映画を観に行きますよね。私にとっては日常のこと。
昔と違い劇場スタッフとの会話は殆どなくなりました。
年齢を重ね社交性がなくなったのかも知れませんし、時代のせいかも知れません。この場合は後者で考えます。時代に合わせて生きていく臨機応変さも必要だなぁ。
TOHOシネマズはスマイル選手権(アワード)みたいな接客スタッフのランキングを毎年開催しているので、社員教育もしっかりしていて悪い印象はないですね。
しかしそんな選手権をやったところで、昔みたいに雑談できる親近性は欠けていると思います。応対はあっても雑談は少なくなりました。都合よく考えれば、映画は最高の庶民娯楽なのですから、親しみも欲しいものです。
その背景にあるのは、映画のチケットを購入するのが人相手ではなく機械相手になったからだと私は思います。
機械的なやりとり。今は病院でさえ機械で精算を済ます時代。セルフの自覚。機械に感情はないから気を使わなくて済むし、慣れたらそっちの方が楽だけど、このままで果たしていいのかな?
「いらっしゃいませ」「◯◯を大人1枚」「どちらの席がよろしいですか」「(常連になると自分の好みの席も把握してくれた)」「ありがとうございます」「頑張ってね」。
この会話の部分が全部、削除。これって私にとっては凄く寂しいことです。
20世紀末から訪日外国人が増え、混血の子供が生まれ、都市部以外の街にも外国人がいる光景が当たり前になってきました。
その欧米化に反して、機械化が進むと、どんどん日本人のコミュニケーション能力が低くなっていく気がします。
それでまぁ、なんかすみません。シンミリもしました。問題定義するつもりはないので次に進みますけどね。このテーマ、書きたかったことではありました。
券売機でのチケット発券の流れとしましては、
作品名→人数→席確保→支払いです。
自分は大体10年間近く毎回おんなじポジションの席に座るので、いつもの席を確保するわけです。映写機の真下。埋まっていたらその並び。「一番後ろの真ん中」が合言葉。
それから。だいたい予告上映中に、入場ゲートに向かいモギリの方にチケットを見せ、指定のシアターに入ります。
20時と明記されていれば、20時10分に本編が始まるのが基本。
TOHOシネコンの場合、予告は10〜15分あります。
皆様も映画鑑賞時、予告の最中に入ってくるお客を思い出せると思いますけど、私の場合は「あえて」そのタイミングで入場しています。なので「間に合ってよかった!」はなく、全く焦っていません(^_^;)
場内が薄暗い予告中にあえて入る理由は、これから1本の映画を観るのに、余計な情報(意識)を入れたくないから。
予告を見てしまうと、mAbの脳の性質上、映画を思い出して記事を書く時に、その時に観た予告も一緒になって蘇ってきてしまうのです。
あとは最近の邦画って、テレビドラマとかもそうですが、これから観る出演俳優の別の作品の予告やCMが流れるじゃないですか。あれヤメてほしいな。雰囲気が壊れるし、なに観にきてるのか分からなくなる・・。
なので記事を書くためには、予告を見ない方が我が身のためです。
まぁそういう特殊な記憶力をしているのでね。何かと上手く付き合っていかなければなと思ってるわけですよ。歳をとったら消えちゃうのかな?思い出せなくなっちゃうのかな??
あとは予告中って結構「話し声」が聞こえるもので、本人たちは静かに喋っているつもりでも、ひそひそ話の方が静寂の場合はハッキリ聞こえるもの。
作品紹介ごとに、例えば渋谷だったり若者が多い劇場では「観たいね!」「面白そう」なんて声が聞こえてきます。配給会社・制作側にとったら本当に嬉しい会話。
楽しみにしている声。予告に手応えがあった声。
映画を観に来て次の映画の予定を立てる縁。
それは製作陣にとっては嬉しい言葉かもしれませんが、上にも書きましたけど、私はなるべく直前まで他の情報を入れたくない鑑賞者です。
色んな人がいるでしょうけど、私は極力、それだけを観たいのです。
映画についての会話なら良いですけど、例えばカフェや居酒屋で隣の席の会話を聞いている様な雑談が、声の反響する映画館で耳に入ってくるのは、本当に困ります(^_^;)
それでほぼ毎回、本編開始5分前くらいに劇場に入って、階段を登り、最後尾の列で、同列に座っている人がいれば「すみません」と断り、膝下を開けてスペースを作ってもらって通って着席。(あるある=「すみません」→膝を引き、姿勢を正す)
まぁこれが毎年百数十本の劇場鑑賞でいつもの流れです。何も面白いことがないmAbの鑑賞手順を紹介しました。
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シアターに入ってからの話をします。
映画を観に行って、いつもの席を確保し、基本予告中に入場ゲートを潜ります。
予告中に入る理由は、復唱する様ですが、これから1本の映画を観るのに余計な情報を入れたくないから。
着席して、隣が空席なので(座席指定時に両隣が空席であることを事前に確認している)バックを置いて、あとは「ただ見るだけ」の準備。
映画館で映画を見る行為って、何がいい?って、
一点集中で強制的に過ごせる時間になるから好き。
観客のパターン。
自分の統計ですが、入場中に着席をしている人が全体の8割ぐらい。私のように予告中(時間ギリギリ)に入ってくる人は1.5割かな。上映が始まって入ってくる人が0.5割。だいたいこんな感じでしょう。
私の普段通っているシネコンは、盆正月以外は満席になることが殆どない穴場なので、今回(観た映画時のエピソード)も観客は客席の2割程度でした。
ある日の劇場鑑賞。
もうすぐ予告が終わって、映画撲滅キャンペーンの動画が流れて、鑑賞中の注意事項が流れるであろう時。
サラリーマン風の男性が一人、入ってきました。
グレーのスーツに短髪の黒縁メガネ。東京03の角田さん似の方(以後角田さん表記)。
シアターに入りスクリーンまでの通路を進むと、大体のどこも構造が同じですが、入り口近くに上り階段があります。そこからA列ーZ列などと続いていくわけです。
階段を登る時の視線の角度と表情から、おそらく角田さんの席は自分が座っている列付近なんだろうと予想。
ちなみに座っている列(最後段)は、現在私だけしかいません。
角田さんは階段を登りきって、1段手前の通路側角の席に着席。
映画を見る人、角が好きですね。空席が目立つのに角だけ縦一列に埋まっている光景を何度も目にします。あなた様はどうでしょう?どこの席に座りますか?
「近くに座ったなぁ」私の意識はそんなもん。
何度も書きますが、本編前に余計な情報は入れたくない人です。
記憶と意識の天敵です。
予告が終わり、TOHOシネマズの注意事項が流れます。
「携帯の電源はオフに、館内きんえーん、上映中はお静かに、撮影禁止ぃ、どんなに足が長くても、前の席は蹴らない」
もう何百回と観てきて聞いてきた其れを、毎回ボケッーと眺めるように観ています。
だけどこの時は違って、
前の席は蹴らなーい!!とキャラクターが歌い上げたタイミングで、間近でドン!バン!ザザー!!と大きな物音が鳴りました。
音が鳴った真横を見ると、先ほどの角田さんが、ポップコーンを全部こぼしていたのです。
ポップコーンセットを頼むと、付いてくるドリンクホルダーの付いた五角トレー。
(画像はお借りしました。楽天市場より出品。今の時代なんでも売ってるなぁ。)
座席のドリンクホルダーに差し込める様になっています。
おそらく買って1口も食べていないであろうポップコーン。
シネコンのMサイズって、分かる人は想像できると思うのですが、結構大きいです。私なら1時間くらいずっとゴモゴモ食べているくらい量が多い。
(モゴモゴね)
おそらく着席しようとした時に溢したのでしょう。予告上映中の場内は薄暗いです。
ポップコーンに加えて、ドリンクもビシャーです。
床にはストローとフタと、その周りに氷が散らばった状態。
お伝えした様に観客の少ない劇場。この日の回も客入りは5分の1程度。
幸い角田さんの前の席(列)には観客がいなかったので、巻き込み被害とかは発生しなかったんですけど、これが隣にお客がいたり、満席で起こしてしまったら、場内パニックになりますよね。喧嘩になるケースもあるでしょう。
中央座席付近に集まっていた観客は一斉に音の鳴った方向に振り向き、口を開けて「あーぁ」「やっちゃった」という目で見ます。まぁ私はそんな振り向き顔(角田さんを見る観客の表情)も一緒に見るので、こういう風に描写を書いているのですが(・・;)
ポップコーンだけなら、手で搔き集めるとか、色々ごまかせると思いますが、
加えて飲み物までぶちまけてますから・・場内に物凄く甘い香りが充満しました。
甘い「匂い」はいいけど、甘すぎると「臭い」になると知りました。
この最悪な状況。何となく気まずい状況で場内が完全消灯しました。
スクリーンでは「Illuminationー!!」とTOHOシネマズを暴れるミニオン。
自分としては「えっ!?この状況で映画始まるのΣ(・□・;)」です。
何度も説明し申し訳ないですが、私が予告中にシアターに入るのは、余計な情報を入れずに観たい為です。
それなのに、なにこの状況!?
床に大量のキャラメルポップコーンが転がり、ジュースも溢れ、それが合わさった臭いが僕の鼻に漂って
おまけに、この人どうするんだろう?どう動くのだろう?と気になって
映画以外の意識・邪念が終止私の意識に付きまといました。
だけど角田さんの後ろ姿の様子から、一向に動く気配も、片付けようとする気配もないので、おそらく諦めたのだろうと思いました。
私は自分に「気にするな」「集中しろ」と言い聞かせて、映画の世界に入ることにしました。
・・・・・映画はクライマックスを迎え、エンドクレジットが流れ始めました。
映画の世界から正気に戻り、思い出したように斜め前を見てみます。
角田さんの姿勢は中腰に見えました。
そしてクレジットに入ったタイミングで、スッと立ち上がって、結構なスピードでシアターを後にしました。
ハリウッド映画のエンドクレジットは携わる人数・企業などが多いので、5分以上ある中、私は回想することもなく、余韻に浸ることもなく、その時間、映画以外に興味を注ぎました。
場内が明るくなり、立ち上がり、その席を見下ろすと、想像以上でした。
花火大会の翌朝くらい地面が散乱としていて
床はベトベトだし、そのベトベトな床にポップコーンが張り付いていて、階段の段差の部分にも散らばっていました。
前の席の人たちも、意識はしていたでしょう。階段を降りる時に振り向いて、一様に驚いた顔をしていました。
後ろの席に座っている自分にも目線が向けられて、目が合います。違う違う僕じゃない。違う違うそうじゃなーい。
これって・・そそくさとシアターを後にした角田さん、劇場スタッフに一声かけたのかな?なんて思いました。
「すみません。ポップコーンこぼしちゃって。」「いいですよ」と想像。
普通の感覚の持ち主ならば、放ったらかしにして逃げるように帰らないと思います。
ですが残念ながら声をかけていないと思います。
そう思う理由はスタッフの表情から察します。
通常時、館内が明るくなり、階段を降りていくと、出入り口に箒と塵取りを持ったスタッフがスタンバイしています。最後の一人くらいになると構わず入ってくるものです。
その清掃スタッフが分かりやすく「え?」という表情をしました。
ポップコーンって場内が明るくなると結構、食べ溢しているのものですが、Mサイズ全て(&ドリンク)をぶち撒けた、となれば想定外の光景です。
(やってることはMじゃなく、どSの行為だな(笑))
今回の場合だとモップレベルですから、清掃スタッフの方は大変だったでしょうね。
その惨状を見た清掃スタッフは、階段を降りていく私に視線を向けました。
また疑われた。
違う違うそうじゃないΣ(・□・;)
参考までに、シネコンの入れ替えの間隔はTOHOの場合30分です。上映終了後は速やかに清掃をして、次の来場者を迎え入れる準備をします。冷や汗ものですよ。
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買ったばかりのポップコーンをこぼしたのは災難でしょう。
買った時はテンションが上がったでしょうし、こういうの買うぐらいだからお腹も空いていたと思います。でも後処理も後味も悪いですね。
というか、今見た映画、頭に入ったのかなぁ?
映画の上映中、どんな気持ちでいたのだろう?
あなたならどうしますか?
映画館って、トイレに立つだけでも、ちょっとした覚悟が必要ですからね。
マナー的に携帯の光もNG。物音も極力NG。会話や動作も極力NG。
今回の場合、全部こぼすと同時に本編が始まったので、もう何が正解なのかよく分からない状況でした。
近々ロードショウ記事を更新していく予定です。
日本の未来は暗い。
だからあなたが光になるんだ。
一期一会の今この時を。
【mAb】