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THE映画評論『2月鑑賞5作品:前期』

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日本映画

 

『AI崩壊』

 

 

 

 

監督🎬

【入江悠】

 

 

出演者

【大沢たかお】

【賀来賢人】【岩田剛典(三代目J SOUL BROTHERS他)】【広瀬アリス】【玉城ティナ】【高嶋政宏】【芦名星】【松嶋菜々子】【三浦友和】他

 

 

本編[131]分

 

公開日[1月31日]

 

 

主演【大沢たかお】さんの魅力は「良品質」の「安定感」だと思います。映画の格が上がる俳優です。

俳優を離れている時期は復帰を心待ちにしていたし、昨年の『キングダム』以降は体が大きくなり、アゴ周りの脂肪が年齢を感じさせます。これから徐々にシャープな体に戻していくのでしょうね( ^∀^)

 

 

では少し書きます。タイトル通り『AI崩壊』の近未来想定映画です。崩壊後は対義語となる『AI再建』出来るようにラストを締めてくるのかな?と期待して鑑賞に臨みました。

 

 

10年後。

2030年令和12年度の日本は国民の実に4割強が高齢者や生活保護者となります。という映画の背景です。

 

 

高齢者が全国民の半数になるということで、現実問題、人手不足が深刻となりますね。

そこで科学(機械)の出番です。医療人工知能「AIのぞみ」が利用者のデーターを管理するようになります。

 

 

大沢たかおさん演じる桐生博士は【松嶋菜々子】さん演じる妻と、この「のぞみ」を共同開発しました。

 

 

病死した妻の逝去後。桐生は会社を【賀来賢人】さん演じる義理の弟に託し、幼い娘を連れてシンガポールに移住。科学者ですが、海岸を走ったりしているので、その後の逃亡劇に備えて体力作りをしているようにも思えます(笑)

 

 

桐生の渡星後。AIのぞみは日本国民に広く普及し、非常に多くの国民にとって「なくてはならない存在」になりました。

病床で妻と話した希望の未来が実現したわけです。

 

 

利用者の身体を管理してくれる人工知能。病気の発覚も早期発見でき、多くの人の命を救い、健康を保つことを可能にしたAIのぞみ。

 

 

本社の前では機械の導入により職を失った者達や団体などが連日デモを行なっています。近未来SFドラマに有り勝ちな設定ですが皮肉なものですね。(明日は我が身かな(^◇^;))

 

 

そのAIが突如暴走を始めます。もちろん人間の仕業です→人工知能が勝手に暴走をするならば2100年ぐらいの設定になります。

 

 

記念式典に参加するため数年ぶりに開発者の桐生が娘と帰国したタイミングを見計らっての犯行でした。

 

 

式典には警察が警備にあたります。デモ隊が紛れ込んでいる情報が入っていたからです。

 

 

暴走を始めたのぞみ。国民の管理を行っている人工知能の暴走に多くの国民が混乱に陥ります。中でも心臓にペースメーカーが入っている現役総理大臣の急死はトップニュースです。

 

 

総理役は【余貴美子】さんが演じます・・女性初の総理大臣です!

 

 

2030年・・どうなっているんでしょうかね。関係ないけど、与党はどっちかな??なんて考えてしまいます。

 

 

EXILEグループの【岩田剛典】さん演じるエリート理事官が指揮をとり、超最先端の警視庁サイバーAIを駆使し、このAIテロの犯人を警察は桐生と断定。桐生の行動や言動は全て筒抜けになります。

 

 

もちろん、桐生は犯人ではないですから(^◇^;)そりゃぁ必死に逃げますよ!冤罪でも捕まれば死刑確定ですもん。

さらに本社地下にある「のぞみの心臓」には愛娘が逃げ遅れて閉じ込められる。社員一同で凡ゆる手を使っても扉が開きません。(頑丈なのはいいことだ)

 

 

機械ですから冷やす必要があります。室内の気温はどんどん下がっていく。娘の生命のカウントダウンが始まっている。

女性従業員達の「心ちゃーん」と呼びかける声が個人的に普通すぎて良かったです。

 

 

AIのぞみの暴走は利用停止だけに止まらず、「生死の選択」を始めるのです。

寿命や存在価値などを判別して、生か死を選ぶのです。娘の心は小学生と若いですが現在瀕死の状態中ですから、存在価値として死亡を選択されるわけです。

 

 

選りすぐりの技術者もお手上げ。修復できる人物は開発者の桐生のみ。しかしその桐生は警察に追われています。

 

 

追う警察は2パターン。

岩田剛典さん演じるサイバー課の理事官は分かり易くメガネを指でクイっと上げるワンパターンさが目立つ演技プラン。警察AIを駆使し何としてでも桐生を捕まえに動きます。

 

 

【三浦友和】さん【広瀬アリス】さんは足で動く青島タイプ。定年間近の刑事と新米刑事の即席コンビ。やはり青島タイプの刑事の方が人情(ドラマ)的には見易いですよね。

 

 

亡き妻と共に作った未来の日本人のための医療系人工知能。その妻が残してくれた最愛の一人娘。この2つの宝物の存在が桐生を突き動かします。全国指名手配。警察の完全監視の捕獲作戦。桐生は真冬の太平洋に飛び降り、AIのぞみの修復と娘救出のため突き進んでいく。

 

 

___

 

 

 

この映画で一番演技が光っていた俳優は賀来賢人さんです。

 

 

賀来賢人さんはクネクネした表現で人気俳優の仲間入りを果たしましたが、クネクネは器用でなければ出来ませんから、動きにキレがあるという「俊敏系俳優」になると私は視ています。それよりも、今回の作品を視ていて、40代や50代の実績も実力も兼ね備えた兄貴肌な先輩俳優が主役にいて、脇を固める2番手で演技をされる方が彼は評価されると視えます。主役よりも弟分的なキャラクターが合うと思うのですが。

 

 

総括としましては、中の中の中の日本映画でしょうか。映像や演出のスケールは大きいけれど、全てを見終わった後にバラシの犯人だったり物語の表現法に定番を感じすぎて、驚きも感動も少ない。

 

 

盗撮や盗聴をする警察の捜査員の中に、桐生が犯人ではないと疑う者がいないのも、逆に警察なにやってんだとも思いました(^_^;)桐生がテロや逃亡をする意味を警察や第三者目線で描かなければ映画としての深みは一切なくなってしまいます。

 

 

警察の徹底的な追跡と桐生の中盤の逃亡劇がこの映画の最大の見せ場になると思いますが、行く先々で警察の包囲網が万全にある様子が、これはもう完全に総理大臣暗殺テロ映画の『ゴールデンスランバー』越えの映像・迫力だと思ったし、その包囲網を掻い潜って、再三の九死に一生を得る主人公の様子は、まさにトム・クルーズみたいだなって目で見てました(笑)

 

 

とても迫力のある映画だなと思った反面、子供が閉じ込められるシーンや、黒幕の展開や用意されたセリフ(台本)の言い回しはワンパターンなので、まだまだ日本映画の枠に留まっている作風にも思えました。

 

 

追っ手が警察だけなので、もう1方向くらい謎の組織を登場させたら構成点は高くなったのかなと思います。

 

 

映画とは関係ありませんが、未来で頼りになるのは政府よりも企業や個人の方かもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

脚本 [14]点

演技 [13]点

構成 [14]点

展開 [14]点

完成度[13]点

 

[68]点

 

 

 

_____________

 

 

 

 

『ペット・セメタリー』

 

 

 

 

監督🎬

【ケヴィン・コルシュ】

【デニス・ウッドマイヤー】

 

 

出演者

【ジェイソン・クラーク】【エイミー・サイメッツ】【ジュデ・ローレンス】

【ジョン・リスゴー】

 

 

本編[101]分

公開日[1月17日]

 

 

 

原作は【スティーブン・キング】。

新作映画を書いてきた私にとって、語る頻度・機会の多い作家さん。

 

 

『ペット・セメタリー』の映画化は2回目。

1989年製作の映画を鑑賞していないので、見比べることなく真っ新な状態で鑑賞できました(^ ^)

 

 

まずタイトルを見て、セメタリーのスペルが1文字違いますから、これは映画のメッセージなんだと察し「ペットのお墓」と頭で訳せます。作中でスペル違いの理由をしっかり紹介していました。これも初見の醍醐味でしょう。原作小説や1989年版を見たよー!という人にとっては「何を今更」となるのでしょうから、探せる楽しみが1つ増えたという初見の利点。

 

 

S・キングの特徴は、都会ではなく田舎町の何気ない日常の中で起こっていく狂気になるので、今作もその世界観の中を浮遊しながら鑑賞に臨みます。

 

 

ボストンの都会からメーン州の田舎町に引っ越してきたクリード家は4人家族。診療医の主人公、妻、小学生の娘、幼児の息子。

 

 

クリード家の新居となる土地は曰く付きでした。家の周りの山も全部あなたのものです。

広大な土地付き物件とのことで羨ましい限りですが(笑)そこはやはり事故物件Σ(・□・;)

 

 

引っ越してきて早々。転校前で暇を持て余していた娘のエリーが山道から降りてくる(背丈)子供達を見かけます。

 

 

 

 

彼等(化け物たち)は何かの儀式を行なっているようで、楽器を鳴らしながら、手押し車に動物の死体を運んでいます。

 

(これが仮に老人の外見だったら、更に怖くなったはず。腰が曲がった老人って映像で見ると怖くないですか?)

 

 

彼等が去った後、興味を持ったエリーが足跡を辿っていくとお墓を発見。居合わせた隣宅の老人から「ペットのお墓だよ」と教わります。

 

 

展開が進み。飼っていた猫が亡くなります。父親は、上の老人から「埋めるのを手伝う」と言われ、その夜にこの土地に古くから起こるウルトラスーパーハイパースピリチュアル的なチカラの存在を知らされます。(例えが小学生Σ(・□・;))

 

 

かつて先住民族インディアンが土地を捨て逃げ出したほど、強力なチカラを宿した土地があるとのこと。

 

 

老人は「それを行うのはタブー」と前置きで伝えながら、父親にそのタブーを教えます。死者を生き返させる儀式です。

 

 

死んだ生き物を、その場所に連れていき、埋葬すると、翌日には自分の元に戻って来るというのです。

 

しかし戻ってきた者が何者なのか?は誰にも分かりません。

 

 

父親は死んだペットの猫をその場所に埋めます。

 

すると翌朝。埋葬したはずの猫は自宅に戻っていました。鋭い目を父親に向けながら。。。

 

 

___

 

 

 

この作品をノンビリ(広々)観たくて、私がTOHOシネコンで一番美しいと思っているTOHO日比谷の21時台の回を鑑賞しました。

 

 

通常TOHO日比谷はどの作品でも混んでいますが、21時や22時台の遅い最終回も上映されますので、ジャンルによっては貸切状態で鑑賞できます。JRは終電が24時台なので、終電ギリギリまで上映されているんでしょうけど、大抵の人は余裕を持って帰宅しますもんね。なので比較的空いています。こういう時間帯に大都会の中心で劇場鑑賞できるのは、ロードバイカーの特権かな(^◇^;)

 

 

S・キング映画で私が常に抱くのは、前半の入り方とか発想はいいんですけど、中盤以降は似たり寄ったりの作風が目立つんですよね。面白いけど最後までその気持ちを持続させてくれない、という感じですかね。今回も転入前のエリーがペットの死骸を運ぶ集団に出くわした時の雰囲気は大物作品の誕生を期待しましたが、やはり鑑賞後は「まぁこんなものかな」で終わってしまったのです。

 

 

少々残念なのは・・ここは重要。ヒロイン役の【ジェデ・ローレンス】という子役さんに、そこまでの演技力がなかったことでしょうか。子供らしい表現力はありますが演技力はそこまでと視ます。私は子役の「俳優としての成長」を視ていくことが趣味であり、それを映画冥利と思っているので、子役さんをしっかり視ます。小動物系の顔立ちで、可愛らしい子役さんですが、そこまでの可能性を感じなかったのが残念です。怖い顔(別人格)の演技をするので、ジュデさんだとハマりすぎて顔付きがきつくなる。もう少し丸顔の子役さんを選出した方がギャップは出るかも。

 

 

アメリカンホラーの特徴である「驚かし」が多めの作風で、お化け屋敷な仕掛けが随所にありますが、すごく怖いとか、すごく驚くなどの展開は少ないので、S・キングの深層心理的な発想力を冷静に観れる作品でもありました。

DVDなどで是非とも鑑賞ください(๑╹ω╹๑ )

 

 

 

 

 

脚本 [14]点

演技 [13]点

構成 [14]点

展開 [13]点

完成度[13]点

 

[67]点

 

 

 

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日本映画

『ヲタクに恋は難しい』

 

 

 

 

監督🎬

【福田雄一】

 

 

出演者

【高畑充希】【山崎賢人】

【斎藤工】【菜々緒】【賀来賢人】

【若月佑美】【今田美桜】【ムロツヨシ】【佐藤二朗】他

 

 

本編[114]分

公開日[2月7日]

 

 

人気漫画の映像化作品のようです。以前は漫画大好き人間でしたが、漫画の読書を完全に断ってから5年以上経つので、今となっては全然分からないです(^◇^;)でも流行作品は分からなくても音楽や俳優の知識は十分にありますので( ^ω^ )そこは語れます。

 

 

映画を観ている最中に少々疑問に思ったのが、方向性は完璧か?という抑のこと。

この主人公2人は、それぞれにキャラが立って独立性が十分ですから、そこまで恋愛方向に固執させなくても成立しているんじゃないかな?逆に恋愛描写に持っていくことで俳優の存在感(誰でもいいんじゃないのか?感)が低くなっているように思えます。

 

 

監督はポップ映画で現在最もお客を呼べる監督【福田雄一】氏ですし、監督作品にゆかりの強いムロツヨシ君や賀来賢人さん、佐藤二朗さん等の常連組は今作品も健在。

 

 

 

もはや女優は可愛い・無口だけではなく、面白さ・ユーモアもなければ生き残れない「今の時代」を作った監督と言っても過言ではないでしょう。今の時代は殆どの女優(主に10代・20代)が白目を剥きます(笑)。なので清純派の女優が熱演したとしても「殻を破った」という見方にはなりにくいんですよね。時代のせいでΣ(・□・;)

 

 

女優だけではなく男優もそうですね。2枚目だけでは生き残れない時代です。

 

 

山崎賢人さんもその1人。『斉木楠雄の災難』で男性人気も獲得しましたし、私も斉木楠雄からアイドル俳優のイメージを脱却しました。上から目線になってしまいますが、見直しましたしプチファンになりました。イメージとしては山崎賢人・福士蒼汰がセットとして一時代を席巻しましたが、コメディ要素の殻を破ることができた山崎賢人さんは今後も安泰でしょうね。1作1良質タイプの佐藤健クラスになると予想します。

 

 

無駄話ばかりですみません。話を戻しますが、別にこの作品を恋愛映画にする必要性は感じませんでしたし、そこは福田作風の色に染め通して欲しかったです。恋愛映画にするなら、あえて笑い控えめに持っていけばギャップになるだろうし、結局は福田作品や常連俳優目当ての観客を喜ばせる方向に作風を持って行っているので、好きな人は好きの評価で収まる。

 

 

佐藤二朗さんやムロ君が喋るだけで、一部の観客席から笑い声が聞こえてきますが、そういうファンの方は売り手には有り難いですよね。

 

 

ヒロインの【高畑充希】さんは、10年ほど前に『ピーターパン』を観劇したことがあり、映画に出始めの頃の映画評論ではミュージカル女優として紹介していました。しかし今作品のミュージカルは私の気持ちとしてはクオリティが低いと思いました。主人公が話の途中にいきなり歌い出すという所謂「ミュージカルの演出」が苦手な方には不向き?

日本語の歌詞は日本人の声帯的にミュージカルには合いませんが、もう少し彼女の背丈や音域に合った曲調にして上げてほしかったかな。

 

 

 

映画の進行を止めてまでミュージカルを差し込む必要性はあったのだろうか?和製ララランドは見窄らしく観えてしまいます。

それに対して男性陣はヲタ芸を見せたり、躍動感もあるから男女比で高低差が激しくなる映画でした。

 

 

福田雄一作品は面白いけど「一緒くた」なのでメイン料理ではないんです。

 

 

例えば、座席に座った観客の自分の前には、大きな中華テーブル(回るアレ)があって、それを挟んでスクリーンを観ると想像してください。食事をしながら映画を見るという感じです。

 

 

スクリーンに本編が映し出されました。

そのタイミングで、次々に色とりどりバレエティ色豊かな・・中華料理が運ばれてきます。フレンチではないかな。

 

 

私は油ギトギトの肉の塊にかぶり付いたり、飲茶をフーフーしたりして、ついつい食事に夢中になるんですけど、本当の目的がテーブルの向こうの映画だと知りつつも、目の前のものにばかり気を取られてフェニッシュに。でもお腹一杯になって帰る(笑)という感じです。

 

 

 

 

面白いは面白いし、出演者の華(オーラ)は視えるのですが、逆に演技が下手な俳優が少なくて残念です。それはいいことに思えるかも知れませんが、どの映画でも集団演劇だと1人は下手はいるものですが、今作品はいませんね。

 

 

強いて言えば菜々緒さんと若チュキが低音を強めに発声する女優なので声だけ聞けば下手の部類に入りますが、今作はそこまで気になりませんし、それゆえ全体的に手慣れた感がとても分かり易く感じてしまう仕上がりに。

 

 

日本の文化カルチャーを愛する外国人は多いでしょうから、その観点から考えると外国受けする作品になると思います。

日本の最近のコミカルでシュールな作風は正にアニメの中の世界観が立体的に動き出しているし、世界的に観ても独特でしょう。私がインド映画を見てカルチャーショックを受けるみたいな感じなのかな。全然違うか(^^;;)

 

 

とりあえず『フクダ(監督)に恋愛映画は難しい』と言った感じでしょうか。最敬具。

 

 

 

 

 

脚本 [13]点

演技 [13]点

構成 [14]点

展開 [13]点

完成度[14]点

 

[67]点

 

 

 

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ジャパニーズホラー

『犬鳴村』

 

 

 

 

 

監督🎬

【清水崇】

 

 

出演者

【三吉彩花】【坂東龍汰】

【奥菜恵】【石橋蓮司】【高嶋政伸】【高島礼子】他

 

 

本編[108]分

公開日[2月7日]

 

 

「犬鳴村」は福岡県にかつて実在した集落で、ダムに沈んだ村として地図からは消されています。

ダムに沈んだ村発信のホラー映画ですと『のぞきめ』を思い浮かべます。

 

 

個人的にもとても興味がありまして、旅行先でダムを訪れるたびにコーディネーターの方に「ダムが建設される前」の様子を聞くことがしょっちゅう。そこには村や町やお墓があったでしょう。

 

 

信じるか信じないかは貴方次第、の都市伝説であり、九州地方最恐の心霊スポットとして有名なのは「犬鳴村」。

 

 

名前はもちろん知っていましたが詳しい知識はありません。私は関東の人間なので関東の心霊スポットの知識はあります。

職場には九州出身のスタッフが数人いるので尋ねてみると、九州の若年層なら殆どが知っているそうです。

 

 

今回の映画を観た後に、犬鳴村伝説をWikipediaを読んでみると、映画の劇中に登場する描写の殆どが表記されていました。 → Wikipedia

 

 

ということは九州の人にはお馴染みの話なんでしょうね。

 

 

主演の【三吉彩花】さん[23]をメインで初めて銀幕で見たのは大泉洋さん主演映画の『グッモーエビアン!』でした。約8年前のこと。昨年の『ダンス・ウィズ・ミー』も鑑賞しましたけど、自分の中では特別視する女優とは思いません。顔立ち的に成海璃子さんを彷彿とさせるので、未だに間違えてしまいます(^◇^;)モデルとしては日本のトップクラスですので、課題は表現力の成長ですかね。演技力はあると視ているので、繊細な表情(顔のパターン)を映像に表れるように研究して欲しいです。あとは割と内々から

込み上げるようにセリフを言うタイプの女優ですので、地団駄を踏むような身振りだとキレが悪く見えるので直した方がいいです。

 

 

私がこの映画で一番面白かったのは、心療内科の女医である主人公の設定です。

霊感のある女医✖️病院勤務って最強の組み合わせ!!

 

 

霊感のない主人公よりも霊感のある主人公の方が話が早いのでいいですよね。

幽霊なんか居ないよ〜というキャラの人間だと論より証拠の幽霊映像をシーンで用意しなければなりませんが、主人公は霊体質なので生者と死者の区別・状況察知が早くて楽。

 

 

 

そんな主人公ですが、1人の患者の男児に手こずっています。

「あの子の担当変わりたい」と口にするほど、その子には常に女性の霊が憑いています。

それで少年の目線の先を追うと、案の定バーンと登場!!そんな風に事あるごとに感知してしまう霊感体質の持ち主です。

 

 

幼少期から幽霊は沢山見てきたでしょう。見て見ぬ振りをしながら、過ごしてきたのしょう。

 

 

でもここで思うのが、そういう設定なのに、バケモノを見るたび、こんなにヒッ!やワーキャー言うなら、病院勤務の女医に向いてないんじゃないの主人公??Σ(・□・;)と思ってしまうのです。

 

 

これで悪霊退散などの能力が備わっていたり、数珠などのアイテムを身につけていればいいのですが、主人公は霊が視えて、時には対話できる程度です。なーんだつまらないと思いました(中盤まで)。これが逆に幽霊が登場してもガンガン突き進むドS(アメリカンホラー)の主人公像にした方が斬新かも知れませんね。

 

 

物語の起点となる映画冒頭。心霊スポットで動画撮影しているバカップルが、案の定なにかに遭遇し命からがら帰宅。それで彼女の精神がおかしくなってしまいましたよ、という紹介から始まります。

 

 

翌日カメラを回していた彼氏は、実家に帰ってきた心療内科医の妹に彼女を診せます。彼女は聞き覚えのない民歌を歌いながら、フラフラしています。そして目を離している間に、外に出て行き、探しに出た主人公の目の前で飛び降り自殺をします。死因はなぜか溺死です。

 

 

この死因は公表されず【石橋蓮司】さん演じる医者と【高嶋政伸】さん演じる2人の父親だけがそれを知ります。

高嶋政伸さんということで演技の癖は強めになっています。ここ最近の高嶋兄弟の癖の強さは凄いですね。

 

 

2人の会話。かつて同じ死因の変死体がこの町から発見され、その当時のことを知るのはもう俺たち2人だけだとヒソヒソ話をしています。(犬鳴村の存在を知る老人は沢山いても、変死体を知る人は上の2人しか生き残っていない、という会話の意味です))

 

 

田舎の町の葬儀の様子も他の低予算ホラー映画だと作れない規模です。さすが日本が誇るホラー界の大御所・清水崇監督。

 

 

彼女が亡くなったことで失意の中にいる主人公の兄。動画投稿のために心霊スポットで撮影して呪い殺された、という流れですから、自己責任でしょう(T ^ T)

 

 

さらに彼女の荷物の中から母子手帳を発見。悲しみが狂気に変わり、後輩を連れて犬鳴村に再訪します。

上下関係のしっかりある福岡ヤンキー。先輩の「行くぞ」に巻き添えを食った田舎の後輩、なんだか可哀想だったなぁ。

 

 

 

 

(マジやってやんよ!で突入して返り討ちに)

 

 

そして兄がいなくなった、おまけに兄に憑いて行った小学生の弟もいなくなった。

 

 

 

 

(高島礼子さんの内股が気になります)

 

 

子供が行方不明になりパニック状態でトンネルの向こうに行こうとする【高島礼子】さん演じる母親が、止めに入った警察官や夫に獣のように牙を剥く。それ以降、おかしくなり、食事の姿勢は四つん這い。こんな高島礼子さんは見たことない!!

 

 

元々寡黙で秘密主義の父親は電気も点けずに薄暗い家の中に引き篭もる。家族バラバラ。ココロバラバラ。

 

 

真相解明にこそ兄弟を救える手があるんではないかと動く主人公。これぞ清水崇監督作品。

そんな時に主人公の前に現れる犬鳴村の幽霊ボーイ!

 

 

真相の先に見えてくるものとは何か?生きて往く意味を知れ!!

 

 

主人公は完全に取り憑かれ心身とも疲弊していきます。まぁこんなの目の前に現れ続けたら、誰だって頭おかしくなっちゃいますよね(^◇^;)

 

 

 

 

(彼女の上着はサーモンピンク!!)

 

 

私のホラー映画の物語文は毎回こんな感じでイカれてますが、ネタバレを書くつもりはないので、そのぶん多少の含みを文面の中にもたせます。正確な描写を気になった方は鑑賞されてください。

 

 

____

 

 

最後。

 

 

私が好きな日本のホラー映画は優香さん主演の『輪廻』という作品です。2005年の作品なので、もう15年前になりますが、20代になりたてだった私はこの作品の想像性に夢中になりました。

 

 

この映画『犬鳴村』も描写的には『輪廻』と同じですが、と言っても日本のホラー映画の脚本は神道ではなく、基本は仏教に通じるように描かれるので似るんですよね。

 

 

(神道ホラーだと陰陽師や祟りなど、少々歴史の重さで描かれることが多い)

 

 

もう1度載せさせて頂きますが、映画以上に、この心霊写真風のチラシが一番センスあると思います。

 

 

 

 

(ちょっとアゴがシャクれてる心霊写真だな(笑))

 

 

犬鳴村トンネルの犬鳴村側から心霊写真の向きにしているのもベリーグッドです。入ったら飲み込んでしまうってか!!

 

 

もう少しだけ注文するなら、合成にはしないで、本物を撮影してきて使用して欲しいです。

 

 

実際の犬鳴トンネルの前に霊感の強いスタッフを1週間くらい放置させて、写真を撮らせまくれば最低でもオーブくらいは写るだろうし、それか1週間後のスタッフの表情を写した姿をチラシにすればリアルじゃない??・・・ってそんなの無理か。

 

 

昔は本物の心霊写真や心霊映像を使用しているとかで、それを流したテレビ局に抗議が殺到したなどありましたよね。こういうホラー映画はお祓いもしっかりした上で撮影しているし、多少攻めてもいい気がします。

 

 

余談に。例年、TOHOシネコンで公開される日本のホラー映画は年に1・2本でしたが、今年は『シライサン』に憑いで既に2作品目。上にも書きましたが私のホラー映画の物語文は毎回こんな感じでイカれてますが・・実は一番描いてて楽しいジャンルですから、今年も残り9ヶ月。多く書きたいです。

 

 

 

 

 

脚本 [13]点

演技 [13]点

構成 [13]点

展開 [14]点

完成度[13]点

 

[66]点

 

 

 

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英米映画

『1917 命をかけた伝令』

 

 

 

 

 

監督🎬

【サム・メンデス】

 

 

出演者

【ジョージ・マッケイ】【ディーン=チャールズ・チャップマン】

【マーク・ストロング】【コリン・ファース】【ベネディクト・カンバーバッチ】

 

 

本編[119]分

公開日[2月14日]

 

 

 

結果論ではございますが。

韓国映画の『パラサイト』が歴史的快挙の作品賞受賞を成し遂げましたが、私は声(文字)を大にして、『1917』が作品賞だと書きたい

 

 

正直、ここまで言葉に詰まるほどの感動興奮を覚えた映画は、自分史上ないです。

 

感動は、作品内容よりも、技術力に直面できる映像の中で終始感じることが出来ました。

 

この映画を映画館で見ることが出来て、非常に満足感・幸福感を得ています。

 

 

『1917』の最大の売り込みは、全編ワンカット撮影です。名伯楽サム・メンデスも凄い試みをしましたね。

最初から最後までカメラを回し、大きな編集もなく、119分の本編中119分がワンカットということ。

 

それ故に「絶対に失敗できない」「失敗したらやり直し」という重圧が作品内に漂うはずですが、今作品を見ていてそういったワンカット撮影の風景というものを感じないことがとにかく素晴らしいです。

 

 

クライマックスシーンになりますが指揮官の下に伝令を届ける主人公の総攻撃する兵隊を横切りながら走る正面カットは、私mAb史上、最も魅了されたシーンとなり、観ている数分間はワナワナと体を震わしました。「なんだこの映像は!?」「すごすぎる!?」こんな言葉しか出てきません(笑)。

 

 

脚本は戦争映画としては平均な物語だと思います。

第一次世界大戦下の連合国(英国陸軍)とドイツ軍との陸上戦。戦争の舞台にされるのはフランスです。

 

 

ドイツ軍が後退していることで、前線にいる連合軍はこの機を逃すまいと一気に潰しにかかろうと翌日の進撃に備えている状況。

しかしそれはドイツ軍の戦略であり、進撃してきたところを狙って1万以上の連合軍の命を罠にかけているのだと、英国の航空偵察によって発覚する。

 

 

進撃を中止にしなければ連合軍は壊滅的な被害を受ける。しかし肝心なところで電話線が切れてしまったΣ(・□・;)

 

そこで英軍の将軍は2人の部下に、前線のマッケンジー大佐に直接この作戦中止を伝えよという指令を出します。

 

 

2人は張り巡らされた有刺鉄線を超えドイツ軍側へ足を踏み入れていく。

 

 

 

ワンカットなのにどうして出せる?この緊迫感に緊張感。史上最高の映像が続きます。

日本で公開されたアメリカ(英米)の戦争映画は殆ど劇場鑑賞してきましたが、アカデミー賞を総なめにしたスピルバーグの『プライベート・ライアン』に負けず劣らずの映像が、2人の俳優と画面に映らない大勢の裏方によって表れています。

 

 

負傷を負い気絶し、日が暮れる辺りの映像は、少々飛び飛び(主人公の朦朧さ)の展開になっていましたが、それはワンカット撮影という意識が強くあるから気になるだけで、ハリウッド映画の削ぎ落としだと思えば充分に観ることが出来ます。

 

 

要所要所で登場する将校たちが英国を代表する俳優だったり、その大物俳優たちもワンカット撮影に自分の出番のテンポ・タイミングを完璧に合わせているので、まさに一寸の狂いものない部分出演で役者魂を強く感じます。

 

 

中でも私が好きなシーンは、戦地の舞台にされてしまった地元のフランス民の女性と主人公が出会うシーンです。

戦争映画には地元の外国人と出会い、言葉の通じないやり取りを魅せるシーンを用意することがありますが、これすらも完璧。「ここにいたらいいよ」使命を全うする去り際の一期一会。

 

 

そして戦死した兵隊が川に浮かんでいますが、これがワンカット撮影だとは一縷も思えないクオリティで・・・とにかくビックリしの連続です。この死体がエキストラなのか作り物なのか?は情報を仕入れていませんが、生身の人間だとしたら、「イテッ(アウチ)!」とか踏まれた条件反射で動きそうですもん。全身全霊の119分。この作品に関わった俳優・製作・制作の魂の119分。

 

 

 

作品を観てから1ヶ月ほど経ちますが、気持ちの熱は冷めないまま、

どうしてこの作品がアカデミー賞作品賞・監督賞を受賞しなかったのだろう?と今でも思います。

 

 

(視聴効果賞・撮影賞・録音賞の3部門を受賞)

 

 

 

素晴らしい!素晴らしい!素晴らしい!!

 

 

もう一回書かせて・・・

 

 

素晴らしい!!

 

 

 

 

 

 

脚本 [13]点

演技 [18]点

構成 [18]点

展開 [16]点

完成度[17]点

 

[82]点

 

 

_____________

 

 

 

現在COVID-19のウイルス感染の対策として、109シネマとイオンシネマでは、1席開けての販売とし並びの席は販売しないことや、レイトショー(20時以降)の上映中止を判断されました。(レイトショーは観客が少ないので、削るならば夕方の回にして、その間4時間ほどを消毒の時間にした方が利口だと思います。)

 

 

私が足繁く通うTOHOシネコンでは、現在そのような処置はないようなので、映画館は春休み並みに混雑しております。

 

 

新型コロナウイルス感染予防対策へのご協力について

ご来館のお客様へ

○ 劇場入口・ロビーに消毒液を設置しておりますので、ご利用ください。

○ 体調が悪くなられた場合は、お近くの従業員にお声がけください。

当劇場におきましては、出勤時の体温検査等、従業員への健康管理の実施、館内衛生の維持に努めております。予防措置として従業員のマスク着用を認めておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 ← TOHOシネマズ

 

 

もちろん作品によって劇場によって、観客が入っていないシネコンは入っていないです。

 

 

TOHOシネコンは東京に集中していますので、今後もしもが起これば、その時はそうなるのでしょう。

 

 

今年は断言できますが、当たり年です。いい作品が多く上映されています。

指定席や時間帯などを考慮して頂き、あなたの好きな映画に出会ってくださいね。

 

 

 

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【mAb】


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