監督🎬
【今泉力哉】
主演
【三浦春馬】【多部未華子】【矢本悠馬】【森絵梨佳】【原田泰造】他
本編上映時間〔119〕分
寸評:(オムニバス調構成で登場人物が多いためある程度展開に沿って纏めた流れを書きます)
①主人公サトウは優柔不断で内気な性格。ごくごく普通だが心優しきサラリーマン。
大学時代の親友②オダ・カズマ&ユミ夫婦と今でも親交があり、休日はよく訪ねる。
オダ家。
大学在学中に学園のマドンナ的存在だったユミの妊娠が発覚。カズマは働くために大学をスパッと中退し結婚する。現在は小学生に成長した娘がいる。生活は豊かではないが笑顔ある幸せな家庭である。
独身のサトウがオダ家を訪れるたび結婚の話題となる。その席でサトウは理想の女性像や出会いのシチュエーションなどを話す。オダ家の人々はサトウの幸せを心底願っている。
そうした中でサトウが出逢うのは後の彼女となる人物サキ。
職場で起きた機材トラブルによりパソコンが使えず、市場調査のため仙台駅で街頭アンケートをするサトウ。やる気もないし覇気もない。こんなサラリーマンはダメリーマンΣ(・□・;)サキが通り過ぎる。柔らかな雷に打たれたように見惚れるサトウ。互いに印象に残っていた。その後の再会ではサキを見つけたサトウが花束を持って猛ダッシュ。「運命」を自分演出し、理想の女性像や出会いのシチュエーションを自ら叶えた。
作品の時間軸は前半後半の2部構成で、ここまでが第1部。
第2部では、それから10年後が軸となります。
いきなりテロップのみで「10年後」となるから苦笑。流れが無理やりだな!とは思いました。
日本映画の展開省略はよく見ますけど、流れを大事にしている作風だからこそ、こういうところを丁寧に描いて欲しいです。もしくは(オダの子供を中学生ぐらいの設定にして)5年後くらいでもよくない?など色々と指摘点が浮かんでしまう。
交際10年目。同棲生活のサトウとサキ。10年の節目、喉まで出掛かる「結婚してください」はきっと何十回も飲み込んできた。
一方、オダ家は女子高生に成長したミオがメインとなり、同軸(1部でいうオダ家の目線をミオ目線のみにしてサトウとW主演)で展開。高校生や高校が舞台になるので、一気にフレッシュにも感じることでしょう。その他にもミオの同級生の男子(と腰の低いサラリーマンの父親)などもメイン視点で登場しますので、2部は盛り沢山だしキャラの上塗りも多いです。
個人的には1部でサトウの職場の上司だったサラリーマン役の【原田泰造】さんはいい味が出ていて最高でした。もちろん、このキャラクターもサトウにとって、映画にとって大事なテーマをもたらすのでキーパーソン。今でもあの自問自答のセリフが私の胸に残っています。
まさに1つのテーマを決めた上で展開するオムニバス映画構成ですが、テーマに沿っての描写が続くので理解しやすく映画も見やすいと思います。
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続きまして。
この映画には舞台演出上のオーケストラピット的な役割をするキャラクターがいるのが印象的です。
まずは映画を語る上では100人が100人、玄人も素人の書き手も紹介するくらい重要なキャラ。
仙台駅のロータリーで、心に隙間がある人を集める見た目スナフキンみたいな『名もない歌唄い』。
映像の構成上、展開を切り替える際における「ツナギ」として登場するが、1曲しかレパートリーがないの?ってくらい、いつも同じ曲だけをアルペジオで歌っている。観客は殆どいない。映画の登場人物だけが足を止める。
サビの「小さな夜ぅ⤴︎」が印象的。ちなみに映画タイトルの『アイネクライネナハトムジーク』の日本語訳は「小さな夜の音楽」。
舞台となる仙台駅は年に数回訪れます。
このスナフキンがいつも歌っている場所も何度も通ったことがありますので、現実的な目線でも観てしまいました。
七夕まつりが行われる有名な商店街や商業施設も近く、毎日多くの人が行き交う夕方の仙台駅で路上ライブをしているのに、誰も足を止めずに素通りの状態なんだから、シビアに視ると「才能ないんじゃないの?」と捉えますが、おそらく映画として考えれば「見える人にしか見えない妖精的な登場人物」なんだろうと解釈して視る事にしました。
妖精さんが歌う1曲(小さな夜)は「魔曲」となり、心ここに在らずの人間を立ち止まらせます。例えば、泣いた後のヒックヒックしている精神状態の人物が、この路上シンガーの場所に集まってくる感じです。この魔曲に足を止めたことで、サトウとサキら映画の主要登場人物が話すキッカケになり、その後の展開が発展していきます。
もし次に私自身が仙台駅を訪れた際には、スナフキンいるん(見えるん)じゃないかな?なんて考えました。人肌恋しいので(笑)
もう一名。こちらは生身の人間ですけど、メインキャラクターの人生観のキッカケを作るプロボクサー。リング名はウインストン小野。彼が世界王者になった出来事は多くの人の分岐点を作っているので最重要キャラ。1部ではメインで登場し【貫地谷しほり】さん演じる美容師との恋模様も描いています。ウインストン小野の役割は「懐かしみ」をもたらすこと。黄昏的なキャラクターです。
原作者の伊坂幸太郎先生は自身が描きたいことを表面上で文章にする作家に思えます。内容の重み深みは映画(第三者)に任せて、表面的な言葉を小説に書くタイプの作家。なので大半の作品が映像化に向いていますし、その内面(深み)を描くのは監督らの役目だと思いますが、残念ながらその役目は観客に任されている毎回の印象です。個人的には『ゴールデン・スランバー』が伊坂映画の最高点です。
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あまりにも有名なモーツァルトの『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』は、日本の音楽界でも沢山の歌手が「創作のアテ」に使っています。このタイトルを予告で見た時は、アイネクライネの楽譜と同じ進行を辿っているのだろうと会社のクラシック部署に出向き、私用ながら譜面をコピーするべく頂戴しに行きました。
あくまでmAbの見解で映画を解説しておりますが、
女性が男性に求めたいものはなんでしょうか?
この映画における男性役には「決断力」が女性から求められていました。男性を選ぶ決め手でした。
鑑賞中も鑑賞後も自分はどちらのタイプかと考える機会にもなりました。
決断力って元々の性格だったりその人の人間性なので、いきなり変わるということはないですから、サトウは真面目なサラリーマンなのに交際10年目。おそらく同棲も彼女のサキが言い出しっぺなのでしょう。でも流石にプロポーズは彼氏の口から・・と想像致します。
出会った男性に決断力があるのか?
【三浦春馬】演じる主人公サトウは決断力はないけど天然で優しい男。
【矢本悠馬】さん演じるオダは、いざという時に決断力があります。ただ普段は家庭内でグータラしています。奥様がしっかりされているので安心ですが、1人だったらきっと年金とかNHKの受信料とか払わないようなタイプだな。
2つの家庭主人公から物語を展開させ、短編で描きながら伏線としていた点を、展開を進める中で、線で結び回収していく。
複数の物語をオムニバス調で進行させ、関係図が繋がると楽しい気分になるものですね。ウディ・アレン監督を思い出します。
この映画の人物像を観ていて、自分なりのチェックポイントを書きます。
昔から日本人の理想の家庭内男女像を表す「女は愛嬌、男は度胸」の言葉を思い浮かべました。
この映画は「女性から見た男性(異性)」という目線での描き方をしていました。
ママとしてパパを。彼女として彼氏を。などなど。見守る視点で。
サトウとオダ、親友同士の二人の男性は対照的で、彼女と交際してからの行動力・決断力が異なる描き方で進行しているので、二人の女性はそんな男性を客観的に映画の観客に紹介する役割で存在感を出しています。少し前の時代の男女像。
逆を言えば、女性の描き方が弱いので男女比のバランスが均等ではないよう、多くの観客、特に女性の観客は物足りなさをこの映画全体に感じると思います。
最後に。
前半後半の2部構成で、その2人の男性や彼らに関連する人物の成長記録を描きます。
子供が年月を重ねて高校生になるので情も湧く。アミューズ期待の女優【恒松祐里】さんの演技が良かった。瞳の開き具合から第二の北川景子か!?なんて注目したい若手女優さんです。
大人の俳優陣には、泥臭さ・人間味のある俳優が集まった印象。
両名の出世作・恋愛漫画『君に届け』、難病役を演じたドラマ『僕のいた時間』で恋人役で共演してきた三浦春馬と【多部未華子】さんが、今回3度目の共演。現在ドラマ映画に引っ張りだこのバイプレーヤーで今回もいい味を出し続ける矢本悠馬さんも適役だと思う。
個人的に【森絵梨佳】さんをスクリーンで観れたことで満足しています。伊東美咲の再来か!?とCMを観ていて思っていた方だったのですが、年齢的にも妻役スタートなんだなぁ。美女と野獣の夫婦。10年後(2部)にはしっくりきてた。
多くの映像化作品を輩出する伊坂幸太郎先生は、舞台地を宮城県の仙台に固定することで有名。そのため映画化した場合の舞台も仙台。作家の印象は今作品もそうですけど、海外の物事や人物や既存の題名にかなり影響を受けているなと思います。年齢的に英語圏文化やカタカナ文字に憧れた世代ですもんね。アイネクライネ・・原作を読んだことがなかったので、映画タイトルを聞いたときはポップな喜劇になるとイメージしたものです。
レンタルビデオ屋で陳列される光景が目に浮かびます。
何気ない日常の静かな夜に、自宅の部屋で鑑賞したら、泣いちゃうかもな。
脚本 [13]点
演技 [13]点
構成 [14]点
展開 [15]点
完成度[14]点
[69]点
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監督🎬
【蜷川実花】
主演
【小栗旬】
【二階堂ふみ】【沢尻エリカ】【宮沢りえ】他
寸評:
現代人で太宰治を読む人間は心が病んでいる奴だ。暗い人間だ。なんて常套化したイメージが憑き物。
「太宰を読んでいる」なんて人に言ったら、心配されたり暗い人間なんじゃないかと思われた学生時代。
しかしこの映画で知る太宰は現代人とほぼ遜色がなく比較対象が多い。
当時の太宰治の読者は女性が中心で、まるで男性アイドルに全てを捧げるファンのようにも視える。
小説のタイトルを見たくらいで「あら素敵ねぇ〜」と吐息を吐きながら腰をくねらすのだから、全てが愛しいと肯定する状態。
そのファン心理を利用する太宰。各作品の誕生秘話には「女性の死」が常に付き物である。
「一緒に死ぬ」ことを女(不倫相手)と約束し入水自殺を図る。互いの体に縄を巻きつけ夜中の川に入る。死んでも一緒に入れるというわけだ。例えば、好きな男性アイドルに「一緒に死のう」と言われれば、「喜んで」と答える女性ファンも少なくはないだろう。
ところが太宰は確信犯。今際になってからあらかじめ緩めておいた自分の縄を解き脱出する。
女性はびっくり。え?ちょっと待ってよ治さーん一・・アップアップしている女性を「一人で死ね!」と足蹴り。
岸に上がった太宰は「あゝ死ぬかと思ったぁぁ」と一服し、その絶倫状況を元に新作の小説を書きおろすのだ。
言い換えれば、手っ取り早くファンに手を出して「人に歴史あり」彼女の人生録を盗んで、執筆の犠牲に死んでもらう。それに対しての哀悼はないが、出版業界では太宰のこの執筆方法は有名な話のよう。死ぬ気はないが、女性が一緒に死にたいと願う、生と死の間の儚さのようなものが題材にはあると私は思う。
太宰は儚い。死神が背後霊に憑いているよう。死んだ女たちも取り憑いて、おそらく水子もいくつか憑いているだろう。
「どうして生きているのか?」そんなことを考える思春期の一部の人間は生に固執していない太宰治の文章に食いつく。
男性は気にくわない。あいつの文章は女々しい。本心ではどう思っているのかわからないが、口に出す言葉は太宰治という作家を認めないぞ!と意固地になっている作家や読者や評論家たち。それはそうだろうなとは思った。女房や恋人が他の男性に夢中だなんて、時代こそ違えど男には気に食わない。
予想したよりいい映画でした。正直もっとダラダラ進行していく作調だと思っていたので。
監督が現代女性のカリスマである【蜷川実花】さんということで、20代30代の若い女性が観客の中心のようです。
実際、私の観た回は平日の夕方でしたが、8割強が女性の観客で埋め尽くされていました。女性に圧倒的な支持を受ける蜷川監督と、当時、多くの女性の心を圧倒的に掴んでいたカリスマ太宰治。意外なようで必然な組み合わせに感じた作品。
他に【千葉雄大】【池松壮亮】【瀬戸康文】【成田凌】【高良健吾】ら女性人気の高い人気男優たちが各場面にゲスト登場したり、自分が意外だったのは【藤原竜也】と【小栗旬】の共演。この2名は上の5名の俳優とはジャンルが違いますし、小栗も大人になったんだなぁと感慨深いです。
基本的にはこの映画、全体の完成度は高いですが、演技のみで考えるとプロの学芸会レベル。観客の目的は豪華で若いキャストと蜷川実花ブランドになると思うので、それを踏まえた上で考えると「映像演劇」としてのレベルはそこまで高くないと思います。
タイトルの副題にあるのが「太宰治と3人の女たち」なので、3人の女優は映像演劇の演技をしていました。それ以外、特に男優同士の兼ね合いは「舞台演劇」を観ているみたいで残念です。
【二階堂ふみ】さんは彼女が10代の頃から映画評論で頻繁に紹介して来ました。
18歳を超えてからは、トップレス有りの濡れ場女優になった印象があるので、「演技が出来て濡れ場がOK」ということで性的な映画にも多く出演されています。彼女の表情の作り方は基本的に毎回同じで、一人演技の場合は斜め四十五度下に目線を落として、男性と接するときはその視線を上目遣いにします。これがうまいんだなぁ。
マブタの重い瞳の様子を作り、薄眼を開け声も体のくねらせ方も。じっとりと相手役に絡みつく演技をなされるので、演技的評価は相当高いです。個人的には絶対に「お岩さん役」をやらせたらハマると思います。
他に【沢尻エリカ】さんと【宮沢りえ】さんが出演されていますが、女優合戦の印象部門で勝ち残るのは二階堂ふみさんでしょうね。「別に」一番出演シーンが多かったから印象に残ったからとかではないです。
タイトルの副題『太宰治と3人の女たち』をもじり『太宰治と20代・30代・40代の女優たち』になりますが、演技合戦を期待していたぶん思ったほどでもなかったです。沢尻エリカさんが会見で、折角ヌードになったのにカットされた的な感想を仰っていましたが、二階堂ふみさんに軍配。他の女優は物足りなさがあったかな・・・別に。
R15+
脚本 [13]点
演技 [14]点
構成 [14]点
展開 [14]点
完成度[13]点
[68]点
監督🎬
【アンソニー・マラス】
主演
【デーヴ・パテール】【アーミー・ハマー】【ナザニン・ボニアディ】
本編上映時間〔123〕分
寸評:
私の記憶では、このテロ事件は日本であまり報道されなかったように思います。
いや報道はされたんでしょうけど、未だにテロといえば「911」や「ボストンマラソン」のテロ事件の当時の報道が思い出せるので、アメリカが直接被害にあった場合に日本のメディアは厚く報道するのでしょうか?
この映画のテロの攻撃対象は無差別ですが、標的はアメリカ人・イギリス人の欧米のセレブ。これほど無残で無差別的な殺戮劇が、どうして報道されなかったのかなと、実話を基に描いた映画を見ていて思いました。
2008年。インドのムンバイ。この都市には特殊部隊がなく、テロが発生しても到着まで数時間かかります。
標的はアメリカ人及び欧州の白人。無差別なので現地民、同じイスラム教徒などの犠牲は仕方がないけれど、ムンバイは観光都市なので沢山の外国人がいます。
特殊部隊のあるニューデリーは1400キロも離れている。緊急要請しても到着まで相当時間がかかる。逃げ出す地元警察も続出。
テロリストにとって、これほど魅力的な条件が揃った都市はない。
町に入ってしまえばこっちのもの。犯行グループは、すぐに実行する。
このムンバイのテロは、どこか日本のセキュリティーの弱さにも重なります。
もし外国人に密輸した武器を持ち込まれたら日本はおしまいでしょう。
『スラムドック$ミリオネア』『LION』などに出演し、出演作が公開されるたびに毎回話題となるインド系の英国俳優【デーヴ・パテール】〔29〕は今作もたいへん素晴らしい。まだ20代なんですね(^◇^;)インド系の方って見た目で年齢が分かりにくい。
映像はリアルで迫力満天です。ホテルでは息をひそめた空間で銃声が鳴るので、耳鳴りのような感覚にもなります。
テロリストの若者の特徴は貧しく、家族のためにテロリストとなり、親玉の指示のもと訓練し殺人マシーンとして送り込まれます。
若いので覚えるのも速いし、体力もあるのでしょうけど、テロリスト役の1人の少年が家族に電話して恋しくて泣いていました。
私は日本人なので、ただ(命は)儚い・(テロは)怖い・(個人の人生を奪う様子が)辛いという感情となり、彼らに対して恨みの意識は芽生えないですが、この映画を欧米人が観たら敵対心が生じるのでしょうね。
R15+
脚本 [14]点
演技 [16]点
構成 [14]点
展開 [14]点
完成度[16]点
[74]点
___
監督🎬
【森淳一】
主演
【吉岡里帆】【高杉真宙】【浅香航大】【田口トモロヲ】【大倉孝二】他
寸評:
すごい映像ですよ。女子高生の腕や足を切ったり、そういう凄さです。こういう拉致監禁の展開は何度も観ていますが、ここまで映像とはいえリアルを追求してもいいのかな?と自分の倫理観を全面に出したくもなる映画でした。
観られる方の多くは、観疲れを負うと思われます。
実はこの作品を見て、映画評論を再開しようと思ったんですよね。久しぶりに記事を書く意欲が湧いてきて・・。
衝撃的だったので、映画鑑賞後にスマホに書き残した作品寸評がありますので、この作品はそのメモをそのまま書き写します。
>今の時代に「よくもまぁ」という過激な表現。
対して警察側の陰気な雰囲気(画質)は古い時代の映画を見ているよう。
>【吉岡里帆】さんは、刑事というより婦警という感じがしたが、ほとんどの女優にアクション女優のイメージがないので誰がやってもそう感じるだろう。この点は本人の役作りの努力とポテンシャルの高さがカバー出来ている。
>「え?これで終わりなの?」邦画には非常に多い駄作にする台無しなシメ方。
エンドロールへの入り方も消化不良になった。前半の素晴らしい出来から考えれば、「いい映画に出会い」席を立てないような気分になると思っていたけど、後半はその気持ちが一変、気分が悪いのか、早々に席を立つ人が多くいた。明るい場所に出た方がいい。
>その気分の悪さは、グロテスクな映像もそうだけれど、私の場合はあまりに非現実な物語の描き方によるもの。
何しろ見ている最中に何回も何十回も不満が爆発する。
一般人、一人はなんと男子高生。盲目の女性と男子高生が連続誘拐事件の殺人犯を捜すという設定だ。
主人公は優秀な刑事だったが車の事故で失明し退職。その事故で助手席に座っていた高校生の弟を亡くす。
盲導犬を伴い片親の母親と墓参りに行った帰り、危険な運転をしてきた車の後部座席から若い女性の悲鳴を聞いた主人公は、警察でその時の状況と拉致をされた可能性が高いと警察官に訴える。警察は盲目の目撃者に信憑性が低いと考える。
これらの場面では、観客の心境はこの女性が優秀であると知っているし、女性が拉致されたと映像で見ているから、警察に対して不信感を覚えるはず。
その後、主人公はもう一人の目撃者である男子高生を見つけ出し、スケボー少年の高校生と共に事件の真相と犯人を追っていく。
物語(脚本)のみを見ると成立しているし、もしかした私の拙いあらすじ文で「観たい」と興味を持たれた読者の方がいるかもしれませんが、上記で書いた気分の悪さや不満を感じたことは、おそらく何度同作品を観ても払拭しないかな。
盲目の主人公は警察学校を首席で卒業していて、刑事としての能力もずば抜けているので、状況判断能力や予測はかなりの割合で合っています。非常に優秀な女性刑事だと思うのです。しかし盲目なぶん防御力がない。ブランクもあるので危険察知能力も低い。
この点は合気道だったり、例えば役作りのために自衛隊で訓練するなどして、隙のない雰囲気が吉岡里帆さんに備わっていたのなら良かったですが。
主人公と高校生に協力する刑事は2名。この事件の担当となったのがキッカケで、最初は面倒な仕事の担当になったくらいの感じでしたが、捜査をしていくことで顔色も真剣度も変わる。
問題なのが、警察が一般人(1人は未成年)主導で捜査協力を託す側で描いていることです。刑事二人が情報提供や連絡を取り合って、一般人のサポートで活躍する。言うなれば警察官はコマなのですが、単独行動が多すぎて、正直映画で腹を立てることがあるんだなぁと(^_^;)立場が逆の描き方なら良かったです。「警察官、頼りになる!」という描き方・・・これだと普通の映画になってしまいますけどね。
主人公も元警察官としての能力を遺憾なく発揮していますが、襲われると「女の子」になったり、そういう事態の時に観客心理で頼りにしたい味方もひ弱な男子高生だったり、猟奇的でサイコパスな犯人に向かっていくには無謀すぎる。
後半になりますが、警察の到着が遅いし、警察の到着を待て!って感じですΣ(・□・;)
『悪の法典』の残虐性描写や『スマホを落としただけなのに』の誘拐拉致監禁殺人のように、近年の日本のクライムサスペンス映画で主流となっているサイコパスな犯人像と惨殺動画。『スマホを落としただけなのに』とほぼパターンは同じですが、こういう風に後付けでシーンを重ねることで魅せていくのは日本映画くらいじゃないかな?
キャストから失礼ながら1名。【松田美由紀】さんは、『ちはやふる』などでも口元だけの演技が気になったが、他に同世代の女優がいなかったのかなと思っていまうほど演者として強い魅力を感じません。毎回同じなんですよね。まぁ友人のお母様なので本当恐れ多いですがm(._.)m
エグすぎるほどリアルな描写陣は本当にしっかり描けているのに、肝心な詰めが甘かったり矛盾点が多かったり、バランス良くはなかったです。制作段階や撮影中に、矛盾点などを指摘する人物が現場にいなかったのかな?とも思いました。
良くも悪くもグウタラな私に記事を書く意欲を与えてくださった作品です。
個人的に、これは近年の主流なので仕方がないとは思うのですが、
リアリティを追求した映像とはいえ、こういうグロテスクな映画に出演した主演女優が、バラエティ番組の映画宣伝でニコニコしているのはどうかと思います。「昔は」のトークになってしまいますがm(._.)m今は女優や男優がテレビに出て人柄を出したりSNSで自己PRしますが、昔の俳優は滅多なことではテレビに出なかったので、私生活や人柄がベールに包まれ役のイメージがつきましたけど、シネコン時代になっては、とにかく商品を売るための「商業」としてテレビなどで宣伝しなければならない映画は、私にはマイナスだと思うのです。
脚本 [13]点
演技 [14]点
構成 [14]点
展開 [14]点
完成度[15]点
[70]点
監督🎬
【木村ひさし】
主演
【西島秀俊】【伊藤淳史】【池田鉄洋】【佐野和真】【前田航基】
【葵わかな】【桜井日奈子】【生瀬勝久】【西田敏行】他
本編上映時間〔119〕分
物語)
困っている人は見過ごせない、義理と人情に厚すぎるヤクザ`阿岐本組’。組長は社会貢献に目がなく、次から次へと厄介な案件を引き受けてします。今度はなんと、経営不振の高校の建て直し。いつも親分に振り回されてなかりの阿岐本組NO.2の日村は、学校には嫌な思い出しかなく気が進まなかったが、親分の言うことは絶対!子分たちを連れて、仕方なく学園へ。待ち受けていたのは、無気力・無関心のイマドキ高校生と、ことなから主義の先生たちだったー。(チラシより)
寸評:
3作品連続R15指定の映画だったので、任侠ホームドラマにホッとした感覚でした(笑)
暴力はあるけど、アクションシーンだけでした。『見えない目撃者』を観た日に続けて観たので・・癒されました(^◇^;)
こちらの作品は面白い・・しかしこんなのありえない!
実際にヤクザが学校を裏で経営しているという例は昔はあったと思いますが、今の時代はまずないでしょう。
任侠ドラマって『ごくせん』とかテレビドラマのイメージがありますが、「ありえない設定」なのが逆に視聴者に受け入れやすいんでしょうね。
【西島秀俊】さんのサ行で息の漏れる滑舌の悪さは俳優としてマイナスに思いますが、表情や佇まいが素敵で毎回そうなのですが上映時間が進むごとに好きな俳優さんの気持ちに変わっていきます。ヤクザには見えませんがコメディ分野で役幅の広さを感じます。
まだ暴排条例が成立する前は繁華街でも多くのヤクザの方を見かけたし、関わるのが怖いので近づかないようにしていました。
それと下町の銭湯には、今でも限られた地域では見かけますが、鯉や金太郎や龍の刺青の入った年配の方が結構おります。
映画とは関連ありませんが、ヤクザの方って暴力団という言葉を嫌がりますし、ジャンルの違う半グレと一緒にされるのは言語道断。なのでヤクザという呼称でこの記事は書いています。縦社会で筋の通った世界ですけど、映像化にすると任侠系は特に男性に人気が高いんですよね。
物語はチラシを写させていただいたので書くことはしないです。
予告が面白かったので鑑賞しました。【西田敏行】さんと【生瀬勝久】さんのやり取りに毎回クスッとなり、予告で場内の観客の笑い声を聞いていたのもプラスに働きました。実際、予告を観て今作を観た方も少なくないと思います。
予告で笑い声が聞こえるって・・あまりないので、西田さんと生瀬さん、コメディ俳優として愛される方々を予告のオチに使用した編集者は集客上手👏👏
おおよそヤクザに視えない阿岐本組の俳優陣のキャスティングも、人情ドラマなので、しまいはハマります。
ヤクザになる人って小っちゃな頃から悪ガキだったり二世の家系だったり、周りも将来は極道だろうなって口には出さないけれど予想していた人物がなると思うのですが、この映画は人情的な親分の下、元々ヤンキーでも不良でもない人物が人情的に組員になったりして、、、金曜ロードショーの地上波テレビで放送しても何ら問題ない雰囲気と仕上がりでした。
もう一つ私がこの映画で注目していたのは、今作は少数精鋭の阿岐本組の組員が私立高校にカタギとして働く物語なので、高校生役として将来性のある俳優が多数出演されています。中でもダブルヒロインで【葵わかな】さんと【桜井日奈子】さんが出演されていること。桜井日奈子さんが私は気になる女優ですが、結論から言って、この2名は噛み合っていなかったです。
葵わかなさんは昔というより現在の遠野なぎこさんに雰囲気が似ているかな。そのまんまって感じがして特に感想はないです。
桜井日奈子さんは何度か出演作を視ましたけど、身長が高い男優が相手役になると上顎で唇のぷるぷる感を魅せるように演じるので、何だか凄く無理している感じの印象を受けます。レンタリースのCMで過剰なまでにハシャイデいる娘さん役が印象的ですけど、今作は裏番長役。もう少し伸び代があると思っていたので物足りないですが、今後はもっと影のある役柄を演じて女優としてカメレオンになってほしいと期待しています。
脚本 [13]点
演技 [14]点
構成 [13]点
展開 [13]点
完成度[13]点
[66]点
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すみません。2編成の予定でしたが、ここでも文字数が1万文字を超えてしましましたので、3部構成に致します。