現象的なアクション映画に後半はなっていたので、もしかすると続編が作られるかもしれませんね。
もしくはアベンジャーズと戦って欲しいです。
 
 

 

 

 

 

脚本 〔11〕点

演技 〔14〕点

構成 〔12〕点

展開 〔13〕点

完成度〔13〕点

 

 

[63]点

 

 

______

 

 

 
日本映画
『決算!忠臣蔵』
 
 
 

 

監督🎬

【中村義洋】

 

 

出演者

【堤真一】【妻夫木聡】【寺脇康文】【荒川良々】【濱田岳】【関ジャニ∞:横山裕】【西村まさ彦】【阿部サダヲ】

 

 

よしもと興業所属組

【岡村隆史】【西川きよし】【木村祐一】【村上ショージ】

 


【竹内結子】【石原さとみ】他

 

 

本編⏰[125]分

公開日[11月22日]

 
 
私は算学に弱いので、今作品を鑑賞中はよくここまで調べたな・・という原作者の取材に対する尊敬心が先に来る映画でした。
今はどうか分かりませんが、自分の子供の頃は「そろばん教室」に通っている同級生が多かったので、計算する時に見せるあの「エアそろばん」の指の動きがツボでしたね。私の場合はピアノの鍵盤ですが。
 
 
毎年1本か2本が通例です。「年末に公開する時代劇映画」は大作(意欲作)が多く本格派が多いので期待しました。
 

結論から言って、可もなく不可もなし。中の中の中の映画です。つまり評価はチュー。子年なので(笑)
 
 
一番の及第点は各役者の出演時間を「もったいない起用法」だと思ってしまったこと。
 
 
日本の歴史上、仇討ちの最高美談とされる忠臣蔵。
 
 
47赤穂浪士なので登場人物が多いのは前提で観ているが、そうだとしてもゲスト出演感が強すぎる。冒頭は浅野内匠頭を演じる【阿部サダヲ】さん。好きな俳優なのでもう少し観ていたかったが、冒頭以外に出て来るシーンはなかった。
 
 
『忠臣蔵』の何を1番の目的として観るか?でいえば、私はまず役者で観る。ストーリーは頭に入った状態なので、まずは役者の存在感、次に忠誠心という主君に仕える侍の義を観客として体験させていただきたい。
 
 
後者で書いた「侍の義」。上司に叱られた=パワハラなどと云う現代の社会人にはない志だ。
『忠臣蔵』は映画にドラマに何十作品も制作されてきたが、自分としては特に【キアヌ・リーブス】が主演した『47浪人』は役者陣に魅力があったので好きな作品。外国人から見た日本の侍の方が「派手さ」がないので凛としているように感じる。
 
 
今回の『忠臣蔵』。新鮮で好印象を持ったのは、吉本興行の芸人さんが俳優として出演していることです。
『忠臣蔵』は関西の物語ですし、関西弁をネイティブに話す芸人さんの起用は、違和感がないと思いました。
 
 
そしていかにも関西らしく「金勘定をメイン」で描いている箇所。討ち入りを決行するまでにかかった費用を事細かく紹介しながら映画が進行するので、例えば月末に家計簿をつけて頭をかかえる主婦の気持ちで鑑賞しましたが(^◇^;)今までこういう視点での映画を観たことがないので新鮮でした。
 
 
赤穂から江戸までの1人頭往復の賃金だったり、討入りにかかる衣装代だったり、接待代など、それらを全ての資金を班が負担するわけだから、映画のスクリーンにはそのたび数字(勘定)が打ち込まれる。
 
 
個人的にイラっとした描写がありまして、
 
 
【堤真一】さん演じる大石内蔵助が、遊郭やお座敷遊びに藩のお金を使用する様子が映画では頻繁に描かれます。本人は目眩しのために女遊びをしていると言いますけど・・ただのエロオヤジがそこに映ります。
 
 
私の中でクリーンでカッコいいイメージがあった大石内蔵助像が、女好きで鼻の下が伸びた下品な男として描かれていて・・いただけない部分もあるのですが、この描写にどうしてイラっとするんだろう?と考えたら、政治家が国民の税金を使って銀座や赤坂辺りでお座敷遊びしている風景を銀幕を通して見ているような気持ちなのかもな?とその感情の理由を思いました(^◇^;)
 
 
名のある俳優が多いのにゲスト出演感が強く、全く役者の個性を映像で写せていないように視えました。
 
豪華俳優陣の場面出演。鑑賞される方で忠臣蔵の物語をご存知ない人の場合はウィキペディアなどで予め予備知識を入れておいたほうが良いかもしれません。映画の内容とタイトルを絡め、出演料の決算はどれくらいになるだろう?と考えたりした作品です。
 
 

 

 

 
 

脚本 〔15〕点

演技 〔13〕点

構成 〔13〕点

展開 〔13〕点

完成度〔14〕点

 

[68]点

 

 

 

 

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2020

今年もどうぞ宜しくお願い致します。

 

 
【mAb AcAdemy】
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