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『THE映画評論8作品』

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前回の18作品後に新たに鑑賞した劇場公開作を鑑賞順に複数回に分けて紹介致します。(現時点で全て書くなら23作品です)

シネコン時代のロードショウはナマモノ。更新の間隔を空けないよう心掛けますが、ナマケモノの筆者である事情を何卒ご理解くださいませ。ではクセモノの映画評論を書き始めます。

 

 

 

___

 

 

 

シリーズ3作品目

『アナベル 死霊博物館』

 

原題)Annabelle Comes Home

 

 

 

 

監督🎬

【ゲイリー・ドーベルマン】

 

出演者

【マッケナ・グレース】【ケイティ・サリフ】【パトリック・ウィルソン】【ヴェラ・ファーミガ】

 

 

本編⏰[106]分

 

 

公開日[9月20日]

 

 

[鑑賞当時の話と「オイラの着眼点」]

 

 

初秋。

TOHOシネマズ日本橋にて21時台の回が1日1上映されているのを偶々知り、急遽夜のスケジュールをキャンセルして鑑賞。

すっかり映画雑誌や映画サイトをチェックしないようになり、ロードショウや知識が最寄りのTOHO劇場に偏り、今作が公開していることさえ知らなかったので、今作を知れたのはラッキーだったと思っている。さすがにオフィス街+ホラー映画+平日ということで観客は数人(まばら)だった。

 

 

このシリーズはホラーの中でも特に好きな作品。初期の【ジェームズ・ワン】監督作品『死霊館』にハマりにハマった。悪魔祓い、面白い&興味深い!!初期作品に出演したフォイちゃん(【マッケンジー・フォイ】mAb激推しの女優)はその後、『インターセプター』や『不思議の国のアリス』の大作でヒロインを演じるまでに超出世したことで思い入れも強い。

 

 

今作品だと【マッケナ・グレース】〔13〕がその(出世の)ポジション。

 

 

既に多くのハリウッド作品に出演し演技に定評がある総合評価が高い名子役。自分も過去に出演作を書いたことがある。金髪のイメージが強いが今回は黒髪で雰囲気も一変。第二のフォイちゃんになること間違いない!と視ている。

 

 

霊能力者・超常現象研究家の第一人者であるウォーレン夫妻は、依頼者から除霊を頼まれ霊の入った品(災いのアイテム)を引き取り自宅の1部屋に保管しているその世界では有名な人物。基本的に相手宅に行って「曰く付き品」を除霊・(品に)封印して自宅の1室で保管するパターン。

 

 

大学で講義をしたり、アメリカ国内のテレビにもよく出演しているから国内の知名度は高い。死霊館に保管されているのは主にアメリカ国内の「曰く付き品」になるが、印象的なのは部屋の入り口に日本の甲冑があるので、日本人なら一番目が行くアイテム。今作はようやくこの甲冑に出番が用意されていて満足。音声もカタコトではなく日本人のイントネーションだった( ◠‿◠ )

 

 

映画と関係はない話ですが、甲冑を着て戦で死んだ武士なんてゴマンといますけど、「幽霊」として我が国で有名なのは甲冑を脱いだ落ち武者だと思うんですよね。なので博物館で戦国武士の甲冑を見ても「怖い」とか恐ろしい感覚になりません。ヨーロッパは鎧があるので、鎧そのものがホラーの感覚になるのでしょう。

 

 

(日本も80年代あたりは宜保愛子さんや丹波哲郎さんなどが霊界系の心霊番組をやっていたと聞く。ウォーレン夫妻もその類なんだろうと、映画の情報は信じるが実際の気持ちはそう思っています。)

 

 

話を戻します。

今回の主役はウォーレン夫妻ではなく上で紹介したマッケナ演じる娘ジュディ。両親の特殊な仕事ゆえ、学校では気味悪がれ友達もいない。そんな彼女だが性格は優しく物静かな少女。そして一番重要な点は、本人は口外しないが母親の遺伝子をしっかり受け継いでいること。ハッキリとした霊が見える。それも悪い者を中心に(^◇^;)よく霊から挑発されている。アメリカンホラーなので「ワッΣ(・□・;)」という驚かし方。

 

 

今作のキッカケ作りは両親が除霊依頼のために出張訪問。出張なんでも鑑定団!!

数日留守にすることで、能力者不在の家に残された娘に悪霊たちが襲いかかる。

 

 

この設定の時点で定番すぎて新鮮味はないが・・まぁいいだろう(^◇^;)

 

 

自宅に留守番となるジュディ。近所の女子高生メアリーがシッターのバイトで放課後(夕晩朝)はウォーレン家に来てくれる。

留守番させるのは慣れていると言っても、小さい子供を1人モンスターハウスに残し、高校生のシッター1人に娘を任せ出張に出かける親もどうかと思ったが(^◇^;)気味悪がられている家なので働き手も見つけづらいのだろうか!?

 

 

そして留守番初日、高校生シッターの親友ダニエラが遊びに来て、関係者以外絶対立ち入り禁止の死霊室に入室し曰く付きの品をイジクリ、あろうことか一番霊力の強い最恐最悪のアナベル人形の扉を誘われるように開けてしまうという展開になる。

 

 

黒髪のダニエラ。観客はこの元凶を作る親友にイラつくはず。おいアンタ!何してくれてんだΣ(・□・;)

興味本位なのか?何なのか?前半は分からないが(後半で分かる(印象が変わる)のでご安心を)、それにしても人の家にお邪魔して勝手に家中を物色したり、書斎(仕事場)を物色したり、挙句には最も危険な死霊館に無許可で侵入するトラブルメーカー。

 

 

まぁ押すなよ押すなよ!と言って押すのが日米の伝統芸なので・・まぁいいだろう。

 

 

作品の脚本・展開などは、よくあるアメリカの「お化け屋敷型ジェットコースターホラー」(←mAbの造語)

 

 

右回ればバケモノが驚かし、左を向けばバケモノが驚かし、観客を飽きさせないために内容よりも衝撃重視に作ってある。

とはいえ、自分的には余計な演出が多く、正直見応えがなかった。ジェームズ・ワン監督は悪魔祓いがテーマであっても深層ホラーに近く深みがあったし、私は彼の作品で『死霊館』シリーズにハマったわけだから、次の作品では再びメガホンをとることを願う。

 

 

 

脚本 〔13〕点

演技 〔14〕点

構成 〔14〕点

展開 〔13〕点

完成度〔13〕点

 

 

[67]点

 

 

 

______

 

 

 

英国映画

『イエスタデイ』

 

 

 

 

 

 

監督🎬

【ダニー・ボイル】

 

出演者

【ヒメーシュ・パテル】【リリー・ジェームズ】

【ジョエル・フライ】【エド・シーラン】

 

 

本編⏰[116]分

 

公開日[10月11日]

 

 

ロンドン五輪の開会式で芸術監督を務めた英国を代表する映画監督ダニー・ボイルの新作。

 

 

地球上に一斉に起きた12秒間ピッタシの大停電により、「何か」が起き、その「何か」によって全人類に表れた影響とは、

 

なぜか多くの歴史的人物の存在や功績が元々「なかったこと」になったことだ。

 

 

この作品は英国映画なので、英国を代表する物事がメインになる。例えば『ハリーポッター』がなかったことになっている等。となれば著者のJ・K・ローリング女史もハリポタを書き上げていないのだろうし、小説家になっていないのかな。

 

 

英国にゆかりのある人物が歴史から無くなった映画。

これがアメリカ版ならアメリカ、日本版なら日本で描写すればいい話。

 

 

ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズがもしいなかったら・・・実は書いてみてこっちの方が興味あるけど(^◇^;)

 

日本だったら坂本龍馬がいなかったら?ペリーが横須賀に来航しなかったら?という感じかな。

 

 

英国版なのでそれは勿論、【The Beatles】がもしいなかったら?が今作品。

 

 

その人物がいてこそ、作品が誕生し、そうして影響を受けて目標にして世に出て来た人物も多くいる。

 

 

今作のビートルズなんて特にそう。非常に多くの音楽人・文化人がビートルズに刺激を受けているでしょう。

 

 

ビートルズがいなければ、笑点の山田君は座布団を運んでいなかったかも知れない。

 

 

(この例えが分からない方はお父さんお母さん、お爺ちゃんお婆ちゃんに聞いてね。)

 

 

大停電によってビートルズそのものが「ないもの」になった。ただし安心してくれ誕生はしている。

 

 

ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリソン、リンゴ・スターの4人は存在する。

しかし4人はバンドを結成せずにすれ違う。おそらく同じ町(リヴァプール)に住む同世代という程度の関係性だろう。

 

 

(例えバンドを組まなくても、ポールなんて特に個人の能力で名をあげるほどの星の下に生まれていると思うが・・4人がイコールでなければ成功しないという表現で果たしていいだろうか?という疑問は今作に感じます)

 

 

そう考えれば、人が出会い、チームを結成するということは、偶然や運命ではなく、ただただ「奇跡」なんだと思えるのだが、今作には関係ない考えだと思う。映画の描写はもっとあっさりしたものだった。

 

 

大停電の後、売れないミュージシャンのインド系イギリス人の青年だけがビートルズを覚えていて、恋人や友人の前で名曲『イエスタディ』を弾き語りすると、皆口をポカーンとして「その曲いつ作ったの!?素晴らしいわ!!」と大興奮。

 

 

いやいやこの曲はポールが作った・・ビートルズの曲でしょ(^◇^;)

 

なにビートルズって?カブトムシの事?・・えっ?

 

いやいや信じないぞ(^◇^;)僕を騙してるんだろう。

 

帰宅しネットで検索しても、ビートルズは一切出てこない・・ってことは💡

 

 

主人公はその後、状況を知り、ビートルズの楽曲を楽譜に起こし、披露し続け、テレビ出演やアメリカ進出とビートルズの楽曲を引っさげて世界的に大成功する。自分自身が作ったものではないので心は晴れないが、ビートルズの楽曲を世間に残すためにも彼は歌い続ける。地位や名誉を掴んでも、単なる金儲けや私欲のためではなく、音楽人として尊敬の意を表しているのがいい。

 

 

そして好都合な脚本だが、ギターやピアノが弾けて楽譜が読める主人公でよかったと思う。あとは程々に歌唱力があって、インド系という事で見た目はイマイチだが、ビートルズのコピーシンガーとしてはかなりいい感じなのではないだろうか。

 

 

やがて多くのメディアでビートルズの楽曲を歌い続ける主人公を見て「謎の人物たち」が世界中から彼の元を訪ねてくる。分かっているのは彼らがビートルズを覚えているという事。メディアの前で「その曲、本当は誰が作ったのー??」。ビートルズの曲を自分が作った楽曲であると歌い続ける主人公は気が気ではない。

 

 

謎の人物たちの表情は一様に皆真顔で、白人なので、まるで奴等こそ停電を起こしたITで、ハリウッドのパニック映画によく出てくる人間に紛れた宇宙人みたいに観えて私は恐怖を感じました。

 

 

近年、英国初の流行となっているQUEENやエルトン・ジョン伝記映画のようなライブシーンを今作にも期待したが、前者の伝記映画ではなく、今作は第三者が歌うライブになるので「いい歌だな」くらいの感覚で終わった。

 

 

まぁ主人公が元々崇拝していたビートルズを世界中の人が知らない。という設定だし、その楽曲を自分の手で残したいという考えでステージに上がっているので、「いい歌だな」という感覚に私がなったのは、映画の感想としては主人公の望むことを代弁しているようで、それでいいと思う。

 

 

だけれど、ビートルズが其々の人生に無くても、人々は普通に生活していて世界は何も変わっていないので、寂しいと思ったし、もっと各設定を掘り下げて深みを付けてもよかったのではないか?替えの効かない存在みたいな描き方も敬意を込めてして欲しかった。

 

 

高額な著作権が発生するビートルズに手をつけるとは流石ダニー・ボイルといった感じだし、ビートルズ本人ではなくコピー歌手が歌えば安くなるという裏事情を『I am Sam』の制作秘話で観たのを思い出します。

 

 

 

最後に。

 

 

「誰を消すか?」という選択は制作側は難しかったと思います。劇中の数場面で、主人公はスマホやパソコンを使って検索していますが、最初の文に例で出したスティーブ・ジョブズを今作で消していたら、主人公はスマホで検索はできなかったでしょう。

 

 

もし私がアイデアを出せるなら、あえてスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツを消してしまいます。

その意図は、ビートルズが現役で活躍していたのは、人は雑誌やテレビや人伝や噂で妄想を広げ、そういう思いが昂ぶって本人に見たときに発狂や失神をした時代です。今作品の主人公はあまりに条件が揃っているので、携帯や電子機器がない時代に戻して今作品を作った方が魅力はあるのかも知れないと思ってしまいます。

 

 

ドラえもんの無敵アイテム「もしもボックス」を使った発想の映画。

 

 

 

脚本 〔13〕点

演技 〔14〕点

構成 〔14〕点

展開 〔13〕点

完成度〔14〕点

 

[68]点

 

 

______

 

 

 
 
 
シリーズ3作目
『ジョン・ウィック:パラベラム』
 
原題)John Wick:Chapter3-Parabellum
 
 
 
 
 

監督🎬

【チャド・スタエルスキ】

 

 

出演者

【キアヌ・リーヴス】【イアン・マクシェーン】【アンジェリカ・ヒューストン】

【ローレンス・フィッシュバーン】【ハル・ベリー】他

 

 

本編⏰[131]分

 

公開日[10月4日]

 
 
 
シリーズ3作目。1作目を鑑賞した時は、まさか続編を公開するとは予想できなかった。理由はキアヌ・リーブスに落ち目の感が否めなかったからだ。実際、日本での観客動員数もそれほどだったが、回を重ねると人気シリーズになっていく。
 
 
長くは語らないが『マトリックス』の最新作の製作も発表されたし、マトリのファンとしては【ローレンス・フィッシュバーン】との共演が今作の魅力。リーブスは旬を過ぎたと思っていたが、『コンスタンティン』以降悪たれをつくアクション俳優という地位を確立して銀幕に戻ってきた印象。
 
 
(「マトリ」って書くと「麻取」みたいだな。別に。)
 
 
最強の殺し屋だった主人公ジョン・ウィックは、のちに妻となる女性と出会いカタギに。しかし妻が病死し生きる希望を失う。妻が残してくれてた唯一の希望である仔犬も強盗に襲われ亡くし、そして再び裏社会に戻ってくる。業界に復帰した1作目。この裏社会には「ルール」があり、それを破ったことで超多額の懸賞金をかけられ全世界の殺し屋が彼の命を狙う。まだまだルールはシリーズが進むたびに追加されていきそうです。
 
 
今作パート3は鉄の掟を破ったことで懸賞首となってしまったジョン・ウィックが、国内外の殺し屋が手柄を立てようと襲いかかるスピードアクションになりますが、
 
 
よくガラスを割るなぁと、その印象しかないです。ほんと、確信犯なんじゃないかってくらいです。
 
 
え?キアヌ・リーブス??自分からガラスの方に飛び込んでない?
 
 
例えば、リアクション芸人が川の桟橋で、カメラが回っているのを確認して誤って川に落ちるみたいな感じで、なんだか自分からガラスの方に向かっていったように思える(笑)なのですごく作られた殺し屋アクション映画にも観えます。目の前のガラスを割れ!握りしめた拳でoh!
 
 
シリーズも3作品目のアクション映画となれば、設定の規模も膨らみ、観客にとっても設定や相関図を頭に入れて鑑賞できるようになるし、劇中でも過去を振り返るセリフが多く使われるようになる。
 
 
R15指定なので、殺傷シーンはリアルで、血吹雪、惨殺シーンは当たり前。殺し屋アクションなのでスピード感を大事にしているし、攻撃力はあるが防御力のない主人公。よく倒れる。しかしすぐに立ち上がる(笑)防御力がないのに怪我が少ないように見えるのでもっと生傷を増やして欲しいです。
 
 
個人的にも、おそらく鑑賞された方にも、今作で印象に残った殺害シーンは、馬の後ろ足を利用して敵を蹴り殺す遣り方。
敵を馬の後ろに立たせ、腹を叩き足蹴りさせる。馬をも操るとは恐るべき知識と殺害勘を持ってるなジョン・ウィック!!
実際に馬に蹴られたら顔が吹っ飛ぶほどで即死でしょから、なにぶんスピード感を大事にしている映画ですから一瞬の映像ですけど、すごくリアルだなぁと思いました。「よくガラスを割る」「馬を武器にする」この2つが私のシリーズ3の印象です。
 
 
 
脚本 〔14〕点

演技 〔14〕点

構成 〔15〕点

展開 〔13〕点

完成度〔14〕点

 

 

[70]点

 
 

______

 
 
 
アメリカ映画リメイク
『最高の人生の見つけ方』
 
 
 
 

監督🎬

【犬童一心】

 

出演者

【吉永小百合】【天海祐希】【ムロツヨシ】

【満島ひかり】【前川清】【賀来賢人】他

 

 

本編⏰[115]分

 

公開日[10月11日]

 
 
 
今作に限ったわけではなくいつも思うけれど、【満島ひかり】さんの涙を流す演技は本当に自然体で、目元を真っ赤にして、目は充血して、それなのに「強がるように」「堪えるように」涙をこぼすんですよね。自然体という点で言ったら日本で一番だと私は思います。
 
 
「泣きの演技」に定評のある女優だと涙を貯めてジワリとこぼすものですが、彼女の場合は、涙が目の奥から湧いてきて真下に溢れるよう見えるので「涙の量」も多いし、見ている側も「もらい泣き」しやすいし、この部分は本当に彼女の特権だと思います。
 
 
例えるなら子供。子供って涙の量が多いので、ワンワンヒックヒックと泣きますね。肩を震わせて。満島ひかりさんはそれ(子供)に近いです。そして涙は溢れてから手で拭いますので、手の甲が濡れるのもいいですね。ちょっとマニアックな目線でしたm(__)m
 
 
所属事務所を辞めたりなど色々あったようで久しぶりに銀幕で観ましたが、フリーランスとなり幅や質も増えるしオファーも増える。彼女の実力は間違いないので大きな活躍を期待します。
 
 
『最高の人生の見つけ方』は【モーガン・フリーマン】と【ジャック・ニコルソン】という超名優であり演技派俳優が共演したハリウッド映画です。
 
 
2人の名優がそれぞれ熟年の域に達した段階で製作されたので、演技的評価も高い作品であり、公開当時は劇場鑑賞しましたし、DVDを所持する私も何度も鑑賞しています。
 
 
富豪の男と庶民の男は共に末期癌で病院で出会います。富豪なので特別室になるのが普通ですが、「人生は奇なり」ですね、一般病室になったことから知り合うのが出会いのキッカケ。
 
 
富豪の男は金はあるが家庭には失敗していて孤独、庶民の男は貯金や収入は一般的だが家庭は幸せという設定です。
 
病室での出会いから連絡先を交換し、ある時「死ぬまでしたいリスト」に挑戦してみようとなります。
 
 
富豪の男の資金は膨大。リストを達成すべき世界中を飛び回ります。その度の道中では、血を吐いたり、「こんなことやってられるか!」と衝突したり、確実に病魔が襲いますが、2人ともが最後までリストをやり遂げるという信念を持ち行動を続けます。
 
 
そして忠実な秘書によって、それらの達成を見届けられます。映画は主に「2名+秘書」で構成。という映画でした。
 
 
このハリウッド映画を鑑賞された方にとっては、今作はほとんど同じ内容となるので、文字通り「日本版」という感じでしょう。違うのはモーガン・フリーマンが演じた役は幸せな家庭という設定でしたが、吉永小百合さん演じる専業主婦は引きこもりの息子がいて、定年後は家でダラダラしているだけの亭主がいて、腹で思っていることは多い。
 
 
死んでも死に切れないという正に「日本の女性」を描写にしている印象です。こういう(男性に尽くし世話をするという)主婦像の主人公って、アメリカとかイギリス映画ではまず見られないですもんね。
 
 
天海祐希さん演じるのは、原作のジャック・ニコルソンとほぼ同じ。大金持ちで地位も名誉も手に入れているが孤独で、疎遠となっている家族がいる。
 
 
余命宣告を受けた2人の女性は入院中に知り合い。連絡先を交換。病院で知り合った小児患者の「死ぬまでにしたいことノート」を、彼女に代わって私達で叶えましょうと意見が一致。余命を謳歌することに。資金は勿論女社長。エジプト行ったり京都行ったり若者のライブに行ったり・・←その映画のライブシーンは【ももいろクローバーZ】。MC中に偶然にもステージに上がっることになり丸々一曲楽曲に参加するという、この場面だけ現実的ではなかった。まぁ今作品の観客は女性や年配の方が多いと思うので、(若者のライブ=ももクロ)ちょうどいいのかも知れませんが。
 
 
(個人的には日向坂46にしてほしかったな。そうすれば国民的アイドルの格になるから。)
 
 
__
 
 
 
日本映画のドラマらしく「家族の再生」や「めぐり逢い」「友情」がテーマに合って、程よく感動もできるし・・悪い作品ではないですが、どうしても納得の出来ないと私が視ているのは、大スター【吉永小百合】さんの演技です。
 
 
個人的に思うのは【吉永小百合】さんって「隙」全くないんですよね。
 
 
大女優ですし、サユリストは熱狂的ですが、今回は専業主婦の役という観点で考えます。
 
 
くたびれた「初老の主婦」の背中を映す映像も、例えば合気道でいう「気(オーラ)」が出ていて、「只者じゃない」と視えて、とてもとても今作品の「一般家庭の専業主婦」という役柄は合わないと思います。(例えるなら【藤岡弘、】さんに近い背中)
 
極寒(過酷な環境で)のロケのイメージがあるし、歯を食いしばって生きてきた役柄を近年は映画で観ています。
 
 
なんだかそういう全ての経験や糧が「覚悟」などを全身から出しているように私には思えるし、演技中は目元を真上に「クワッ!」と見開く目力があるので、闘病中で周りに平然でいようと気丈に振る舞う表情という観点でも考えましたが、世の中に、こんなに「隙がない主婦」は多分いないと思うので、やはり女優の背中ですね。
 
 
【天海祐希】さんはこういう気丈な女性を演じるとピカイチですね。お体を壊されて報道もありましたから、病気の演技は(映画的に)期待しました。鬼気迫る演技が劇中に何度か魅れました。演技派女優としての格がさらに上がった印象を受けます。
 
 
金目当ての若い夫役を演じた【賀来賢人】さんは残念アンガイ。こういう鼻で笑うような憎たらしい演技をする俳優は探せばいるので、彼の個性が観たかったです。原作でも大好評の秘書役を演じた【ムロツヨシ】君は文句なし。ラストの涙は、ムロ君のお調子者の演者スタイルがあってこそ活きる緊張と緩和です。オンリーワン。
 
 
最後に。
 
 
逆はありますが、ハリウッド映画を日本映画がリメイクというのは稀。
ハリウッド作品を観てきた自分としては、今作をもし再びリメイクするなら原作と同じ男性にして欲しいです。
日本映画で女性が主役だと、男が子供みたいになります。男性って還暦を超えてからは社会から注目されなくなりますよね。
それに男の涙って同性としてはグッと来たりします。でも女性と違い男は年取ってから出来た親友の例はあまり聞きませんけど(^◇^;)
 
 
吉永小百合さん、天海祐希さんという、演技のタイプが対極にあって60・70代と40・50代あたりの映画スターで想像できるなら。。。
 
 
男優で私の組み合わせだったら、渡哲也さん、大泉洋さんが理想かな。
または田中泯さんと堺雅人さん。そしたら興行収入かなり行くはず。こういう想像・・楽しい( ^∀^)
 
 
 

脚本 〔13〕点

演技 〔13〕点

構成 〔14〕点

展開 〔14〕点

完成度〔14〕点

 

 

 

[68]点

 
 
 

______

 

 

 
 
『ジョーカー』
 

 

 

監督🎬

【トッド・フィリップス】

 

出演者

【ホアキン・フェニックス】【ロバート・デ・ニーロ】

【ザジー・ビーツ】

 

 

本編⏰[122]分

 

公開日[10月4日]

 

 
アカデミー賞で最有力となる作品の日本公開は2月3月が多いので、その時期になってノミネート作品を観て予想しようと思っているのですが、ジョーカー役を演じた故【リヴァー・フェニックス】の弟【ホアキン・フェニックス】の主演男優賞はほぼ間違い無いでしょう。これまでも何度となくノミネートしていますが、大方の予想通り初受賞すると思います。
 
 
バットマンの最大の好敵手であるジョーカーの創世秘話の物語(ドラマ)。
アメリカ映画の二大巨頭マーベルコミックとDCコミック。映画としての質の高さはDC。何度も関連記事で書いているのですが、mAbはDC映画が大好きです。
 
 
「ババ抜き」を想像してください。
 
最後まで持っていた人が負けです。
 
しかしゲーム中は有効利用します。
 
まだまだゲームの中盤なのに、ババを引くと、緊張します。
 
そうして「ヘッヘッヘッ」と腹で思いながら、輪の中のグループと駆け引きをしますね。
 
 
最強で最悪なカード。だけど最後は「お前なんかいらない」と思われる。お前なんか必要じゃない。お前なんか必要じゃない。声なきものたちよ群衆となり右手を上げろ!
 
 
 

脚本 〔16〕点

演技 〔15〕点

構成 〔15〕点

展開 〔14〕点

完成度〔15〕点

 

[75]点

 
 
 

______

 
 
 
日本映画
『スペシャルアクターズ』
 
 
 
 

監督🎬

【上田慎一郎】

 

出演者

【大澤数人】【河野宏樹】【淡梨】【小川未祐】

 

 

本編⏰[109]分

 

公開日[10月18日]

 

 

12年も前になるけれど、織田裕二さん主演の時代劇『椿三十郎』で、若侍役のキャストを完全オーディション選考にして、封を開けると殆どが無名の新人俳優だった映画が公開され「話題」になりました。

 

 

この当時の映画館は、今のような邦画中心のロードショウーではなく洋画が7割の状況でしたが、とてもエネルギーを感じました。

 

全国公開で上映される日本映画の場合、出演者のネームバリューが「最も大事」だということを幼心に理解した作品です。

 

 

ミニシアターで公開した『カメラを止めるな!』が空前のヒットとなり、内容よりもブロックバスターよりも、私が最も嬉しかったのは、出演するキャストが9割方初見の俳優だったことです。個人的には一番新鮮でした。

 

 

今回の上田監督の新作『スペシャルアクターズ』も同様で、鑑賞が始まると、まずは顔を覚える作業をしました。初めて見る俳優さんしか出演されていないからです。

 

 

ここまで見事に名前も顔も存じない俳優さんが出演されていると、それだけで好感を持てるし、今後もこの信念を貫いて欲しいです。上で名前を入力するときは、一文字一文字、漢字変換していました。

 

 

今作は面白いし、手も込んでいるけど、この先も筆頭が『カメラを止めるな!』になるでしょうから、カメ止め以上のヒット作が出ることは生涯ないでしょうね。同じ監督で三度ブームが来るという現象はあまりないと思います。

 
 
俳優を志す主人公は極度のあがり症で、追い詰められると気絶をしてしまうという、特殊体質。
 
そんな主人公はある時、偶然にも弟と再会します。2人とも地方から上京してきましたが、都内で会うなど連絡はしなかった模様。
 
 
主人公は所持金も貯金もなく家賃も滞納していて、どん底状態。そんな兄の状況を聞いた弟は、自分が勤めている「何でも屋」を紹介します。何でも屋と言っても便利屋ではなく、演劇集団によるパフォーマンス。
 
客席を埋めるサクラもそうですし、別れさせ屋、占い師など、依頼主の依頼に応じて様々な役になりきります。
 
初めはお金のためだった主人公も生き生きしてくる。「気絶の体質」も弟が会社にバレぬよう上手くカバーして名コンビに。
 
 
そして大きな依頼が訪れる。依頼主は女子高生。胡散臭い新興宗教団体に、両親が姉妹に遺した実家の旅館が乗っ取られそうになっていて、団体の本性を暴き、追い払って欲しいと依頼。依頼金の札束は両親の遺産。
 
主人公はじめスペシャルアクターズの一行は、新興宗教団体のセミナーに参加し入会。信者になりきることで内部潜入し、教祖や幹部らの化けの皮を剥がしていく。という展開と内容です。
 
 

ラストは余計に思える。色々と見せ場を作ろうと遊び心を魅せる脚本作りは素敵で、何度も言いますが初見の俳優さんが殆どでしたが、それを感じさせないテンポの良さと技術力の高さが魅力的です。劇場・ディスクなどで鑑賞くださいませ。

 

 
 

脚本 〔14〕点

演技 〔13〕点

構成 〔15〕点

展開 〔13〕点

完成度〔14〕点

 

[68]点

 
 
 

______

 
 
 
『ジェミニマン』
 
Geminiman
 

監督🎬

【アン・リー】

 

出演者

【ウィル・スミス】【メアリー・エリザベス・ウィンステッド】

【クライブ・オーウェン】【ベネディクト・ウォン】

 

 

本編⏰[117]分

 

公開日[10月25日]

 

 
アカデミー賞監督の【アン・リー】とヒットメーカー【ジェリー・ブラッカイマー】に、主演が90年代後期のスター俳優【ウィル・スミス】となれば自ずと期待する。
 
 
上で書いたキアヌ・リーブスもそうだが、40・50代のアクション俳優になれば、現役ではなく、引退した元殺し屋という設定になってくる。
 
冒頭ののどかな隠居生活が一変、殺し屋がやってきて、我が家を襲撃するパターンが多い。
 
 
今作の物語は、自分のクローンが自分を殺しにやってくる。
自分のクローンは若く全盛期の自分。今の自分は熟練だが各所に衰えを感じる。
 
見所は、何と言ってもウィル・スミス❌ウィル・スミスの「まさかの共演」。
同じ顔の俳優が2人いるのは正直気持ちが悪かったが、違和感はなかった。
 
アクションシーンは圧倒されるが、物語に深みが足りない。数あるアクション映画の1つに収まる印象。
 
 

脚本 〔14〕点

演技 〔14〕点

構成 〔13〕点

展開 〔13〕点

完成度〔15〕点

 

[69]点

 
 

______

 
 
 
 
『フッド:ザ・ビギニング』
 
原題)Robin Hood
 
 
 

監督🎬

【オットー・バサースト】

 

出演者

【タロン・エジャトン】【ジェイミー・フォックス】

【ベン・メンデルソーン】【イヴ・ヒューリン】【ジェイミー・ドーナン】

 

 

 

本編⏰[116]分

 

公開日[10月18日]

 
 
 
昨年の秋にアメリカならび海外で公開された作品で、『ロビンフッド』が大好きなmAbは心待ちにしていた。
主演は日本での公開作が続く【タロン・エジャトン】。演技的には可もなく不可もなしの俳優のイメージだが、今作はハマっていた。
 
 
牧場主の地主だったロビンフットは
戦争で出兵命令が下り戦地に出向き、そこで弓の名手となるが、何度となく九死に一生を得る。
 
 
帰国したロビンフットが目にしたのは、廃屋化した我が家と貧困にあえぐ町。そして愛する恋人が別の男と生活しているという衝撃的な事実。彼が戦死したと聞かされた恋人は、傷を癒すために新しい恋人を作ったのだ。
 
 
大ショック!!そんなロビンは戦地で戦い連れてこられた黒人奴隷と再会し、彼から戦い方を教わることに。
そして国が強制的に徴収する税金を奪い、その盗んだ金を貧しい町民たちにバラまく、石川五右衛門に。
 
やられっぱなしの国は対策として、最強のボディガードを雇い、盗賊ロビンフットを迎えうつ。
 
 
映像の迫力、アクションシーン、異論なし。
 
 
 

脚本 〔15〕点

演技 〔14〕点

構成 〔14〕点

展開 〔13〕点

完成度〔14〕点

 

 

[70]点

 
 
 
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【mAb】


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