台風19号によって被災・被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
関東地方に台風が直撃した12日の土曜日は都内で仕事をしておりました。
前日からJRの計画運休は発表されていましたので、対照的に当日も運行していた地下鉄を利用しました。
夕方以降も動いていましたが、いつ止まるか解らないので、太陽が沈む前を目安にと早めの帰宅をしました。
その夜は実家で両親と過ごしましたが、自宅の中庭にある楓の木の枝が強風により回転するように揺れており、その様子を例えるならば歌舞伎の連獅子のようでした。東京でこんな光景や音を耳にするのは初めてだったので驚きの連続でした。
23時頃。
TVの赤い円マークで台風が完全に過ぎたと確認し、街の様子を見に出ました。
外に出ると同じように出てこられた方がチラホラいました。
まず目に飛び込んできたのが、電信柱が1本倒れている光景と、広い国道の至る場所に救急車が止まっている状況です。
電信柱が倒れた場所には、すでに立ち入り禁止のテープが貼られており警察官の方が1名門番をされていました。
尋ねると、電線が切れて一角が停電している、東京電力を待っている状況だと教えてもらいました。
風も弱まっていたので、十分に注意しながら自転車で墨田区台東区のぐるりを回ってみると、大規模に停電している地域があり警察官が道路上で手信号をしていたり、電柱やポール、時間貸の駐車場の電光掲示板が倒れているなどの光景を見ました。
どこか今までの経験上、東京は交通機関こそ気象に弱いけれど、それ以外は大丈夫だと確信しているので、現実なのかな・・と。
自分の父親の時代の東京は大雨が降るたびに川が氾濫して多くの家屋が浸水被害にあっていたと教わります。それを知らない世代になると現実感が湧きません。
その夜は朝方までNHKを見ていましたが、コメンテーターがいて会話がある民放キー局は、夜が明けてから被害状況が見えてくるという予想をされていましたので頷きながらザッピングをしていました。15号のこともあるので嫌な予感しかしないまま就寝しましたした。
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今回の台風の特徴は、関東甲信越・東北など広範囲における河川の崩壊でした。専門的な知識は自分にはありません。
福島県いわき市に住む私の一番の親友の家では、16日の現在も断水が続いているそうです。
彼の家は高台に建っているので浸水被害はないそうですが、すぐ近くで川が氾濫し、浸水、断水や停電など深刻な状況にあるそうです。
彼の親戚の家が断水・浸水しているそうで、片付けの手伝いに行くと伝えると、この先は重機や業者に頼むしか他ない状況らしく、、、もう本当に悔しいです。役に立てません。こういう時のために体を鍛えているんじゃないのか・・mAb。
また悪いことばかりではありません。「携帯電話」というものは、災害時に繋がりにくい印象がありましたけど、幾度の災害を経て非常に便利になったと思います。最近では視聴者提供の災害映像もTVで流されています。
2011年の東日本大震災の際は、携帯電話が通じずに情報を伝えるメディアも混乱する場合が多かったので、通信手段が無事なことだけは良かったです。災害とネットワーク、この令和時代の幕開けを象徴するかのように思えます。
職場のスタッフや自分の生徒の中には、今回の台風で被害に遭っている地域に実家や親族の家がある方が多くいて、10人じゃ・・・きかないです。こういう時に知り合いが多いと情に脆い自分としては辛いです。
ご家族の安否確認や状況報告を聞きます。それらの会話で「実家は大丈夫でしたが、隣の町は深刻な被害に遭っています」などの報告を多く聞きます。一概に運が良かったと思えないので非常に複雑です。
テレビをつけると台風の情報をメインで放送しているのは今はNHKだけ。
だからNHKはぶっ壊さないで欲しいと、私は思います。
水が去った後の世界はどうなるでしょうか。決壊した人を護る盾はいつ直るのでしょか。
荒川の河川敷をロードバイクで走るのですが、自分の地域はなんともなくても、埼玉方面に行くとグラウンドが泥まみれだったり、おそらく浸水したのでしょう漂流物や枝木や大きな岩などがサイクリングロードに落ちています。これも東京都や国が整備するのでしょうか。次にその道を通る時には何もなかったようにいつも通りになっているのでしょか。
土曜日は家に籠るので映画評論の続きを書こうと思っていましたが、台風が過ぎて外に出ると世界は一変していました。
意識の気持ちがまだ被災地にあり、親友や知人の状況を聞くたびに、「映画だけ」に向き合う記事が私には書けないまま数日が経ちました。こういうところ頑固な性格です。
正直な心情を吐露しますと、こういう状況の時に、どういう文体の記事を書けばいいのか?だとか分からなくなりました。
本当に申し訳ありませんが、SNSで楽しい様子の方を見ると何だかすごくお気楽に思えたり、東京の街を歩くと何もなかったかのような日常があって、関心はないのか?心配ではないのか?と思ってしまいます。そういう風に人の笑顔を捉える自分自身にも腹が立ちましたし、情けなくなりました。自分としては、どの地域で起きる災害も「日本で起きたこと」として意識しますが、やはり自分自身にゆかりのある東日本で起きると相当こたえます。
今週中には映画評論の後編を書こうと思っております。
せっかく前回をキッカケに映画を書く気持ちを取り戻しつつあるのだから『mAbによる映画一期一会』の更新もしていきたいと。
被災者の方々は、気丈に振る舞っていても、大丈夫なはずがないですし、仕方ないと仰っても、平気なわけがないと思います。
だけど前を向くしかないのだから前を向いてください。後ろを振り向きたいときは私が話を聴きに伺います。
災害に強い日本を作るのは国のお役目です。
自分に出来ることは覚えておくことだと思います。
改めまして
台風19号によって被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
復旧を願っております。
【mAb】